2024/07/02 東証、“一覧表”への掲載よりも「実質面」を重視した新たな方策を今秋以降検討へ

周知のとおり、東証は2023年3月に要請した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関するキーワードをコーポレートガバナンス報告書に記載している企業(「検討中」とした企業を含む。以下同)を一覧表にまとめ、今年1月15日から開示している。一覧表は毎月15日を目途に更新されているが、6月14日に更新された最新の一覧表(5月末時点でのキーワードの記載状況をとりまとめたもの)には、プライム市場上場企業の72%(1,188社)、スタンダード市場上場企業の30%(480社)が掲載された。2か月前の3月末と比較すると、プライム市場では7ポイント、スタンダード市場では4ポイント改善している。これまでと同様に、時価総額が大きく、PBRが1倍未満の企業の掲載率が高い傾向がみられる。逆に、プライム市場でも時価総額が250億円未満でPBRが1倍以上の企業の掲載率は51%と低調となっている。東証の要請がプライム市場とスタンダード市場に上場するすべての企業を対象としているにもかかわらず、要請から1年以上が経過しても未掲載企業が数多く存在することに対しては、投資家から失望の声も聞かれる。


PBR : Price Book-value Ratio=株価純資産倍率(株価÷1株当たり株主資本)。株価が1株当たり純資産(BPS:Book value Per Share)の何倍まで買われているか(=1株当たり純資産の何倍の値段が付いているか)を指す。PBRが1.0を大幅に下回る場合、投資家が企業の将来性に疑問を持っていたり、減損リスクのように潜在的な資産の含み損が多額にのぼる可能性が株価に織り込まれていたりすることを示唆する。

もっとも、一覧表に掲載されていればそれでよいというわけではない。既に市場の注目は・・・

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2024/07/02 東証、“一覧表”への掲載よりも「実質面」を重視した新たな方策を今秋以降検討へ(会員限定)

周知のとおり、東証は2023年3月に要請した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関するキーワードをコーポレートガバナンス報告書に記載している企業(「検討中」とした企業を含む。以下同)を一覧表にまとめ、今年1月15日から開示している。一覧表は毎月15日を目途に更新されているが、6月14日に更新された最新の一覧表(5月末時点でのキーワードの記載状況をとりまとめたもの)には、プライム市場上場企業の72%(1,188社)、スタンダード市場上場企業の30%(480社)が掲載された。2か月前の3月末と比較すると、プライム市場では7ポイント、スタンダード市場では4ポイント改善している。これまでと同様に、時価総額が大きく、PBRが1倍未満の企業の掲載率が高い傾向がみられる。逆に、プライム市場でも時価総額が250億円未満でPBRが1倍以上の企業の掲載率は51%と低調となっている。東証の要請がプライム市場とスタンダード市場に上場するすべての企業を対象としているにもかかわらず、要請から1年以上が経過しても未掲載企業が数多く存在することに対しては、投資家から失望の声も聞かれる。


PBR : Price Book-value Ratio=株価純資産倍率(株価÷1株当たり株主資本)。株価が1株当たり純資産(BPS:Book value Per Share)の何倍まで買われているか(=1株当たり純資産の何倍の値段が付いているか)を指す。PBRが1.0を大幅に下回る場合、投資家が企業の将来性に疑問を持っていたり、減損リスクのように潜在的な資産の含み損が多額にのぼる可能性が株価に織り込まれていたりすることを示唆する。

もっとも、一覧表に掲載されていればそれでよいというわけではない。既に市場の注目は「一覧表に掲載されているかどうか」から「本当に資本コストや株価を意識した経営が実現しているのか」という「実質面」に移りつつあるからだ。3月22日に開催された東証の「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」(以下、フォローアップ会議)の第15回会合では、メンバーの1人が「本質的なところは資本収益性・成長性が上がっているのか、市場がそれを評価しているのか、ということ」と指摘したうえで、「開示はあくまでも手段であって、目的化しないようにしていただきたい」と企業にクギを刺している。一覧表に掲載されいる企業(「検討中」の企業を除く)であっても、資本収益性(ROE、ROICROAなど)や成長性が高まり、その実績を資本市場が評価した結果として株価が上昇していないのであれば、「対応は不十分」と判断されるということだ。5月21日開催の第16回フォローアップ会議では、メンバーから「資本コストを超えるリターンを生むことは、グローバル目線でもなく、上場している以上は求められること」との声も上がった。この発言は、「資本コストを超えるリターン」はプライム市場上場企業に限らず、グロース市場上場企業を含むすべての上場企業に課せられる責務、という趣旨だと考えられる。


ROA : Return On Assets =総資産利益率(利益/総資産)。ROAは利益を総資産で除して求めるため、分母である総資産の増加はROAの低下をもたらす。実務上、ROAの利益には「営業利益」もしくは「事業利益」を使うことが多い。これは、総資産に対応する利益は、営業利益あるいは事業利益であるという考え方による。

こうした指摘を踏まえ東証は、3月期決算企業の取り組みの開示・アップデートが出揃うであろう今秋以降に、企業の実効的な取り組みや機関投資家との建設的な対話の更なる促進に向けた方策を検討する方針を示している。既に一覧表に掲載され、東証の要請への対応に取り組んでいる企業、特にプライム市場上場企業に対しては、取り組みの「実質面」が問われる一方、未対応企業に対してはフォローアップ会議でも数多くの懸念が寄せられており、なかには「未対応企業に対してはその理由の表明を求めるべき」との厳しい意見も出た。

資本市場では、東証の要請に未対応の企業や資本コストを上回る資本収益性を確保できていない企業の取締役の選任議案に反対する機関投資家も現れ始めている。例えば、大和アセットマネジメントは、直近3期のROEがすべて同一業界内の下位33%水準を下回っており、直近決算期末のPBRが1倍を下回る企業の社内取締役の選任に原則として反対する。また、ニッセイアセットマネジメントは、2025年6月からPBRが1倍未満で東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を未開示の企業の代表取締役の選任に原則として反対する。三菱UFJ信託銀行は、2027年4月からTOPIX500企業を対象に3期連続ROE8%未満かつPBR1倍未満の場合に代表取締役の再任に反対するとしていることに加え、それ以前に、対話で改善を求めたにもかかわらず資本コストを意識した経営方針が示されないと判断される場合も反対する方針を示している。取締役の選任議案への賛否においてROE基準を導入済みの機関投資家は少なくないが、今後は東証の要請への対応を意識した基準の設定が増える可能性がある。

このような資本市場の潮流は、東証の要請に対して実効的な対応を行う企業と表面的な対応にとどまる企業の株価パフォーマンスの格差を拡大させることが懸念される。対応が不十分な企業においては、経営トップの再任に反対されるだけでなく、アクティビストや同意なき買収者のターゲットとなるリスクが従来以上に高まるだろう。既に対応に取り組み、一覧表に掲載されている企業もその内容を改めて精査し、上述のとおり東証が今秋以降に検討するという、取り組みの「実質面」を重視した新たな方策に備えたいところだ。

2024/07/01 株主提案の根拠としてDOEが使用されるケースが急増

2024年6月の株主総会で株主提案を受けた企業は91社と、過去最高を記録している。もっとも、2023年6月の株主総会でも株主提案を受けた企業は90社に達しており、トレンドとしては“頭打ち”と見ることもできる。当面は毎年の6月総会シーズンで100社に近い上場企業が株主提案を受ける流れが続くことも予想される。そして、そのうち約半数はアクティビストなど機関投資家によるものとなろう。

当フォーラムでは近年の株主提案における傾向を分析するため、過去3年間の「7月~6月」における適時開示情報で確認された「株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ」に類するプレスリリースをチェックし、主にコーポレートファイナンスの観点から投資家の関心事となったと考えられるキーワードの使用状況を調査した。その結果は下表のとおり。・・・

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2024/07/01 株主提案の根拠としてDOEが使用されるケースが急増(会員限定)

2024年6月の株主総会で株主提案を受けた企業は91社と、過去最高を記録している。もっとも、2023年6月の株主総会でも株主提案を受けた企業は90社に達しており、トレンドとしては“頭打ち”と見ることもできる。当面は毎年の6月総会シーズンで100社に近い上場企業が株主提案を受ける流れが続くことも予想される。そして、そのうち約半数はアクティビストなど機関投資家によるものとなろう。

当フォーラムでは近年の株主提案における傾向を分析するため、過去3年間の「7月~6月」における適時開示情報で確認された「株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ」に類するプレスリリースをチェックし、主にコーポレートファイナンスの観点から投資家の関心事となったと考えられるキーワードの使用状況を調査した。その結果は下表のとおり。

年(7月~6月) ROE 資本コスト PBR
DOE
2022年 25社 17社 11社 4社
2023年 36社 27社 26社 11社
2024年 52社 47社 37社 29社


ROE : Return On Equity=株主資本利益率(当期純利益/株主資本)
資本コスト : 「資金提供者(債権者+株主)に対するリターン」のこと(なお、株主に対するリターンには、配当のほかキャピタルゲインも含まれる)。資金提供者に対するリターンが適切にできなければ、債権者は会社に資金の返還を求め、株主は株式を売却(=株価が下落する)せざるを得ない。したがって、会社にとって資本コストは「資金提供者に対するリターンの目標値」と言える。
PBR : Price Book-value Ratio=株価純資産倍率(株価÷1株当たり株主資本)。株価が1株当たり純資産(BPS:Book value Per Share)の何倍まで買われているか(=1株当たり純資産の何倍の値段が付いているか)を指す。PBRが1.0を大幅に下回る場合、投資家が企業の将来性に疑問を持っていたり、減損リスクのように潜在的な資産の含み損が多額にのぼる可能性が株価に織り込まれていたりすることを示唆する。

東証が2023年3月31日にプライム市場およびスタンダード市場上場企業に対し「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請したことを受けて、2023年6月株主総会では、同要請のタイトルや内容を引用した株主提案が増加したことは、2023年5月9日のニュース『東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」引用した株主提案相次ぐ』でお伝えしたとおりだ。2024年6月株主総会でも同様のトレンドに拍車がかかっており、「ROE」「資本コスト」「PBR」といったキーワードを株主提案に引用するケースが引き続き増加している。

さらに、2024年6月株主総会における特徴としては、「DOE(純資産配当率)」という用語を記載した株主提案が目に付く。絶対数こそ上述の3つのキーワード(ROE、資本コスト、PBR)よりは少ないものの、前年比で2.6倍と急激している。DOEは配当総額を分子、株主資本を分母とするため、当期純利益を分母とする配当性向と違って数値のブレが小さく、安定的な配当政策の基準とするのに適していることから、近年、上場企業における株主還元指標としての採用が相次いでいる。またDOEは「ROE×配当性向」に分解できることから(詳細は(新用語・難解用語)DOEの図参照)、自社のROE水準を踏まえた独自の配当政策を導出、説明するツールとしても優れている(ケーススタディ「【配当】会社の成長ステージに応じて株主還元策を見直したい」参照)。


DOE(純資産配当率) : Dividend on Equityの略。「年間配当額÷純資産(期首時点と期末時点の『純資産の部』合計額の平均 )」によって算出される。
配当性向 : 当期純利益に占める「配当金」の割合

生命保険協会が2024年4月に公表した『生命保険会社の資産運用を通じた「株式市場の活性化」と「持続可能な社会の実現」に向けた取組について』によると、株主還元の数値目標としてDOEを用いている上場企業の数は、2014年には35社に過ぎなかったが、2023年になると92社と3倍近くに増加している(5ページ右の表「株主還元に関する数値目標別公表会社数」参照)。配当性向(563社)や総還元性向(230社)と比較すれば未だ少ないが、株主還元の指標として着実に存在感を高めていると言えよう。


総還元性向 : 企業が利益をどの程度株主に還元しているかを示す指標。「総配分性向」「株主還元性向」とも言われる。「(配当金+自社株買いの金額)÷当期純利益」によって計算される。ちなみに、「配当性向」は当期純利益に占める「配当金」のみの割合を示す。自社株買いも株主還元の1つであるため、最近は配当性向とともに、総還元性向を開示する企業が多い。

上場企業の間でDOEが一般的な概念になってきたことを受けて、株主提案においても「説得力の伴った」「反対することが難しい」ロジックを構築するため、DOEが用いられるようになったものと推測される。下表の株主提案事例では、いずれも配当性向と組み合わせてDOEが用いられており、ROEの水準が低い場合はDOEが採用される仕組みとなっている。まさに「事業の成長性が低いならば株主に資金をより多く返すべき」との考え方に沿った要求と言える。なお、日本の上場企業の平均的なDOEは2~3%の水準にとどまっており、下表の株主提案者による要求レベルは、程度の差こそあれ、いずれも実態を上回っていることには留意したい。

前提となる定款変更議案の賛成率(同議案の否決により剰余金処分議案は審議されず)
企業名 提案者 議案 DOEなどの要求水準 賛成率
熊谷組 OASIS
INVESTMENTS.
剰余金処分 配当性向50%またはDOE4%
以上のいずれか高い方
22.9%
淀川製鋼所 ストラテジック
キャピタル
剰余金処分 配当性向100%またはDOE7%
に相当する額のどちらか高い
方の金額
28.8%*
日邦産業 GLOBAL ESG
STRATEGY
定款一部変更 配当性向100%または純資産
DOE 10%のどちらか高い方
15.7%


総還元性向 : 企業が利益をどの程度株主に還元しているかを示す指標。「総配分性向」「株主還元性向」とも言われる。「(配当金+自社株買いの金額)÷当期純利益」によって計算される。ちなみに、「配当性向」は当期純利益に占める「配当金」のみの割合を示す。自社株買いも株主還元の1つであるため、最近は配当性向とともに、総還元性向を開示する企業が多い。

また、「DOE」というキーワードは、株主提案に対する取締役会の反対意見においても多く用いられている。その中には「DOE3.0~4.0%を目安とする」(マブチモーター)や、「DOEは5.3%と向上している」(インテージホールディングス)など、相対的に高い水準の目標や実績を株主に訴えるものも見られる。上場企業各社にあっては、株主の信任を得るための手段として、DOEを軸とした財務戦略を策定し、株主に説明することも検討に値しよう。

2024/06/28 2024年6月度チェックテスト

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【問題1】

会社法の株式報酬制度を利用すれば、従業員に対しても無償で株式を付与できる。


正しい
間違い
【問題2】

コングロマリット解消の是非についての議論は投資家側と事業会社側のどちらでポートフォリオを組むのかという議論ともいえる。


正しい
間違い
【問題3】

議決権行使助言会社のISSは、上場会社の公開情報のみならず、会社から得た非公開情報も参考にしながら、機関投資家への助言を行っている。

正しい
間違い
【問題4】

株主総会で役員報酬に関する議案を提案する機関投資家はいても、従業員給与の増額を提案する機関投資家はいない。


正しい
間違い
【問題5】

監査役型から委員会型のガバナンスに移行する場合、取締役に期待する機能・役割を定義するスキル・マトリックスも少なからず変更されて然るべきと言える。


正しい
間違い
【問題6】

上場子会社が親会社グループのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参加すると、利益相反の問題が生じる。


正しい
間違い
【問題7】

自爆営業は労働者に経済的損失や精神的苦痛を与える行為であり、たとえパワハラに該当しなくても根絶すべきである。


正しい
間違い
【問題8】

内部監査においてデュアルレポーティングが有効とされているのは、デュアルレポーティングが「社長が不祥事を握りつぶすリスク」に備えた仕組みであるからである。


正しい
間違い
【問題9】

医療法人が運営する診療所がインフルエンザワクチン接種者に対して、接種費用割引と引換えにGoogleマップ上での高評価を依頼し、ワクチン接種者が同クリニックの口コミ投稿欄に「★★★★★」または「★★★★」を投稿していた事案で、消費者庁は当該医療法人に対し、当該クリニックが優良なクリニックであると誤認させる表示をしたという点が「優良誤認表示」にあたるとして景品表示法違反に基づく措置命令を出した。


正しい
間違い
【問題10】

公務員やみなし公務員にあたらない普通の事業会社の取締役は収賄罪違反を問われることはない。


正しい
間違い

2024/06/28 2024年6月度チェックテスト第10問解答画面(不正解)

不正解です。
会社法967条1項で、取締役などが「その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金に処する」と定められています。問題文の「取締役は収賄罪違反を問われることはない」は誤りです。

こちらの記事で再確認!
2024年6月27日 【役員会 Good&Bad発言集】贈答の禁止(会員限定)

2024/06/28 2024年6月度チェックテスト第10問解答画面(正解)

正解です。
会社法967条1項で、取締役などが「その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金に処する」と定められています。問題文の「取締役は収賄罪違反を問われることはない」は誤りです。

こちらの記事で再確認!
2024年6月27日 【役員会 Good&Bad発言集】贈答の禁止(会員限定)

2024/06/28 2024年6月度チェックテスト第9問解答画面(不正解)

不正解です。
消費者庁は2024年6月7日にステマ規制の適用第1号事案を公表しました。これは、医療法人が運営する診療所がインフルエンザワクチン接種者に対して、接種費用割引と引換えにGoogleマップ上での高評価を依頼し、ワクチン接種者が同クリニックの口コミ投稿欄に「★★★★★」または「★★★★」を投稿していた事案で、消費者庁は当該医療法人に対し、当該表示が事業者以外の者による表示であると一般消費者が誤認するものであり「ステルスマーケティング」に該当するとして景品表示法違反に基づく措置命令を出したというものです。問題文は「優良誤認表示」に該当するとしている点で間違いです。ステマ規制は当該表示が事業者以外の者による表示であると一般消費者が誤認してしまう表示を規制しており、一般消費者が「商品またはサービスの品質」を誤認してしまう表示を規制する優良誤認表示規制とは、一般消費者の誤認の対象が異なる点に注意したいところです。

こちらの記事で再確認!
2024年6月18日 ステマ規制に措置命令、第1号事案から読み解く規制内容(会員限定)

2024/06/28 2024年6月度チェックテスト第9問解答画面(正解)

正解です。
消費者庁は2024年6月7日にステマ規制の適用第1号事案を公表しました。これは、医療法人が運営する診療所がインフルエンザワクチン接種者に対して、接種費用割引と引換えにGoogleマップ上での高評価を依頼し、ワクチン接種者が同クリニックの口コミ投稿欄に「★★★★★」または「★★★★」を投稿していた事案で、消費者庁は当該医療法人に対し、当該表示が事業者以外の者による表示であると一般消費者が誤認するものであり「ステルスマーケティング」に該当するとして景品表示法違反に基づく措置命令を出したというものです。問題文は「優良誤認表示」に該当するとしている点で間違いです。ステマ規制は当該表示が事業者以外の者による表示であると一般消費者が誤認してしまう表示を規制しており、一般消費者が「商品またはサービスの品質」を誤認してしまう表示を規制する優良誤認表示規制とは、一般消費者の誤認の対象が異なる点に注意したいところです。

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2024年6月18日 ステマ規制に措置命令、第1号事案から読み解く規制内容(会員限定)

2024/06/28 2024年6月度チェックテスト第8問解答画面(不正解)

不正解です。
問題文のとおり、内部監査においてデュアルレポーティングが有効とされているのは、デュアルレポーティングが「社長が不祥事を握りつぶすリスク」に備えた仕組みであるからと言えます(問題文は正しいです)。もちろん、デュアルレポーティングといえども万能ではないことから、取締役会及び監査役会は内部監査から報告を受ける際に、何か重要な情報が握りつぶされていないかといった健全な懐疑心を抱いて臨むべきです。

こちらの記事で再確認!
2024年6月13日 自社の内部監査への信頼を獲得するための工夫(会員限定)