今年6月1日から適用される予定のコーポレートガバナンス・コードでも「2名以上の独立社外取締役の選任」が求められているように、社外取締役の導入は日本企業にとって重要な課題となっている。では、実際のところ、社外取締役は日本企業にどのように役立つのだろうか。企業サイドからは、社外取締役を置く効果を疑問視する声が一部聞かれるのも事実である。
“社外取締役先進国”の米国では、取締役会の過半数を社外取締役が占めているが、その大きな役割は「CEOの監視」である。すなわち、社外取締役は、CEOが暴走しないようチェックしている。現に米国企業では、社外取締役が過半数を占めていることが効いて、CEOは暴走することができない。
一方、日本企業では、社外取締役が少数であるため、そもそもCEOの暴走を止めることはできない。ただ、日本企業で、創業経営者以外のCEOが暴走することはあるのだろうか。
安倍政権の下、日本企業の稼ぐ力の復活が議論される中で、CEOに求められているのは、暴走しないことではなく、リスクをとることである。しかし、創業経営者以外、日本企業のCEOは自分の思い描いたとおりの経営が十分にできていないのではないだろうか。多くのCEOは「社員の代表」として経営トップに選出されている。したがって、大部分の日本企業における“最強のステークホルダー”は・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。