上場維持基準に関する経過措置が終了(*)したことに伴い、プライム市場上場会社の中には、同市場の上場維持基準への適合を目指すのか、あるいはスタンダード市場に市場区分を変更するのか、判断を迫られる会社が出ている。
* 上場維持基準に関する経過措置の終了に伴い、2025年3月1日以後に到来する上場維持基準の判定に関する基準日(判定基準日)から本来の上場維持基準が適用されている。判定基準日において上場維持基準に適合していない会社は、原則として1年間(売買高基準に関しては6か月間)の改善期間に入り、改善期間内に基準に適合しない場合は監理銘柄・整理銘柄に指定(合わせて原則6か月間)後、上場廃止となる。プライム市場では、上場維持基準に適合できない可能性が高まった会社が、上場廃止を回避するため、スタンダード市場への市場区分変更を選ぶ事例が相次いでいる(東証の市場区分変更についての資料はこちら)。また、プライム市場上場会社に限らず、他の証券取引所への重複上場により、上場会社としての地位の維持を図る事例もみられる。
市場区分を変更すれば、株式の流動性や投資家層が変化し、機関投資家の投資対象としての位置付けにも影響が及ぶ可能性がある。また、会社の対外的な信用や、求められるガバナンス水準も変わることが想定される。そのため、上場維持基準に抵触する可能性が高くなったプライム市場上場会社がスタンダード市場への市場区分変更(以下、市場区分変更)を東証に申請するかどうかを決める際には、当然ながら取締役会での十分な審議を経る必要がある。
ところが、市場区分変更の議案が初めて上程された取締役会で、複数の取締役から「現時点では判断できない」との意見が出ていたにもかかわらず、その日のうちに市場区分変更を決議したことを株主から問題視されているのが、・・・
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