親会社や大株主を有する上場会社では、支配的な株主とそうでない一般株主との間に構造的な利益相反が生じるおそれがある。その調整役として重要な役割を担うのが独立社外取締役だ。東証が定める独立性基準を踏まえ、上場会社が独立役員として指定(*)した社外取締役には、経営陣や支配的な株主から独立した立場で、一般株主の利益にも配慮しながら、取締役会の意思決定を監督することが期待される。
* 上場会社は、一般株主保護のため、独立役員(一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役または社外監査役)を1名以上確保する義務を負う(東証上場規程436条の2)。また、取締役である独立役員を1名以上確保するよう努めなければならない(同445条の4)。
もっとも、独立社外取締役が経営陣や支配的な株主から十分に独立していなければ監督機能が形骸化し、少数株主が不利な立場に置かれかねない。
こうした課題を踏まえ、東証は上場規則を改正し、独立役員の「実質的な」独立性を高めるとともに、投資家がその独立性を判断できるよう、独立性基準および属性情報の開示ルールを見直した。改正規則は既に2026年7月10日より施行されている(適用日については後述)。本稿では、改正規則の内容と上場会社に求められる対応を、前・後編に分けて解説する。・・・
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