2014/06/10 日本のコーポレートガバナンスは海外からどう見られている?(会員限定)

 現在、日本のコーポレートガバナンスは大きな転換点にある。昨年(2013年)6月、安倍政権が「日本再興戦略」にコーポレートガバナンスの見直しを盛り込み、同年11月には社外取締役の就任要件強化(親会社と子会社の社外取締役の兼任禁止など)と設置を促す会社法改正案が国会に提出され、今通常国会で成立する見込みとなっている。また、今年2月にはイギリスをモデルに、投資先企業との対話など「機関投資家の責任」に関するルールである「日本版スチュワードシップ・コード」が制定され、さらに今月6月に予定される日本再興戦略の見直しの中では、取締役である独立役員の2名以上確保などを盛り込んだコーポレートガバナンス・コードの制定が予定されている(2014年6月4日のニュース「社外取締役は最低2名、持合株式の保有理由開示厳格化も」参照)。

 こうした一連の動きは、日本企業の株主の3分の1を占める外国人投資家を意識したものだが、これによって外国人投資家の間で日本のコーポレートガバナンスに対する評価が劇的に上がったかと言うと、そうでもない。そもそも、日本のコーポレートガバナンスに対する外国人投資家の評価は、2011年に発生したオリンパス事件により一旦落ちるところまで落ちているからだ。

 “物言わぬ株主”の存在や取締役会のガバナンスの機能不全など、日本のコーポレートガバナンスに対する外国人投資家の評価は非常に厳しく、その評価は新興国より低いと言っても過言ではない。例えば社外取締役1つをとっても、日本では今般の会社法改正でも設置の義務付けが見送られたが、中国やインド、韓国では既に社外取締役の設置が義務化されている。これに対し、日本の大手上場企業1,400社の中で、社外取締役を設置していないところは600社もある。外国人投資家はROEを極めて重視するが、日本企業におけるROEの低さ(2012年におけるTOPIX500企業の平均で7%。欧米大手企業では15%)の原因を、日本のコーポレートガバナンスの脆弱性に求める声すら聞かれる。コーポレートガバナンスに対する外国人投資家の問題意識がいかに高いか、日本企業の経営陣は認識する必要がある。

 もちろん、安倍政権が推進するコーポレートガバナンス改革に対しては外国人投資家は好意的であり、また、こうした政府の取組みとは別に、富士フィルムが昨年、外国人投資家からの評判が悪い買収防衛策を取り下げたことや、従来「社外取締役は不要」との立場をとっていたキヤノンが今年になって社外取締役を選任したことなどをきっかけに、日本のコーポレートガバナンスに対する評価が変わる兆しはある。安倍政権がアジアの金融ハブを目指すのであれば、この流れを断ち切らないよう、コーポレートガバナンス改革を一層推進していく必要があろう。

2014/06/10 チェックリスト:領収書の管理を適正に行いたい(会員限定)

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■チェックリスト:領収書の管理を適正に行いたい

チェック事項 備考 対応未了 対応済
<自社で発行する領収書の管理>
領収書は金庫等で保管しており、誰でもアクセス可能な状況に置かれていないか。
領収書管理者を設置して、受払管理簿(入出庫を記録する帳簿)により領収書綴りの受払管理を行っているか。また、受払いの際には上席者が承認しているか。
領収書には管理番号を付しているか。 管理番号に脱漏がないかどうかをチェックし、不正使用や不正廃棄の事実がないことを確認する。
領収書は複写式になっており、控えを保管しておくルールになっているか。
代金・領収書受領者とは別の担当者が、領収書(控え)と実際入金額とを照合し、検印しているか。 領収書と印鑑は同一場所に保管しないようにする。
書き損じた領収書も廃棄せずに保管しているか。 書き損じた領収書には、再利用できないように、無効であることが一目で分かるような印(「VOID」印や赤ペンで×印等)を記載し、ホッチキスで「控え」に綴じるようにする。
領収書が勝手に使われていないかどうかをチェックするため、領収書の定期的な現物確認による「使用済分」と「未使用分」の管理が行なわれているか。 現物確認時に、上述の書き損じのルールが徹底されているかどうかを確認する。
経理部門において、取引先残高のチェックが行われているか。 現金入金の場合、領収書控えと照合する。
売上値引を行う場合には、金額の重要性に応じて適正な職位の上席者の承認を得ることを条件とし、営業担当者の独断を禁止しているか。 事後的に検証可能なように文書を残す。
取引先と合意した売上値引額と、実際の入金額に不整合がないか検証しているか。 取引先との合意を文書で確認できるようにする。
<経費精算における領収書管理>
経費申請書に添付される領収書の検証は、領収書の受領者とは別の担当者が行なっているか。 上席者の領収書についても別担当者が検証する体制を構築すべき。なお、電子帳簿保存法に基づき、3万円未満の金額の領収書をスキャンしてデータを保存するようにすると、領収書を偽造して経費精算をされてしまうリスクが高まる点にも留意が必要である。
経費申請書に添付されている領収書は市販の領収書ではないか。 市販の領収書は不正に利用されやすいことから、経費精算時には注意が必要。市販の領収書による経費申請が行われた場合には、
(1)当該領収が先方の正規の領収書か(過去の領収書フォームと整合しているか確認する。従来、専用領収書を用いていた取引先が、急に市販の領収書を用いるのは不自然)。
(2)社判が過去の領収書の印影と同一か(社判がなく、個人名の捺印のみの場合も要注意)。
――を確認する。
経費申請書に添付されている領収書の金額や内容、日付に異常な点がないことを検証しているか。 ・手書きの場合、加筆跡があったり、不揃いな並びとなっていないか。
・手書きの文字に異常な点がないか(異なる取引先が発行したはずの手書きの領収書の文字が、同一の癖を有しているなど)。
・日付だけ、色や太さが異なるペンが用いられていないか(日付の偽装の可能性)。
(電子帳簿保存法に基づき金額が3万円未満の領収書をデータ保存している場合、スキャンしたデータを閲覧するだけでは不正を発見しづらいことから、内部監査に備えて紙の領収書を1年間保存する等の統制を別途設けることも検討に値する)

・経費申請に添付されている領収書の内容と、当日の業務内容・業務場所が整合しているか。

支出が多額に上る場合には事前の稟議の起案および承認が必要な体制となっているか。

ケーススタディ役員実務「領収書の管理を適正に行いたい(会員限定)」はこちら

2014/06/10 【経理・財務】領収書の管理を適正に行いたい(会員限定)

 

こんな社員いませんか?

X支社の営業担当者のA氏は最近、とても羽振りがいいらしい。高価な腕時計を何本も持っていて、高級車を乗り回しているようです。A氏の営業成績は抜きんでているため他の営業担当者より給料は高いようですが、それを考えても少し度を超えているような気もします。この前、何気なく覗いたA氏のデスクには、なぜか領収書用紙の綴りが複数置いてありました。

Z部門のB課長は、子供が私立大学を目指しているため、多額の学費や塾代金を用意する必要があるそうです。しかし、Z部門は社内では不採算部門となっていて、業績悪化の管理職責任を問われたB課長の給料は年始から大幅に減少しています。このままでは子供の塾代金の支払いもままならず、私立大学の学費などは手当てできそうにありません。B課長は、業務上出張の機会が頻繁にあり、接待をする機会も多いことから、まだ精算が済んでいない様々な領収書を持っています。その中には、なぜか金額欄が白紙の領収書もありました。

領収書の管理が重要な理由

取引先から売上代金を現金で受け取る場合、通常は営業担当者が窓口になります。具体的な業務フローとしては、営業担当者が取引先から売上代金として現金(あるいは小切手)を受領するのと引換えに領収書を取引先に渡し、領収書の“控え”に取引先の担当者からサインをもらったら、受領金等とともに領収書控えを経理部門に渡す――というものが一般的です。

一方、社員が会社の経費を立て替えた場合は、立替者は会社に対して「立替支払精算請求」を行い、立替金を精算してもらいます。精算に際しては、支払理由・支払先・金額等を記載した支払申請書が使用されますが、この申請書には経費を支出した際に受領した領収書の添付が求められます。

これら2つのシーンに共通するのは、社外の者(取引先、経費の支払先)との間での金銭および領収書の授受に立ち会っているのが「取引実行者(営業担当者、経費の立替者)」のみだということです。もしこの取引実行者が不誠実であれば、領収書を改ざん・偽造することで金銭の一部を着服することも可能となります。領収書の管理が重要な理由がお分かりいただけるでしょう。

領収書を使った不正の手口

X支社の営業担当者A氏の場合、取引先から回収した売上代金の一部を着服し、着服したお金で高価な時計や高級車を購入していました。その手口の詳細は以下のとおりです。

取引先から100万円を回収した際、取引先に対しては「100万円」と記載した領収書を渡します。本来であれば、当該領収書の控えと取引先から受領した現金をそのまま経理部門に渡さなければなりません。しかしA氏の場合、100万円の領収書控えを廃棄し、代わりに「90万円」と記載した領収書控えを偽造、その差額の10万円については「売上値引」が発生したことにして経理部門に報告していました。しかし、実際には売上値引は発生しておらず、この架空の値引き10万円分の現金をA氏が着服していたのです。

一方、Z部門のB課長の場合、領収書の金額欄を改ざんすることで実際に支払った以上の金額を会社に精算請求し、差額の過大請求分を着服していました。その手口の詳細は以下のとおりです。

B課長は、金額欄に記載のない、いわゆる“白紙領収書”を発行してくれる飲食店を頻繁に接待で使用し、白紙領収書の金額欄に実際に店に支払った以上の金額を自分で記入して、会社に精算請求していました。白紙ではなく店側が金額を記載している領収書でも、それが手書きであれば、数字の「1」に加筆して「7」に変えたり、数字を一桁追加したりして金額を改ざんしていました。さらに、不正を行っていた期間の終盤では、市販の領収書用紙の綴りを購入して架空の会社の領収書を偽造し、当該領収書にホテル代や交際費等の架空取引を記載し、会社に精算請求していました。ちなみに、B課長は課内における立替支払精算請求の承認者であり、課長自身が精算請求を行った場合に領収書をチェックする上席者は、社内ルール上は存在しませんでした。B課長の不正行為は、こうした領収書のチェック体制の不備を突いたものと言えます。

どうすれば防げたのか(領収書発行に関する内部統制)

では、具体的にどうすれば不正を防ぐことができたでしょうか?A氏、B課長それぞれのケースについて見てみましょう。

まずA氏のケースですが、A氏の所属する会社では、領収書用紙が誰にでも持出し可能な場所に置いてあり、書き損じ領収書の取扱いの明確なルール化・領収書の連番管理・定期的な領収書の現物確認も行なわれていませんでした。そのため、上記のような着服行為が可能となったほか(詳細は後述)、もしA氏が得意先から売上代金を回収した事実を会社に黙って、その全額を一時的に個人で流用していたとしても、滞留債権(回収が遅れている債権)として大きな問題になる前に、あたかも売上代金を回収してきたように装って入金すれば、私的流用の事実は発覚しないでしょう。

こうした不正を防ぐために必要なのが、領収書の管理に関する内部統制の整備です。具体的には、発行した領収書の内容を後から確認することができるよう、複写式の領収書用紙を採用するとともに、連番管理および冊数管理を行い、書き損じ領収書は書き損じであることが明確になるようにして保管(破棄することなく、例えば、「VOID」印や赤ペンで×印を書き損じ領収書に記入し、控えにホッチキスで綴じておく等)しておくことです。このようにしておけば、実際に使用された領収書の控えを連番で網羅的に確認することができ、A氏の不正行為を未然に防ぐことができたはずです。

また、取引先から売上代金を受け取る役目を、営業担当者のA氏ではなく、経理部等が担っていれば、営業担当者と経理部等が共謀しない限り、売上代金の着服という不正は防ぐことができたはずです。そもそも、経理部において領収書控えにおける取引先の受領のサインの有無およびその真偽をしっかり確認していれば、領収書控えの偽造にもっと早く気付いたかも知れません。

A氏の不正は、売上値引の金額が多額に上ることを不審に思った経理部が内部監査室とともに社内調査を行い、得意先に対して売上値引の有無や金額を照会することで発見されました。しかし、このような不正が発覚するまで、売上値引の承認プロセスはあいまいでした。本来であれば、営業担当者の独断による売上値引きは禁止されるべきであり、値引きを行う場合には適切な上席者の承認を必須としたうえで、取引先との合意内容を文書で残し、さらに、合意した(値引き後の)販売額と実際の入金額に相違がないか、営業担当者“以外”の者が検証するといったプロセスが必要になるところです。

このように、内部統制の基本は「担当者任せにしない」ということです。必ず担当者と承認者の「2人以上」で業務を管理することが大切です。なお、自社で発行する領収書の具体的な管理手法についてはチェックリストを参照してください。

どうすれば防げたのか(経費精算における内部統制)

一方、B課長のケースは、承認者がB課長自身であるという“自己承認”が社内で認められていたことで可能になった不正であるため、単純にB課長以外の者を承認者としていれば、承認者のチェックにより防止できた可能性があります。なお、経費精算における領収書管理の具体的な手法はチェックリストを参照してください。

不正発覚後の対応

ここまで解説してきたように、領収書を使った不正の発生は、会社の内部統制の不備に一因があることが少なくありません。そこで、領収書不正による着服額が多額にのぼる等の理由から社内に「調査委員会」を設置して調査を行うような場合には、内部統制の不備を探ることにより、再発防止策が検討・実行されます。

また、不正の実行者に対しては懲戒等の処分を下すとともに、着服額の返還請求を行います。場合によっては、捜査当局への告訴等も必要になります。不正発覚時の対応については「従業員が会社の金を着服していた」を参照してください。

このような不正は当期に始まったものではなく、場合によっては前期以前から行われていることもあることでしょう。その場合、金額的重要性によっては、過去の決算について「過年度遡及修正」を行う必要があるかも知れません。また、着服が発覚した場合に有価証券報告書や内部統制報告書などの法定開示書類を訂正すべきかどうかについては、「従業員が会社の金を着服していた」の「有価証券報告書や内部統制報告書を訂正すべきか」を参照してください。

内部統制は不正の「機会」を低減するに過ぎない

不正を犯す人には、(1)動機(2)機会(3)正当化の3要素で構成された不正のトライアングルが存在すると言われています。

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不正行為が行われる場合、そこには何らかの動機があります。上記例で言えば、A氏の高級志向な性格、B課長の家庭事情がこれに当てはまります。こうした動機に、領収書が容易に持ち出し可能な状態にあったり、領収書の検証者が自分以外にいなかったりといった不正の「機会」が重なると、不正行為が起こる確率は一気に高まります。それでも、多くの人は“良心”から実際に不正を犯すまでには至らないものです。A氏やB課長も着服の罪悪感は少なからずあったと思われますが、「後で余裕ができた時に会社に返金しよう」と考え、自分の行為を「正当化」していました。

内部統制の仕組みは(2)の不正の機会をできるだけ低減することを目的としており、(1)の不正の動機、(3)の正当化は内部統制だけで防止できるものではありません。これらは、従業員のモラル向上、コンプライアンス意識の醸成等によってはじめて予防できるものと言えます。そのためには、社内コミュニケーションの強化、従業員に対するコンプライアンス教育の充実といった施策もさることながら、内部統制を構築する責任を有するとともに従業員を指導する立場にある経営者自身の人格やコンプライアンス意識の向上が必須と考えられます。

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2014/06/10 【経理・財務】領収書の管理を適正に行いたい

 

こんな社員いませんか?

X支社の営業担当者のA氏は最近、とても羽振りがいいらしい。高価な腕時計を何本も持っていて、高級車を乗り回しているようです。A氏の営業成績は抜きんでているため他の営業担当者より給料は高いようですが、それを考えても少し度を超えているような気もします。この前、何気なく覗いたA氏のデスクには、なぜか領収書用紙の綴りが複数置いてありました。

Z部門のB課長は、子供が私立大学を目指しているため、多額の学費や塾代金を用意する必要があるそうです。しかし、Z部門は社内では不採算部門となっていて、業績悪化の管理職責任を問われたB課長の給料は年始から大幅に減少しています。このままでは子供の塾代金の支払いもままならず、私立大学の学費などは手当てできそうにありません。B課長は、業務上出張の機会が頻繁にあり、接待をする機会も多いことから、まだ精算が済んでいない様々な領収書を持っています。その中には、なぜか金額欄が白紙の領収書もありました。

領収書の管理が重要な理由

取引先から売上代金を現金で受け取る場合、通常は営業担当者が窓口になります。具体的な業務フローとしては、営業担当者が取引先から売上代金として現金(あるいは小切手)を受領するのと引換えに領収書を取引先に渡し、領収書の“控え”に取引先の担当者からサインをもらったら、受領金等とともに領収書控えを経理部門に渡す――というものが一般的です。

一方、社員が会社の経費を立て替えた場合は、立替者は会社に対して「立替支払精算請求」を行い、立替金を精算してもらいます。精算に際しては、支払理由・支払先・金額等を記載した支払申請書が使用されますが、この申請書には経費を支出した際に受領した領収書の添付が求められます。

これら2つのシーンに共通するのは、社外の者(取引先、経費の支払先)との間での金銭および領収書の授受に立ち会っているのが「取引実行者(営業担当者、経費の立替者)」のみだということです。もしこの取引実行者が不誠実であれば、領収書を改ざん・偽造することで金銭の一部を着服することも可能となります。領収書の管理が重要な理由がお分かりいただけるでしょう。

領収書を使った不正の手口

X支社の営業担当者A氏の場合、取引先から回収した売上代金の一部を着服し、着服したお金で高価な時計や高級車を購入していました。その手口の詳細は以下のとおりです。

取引先から100万円を回収した際、取引先に対しては・・・

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どうすれば防げたのか(領収書発行に関する内部統制)

では、具体的にどうすれば不正を防ぐことができたでしょうか?A氏、B課長それぞれのケースについて見てみましょう。

まずA氏のケースですが、A氏の所属する会社では、領収書用紙が誰にでも持出し可能な場所に置いてあり、・・・

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不正発覚後の対応

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内部統制は不正の「機会」を低減するに過ぎない

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2014/06/09 IFRS採用企業数を左右する日本版IFRSの“ネーミング問題”

 2014年6月2日のニュース「3月決算企業、IFRS適用の趨勢は?」 でお伝えしたとおり、2014年5月末現在でIFRSを適用している企業(任意適用を正式に表面している企業を含む)は41社。IFRSに対する日本のプレゼンスを維持・向上させるため、当面はIFRSを強制適用するか否かの判断は行わず、IFRSの任意適用を拡大するという方針(2013年6月「国際会計基準(IFRS)のあり方に関する当面の方針」)を打ち出した金融庁としては物足りない数字だろう。

 こうした中、IFRSの任意適用を増やすための目玉施策として注目されているのが、・・・

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2014/06/09 IFRS採用企業数を左右する日本版IFRSの“ネーミング問題”(会員限定)

 2014年6月2日のニュース「3月決算企業、IFRS適用の趨勢は?」でお伝えしたとおり、2014年5月末現在でIFRSを適用している企業(任意適用を正式に表面している企業を含む)は41社。IFRSに対する日本のプレゼンスを維持・向上させるため、当面はIFRSを強制適用するか否かの判断は行わず、IFRSの任意適用を拡大するという方針(2013年6月「国際会計基準(IFRS)のあり方に関する当面の方針」)を打ち出した金融庁としては物足りない数字だろう。

 こうした中、IFRSの任意適用を増やすための目玉施策として注目されているのが、IFRSのエンドースメント手続(エンドースメントとは、IFRSの一部を自国会計基準に取り込むこと)、すなわち、日本版IFRS(修正版IFRSとも呼ばれる。いずれも正式名称ではない)の開発だ。

 日本版IFRSの開発は、日本の企業会計基準委員会(ASBJ)の「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」が担っており、6月か7月の公開草案のリリースに向けて、現在詰めの作業が行われているところだ。具体的な内容としては、日本基準と考え方が大きく異なる「のれんの非償却」(2014年4月7日のニュース「IFRS敬遠理由の1つ「のれん=非償却」という世界の常識は変わるか? 」参照)と、「ノンリサイクリング」(その他の包括利益=OCI*から純利益への振り替えを認めないこと)を削除し、これを「のれんの償却」と「リサイクリング(OCIから純利益への振り替えを認めること)」に修正する方向で、議論が進められている(議論の内容については、2014年4月16日のニュース「持合株式の売却益は“利益操作”の道具か」を参照)。

* IFRSでは、会計上の操作がやりやすい「純利益」よりも、会社の資産の増減、すなわち「期末の純資産額-期首の純資産額」により求められる「包括利益(CI=Comprehensive Income)」が重視されている。この包括利益と純利益の関係を算式で表わせば「包括利益=純利益+その他の包括利益」となる。すなわち、「その他の包括利益(OCI= Other Comprehensive Income)」とは、純利益と包括利益の差額であり、「純資産のうち純利益(損益計算書)とは関係のないもの(=損益計算書に記載されず、直接貸借対照表に計上されるもの)」を指す。例えば、持合株式のような長期保有目的の有価証券の評価差額(帳簿価格と時価の差額)などはこれに該当する。同様に、持合株式の売却益もOCIとなり、永久に純利益として計上されることはない。

 しかし、ここにきて、重要な問題が浮上している。日本版IFRSの正式名称をどうするかという“ネーミング問題”である。冒頭で紹介した金融庁の「当面の方針」でも、ネーミングは追って検討するとされているが、IFRSを作成しているIASB(国際会計基準審議会)やIFRS財団は、かねてから「ピュアIFRSから、1つでもカーブアウト(=IFRSの一部を採用しないこと)された基準はIFRSとは呼ばない」としており、これがIASBやIFRS財団の公式見解となっている。この考え方からすると、日本版IFRSはIFRSではなく、「日本の会計基準の枠内のもの」ということになる。

 ただ、EUも「ヘッジ会計」をカーブアウトしているものの「IFRS」を名乗っており、IASBもこれをも黙認している。この点からすると、日本版IFRSもIFRSとして認められる可能性はある。

 日本版IFRSがIFRSと認められるかどうかは、最終的には金融庁とIASBなどの利害関係者との折衝を経て決まることになるだろう。日本版IFRSの適用を検討している企業は一定数ある。これらの企業は、正式名称に「IFRS」の4文字が入っており、かつ、それがIFRSとして認められることを当然望むだろう。これが実現するかどうかによって日本版IFRSの採用企業数も大きく変動することが予想されるだけに、“ネーミング問題”の行方が注目される。

2014/06/06 「社外監査役2名」より「社外取締役1名」の方が重い?

 間もなく3月決算会社の定時株主総会が始まるが、社外取締役を選任していない会社の株主総会では、株主からその理由を問う質問が出ることになりそうだ。

 近く国会で成立する会社法改正案では、上場会社等*が社外取締役を置いていない場合、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を事業報告において株主に開示するとともに、定時株主総会でも説明しなければならないことになった。「株主総会での説明」となれば、その場で株主からの質問に回答しなければならないため、社外取締役選任を良しとしない経営陣にとっては、単に事業報告に理由を記載するよりも、より強いプレッシャーになるからだ。

* 会社法上の公開会社かつ大会社である監査役会設置会社で、有価証券報告書の提出義務を負う会社のこと。

 改正会社法が施行されるのは平成27年4月1日になる見込みであり、今回の株主総会は理屈のうえでは改正法の影響は受けないとはいえ、改正会社法をにらんで多くの会社が社外取締役の選任に動く中、これに対応していないとなれば、株主の目を引くのは間違いないだろう。

 では、「社外取締役を選任していない理由」を問われたらどのように回答すればよいのだろうか。・・・

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2014/06/06 「社外監査役2名」より「社外取締役1名」の方が重い?(会員限定)

 間もなく3月決算会社の定時株主総会が始まるが、社外取締役を選任していない会社の株主総会では、株主からその理由を問う質問が出ることになりそうだ。

 近く国会で成立する会社法改正案では、上場会社等*が社外取締役を置いていない場合、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を事業報告において株主に開示するとともに、定時株主総会でも説明しなければならないことになった。「株主総会での説明」となれば、その場で株主からの質問に回答しなければならないため、社外取締役選任を良しとしない経営陣にとっては、単に事業報告に理由を記載するよりも、より強いプレッシャーになるからだ。

* 会社法上の公開会社かつ大会社である監査役会設置会社で、有価証券報告書の提出義務を負う会社のこと。

 改正会社法が施行されるのは平成27年4月1日になる見込みであり、今回の株主総会は理屈のうえでは改正法の影響は受けないとはいえ、改正会社法をにらんで多くの会社が社外取締役の選任に動く中、これに対応していないとなれば、株主の目を引くのは間違いないだろう。

 では、「社外取締役を選任していない理由」を問われたらどのように回答すればよいのだろうか。

 「探したが適当な人材が見つからなかった」「報酬が折り合わなかった」「会社の業績は順調に推移しており、社外取締役を選任する必要性を感じない」「会社の実態を熟知した取締役だけで取締役会を運営した方が、機動的な意思決定ができる」「監査役会設置会社として、監査役の経営監視を受けている」「社外監査役を選任している」といった理由は、会社側の“本音”だとしても、株主を納得させる理由としてはどれも説得力に欠けると思われる。

 では、「社外取締役を置かない代わりに社外監査役を“2名以上”置いているので、当社のコーポレートガバナンスは十分に機能している」という理由はどうだろうか。これは、「社外監査役2名は社外取締役1名に匹敵する」と言っているに等しいが、昨年(2013年11月22日)に会社法改正案が一部修正のうえ自民党法務部会で了承された際には、社外監査役が2名以上あることのみをもって「社外取締役を置くことが相当でない理由」とすることはできないことが確認されている。

 会社としては、株主が納得する「社外取締役を置かない理由」をひねり出すのに頭を悩ませるよりも、素直に「社外取締役として適正な人材が見つかり次第、選任する」旨を株主に説明したうえで、社外取締役を1人確保するのに尽力した方が楽と言えそうだ。

2014/06/05 【2014年5月の課題】業務提携先からの買収提案:解答(会員限定)

株主に報いるためには、経営権の委譲も排除すべきではない

 取締役は「株主から事業の運営を委託」されている立場です。したがって、いかに事業を伸ばし、その結果いかに株主に報いるかを最優先に考えるべきであり、そのためには、究極的には経営権を他に委ねることも排除すべきではありません。しかも、本課題のように重要な業務提携先からの買収提案であれば、それを拒絶することによる事業への影響も考える必要があります。

 以下、本課題を考えるうえで示唆に富む事例を2つ紹介しましょう。

日本ペイントの衝撃

 日本ペイントは2013年1月、業務提携先であり、かつ自社の株式を15%保有する筆頭株主であるウットラムグループに、45%まで株式を買い増すことを目指すとのTOB(株式公開買付け)を提案されました。日本ペイントの経営陣は2010年に導入した買収防衛策の手続に従って提案を検討、いったんは「反対意見」を表明して提案を拒絶、ウットラムも「争うのは本意ではない」と提案を取り下げています。

 しかし2014年2月、日本ペイントはウットラムを対象とする第三者割当増資を発表、議決権の30%をウットラムが握ることになりました。また、ウットラムは株式市場で日本ペイント株式を39%まで買い増す権利を持つとともに、日本ペイントはウットラムから取締役2名を受け入れることになっています。日本ペイントは約1,000億円の調達資金を用いて、ウットラムとのアジア合弁企業8社の保有株式比率を51%まで引き上げて子会社化する予定です。

 両社は1962年に提携関係を結んで以来、アジア各国で事業を共同展開してきており、中国やマレーシア、シンガポールなどでは両社の合弁会社がトップのシェアを誇ります。もっとも、事業拡大に当たっては、ウットラム会長のゴー・ハップ・ジン氏が持つネットワークに拠るところが大きかった模様です。日本ペイントとしては、同氏、同グループとの協業なくして、将来的なグローバル戦略は考えられない状況だったとみられます。

 今回、買収提案を全面的に否定してウットラムとの関係が壊れれば、日本ペイントは海外展開の足掛かりを失い、今後の成長を大きく毀損する可能性がありました。株主への責任、取引先との関係、そして従業員の雇用を考えれば、経営の独立性にこだわり続けるわけにはいかなかったのではないでしょうか。

 この日本ペイントのケースのように、取締役は「企業」以上に「事業」に責任を持つべきだと言えます。

東京エレクトロンの英断

 東京エレクトロンは2013年9月、半導体製造装置の世界最大手アプライドマテリアルと共同持株会社を設立する方式で、2014年後半に経営統合すると発表しました。

 2012年における半導体製造装置の世界市場のシェアは、アプライドマテリアルが首位(14.4%)で、東京エレクトロンは3位(11.1%)。統合後は2位のオランダASML(12.8%)を大きく引き離す世界トップ企業が誕生します。

 半導体マーケットはスマートフォンの急速な普及で高機能化が進んでおり、製造装置の開発において大規模な投資が必要になってきています。こうした中、ビジネスとして生き残るためには規模拡大による体力強化が不可欠でした。統合会社は、コスト削減などにより、設立初年度に年間2億5000万ドル、3年後には同5億ドルのシナジー効果を見込んでいます。

 アプライドマテリアルの時価総額は東京エレクトロンの2倍で、合併比率はそのまま2:1となる見通しです。形としては、東京エレクトロンがアプライドマテリアルに吸収されることになります。両社経営トップは「対等合併」を強調していますが、業界内では「アプライドが主導権を握る」との見方が強くなっています。技術革新の激しい半導体業界で存在感を維持するためには、明確なリーダーシップに率いられた迅速な意思決定が必要でしょう。

 「企業は事業の器」とも言われます。ビジネスを発展させる、すなわち、顧客には良質かつ安定した製品・サービスを、従業員には安定した雇用とやり甲斐のある職務を提供し、ひいては広く社会全体に貢献するためには、この東京エレクトロンのケースのように、時に経営権の在り方は二の次として、最善の道を探るべきです。言葉だけのCSR(企業の社会的責任)経営ではなく、真にすべてのステークホルダーに報いるための「経営の在り方」を、取締役は常に求めるべきだと言えます。

本課題に対する取締役の心構え

 一方、ある上場企業は、同社の関連分野で圧倒的なシェアを持ち、企業買収の経験も豊富な超優良企業から買収提案を受けたにもかかわらず、提案に対する再質問を繰り返すことで協議入りを先延ばしし、結局、事実上の“門前払い”としてしまいました。この企業は買収防衛策を導入していましたが、そもそも買収防衛策の導入は「買収提案を真摯に検討する」という意思表明であり、実際、同社の買収防衛策にも「特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません」などと明示されていました。

 株式市場は「企業買収の市場」とも言われます。1つの企業だけでは期待できないような事業の価値を、複数企業による合同や調整で実現することが、株式市場に期待されている大きな役割の1つと言えます。したがって、実績のある買収者から買収提案を受けた場合には、取締役はこれを真摯に検討するべきであり、「協議にさえ入らなない」といった姿勢は、資本市場から批判の的となります。そもそも、株式を上場していれば買収提案を受けることは当然、起こり得ます。上場企業の取締役は、「自社を売りに出す」選択肢を排除せず、常に事業を発展させるために最適な経営判断を下せるよう、心掛ける必要があります。

 最後に、本課題に対する取締役の心構えをまとめておきます。

(1)買収防衛策の導入は「買収提案を真摯に検討する」という意思表明である。また、買収防衛策の導入以前に、「株式を上場する」ということは常に買収リスクに晒されているということでもあるという緊張感を持って、経営判断の場に臨むべきである。

(2)「企業は事業の器」ともいう。事業を通じてつながるすべてのステークホルダー(顧客、従業員など)にとって何が最善か、そのためには経営権にどこまでこだわるべきか、責任を持って判断しなければならない。

(3)重要な事業パートナーとの関係悪化は、事業存続を大きく左右しかねない。最終的に経営と事業のどちらを優先するか、究極の選択にも備えるべきである。

2014/06/05 (新用語・難解用語)マルチステークホルダー志向

 株主や債権者、従業員、顧客、仕入先、消費者、地域住民、地域社会、自治体など、企業にとってのあらゆる利害関係者(ステークホルダー)間のバランスを図りながらの企業活動を志向することを「マルチステークホルダー志向」という。

 例えば、・・・

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