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TOBと自己株式取得を併用するメリットと留意点

2025年のTOB(株式公開買付け)件数が届出ベースで136件と過去最多(M&A Onlineの集計による)となる中、最近目に付くようになったのが、買収対象会社による自己株式取得を組み合わせるパターンだ。これは、「買収者」がTOBを通じて一般株主から例えば1株10,000円で株式を買い付ける一方、親会社などの大株主である法人(以下、大株主)が保有する株式は、「買収対象会社」が、TOB価格より低い、例えば1株7,000円で自己株式として買い戻すというもの。


TOB : 買付価格や買付期間、買付株数などの条件をあらかじめ公表したうえで、不特定多数の株主から市場外で株式を買い付ける手続きをいう。

TOBと自己株式取得の併用スキーム
取得方法 売主 売却先 取引価格
TOB 一般株主 買収者 自己株式取得より高い価格
(例えば10,000円)
自己株式取得 親会社などの法人株主 買収対象会社 TOBより低い価格
(例えば7,000円)

一見すると、大株主にとっては、TOBに応募せず、より低い価格で自己株式取得に応じることは不利にも思える。また、同じ会社の株式でありながら、なぜ一般株主と大株主で売却価格が異なるのかという疑問も生じる。上場会社は、他社の上場子会社の買収、自社の上場子会社の売却、あるいは自社を対象とするTOBで、このような取引の当事者となり得るだけに、役員としては、売却価格に差が生じる理由を理解しておく必要がある。・・・

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