キャッシュフロー経営の重要性が説かれ始めてから久しい。最近では資金の使い道を「キャピタル・アロケーション」や「キャッシュ・アロケーション」と呼び(以下、「キャッシュ・アロケーション」で統一)、これを投資家に説明する上場会社が増えてきた。投資家にキャッシュ・アロケーションの方針を説得的に説明できなければ、「資金を眠らせておくくらいなら株主に返せ」とばかりに、投資家から配当や自社株買いを強く求められることになる。
キャピタル・アロケーション : 調達した資金、事業活動を通じて得た資金をどこに投資するか、どのように使うかを判断すること
株主に対するキャッシュ・アロケーションの説明が不足しているとしてアクティビストから糾弾されているのが、印刷インキで世界トップのシェアを誇る化学メーカーDIC(東証プライム)だ。
DICは2024年2月に下記のキャッシュ・アロケーション方針を示している。
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一見しただけでは、投資家がどこに「説明が足りない」との不満を感じているのかは分からない。それを理解する鍵となるのが、・・・
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