不正解です。
経済産業省は「産業競争力強化法に基づく募集新株予約権の機動的な発行に関するQ&A」のQ7で「特例委任決議等によって発行された募集新株予約権であっても、税制適格ストックオプションとしての要件を満たしている限り、ストックオプション税制を活用することができます。」と明記しています。以上より問題文は誤りです。
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2024年9月5日 ストックオプション・プールがスタート、税制適格ストックオプションとして付与可能(会員限定)
不正解です。
経済産業省は「産業競争力強化法に基づく募集新株予約権の機動的な発行に関するQ&A」のQ7で「特例委任決議等によって発行された募集新株予約権であっても、税制適格ストックオプションとしての要件を満たしている限り、ストックオプション税制を活用することができます。」と明記しています。以上より問題文は誤りです。
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2024年9月5日 ストックオプション・プールがスタート、税制適格ストックオプションとして付与可能(会員限定)
正解です。
経済産業省は「産業競争力強化法に基づく募集新株予約権の機動的な発行に関するQ&A」のQ7で「特例委任決議等によって発行された募集新株予約権であっても、税制適格ストックオプションとしての要件を満たしている限り、ストックオプション税制を活用することができます。」と明記しています。以上より問題文は誤りです。
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2024年9月5日 ストックオプション・プールがスタート、税制適格ストックオプションとして付与可能(会員限定)
不正解です。
確かに、「自社のウェブサイト」は自社の広告媒体そのものです。とはいえ、「自社のウェブサイト」への表示のやり方次第で、外形上第三者の表示のように見えれば、一般の消費者が「これは広告ではない」と誤解する可能性は十分にあることから、ステルスマーケティングの規制の対象になりえます。実際にRIZAPグループが自社ウェブサイトに「SNSでも話題!絶賛の口コミ続々」との広告を掲載した際に、同社が有償で依頼した第三者のInstagram投稿を「chocoZAP_official とのタイアップ投稿」という表記を付けずに紹介したところ、ステルスマーケティング規制違反を認定されました。
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2024年9月4日 ステマ規制第2号案件から学ぶべきこと(会員限定)
正解です。
確かに、「自社のウェブサイト」は自社の広告媒体そのものです。とはいえ、「自社のウェブサイト」への表示のやり方次第で、外形上第三者の表示のように見えれば、一般の消費者が「これは広告ではない」と誤解する可能性は十分にあることから、ステルスマーケティングの規制の対象になりえます。実際にRIZAPグループが自社ウェブサイトに「SNSでも話題!絶賛の口コミ続々」との広告を掲載した際に、同社が有償で依頼した第三者のInstagram投稿を「chocoZAP_official とのタイアップ投稿」という表記を付けずに紹介したところ、ステルスマーケティング規制違反を認定されました。
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2024年9月4日 ステマ規制第2号案件から学ぶべきこと(会員限定)
上場会社O社の取締役会において、総務担当取締役より「2024年11月からの法施行に向けてフリーランスに発注する際の社内手続きを見直すためのプロジェクトが動いている」との発言があり、これに対して次の3人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「下請法の改正への対応の件ですね。受託側が法人であれば適用されないので、法人成りを躊躇するフリーランサーが増えるかもしれません。」
取締役B:「いわゆる一人親方のような従業員がいないフリーランスを守るための制度改正なので、そのフリーランスの方に従業員が一人でもいればその従業員がたとえ配偶者であったとしても適用対象外になります。」
取締役C:「フリーランスへの発注にあたり従業員がいるかどうかの情報が必要になりますね。継続的な取引だと従業員の有無の状況にも変化があるでしょうし、どうやって当該状況についての情報をアップデートするのか体制整備が重要になりますね。」
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近年、働き方が多様化する中で、フリーランスという働き方を選択する方が増えてきました。もっとも、フリーランスは発注事業者に比べて弱い立場にあることから「こちら(受託事業者側)に非がないのに、一方的に発注が取り消された」「発注事業者から報酬が期日までに支払われなかった」「発注事業者から各種ハラスメントを受けた」といったトラブルに巻き込まれるケースが生じがちと言われています。その背景には、「一人の「個人」として業務委託を受けるフリーランスと、「組織」として業務委託を行う発注事業者との間には、交渉力やその前提となる情報収集力の格差が生じやすいことがある」と言われています(「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)Q&A」(以下、Q&A)の問1)。こうした状況を改善し、フリーランスの方が安定的に働くことができる環境を整備することを目的として2024年11月1日に施行されることになったのが「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、フリーランス新法)」です(公布は2024年5月12日)。下請法が改正されたのではなく、下請法とは別の法律が制定されたことに注意が必要です。
フリーランス新法では、
① 取引の適正化を図るため、発注事業者に対し、フリーランスに業務委託をした際の取引条件の明示等を義務付け、報酬の減額や受領拒否などを禁止するとともに、
② 就業環境の整備を図るため、発注事業者に対し、フリーランスの育児介護等に対する配慮やハラスメント行為に係る相談体制の整備等を義務付けています。
フリーランス新法の適用対象は以下のとおりとされています。
| 「特定受託事業者」(フリーランス)・・・業務委託の相手方であって、次の①、②のいずれかに該当するもの(業種や業界の限定は設けられていない) ① 個人であって、従業員を使用(*)しないもの ② 法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用しないもの 「特定業務委託事業者」(発注事業者)・・・フリーランスに業務委託をする事業者であって、次の①、②のいずれかに該当するもの |
フリーランス新法の適用対象の判定にあたり、受注事業者の「従業員の有無」が重要になることを上述しました。それでは発注事業者は受注事業者の従業員の有無を、どの時点で、どのように確認すればよいのでしょうか。Q&Aの問7では、次のように説明されています。
| 問7 発注事業者は、受注事業者の「従業員」の有無を、どの時点で、どのように確認すればよいのでしょうか。 答 発注事業者は、業務委託をする時点で受注事業者の「従業員」の有無を確認し、当該受注事業者が「従業員を使用」しておらず「特定受託事業者」に該当する場合には、本法を遵守する必要があります。また、受注事業者の「従業員」の有無の確認は、口頭によることも可能ですが、発注事業者や受注事業者にとって過度な負担とならず、かつ、トラブル防止の観点から、記録が残る方法で確認することが望まれます。例えば、電子メール(クラウドメールサービスを含みます。以下同じです。)やSNSのメッセージ機能等を用いて受注事業者に確認する方法などが考えられます。 |
なお、フリーランスの方が配偶者や親や子などの親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族を指す)のうち同居親族のみを使用している場合は「従業員を使用」に該当しないことがQ&Aの問16で明らかにされています。
| 問16 事業に同居親族のみを使用している場合は「従業員を使用」に該当するのでしょうか。 答 事業に同居親族のみを使用している場合には、「従業員を使用」に該当しません。同居親族とは、居住と生計が同一の親族をいいます。 |
業務委託事業者がフリーランスに対して「従業員を使用しているかどうか」質問をしても、フリーランスが「従業員を使用」の意味を誤解して回答することも十分に考えられます。たとえば、フリーランスの方が業務受託にあたり配偶者のサポートを得ている場合に、当該配偶者の存在をもって「従業員を使用している」と回答したり、1週間の所定労働時間が20時間未満のアルバイトがいることをもって「従業員を使用している」と回答するようなケースです。Q&Aの問13では、次のように説明されています。
| 問13 発注事業者が、業務委託をするに当たって、受注事業者に対し「従業員」を使用しているか否かを確認したものの、当該受注事業者が事実と異なる回答を行いました。このような場合において、当該発注事業者の行為が本法に違反することとなったときは、当該発注事業者は本法に基づく措置の対象となりますか。 答 発注事業者が受注事業者に対して「従業員」の有無を確認した際に、実際には従業員を使用していない受注事業者が「従業員を使用しているため特定受託事業者に該当しない」など事実と異なる回答を行い、当該回答を信じた当該発注事業者の行為が本法に違反することとなった場合においても、当該発注事業者の行為は是正する必要があるため、必要に応じて、指導・助言(行政指導)を行うことがあります。ただし、事案の内容に鑑み、勧告(行政指導)や命令(行政処分)を直ちに行うことはしないこととしています。受注事業者においても、発注事業者から「従業員」の有無の確認があった場合には、適切に回答することが望まれます。 |
つまり、発注事業者としては「事実と異なる回答をした受注事業者(フリーランス)が悪いので、是正する必要はない」と主張できないということです。発注事業者としては、フリーランスの誤解を防ぐために「こういう場合は「従業員を使用」にあたる。こういう場合はあたらない。」といった情報をフリーランスに示してあげることも必要になるでしょう。
さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。
取締役C:「フリーランスへの発注にあたり従業員がいるかどうかの情報が必要になりますね。継続的な取引だと従業員の有無の状況にも変化があるでしょうし、どうやって当該状況についての情報をアップデートするのか体制整備が重要になりますね。」
(コメント:フリーランス新法が適用されるかどうかの要件の一つに「従業員がいないこと」があり、発注側としてはその情報をどうやって入手して、また、一度入手した情報をどうやってアップデートするのかが重要になります。取締役Cはフリーランス新法の具体的適用場面をイメージできている点がGOODです。)
取締役A:「下請法の改正への対応の件ですね。受託側が法人であれば適用されないので、法人成りを躊躇するフリーランサーが増えるかもしれません。」
(コメント:フリーランス新法は新しい法律です。下請法が改正されたわけではありません(一つ目のBAD発言)。また、受託側が法人であっても従業員がいなければフリーランス新法が適用されることから、取締役Aの発言「受託側が法人であれば適用されない」は不適切です(二つ目のBAD発言)。)
取締役B:「いわゆる一人親方のような従業員がいないフリーランスを守るための制度改正なので、そのフリーランスの方に従業員が一人でもいればその従業員がたとえ配偶者であったとしても適用対象外になります。」
(コメント:取締役Bは「従業員がいないフリーランスを守るための制度改正」の発言からフリーランス新法の制度趣旨に対して一定程度の理解があることが伺えます。もっとも、「従業員が配偶者一人のようなフリーランスは同制度の適用対象外」の趣旨の発言は制度の理解が十分ではないことを露呈してしまったBAD発言です。)
当フォーラムでもしばしば取り上げてきたSASBスタンダードとは(例えば2021年6月22日のニュース「サステナビリティ開示の将来像」参照)、米国の非営利団体であるSustainability Accounting Standards Board(サステナビリティ会計基準審議会)が中長期視点の投資家の意思決定を支援するために開発した、持続可能性が財務に与える影響を報告するフレームワークをいう。SASBスタンダードは、企業のキャッシュフロー、資金調達、資本コストに影響を及ぼすと合理的に予想されるサステナビリティ関連のリスクと機会を、11のセクター、77の業種について特定している点に特徴がある。SASBスタンダードは、「環境」「社会資本」「人的資本」「ビジネスモデルとイノベーション」「リーダーシップとガバナンス」の5つの領域に関連する開示トピックと開示すべき指標(会計メトリクス)を詳細に定めており、同業種の企業の比較可能性を確保するための重要なツールとなっている。SASBスタンダードを一言で表現するなら、「産業別指標を横並びで比較することができる開示基準」ということになる。
SASB : SASB(サステナビリティ会計基準審議会=Sustainability Accounting Standards Boad)は2011年に設立された米国に拠点を置く団体であり、持続可能性が財務に与える影響を投資家に報告するフレームワークであるSASBスタンダードを策定した。SASBスタンダードは、11セクター・77 産業について、産業ごとに企業の財務パフォーマンスに影響を与える可能性が高いサステナビリティ課題を特定している点に特徴がある。SASBは、統合報告書の作成についての考え方をまとめた「国際統合報告フレームワーク」を策定したことで有名なIIRC(国際統合報告評議会=International Integrated Reporting Council)と合併してVRF(=Value Reporting Foundation)となり、さらにVRFは2022年6月にISSBに統合された。
資本コスト : 「資金提供者(債権者+株主)に対するリターン」のこと(なお、株主に対するリターンには、配当のほかキャピタルゲインも含まれる)。資金提供者に対するリターンが適切にできなければ、債権者は会社に資金の返還を求め、株主は株式を売却(=株価が下落する)せざるを得ない。したがって、会社にとって資本コストは「資金提供者に対するリターンの目標値」と言える。
会計メトリクス : 会計メトリクス(Accounting Metrics)とは、企業の財務状況や業績を定量的に評価するための指標のことをいう。代表的な会計メトリクスとしては、売上高、純利益(売上高からすべての費用を差し引いた後の利益)、営業利益(売上高から営業費用を差し引いた後の利益)、自己資本比率(総資産に対する自己資本の割合)、流動比率(流動資産を流動負債で割った値で、短期的な支払い能力を示す)などがある。会計メトリクスは、企業の経営状況を客観的に評価するうえで重要であり、会計メトリクスを用いることで、経営者や投資家は企業の財務状況を把握することができる。
このようにサステナビリティ開示基準として優れた面を持つSASBスタンダードだが、あくまで“米国発”のものであるため、米国以外の国の企業にとっては使い勝手が良いとは言えず、日本企業にも人気がある基準ではなかった。こうした中、2022年8月からIFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)がSASB基準の開発責任を引き継ぎ、基準の維持、強化、進化に取り組むこととなり、2023年12月にはSASBスタンダードの改訂が行われた。この改訂の狙いは、・・・
ISSB : 「International Sustainability Standards Board(国際サステナビリティ基準審議会)」の略称。資本市場向けのサステナビリティ開示の包括的なグローバル・ベースラインを開発するため、IFRS財団が2021年11月に設立した団体。
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当フォーラムでもしばしば取り上げてきたSASBスタンダードとは(例えば2021年6月22日のニュース「サステナビリティ開示の将来像」参照)、米国の非営利団体であるSustainability Accounting Standards Board(サステナビリティ会計基準審議会)が中長期視点の投資家の意思決定を支援するために開発した、持続可能性が財務に与える影響を報告するフレームワークをいう。SASBスタンダードは、企業のキャッシュフロー、資金調達、資本コストに影響を及ぼすと合理的に予想されるサステナビリティ関連のリスクと機会を、11のセクター、77の業種について特定している点に特徴がある。SASBスタンダードは、「環境」「社会資本」「人的資本」「ビジネスモデルとイノベーション」「リーダーシップとガバナンス」の5つの領域に関連する開示トピックと開示すべき指標(会計メトリクス)を詳細に定めており、同業種の企業の比較可能性を確保するための重要なツールとなっている。SASBスタンダードを一言で表現するなら、「産業別指標を横並びで比較することができる開示基準」ということになる。
SASB : SASB(サステナビリティ会計基準審議会=Sustainability Accounting Standards Boad)は2011年に設立された米国に拠点を置く団体であり、持続可能性が財務に与える影響を投資家に報告するフレームワークであるSASBスタンダードを策定した。SASBスタンダードは、11セクター・77 産業について、産業ごとに企業の財務パフォーマンスに影響を与える可能性が高いサステナビリティ課題を特定している点に特徴がある。SASBは、統合報告書の作成についての考え方をまとめた「国際統合報告フレームワーク」を策定したことで有名なIIRC(国際統合報告評議会=International Integrated Reporting Council)と合併してVRF(=Value Reporting Foundation)となり、さらにVRFは2022年6月にISSBに統合された。
資本コスト : 「資金提供者(債権者+株主)に対するリターン」のこと(なお、株主に対するリターンには、配当のほかキャピタルゲインも含まれる)。資金提供者に対するリターンが適切にできなければ、債権者は会社に資金の返還を求め、株主は株式を売却(=株価が下落する)せざるを得ない。したがって、会社にとって資本コストは「資金提供者に対するリターンの目標値」と言える。
会計メトリクス : 会計メトリクス(Accounting Metrics)とは、企業の財務状況や業績を定量的に評価するための指標のことをいう。代表的な会計メトリクスとしては、売上高、純利益(売上高からすべての費用を差し引いた後の利益)、営業利益(売上高から営業費用を差し引いた後の利益)、自己資本比率(総資産に対する自己資本の割合)、流動比率(流動資産を流動負債で割った値で、短期的な支払い能力を示す)などがある。会計メトリクスは、企業の経営状況を客観的に評価するうえで重要であり、会計メトリクスを用いることで、経営者や投資家は企業の財務状況を把握することができる。
このようにサステナビリティ開示基準として優れた面を持つSASBスタンダードだが、あくまで“米国発”のものであるため、米国以外の国の企業にとっては使い勝手が良いとは言えず、日本企業にも人気がある基準ではなかった。こうした中、2022年8月からIFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)がSASB基準の開発責任を引き継ぎ、基準の維持、強化、進化に取り組むこととなり、2023年12月にはSASBスタンダードの改訂が行われた。この改訂の狙いは、2023年6月にISSBが公表したサステナビリティ開示のグローバルベースラインであるIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」、S2号「気候関連開示」において、サステナビリティ関連のリスク及び機会や開示要求事項を識別する際にSASBスタンダードを考慮する必要があるとされたことを受け、あらゆる国の企業にとってSASBスタンダードが利用しやすいものとなるようにすることにある(S2号においては産業別開示の適用ガイダンスを考慮しなければならないが、当該ガイダンスはSASBスタンダードをベースとしている)。
ISSB : 「International Sustainability Standards Board(国際サステナビリティ基準審議会)」の略称。資本市場向けのサステナビリティ開示の包括的なグローバル・ベースラインを開発するため、IFRS財団が2021年11月に設立した団体。
IFRS S1号 : 「全般的な」サステナビリティ関連開示の要求事項を定めたもの。企業が短期のみならず、中長期にわたって直面するサステナビリティ関連のリスクおよび機会を企業が投資家に伝えるための開示基準である。
S2号 : 気候関連開示の要求事項を定めたものであるが、気候関連開示を求めつつ、S1号とセットで利用されるように設計されている。現状では、「個別テーマ」についての基準はS2号の気候変動しかないため、他のテーマ(例えば人的資本、人権、生物多様性)について開示する場合はS1号に基づくことになる。
日本ではSSBJが初のサステナビリティ開示基準を開発中だが(【2024年6月の課題】Q&Aで学ぶ役員が知っておきたいSSBJ公開草案の概要参照)、いずれにせよIFRSサステナビリティ開示基準と整合性のある内容となる。すなわち、SSBJ基準でも、サステナビリティ関連のリスク及び機会や開示要求事項を識別する際にはSASBスタンダードを考慮する必要があるということだ。これに伴い、日本企業の間でもSASBスタンダードへの注目度は高まりつつある。
SSBJ : 日本における非財務開示の基準を作成する団体。IFRS(国際財務報告基準)の母体であるIFRS財団が「国際サステナビリティ基準審議会(ISSB=International Sustainability Standards Board)」を設立し、非財務開示の国際的な基準「サステナビリティ報告基準」を策定することを受け、日本では財務会計基準機構(FASF)が母体となり、IFRS財団におけるISSBに相当するSSBJ(Sustainability Standards Board of Japan)が2022年7月1日に設立された。
IFRSサステナビリティ開示基準は2024年1月から適用可能な状況となっているが、当フォーラムが2024年3月期の有価証券報告書における【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】欄を調査したところ、下表のとおり、(株)ソシオネクスト(電気機器)がSASBスタンダードが求める産業別指標を自主的に開示していた(ただし、必ずしもIFRSサステナビリティ開示基準には準拠していない)。SSBJによるサステナビリティ開示基準の開発が終われば、いずれプライム市場上場企業はSASBスタンダードを考慮しなければならなくなる。共通の産業別指標の開示が広まることは、同業種の企業の比較を容易にし、投資家にとって有益であることは間違いないだけに、今後は日本においてもSASBスタンダードが存在感を増すことになるだろう。
| 開示項目 | 指標 | 実績 | SASB対照表(コード) | ||
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |||
| 温室効果 ガス排出 |
(1)グローバルでの「Scope1」の総排出 | 318 t-CO2eq | 235 t-CO2eq | 262 t-CO2eq | TC-SC-110a.1 |
| (2)ペルフルオロ化合物からの総排出 | 当社グループ製品には当該物質は含有されていないため、温室効果ガスの排出はありません。 | TC-SC-110a.1 | |||
| 「Scope1」の排出を管理するための長期的及び短期的な戦略又は計画、排出削減目標並びにそれらの目標に対するパフォーマンスの分析についての説明 | 2050年までにGHG排出量(Scope1、2)のカーボンニュートラルを目指しています。 | TC-SC-110a.2 | |||
| 事業活動におけるエネルギー管理 | (1)エネルギー総消費量 | 176,530 GJ | 197,892 GJ | 165,944 GJ | TC-SC-130a.1 |
| (2)電力系統からの電気の割合 | 95.3 % | 96.4 % | 95.2 % | ||
| (3)再生可能エネルギーの割合 | 0 % | 0 % | 0 % | ||
| 水管理 | (1)総取水量 *2022年3月期は国内実績のみ |
3,440 m3 (*) | 4,798 m3 | 4,145 m3 | TC-SC-140a.1 |
| (2)総消費水量、及びそれらの「ベースライン水ストレス」が「高い」又は「極めて高い」地域の割合 | 水ストレスが「極めて高い」「高い」地域における使用割合は、0%です。 | ||||
| 製品ライフサイクル 管理 |
IEC62474申告対象物質を含む製品から生じた売上高の割合 | IEC62474申告対象物質を含む製品から生じた売上高の割合は、0%です。 当社グループ製品では、IEC62474申告対象物質の閾値を超える使用、報告義務のある用途・物質の使用はありません。 |
TC-SC-410a.1 | ||
| (1)サーバー、(2)デスクトップ及び(3)ラップトップのシステムレベルにおけるプロセッサのエネルギー効率 | 該当無し。 | TC-SC-410a.2 | |||
| 総生産量 (自社所有の製造設備及び製造委託契約をしている製造設備による総生産量を開示) |
151,026 千個 | 159,068 千個 | 123,770 千個 | TC-SC-000.A | |
| 自社施設からの生産の割合 | 0 % | 0 % | 0 % | TC-SC-000.B | |
| 当社グループは製造工程を外部に委託しており、自社施設では生産を行っておりません。 | |||||
東証は毎年6月の株主総会シーズン後、独立役員等の確保状況に係る調査結果をウェブサイトにおいて公表しているが、その直近版である「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況(2024年7月12日時点)」によると、過半数の独立社外取締役を選任しているプライム市場上場会社が急速に増加していることが見て取れる(5ページ参照)。
| 会社数or割合 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 会社数 | 223社 | 291社 | 334社 |
| 割合 | 12.1% | 15.9% | 20.3% |
社数にして300社、割合にして20%という数字が示す意味は決して小さくない。さらに当フォーラムが独自に確認した・・・
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東証は毎年6月の株主総会シーズン後、独立役員等の確保状況に係る調査結果をウェブサイトにおいて公表しているが、その直近版である「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況(2024年7月12日時点)」によると、過半数の独立社外取締役を選任しているプライム市場上場会社が急速に増加していることが見て取れる(5ページ参照)。
| 会社数or割合 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 会社数 | 223社 | 291社 | 334社 |
| 割合 | 12.1% | 15.9% | 20.3% |
社数にして300社、割合にして20%という数字が示す意味は決して小さくない。さらに当フォーラムが独自に確認した「独立社外取締役が半数」を占めるプライム市場上場会社218社を加えると、552社、33.6%にまで達する。これらの数字を踏まえると、もはやコーポレートガバナンス・コード原則4-8が求める「3分の1」は明らかに“最低水準”と考えざるを得ない。同原則の後段が求める「総合的に勘案して」「過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考える」べき時期が迫ってきていると言えるだろう。
|
【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】 独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、プライム市場上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも3分の1(その他の市場の上場会社においては2名)以上選任すべきである。 また、上記にかかわらず、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社(その他の市場の上場会社においては少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社)は、十分な人数の独立社外取締役を選任すべきである。 |
独立社外取締役の過半数化を求める資本市場からのプレッシャーも高まっている。コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024(2024年6月19日のニュース「総会前の有報開示、いよいよ実現の可能性」参照)について議論した2024年4月18日開催の金融庁「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」第29回会合では、同アクション・プログラムの案とともに、「ジャパン・コーポレート・ガバナンス・フォーラムにおける意見」(資料5 事務局参考資料①の15ページ参照)が紹介された。具体的には、以下のとおり、「取締役会の実効性向上」のため、独立社外取締役の過半数選任を求めるグローバル投資家の要望が並んでいる。
・独立社外取締役を過半数以上とすることや、指名委員会等設置会社とすること等は、適切なコーポレートガバナンスのカルチャーの形成を促進するものである。
・取締役会の経営陣からの独立性を確保する上で、社外取締役3分の1では不十分。
・次のステップは独立取締役の過半数の選任。長期投資家としては、指名委員会等設置会社であり、取締役の過半数が独立取締役で、資本政策などに関する意思決定の透明性が高い企業が魅力的である。
・監督と執行は分離している必要があり、独立社外取締役の比率は過半数を求めたい。長期的に企業価値を上げるためには、問題のある経営者を辞めさせることができるガバナンスが必要。
これらの声を背景に今後、金融庁は独立社外取締役の過半数化に向けた施策を加速することが予想される。「投資者との建設的な対話を中心に据える」ことをコンセプトとするプライム市場の上場会社はグローバル投資家の要望を真剣に受け止め、取り組みを進める必要がある。
一方、経済産業省も2024年9月17日、「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会」を立ち上げた。同研究会は「『稼ぐ力』を強化する観点から、自社のコーポレートガバナンスの在り方を十分議論した上で、それを実行するための体制や運用の見直しまで落とし込むことが必要」としている。その実現に向け、さらなる迅速・果断な意思決定を引き出すための権限移譲、その基盤として取締役会の監督機能強化、独立社外取締役の過半数化を推進することは容易に想像できる。同研究会の動きも注視しておく必要があろう。