2014/08/21 (新用語・難解用語)特別取締役(会員限定)

 取締役会であらかじめ選定した少数の取締役(3名以上)のこと。「重要な財産」の購入や売却、多額の借財は「取締役会の決議」を経て行うのが原則だが、特別取締役を設置している会社では、通常の取締役会を経ることなく、特別取締役だけで構成される取締役会(以下、「特別取締役による取締役会」と言います)によりこれらの意思決定を行うことができる。また、会社法や定款により「通常の取締役会」や「株主総会」のみが権限を有する事項(例えば、支店等の重要な組織の設置、変更、廃止など)でない限り、特別取締役による取締役会に意思決定権を持たせることも可能だ(例えば、「新製品を発売するかどうか」など)。

 ただし、特別取締役による取締役会で決議を行うためには、3人以上の特別取締役を選定したうえで、そのうち過半数が出席、さらにそのうちの過半数が賛成することが条件となる。また、監査役は原則として「全員出席」が原則だが、“迅速な意思決定”という特別取締役制度の趣旨からすれば、特別取締役による取締役会に出席する監査役を「常勤監査役」に限定してもよいだろう。

 取締役の多い会社など、取締役会を開催する負担の重い会社にはメリットが大きい特別取締役制度だが、特別取締役を設置できるのは、(1)取締役の数が6名以上、(2)取締役のうち1名以上が社外取締役――という2つの要件を満たす必要がある。

 ここで注目したいのは、(2)の1名以上の社外取締役を置くとの要件だ。社外取締役を置くことに積極的でない会社はいまだに少なくないが、社外取締役を置くことで、特別取締役による取締役会にて迅速な意思決定が可能になるというメリットも忘れてはならない。しかも、特別取締役による取締役会には社外取締役が参加する必要はない。つまり、社外取締役を意思決定に参加させなくてもよいということだ(この点については、(2014年5月9日のニュース「社外取締役導入の意義は特別取締役制度にあり!?」参照)。

 ただ、いくら会社法で認められているからと言って、例えば重要な財産を金額の上限なしに特別取締役による取締役会の決議だけで購入できるとなれば、コーポレートガバナンスの観点からは問題があると言える。例えば、特別取締役による取締役会で決議できるのは「取得価額が1千万円から1億円まで」といった金額の範囲を設定することが望ましいだろう。

2014/08/20 従業員のメンタルヘルス悪化が企業にもたらす損失金額

 上場企業と言えども、一部の企業を除いて終身雇用が崩壊しつつある。こうした中、家族を抱える中堅社員を中心に、継続雇用に対する不安を持つ者は少なくない。また、リストラが進めば、一人ひとりの社員の仕事量は増えることになる。こうした「継続雇用への不安」と「仕事量の増大」は、社員のメンタルヘルス悪化の大きな原因となっているのは間違いない。また、極端な長時間労働がメンタルヘルスに悪影響を与えるのは言うまでもないだろう(政府が現在検討している新たな労働時間制度については、2014年7月4日のニュース「政府の目玉戦略、「新たな労働時間制度」は企業経営上のメリット期待できず?」参照)。

 では、社員のメンタルヘルス悪化により、企業はどれほどの損害を被るのだろうか?考えられる損害としては、・・・

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2014/08/20 従業員のメンタルヘルス悪化が企業にもたらす損失金額(会員限定)

 上場企業と言えども、一部の企業を除いて終身雇用が崩壊しつつある。こうした中、家族を抱える中堅社員を中心に、継続雇用に対する不安を持つ者は少なくない。また、リストラが進めば、一人ひとりの社員の仕事量は増えることになる。こうした「継続雇用への不安」と「仕事量の増大」は、社員のメンタルヘルス悪化の大きな原因となっているのは間違いない。また、極端な長時間労働がメンタルヘルスに悪影響を与えるのは言うまでもないだろう(政府が現在検討している新たな労働時間制度については、2014年7月4日のニュース「政府の目玉戦略、「新たな労働時間制度」は企業経営上のメリット期待できず?」参照)。

 では、社員のメンタルヘルス悪化により、企業はどれほどの損害を被るのだろうか?考えられる損害としては、欠勤、仕事の効率低下による残業代の増加、さらに、重要な社員の退職などが考えられる。経済協力開発機構(OECD)によれば、社員の6人に1人がメンタルヘルスを悪化させた経験を持つというイギリスのケースでは、企業にとっての損失額は少なくとも260億ポンド(約4兆4,720億円。1ポンド=172円で計算)、従業員1人当りでは1,035ポンド(約18万円)になるという。イギリス経済全体で見れば、損失額は年間700億ポンド(約12兆円)、GDPの4.5%にもおよぶ。

 また、イギリスの銀行業界の労働環境改善を推進するバンク・ワーカーズ・チャリティによれば、銀行が適切なメンタルヘルスの改善措置を実施すれば、銀行員の生産性は1人当たり1,710万ポンド(29億4,120万円)も増加するという。

 これらの数字が日本企業にそのまま当てはまるとは限らないものの、社員のメンタルヘルス悪化が企業に損失を与えるという点は変わらないはず。日本企業でもメンタルヘルス対策への意識は高まっているとはいえ、まだまだ人事部任せのところが少なくない。役員としては、メンタルヘルス対策は「経営問題」の1つであると認識し、その改善に取り組むべきであろう。

2014/08/19 「特許を受ける権利」の帰属を企業に 職務発明制度の見直し議論が迷走

 メーカー等にとって、従業員の発明は将来の会社の浮沈を左右する生命線と言えるが、従業員の発明を巡ってしばしば問題になるのが、発明への「対価」の支払いだ。

 従業員が職務として行なった研究を通じて生まれた発明は「職務発明」と呼ばれ、会社の指示を受けないところで生まれた「自由発明」とは区別される。ただ、職務発明と言っても「発明者」はあくまで従業員であり、特許公報等に名前が掲載されることも法的に保障されている(氏名掲載権)。また、日本の職務発明制度は、「特許を受ける権利」を当初は発明者に帰属させ、これを使用者(会社)に譲渡することで権利が移転する「従業員帰属」という仕組みになっており、会社が権利の譲渡を受けるにあたっては、発明者に対し「相当の対価」を支払うことが義務付けられている。

 とはいえ、従業員の発明は会社の用意した研究環境で、会社の予算を使って生まれたもの。このため、イギリス、フランスのほか、研究開発と国際競争力の両分野のランキングでいずれも世界1位の地位にあるスイスなど諸外国では、「特許を受ける権利」を当初から会社に帰属させる「法人帰属」制を採用しているところが少なくない。法人帰属制では、会社は安定的に発明に関わる権利を取得できる一方、従業員は発明者としての名誉を保障されることになる。ちなみに、アメリカではすべて「契約」で定めることになっている(ドイツは日本と同じく従業員帰属制)。

 日本の職務発明制度の根本的な問題が浮き彫りになったのが、90年代に起こったいくつかの大型訴訟だ。対価の額が低いとしてその追加払いを求める発明者の訴えに対し、裁判所が高額の対価支払いを認める判決を出したため、訴訟が続出。提訴した発明者の中には既に退職しており、“退職金の上乗せ”を求める気分で訴えを起こす例も少なくないという。こうした訴訟の背景には「在職時の処遇への不満」があるように見られがちだが、実際には、給与水準や役職の面で厚遇されてきた人による訴訟が大半とのデータもある。

 こうしたなか・・・

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2014/08/19 「特許を受ける権利」の帰属を企業に 職務発明制度の見直し議論が迷走(会員限定)

 メーカー等にとって、従業員の発明は将来の会社の浮沈を左右する生命線と言えるが、従業員の発明を巡ってしばしば問題になるのが、発明への「対価」の支払いだ。

 従業員が職務として行なった研究を通じて生まれた発明は「職務発明」と呼ばれ、会社の指示を受けないところで生まれた「自由発明」とは区別される。ただ、職務発明と言っても「発明者」はあくまで従業員であり、特許公報等に名前が掲載されることも法的に保障されている(氏名掲載権)。また、日本の職務発明制度は、「特許を受ける権利」を当初は発明者に帰属させ、これを使用者(会社)に譲渡することで権利が移転する「従業員帰属」という仕組みになっており、会社が権利の譲渡を受けるにあたっては、発明者に対し「相当の対価」を支払うことが義務付けられている。

 とはいえ、従業員の発明は会社の用意した研究環境で、会社の予算を使って生まれたもの。このため、イギリス、フランスのほか、研究開発と国際競争力の両分野のランキングでいずれも世界1位の地位にあるスイスなど諸外国では、「特許を受ける権利」を当初から会社に帰属させる「法人帰属」制を採用しているところが少なくない。法人帰属制では、会社は安定的に発明に関わる権利を取得できる一方、従業員は発明者としての名誉を保障されることになる。ちなみに、アメリカではすべて「契約」で定めることになっている(ドイツは日本と同じく従業員帰属制)。

 日本の職務発明制度の根本的な問題が浮き彫りになったのが、90年代に起こったいくつかの大型訴訟だ。対価の額が低いとしてその追加払いを求める発明者の訴えに対し、裁判所が高額の対価支払いを認める判決を出したため、訴訟が続出。提訴した発明者の中には既に退職しており、“退職金の上乗せ”を求める気分で訴えを起こす例も少なくないという。こうした訴訟の背景には「在職時の処遇への不満」があるように見られがちだが、実際には、給与水準や役職の面で厚遇されてきた人による訴訟が大半とのデータもある。

 こうしたなか産業界は、訴訟リスクが研究開発投資を阻害しかねないことや、発明者だけを厚遇することで研究を行なっているチーム内のメンバー間の不和を助長していることなどを指摘し、職務発明制度の見直しを求めてきた。これを受け、平成16年には、対価の額を巡る争いが起こらないよう、額について「使用者と従業者との合意」を尊重する下記のような特許法の改正も実施されている。しかし、社員が「額の取決めについて適正な手続を踏んでもらえなかった」と訴えれば、改正前と同じ紛争が生じかねないという点に変わりはないため、産業界側の不満が解消されたとは言い難い。

─────────────────────────────
旧法:その発明により、使用者等(会社)が受けるべき利益の額、
及びその発明がされるに当たっての使用者等(会社)の貢献度を
考慮して定められた額
新法:原則として使用者(会社)と従業者との間の自主的な取決
めで定められた額(特許法35条3項)
─────────────────────────────

 この改正から約10年が経った昨年(2013年)6月、ようやく政府は重い腰を上げ、「知的財産政策に関する基本方針」において、産業競争力強化の観点から職務発明制度の抜本的な見直しを図ることを閣議決定。見直しの方向性としては、上述したイギリスやスイス等とアメリカの折衷案とも言える「法人帰属又は契約に委ねる」ことが明示されたところだ。

 これを受け、特許庁では半年にわたる研究を行い、その後、今年3月からは産業構造審議会での議論も始まっている。ただ、労働法学者や労働団体から「結局、企業は発明者に対する処遇の切り下げを行なうのではないか」との懸念が主張され続けており、審議会の議論は混迷を深めている。この改正については政府の成長戦略でも言及されており、夏までに意見をとりまとめ、改正法案を秋の臨時国会に提出する予定だったが、それも雲行きが怪しくなってきた。

 一方、研究開発投資に回すべきお金を訴訟リスクの低減対策に回さざるを得ないという現在の不合理な状況を解消すれば、発明者をより手厚く処遇することも可能となる―――というのが産業界側の主張。製薬業界の世界トップ10には、人口わずか800万人のスイスの企業が2社ランクインしている。この点を見ても、職務発明制度の問題は日本企業の競争力にも大きな影響をおよぼす可能性が高いだけに、いち早い決着が待たれるところだ。

2014/08/18 司法取引制度導入で、独占禁止法違反はますます“隠し通せない犯罪”に

 刑事事件における取調べの録音・録画制度(可視化)や「司法取引」制度*などの導入を検討してきた法務省は、先月(2014年7月9日)に答申(法務省「新時代の刑事司法制度」要綱)をとりまとめたところだ。同省は来年1月の通常国会に刑事訴訟法の改正法案を提出することを予定している。

* 犯罪行為の容疑者や被告に不起訴処分や求刑の軽減を約束したうえで、他人の犯罪について供述させる仕組み。

 “刑事事件マター” ということで、この改正をフォローしていない上場企業も少なくないと思われるが、その中で注目しておきたいのが、「司法取引」制度の適用対象に独占禁止法が含まれている点。

 司法取引制度では、・・・

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2014/08/18 司法取引制度導入で、独占禁止法違反はますます“隠し通せない犯罪”に(会員限定)

 刑事事件における取調べの録音・録画制度(可視化)や「司法取引」制度*などの導入を検討してきた法務省は、先月(2014年7月9日)に答申(法務省「新時代の刑事司法制度」要綱)をとりまとめたところだ。同省は来年1月の通常国会に刑事訴訟法の改正法案を提出することを予定している。

* 犯罪行為の容疑者や被告に不起訴処分や求刑の軽減を約束したうえで、他人の犯罪について供述させる仕組み。

 “刑事事件マター” ということで、この改正をフォローしていない上場企業も少なくないと思われるが、その中で注目しておきたいのが、「司法取引」制度の適用対象に独占禁止法が含まれている点。

 司法取引制度では、検察官と被疑者・被告人との間で「他人の犯罪事実を明らかにするため真実の供述」が行われた場合に、当該被疑者を罪に問わないとしている。自分の罪を免れるための取引材料に「他人の犯罪事実」を用いる制度はこれまで日本に存在しなかったが、これに類似した制度は既にある。独占禁止法における課徴金減免制度(リニエンシー)だ(2014年4月15日のニュース『「リニエンシー制度」と日本企業の価値観』参照)。

 司法取引と課徴金減免制度は、前者が「刑事罰」、後者が「行政制裁」を対象としている点で異なるが、独占禁止法に違反した場合も刑事罰に問われることがないわけではない。実際、同法にはカルテルを行った会社や個人に対する罰金や懲役刑も規定されている(独占禁止法89条1項)。最近では、2007年の地下鉄談合や2012年のベアリングカルテルで刑事告発がなされ、逮捕者も出た。

 課徴金減免制度は、公正取引委員会への申請の順番によって課徴金の減免割合が異なる仕組みとなっているが(例えば、「公正取引委員会の調査開始日前」に最初に申告した会社は課徴金の全額、2番目は50%、3番~5番目は30%)、さらに、最初に申請を行った者は「刑事罰」にも問われないことになっている(独占禁止法違反に対する刑事告発及び犯則事件の調査に関する公正取引委員会の方針(改正:平成21年10月23日)の1「告発に関する方針」(2))。

 逆に言うと、2番目以降に告発を行った事業者については、課徴金は減免されたとしても、依然として刑事告発を受ける可能性は残ることになる。

 そこで生きて来るのが、上述の「司法取引」制度だ。公正取引委員会への課徴金減免制度の申請が2番目以降となったことで、独占禁止法上の「告発」を受けかねない状況であっても、司法取引により、「他人の犯罪事実」を検察官に供述すれば、自らは刑事告発を免れるというケースも出てくる。

 司法取引制度の導入後は、カルテルによる独占禁止法違反行為は、これまで以上に「隠し通すことが難しい犯罪」となる可能性がある。企業としては、独占禁止法違反防止に向けたコンプライアンスの徹底を図るのが得策と言えそうだ。

2014/08/14 【ディスクロージャー】会社と関係が深い者との取引があった(会員限定)

関連当事者注記の漏れが重大なコンプライアンス違反を招く可能性も

取締役や主要株主、親会社など会社と関係の深い個人や法人(これらの者をまとめて「関連当事者」といいます。詳細な範囲は後述)と会社との間で行われる取引は、必ずしも対等な関係のもとで行われるとは限りません。関連当事者は会社への影響力が強いだけに、会社の利益を損なう取引や、場合によっては会社に損失をもたらす取引が行われることもあり得ます。例えば、社有車を相場よりもはるかに安い価格で代表取締役に売却するようなケースや、主要株主の有する土地を相場より割高の賃料で会社が賃借するようなケースです。この場合、会社の取引相手である関連当事者が不当に利益を得ることになる一方、会社は財政状態や経営成績に悪影響を受けることになります。このような会社と関連当事者の直接の取引の他にも、例えば、親会社のように、関連当事者の存在自体が、会社の財政状態や経営成績に何らかの影響を及ぼすこともあります。

そこで金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示では、「会社と関連当事者との取引」や「関連当事者の存在」が会社の財政状態や経営成績に与えている影響を株主や投資家などのステークホルダーが把握できるように、財務諸表に「関連当事者取引の注記」および「関連当事者の存在の注記」(以下、まとめて「関連当事者注記」)を記載することが求められています。また、同様に会社法に基づく計算書類でも、関連当事者取引の注記の記載が求められています。

法令が関連当事者注記を求めることにより、株主や投資家などへの情報開示が促されるだけでなく、開示されることを避けるため関連当事者取引自体を抑制しようというインセンティブが働き、会社経営を適正化する効果も期待されます。逆に言うと、必要な関連当事者注記が漏れているということは、単なる開示ルール違反にとどまらず、“不適切な取引”が正されることなく温存され続けてしまうリスクがあることを意味しており、その結果、重大なコンプライアンス違反を招く恐れがあります。それだけに、開示が必要となる関連当事者取引や関連当事者の存在を漏れなく注記できるように社内の体制を整備・運用することは、役員にとって真剣に取り組まなければならないミッションと言えます。

関連当事者取引注記が必要になる取引とは?

では、関連当事者との取引であれば、そのすべてをくまなく開示しなければならないのでしょうか。もしそうだとすれば、会社によっては注記の量が膨大になり、作る方も読む方も大変な労力を強いられることになってしまいます。

そこで、配当のような一般的な取引、少額取引のような重要性がない取引、さらに役員報酬のように有価証券報告書の別の個所(【コーポレート・ガバナンスの状況】)で開示している取引などについては関連当事者取引の注記としての開示は不要となっています。

関連当事者取引の注記が必要となる取引かどうかは、以下の開示判定フローチャートにより判定します。

【開示判定フローチャート】

governance1451_1

順に見ていきましょう。

<関連当事者の範囲内かどうかの検討>
まず、財務諸表作成会社(以下、「自社」)の関連当事者に該当する個人・法人を把握する必要があります。関連当事者とは次に掲げる者です。
(1)親会社
(2)子会社
(3)自社と同一の親会社を持つ会社(持株会社の子会社同士の関係など)
(4)自社が他の会社の関連会社(議決権を20%超50%以下保有されているなど)である場合における当該他の会社、当該他の会社の親会社および子会社(議決権の保有割合が50%超の関係など)※下図参照
(5)関連会社および当該関連会社の子会社
(6)自社の主要株主(自己または他人の名義で議決権の10%以上を有している株主)およびその近親者
(7)自社の役員およびその近親者
(8)親会社の役員およびその近親者
(9)重要な子会社の役員およびその近親者
(10)(6)から(9)に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算(後述)において所有している会社およびその子会社
(11)従業員のための企業年金

(4)の意味するところは一読しただけでは分かりづらいと思いますが、要するに下記の図解のように青くハイライトされている会社が、自社(下図の左下)から見て関連当事者に該当するという意味です(矢印は議決権の所有関係を意味します)。ただし、親会社、子会社、関連会社に該当するかどうかは、単純に議決権の所有割合だけでは判定できない点には留意が必要です。例えば、持分ゼロでも子会社に該当することもあります(新用語・難解用語辞典「ゼロパーセント連結」参照)。

【(4)の図解】 governance1451_2

(7)の「役員」とは、取締役、監査役、執行役、会計参与のほか、これらに準ずる者をいいます。「これらに準ずる者」には、例えば、相談役、顧問、執行役員など、「その会社内における地位や職務等からみて実質的に会社の経営に強い影響を及ぼしていると認められる者」とされています(企業会計基準適用指針第13号「関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針」4項)。

執行役 : 指名委員会等設置会社で、取締役会の意思決定に基づき業務を執行する役員

開示担当役員は、取締役、監査役以外にも「関連当事者」に該当する者がいないかどうか、慎重に確認する必要があります。特に執行役員制度を採用している場合や顧問を置いている場合、リタイアした創業者がいる場合、退任後間もない役員がいる場合などは要注意です。これらの者の中に「実質的に会社の経営に強い影響を及ぼしていると認められる者」がいる可能性があるからです。

(7)~(9)における近親者とは「二親等以内の親族」をいいます。「二親等以内の親族」とは、具体的には次のような範囲の者が該当することになります。

governance1451_3

会社が行ったこれらの者との取引は、「関連当事者取引」として開示を行うかどうかを判定しなければならないため、漏れなく把握する必要があります。ただ、二親等以内の親族だと、姓が異なるケースもあるでしょう。祖父母や兄弟姉妹ともなると、会社が関知する機会もないことから、自己申告に頼らざるを得ません。こうした中、把握漏れがないようにするのは容易ではありません。

そこで開示担当役員は、経理部門(会社によっては総務部門)を指揮し、関連当事者を漏れなく把握できる体制を構築しておくことが必要です。具体的には、決算前に役員に調査票を配り、近親者や議決権の過半数を所有している会社を記入してもらいます。それとともに、調査票の交付や回収を管理する表を作成し、交付・回収の日付を記録することで、調査票の交付漏れや回収漏れを防止します。

役員に調査票を交付する際には、必要な情報を漏れなく収集するために、役員に対して関連当事者注記の制度趣旨や注記項目(後述)について十分な説明を行い、場合によっては、その内容が正しく、漏れがない旨を誓約してもらいます。また、収集した情報は時の経過とともに変化しますので、決算前には毎期調査を実施して、データベースをアップデートしていく必要があります。

(9)の「重要な子会社の役員」における「重要な」は、「子会社」ではなく「役員」にかかります。すわなち、「重要な子会社」の役員ではなく、「子会社の役員のうち、重要な者」を意味します。

具体的には、子会社の役員のうち企業グループの事業運営に強い影響力を持つ者、例えば、「企業グループの中核となる事業活動を子会社に委ねている場合で、当該子会社の役員のうち当該業務を指示し、統制している役員」などがこれに該当します。ホールディングス(持株会社)の形態をとっている企業グループにはこうした定義に該当する役員がいる可能性が高いので、注意が必要です。

なお、「重要な者」かどうかを判定する数的基準は会計基準には規定されていないため、各企業グループは独自に重要性を検討することになります。

(10)の「自己の計算」とは、行為の経済的効果が自己に帰属することを指しています。例えば、自己の名義で株式を保有している場合はもちろんのこと、他人名義であっても、経済的効果は自己に帰属しているという場合も「自己の計算」に含まれます。

したがって、役員が株式を保有している会社も関連当事者に該当する場合がありますので、役員が株式を保有している会社やその会社との取引状況も漏れなく把握し、継続的に管理・モニタリングしていく必要があります。

関連当事者の把握は、関連当事者の注記を適切に行うための出発点であり、ここで漏れが生じてしまうと、必然的にその後の判定プロセスからも外れ、結果として必要な注記が行われないということになってしまいますので、注意したいところです。

<対象取引か>
次に、開示対象となる取引を洗い出します。

開示対象の取引を網羅的に洗い出すために、上述したプロセスにより把握した関連当事者を相手方として取引を行った場合は、その取引を会計システムに記録する際に、必ず取引先コードを付すようにして、期末に漏れなく集計できるようにしておきます。

もっとも、対価のやりとりがなくても、資産や債務の移転、役務の提供があれば開示の対象となる点には注意が必要です。無償取引や低廉取引(時価より低い値段での取引)が行われた場合には、これらの取引が独立第三者間取引(関連当事者ではない、純粋な第三者を相手にして行われる取引)であったと仮定して見積もった取引金額により、後述する「重要性判定」が行われることになります。しかし、無償の取引は、会計システムに記録されない可能性があります。逆に低廉取引であっても、低廉な価額とはいえ会計システムに金額自体は記録されることから、後述の重要性判定プロセスの網の目から抜け落ちるリスクがあります。そのため、関連当事者取引の網羅的な記録を残すために、取引相手、実際の取引金額、独立第三者間取引を仮定した場合の取引金額及び取引内容等を記載した管理表を作成するとよいでしょう。

また、対象取引かどうかは、取引内容の「実質」で判断します。つまり、形式的・名目的に第三者を取引に介在させたとしても、実質的には関連当事者との取引であると判断されれば(重要性の判定基準に該当すれば)、開示対象になるということです。

一方、取引条件が一般取引と同等であることが明白である取引(例えば、一般競争入札による取引、配当、(金融機関が支払う)預金利息など)は、たとえ関連当事者との取引であったとしても、開示対象取引から除かれます(詳細は後述の「関連当事者注記、有報と計算書類でどう違う?」を参照)。一般取引と同等である場合には、とりたてて開示することに意味がないと考えられるためです。また、役員報酬(通常の報酬のほか、賞与や退職金も含みます)も開示対象取引から除かれています。役員報酬を開示対象取引から除いた理由は、役員報酬は有価証券報告書の【コーポレート・ガバナンスの状況等】や事業報告の「会社役員に関する事項」でも開示されており、重複する開示は不要と考えられるためです(詳細は「役員に賞与を支払いたい」の「役員報酬・賞与が1億円以上であれば氏名を公表」を参照してください)。

関連当事者取引の把握漏れが起きやすいのが、連結財務諸表を作成している会社です。連結財務諸表を作成している会社では、関連当事者取引注記を連結財務諸表の注記として開示しなければならないため(詳細は後述の「関連当事者注記、有報と計算書類でどう違う?」を参照)、連結会社全体(親会社および連結子会社)の取引を抽出する必要があります。そこで開示担当役員としては、例えば「『子会社』と『関連会社』の取引」や「『親会社の役員の二親等以内の親族』と『子会社』の取引」のように、親会社が絡まず、連結上の取引の相殺消去とならない取引についても、子会社が把握して親会社に情報提供する体制を整備・運用する必要があります。具体的には、子会社が主体となり、調査票を使って関連当事者に該当する取引先の把握に努めるとともに、把握漏れが起きないよう、管理表により調査票の交付・回収等を管理します。

<重要性判定>
対象取引をすべて洗い出したら、次にそれぞれの取引に「重要性」があるかどうかを検討します。「重要性」がない取引は開示不要となります。

重要性の判定基準は、下表のとおりです(この基準を超える取引が開示対象となります)。取締役への貸付けのような「個人との取引」の場合、取引金額が「1000万円以下」であれば開示対象にはなりません。

【重要性判定基準】
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親会社による債務保証も関連当事者取引として開示対象に

ここまでの検討の結果、開示対象となった関連当事者取引については、以下の項目を開示します。
(1)関連当事者の概要
(2)会社と関連当事者との関係
(3)取引の内容
(4)取引の種類ごとの取引金額
(5)取引条件および取引条件の決定方針
(6)取引により発生した債権債務に係る主な勘定科目別の期末残高
(7)取引条件の変更があった場合には、その旨、変更内容、影響
(8)関連当事者に係る貸倒懸念債権および破産更生債権等の情報

例えば、自社の借入金を親会社に債務保証してもらうケースを想定すると、次のような開示を行うことになります。

governance1451_5

 

関連当事者注記、有報と計算書類でどう違う?

関連当事者取引注記は、有価証券報告書、会社法計算書類の両方で行う必要がありますが、連結決算を採用している場合には、下表のとおり、有価証券報告書では連結財務諸表のみ、一方、計算書類では個別(単体)計算書類のみで注記することになります。なお、連結決算を採用していない会社の場合は、有価証券報告書、会社法計算書類ともに単体の注記として開示することになります。

これは、有価証券報告書は企業集団(連結グループ)の業績等の開示を主目的としているのに対し、会社法計算書類は、個別企業における株主への分配可能額の計算を主目的としているためです。

<連結決算を開示している会社における関連当事者取引注記の要否
governance1451_6また、開示不要とされる取引範囲にも違いがあります。

上述のとおり、下記のような取引は、たとえ関連当事者との取引であっても、株主や投資家に悪影響を及ぼす可能性が低いため、有価証券報告書、計算書類ともに開示する必要はありません(財務諸表等規則8条の10第3項、会社計算規則112条2項)。

a 一般競争入札による取引、預金利息や配当の受け取りのほか、取引の性質から見て取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
b 役員に対する報酬、賞与、退職慰労金の支払い

計算書類では、これらに加えて下記の取引の開示も不要となっています(会社計算規則112条2項)。

c 市場価格などの公正な価格を勘案し、一般の取引と同様の取引条件を決定していることが明白な取引

会社法計算書類における注記において c が加えられたのは、個別企業の事務負担に配慮したものです。上の表のとおり、会社法上の関連当事者取引注記は単体ベースで作ればよいので、一見すると、連結ベースの関連当事者取引注記よりも作成が容易に見えますが、実はそうではありません。連結財務諸表を作成する場合には、連結グループ内における取引(例えば親会社と子会社の取引)はなかったもの(相殺消去)とされますが、単体財務諸表では、連結子会社との取引が消去されることはありません。このため、連結財務諸表では開示不要となる「連結消去される取引」についても、単体財務諸表では関連当事者取引注記として開示すべきかどうかを検討しなければなりません。それに加えて、計算書類の作成スケジュールは有価証券報告書の作成スケジュールよりもタイトになっています。それらを勘案して、個別企業の事務負担の軽減のため、開示の必要性が比較的乏しいと思われる c については、計算書類での開示は不要とされているわけです。

「関連当事者取引=利益相反取引」とは限らない

例えば「会社と役員」または「会社と、役員が代表を務める会社」等との取引は、金額次第で関連当事者取引に該当するとともに、会社法上の「利益相反取引」にも該当します。利益相反取引を行う場合には事前に取締役会の承認が必要になりますが、上場準備会社のようにコンプライアンス体制が構築途上にある会社のみならず、一部の上場会社においても、関連当事者注記のドラフト作成に際して、利益相反取引の承認漏れがあることが発覚するケースが見受けられるので要注意です。

また、「関連当事者取引注記の対象にならないから」という理由で、利益相反取引の承認を行っていないケースもしばしば見受けられます。確かに、「関連当事者取引かつ利益相反取引」である取引は多いのですが、両者はあくまで別の概念であり、関連当事者取引注記の対象とならない取引であっても、利益相反取引としての承認が必要な取引もあります(例えば、取締役への500万円の貸付け。上記【重要性判定基準】の表のとおり、1000万円以下のため、関連当事者注記の対象外)。

逆に、利益相反取引には該当しなくても関連当事者取引注記は必要な場合もあります(例えば、自社と代表取締役が共通する100%子会社との一般的な取引条件に基づかない取引)。

開示担当役員としては、利益相反取引と関連当事者取引をしっかり区別し、前者の承認漏れ、後者の開示漏れが起きないような内部統制を構築する必要があります。

関連当事者の“存在”に関する開示とは?

ここまで関連当事者との“取引”の注記について見てきましたが、有価証券報告書には関連当事者の“存在”も注記する必要があります(この注記は会社法計算書類では求められていません)。

具体的には、
・親会社情報
・重要な関連会社の要約財務情報(主な貸借対照表項目および損益計算書項目)
を開示するというものです(なお、連結財務諸表で関連当事者の開示を行っている場合は、個別財務諸表での開示は不要です)。

親会社や重要な関連会社は、まさに“存在”するだけで自社の経営に大きな影響を与えるため、たとえ自社との取引がなかったとしても、投資家等に対する有用な情報として開示を求めているわけです。

 

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2014/08/14 チェックリスト:会社と関係が深い者との取引があった(会員限定)

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■チェックリスト:会社と関係が深い者との取引があった

チェック事項 備考 対応未了 対応済
関連当事者を網羅的に把握するため、各役員に対し、調査票等を用いて情報収集しているか。 役員の近親者や、役員やその近親者で株式を保有する会社は把握漏れが起きやすい。
調査票等を役員に交付する際に、関連当事者注記の制度趣旨や注記項目について十分な説明を行っているか。 場合によっては、その内容が正しく、漏れがない旨の誓約書を入手する。
調査票等の交付・回収漏れがないかを確認するため、管理表により管理しているか。 管理表に交付・回収日を記載する。
調査票は毎期更新しているか。
関連当事者との取引ごとに、関連当事者取引注記の要否を適切に判定しているか。 具体的な判定方法は、解説本文の「関連当事者注記が必要になる取引とは?」に掲載の「重要性判定基準」を参照。
なお、有価証券報告書の財務諸表においては下記の開示は不要。
1.一般競争入札による取引ならびに預金利息および配当の受け取りその他取引の性質から見て取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
2.役員に対する報酬、賞与および退職慰労金の支払い
の開示は不要。
会社法計算書類においては、上記1.2.に加え、下記も開示不要。
3.当該取引に係る条件につき市場価格その他当該取引に係る公正な価格を勘案して一般の取引の条件と同様のものを決定していることが明白な場合における当該取引
関連当事者取引注記に必要な項目をすべて開示しているか。 解説本文の「関連当事者注記が必要になる取引とは?」に掲載の「開示項目」参照。
「利益相反取引」と「関連当事者取引」を明確に区別しているか。 関連当事者取引注記は不要でも、利益相反取引に該当なら取締役会の承認が必要。
「関連当事者の存在の注記」に漏れはないか。

ケーススタディ役員実務「会社と関係が深い者との取引があった(会員限定)」はこちら

2014/08/14 【ディスクロージャー】会社と関係が深い者との取引があった

 

関連当事者注記の漏れが重大なコンプライアンス違反を招く可能性も

取締役や主要株主、親会社など会社と関係の深い個人や法人(これらの者をまとめて「関連当事者」といいます。詳細な範囲は後述)と会社との間で行われる取引は、必ずしも対等な関係のもとで行われるとは限りません。関連当事者は会社への影響力が強いだけに、会社の利益を損なう取引や、場合によっては会社に損失をもたらす取引が行われることもあり得ます。例えば、社有車を相場よりもはるかに安い価格で代表取締役に売却するようなケースや、主要株主の有する土地を相場より割高の賃料で会社が賃借するようなケースです。この場合、会社の取引相手である関連当事者が不当に利益を得ることになる一方、会社は財政状態や経営成績に悪影響を受けることになります。このような会社と関連当事者の直接の取引の他にも、例えば、親会社のように、関連当事者の存在自体が、会社の財政状態や経営成績に何らかの影響を及ぼすこともあります。

そこで金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示では、「会社と関連当事者との取引」や「関連当事者の存在」が会社の財政状態や経営成績に与えている影響を株主や投資家などのステークホルダーが把握できるように、財務諸表に「関連当事者取引の注記」および「関連当事者の存在の注記」(以下、まとめて「関連当事者注記」)を記載することが求められています。また、同様に会社法に基づく計算書類でも、関連当事者取引の注記の記載が求められています。

法令が関連当事者注記を求めることにより、株主や投資家などへの情報開示が促されるだけでなく、開示されることを避けるため関連当事者取引自体を抑制しようというインセンティブが働き、会社経営を適正化する効果も期待されます。逆に言うと、必要な関連当事者注記が漏れているということは、単なる開示ルール違反にとどまらず、“不適切な取引”が正されることなく温存され続けてしまうリスクがあることを意味しており、その結果、重大なコンプライアンス違反を招く恐れがあります。それだけに、開示が必要となる関連当事者取引や関連当事者の存在を漏れなく注記できるように社内の体制を整備・運用することは、役員にとって真剣に取り組まなければならないミッションと言えます。

関連当事者取引注記が必要になる取引とは?

では、関連当事者との取引であれば、そのすべてをくまなく開示しなければならないのでしょうか。もしそうだとすれば、会社によっては注記の量が膨大になり、作る方も読む方も大変な労力を強いられることになってしまいます。

そこで、・・・

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親会社による債務保証も関連当事者取引として開示対象に

ここまでの検討の結果、開示対象となった関連当事者取引については、以下の項目を開示します。

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関連当事者注記、有報と計算書類でどう違う?

関連当事者取引注記は、有価証券報告書、会社法計算書類の両方で行う必要がありますが、連結決算を採用している場合には、下表のとおり、・・・

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「関連当事者取引=利益相反取引」とは限らない

例えば「会社と役員」または「会社と、役員が代表を務める会社」等との取引は、金額次第で関連当事者取引に該当するとともに、会社法上の「利益相反取引」にも該当します。利益相反取引を行う場合には事前に取締役会の承認が必要になりますが、上場準備会社のようにコンプライアンス体制が構築途上にある会社のみならず、一部の上場会社においても、関連当事者注記のドラフト作成に際して、利益相反取引の承認漏れがあることが発覚するケースが見受けられるので要注意です。

また、「関連当事者取引注記の対象にならないから」という理由で、利益相反取引の承認を行っていないケースもしばしば見受けられます。確かに、「関連当事者取引かつ利益相反取引」である取引は多いのですが、両者はあくまで別の概念であり、関連当事者取引注記の対象とならない取引であっても、利益相反取引としての承認が必要な取引もあります(例えば、・・・

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関連当事者の“存在”に関する開示とは?

ここまで関連当事者との“取引”の注記について見てきましたが、有価証券報告書には関連当事者の“存在”も注記する必要があります(この注記は会社法計算書類では求められていません)。

具体的には、・・・

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