東京国際大学教授
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター招聘研究員
吉村 一男
食べログ、価格.comを運営するカカクコム(東証プライム)を巡り、欧州系投資ファンドEQTと、ベインキャピタル・LINEヤフー連合(ベイン・LINEヤフー連合)による争奪戦が続いている。
2026年5月にEQTが大株主デジタルガレージ(DG)・KDDIの同意を得て1株3,000円でTOBを開始したのを皮切りに、7月1日には、LINEヤフーがベインキャピタルと共同で1株最大3,500円を提案。これを受け、EQTが7月17日に3,450円へ引き上げると、7月29日にはベイン・LINEヤフー連合が「KDDIの協力」を条件に最大3,640円まで再度引き上げる(後述)など、両陣営が交互に買収価格を更新し合う展開が続いてきた。EQTは、8月13日に3,570円、8月27日にはTOB期間の延長にあわせて3,571円へと引き上げ、さらに9月10日には4度目の引き上げとなる3,680円を提示し、初めてベイン・LINEヤフー連合のその時点での上限(3,640円)を上回った。しかし9月16日、ベイン・LINEヤフー連合はKDDIの協力が得られる場合は3,720円、得られない場合は3,597円へと再び引き上げ、協力が得られるケースでは再度EQTを上回っている。
カカクコムの大株主オアシス・マネジメント(保有比率約19.5%)が8月19日に、買収価格が3,640円を下回ればTOBに応募しない意向を公表(後述)したことも、両陣営の価格競争を後押しした一因とみられる。では、買収者はどこまで価格を引き上げられるのだろうか。その上限を考えるうえでの手がかりとなるのが、・・・
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