2021/07/13 プライム市場の選択を決断するうえで必要な視点(会員限定)

先週金曜日(2021年7月9日)、東証は新市場の上場維持基準への適合状況の一次判定結果を上場会社各社に通知したが、これを受け、各社からは『新市場区分「プライム市場」適合のお知らせ』といったリリースが相次いでいる。今後、上場会社各社は、「2021年9月1日〜12月30日」の間にどの市場を選択するかを東証に申請することになる(新市場区分の選択手続の流れはこちら)。どの市場を選択するかにあたり、上場会社各社にとって、流通株式時価総額などとともに検討材料となるのが、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)への対応だ。下表のとおり、6月11日に施行された改訂CGコードの中には、プライム市場上場会社のみを対象とした原則があり、プライム市場を選択するかどうかを議論する際には、これらの原則に対応できるかを検討する必要がある。

<改訂CGコードのうち、プライム市場上場会社のみを対象としたもの(表中の赤字部分)>
【原則1-2.株主総会における権利行使】
場会社は、株主総会が株主との建設的な対話の場であることを認識し、株主の視点に立って、株主総会における権利行使に係る適切な環境整備を行うべきである。
補充原則1-2④
上場会社は、自社の株主における機関投資家や海外投資家の比率等も踏まえ、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳を進めるべきである。
特に、プライム市場上場会社は、少なくとも機関投資家向けに議決権電子行使プラットフォームを利用可能とすべきである。
【原則3-1.情報開示の充実】
上場会社は、法令に基づく開示を適切に行うことに加え、会社の意思決定の透明性・公正性を確保し、実効的なコーポレートガバナンスを実現するとの観点から、(本コードの各原則において開示を求めている事項のほか、)以下の事項について開示し、主体的な情報発信を行うべきである。
(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
(ⅱ)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
(ⅲ)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
(ⅳ)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
(ⅴ)取締役会が上記(ⅳ)を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選解任・指名についての説明
補充原則3-1②
上場会社は、自社の株主における海外投資家等の比率も踏まえ、合理的な範囲において、英語での情報の開示・提供を進めるべきである。
特に、プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである。

補充原則3-1③
上場会社は、経営戦略の開示に当たって、自社のサステナビリティについての取組みを適切に開示すべきである。また、人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供すべきである。
特に、プライム市場上場会社は、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきである。

【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】
独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、プライム市場上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも3分の1(その他の市場の上場会社においては2名)以上選任すべきである。また、上記にかかわらず、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社(その他の市場の上場会社においては少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社)は、十分な人数の独立社外取締役を選任すべきである。
補充原則4-8③
支配株主を有する上場会社は、取締役会において支配株主からの独立性を有する独立社外取締役を少なくとも3分の1以上(プライム市場上場会社においては過半数)選任するか、または支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為について審議・検討を行う、独立社外取締役を含む独立性を有する者で構成された特別委員会を設置すべきである。
【原則4-10.任意の仕組みの活用】
上場会社は、会社法が定める会社の機関設計のうち会社の特性に応じて最も適切な形態を採用するに当たり、必要に応じて任意の仕組みを活用することにより、統治機能の更なる充実を図るべきである。
補充原則4-10①
上場会社が監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合には、経営陣幹部・取締役の指名(後継者計画を含む)・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した指名委員会・報酬諮問委員会を設置することにより、指名や・報酬などの特に重要な事項に関する検討に当たり、ジェンダー等の多様性やスキルの観点を含め、これらの委員会の独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきである。
特に、プライム市場上場会社は、各委員会の構成員の過半数を独立社外取締役とすることを基本とし、その委員会構成の独立性に関する考え方・権限・役割等を開示すべきである。

そして、プライム市場を選択するかどうかを決断するうえで見落としがちな視点が、プライム市場向けの原則は、CGコード全体の改訂とともに、3年後には再び見直されるということだ。上の表にあるプライム市場向けの原則への対応で精一杯という上場会社は、さらに厳しい原則が追加された場合、自社がそれに耐えうるかという観点からも、プライム市場を選択するかどうかを見極める必要がある。

具体的にどのような原則が追加されるかが現時点で確定しているわけではないが、そのヒントとなるのが、「コーポレートガバナンス・コード(およびスチュワードシップ・コード)の附属文書」と位置付けられる「投資家と企業の対話ガイドライン」(以下、対話ガイドライン)だ。対話ガイドラインは投資家の関心事や投資家から問われる可能性のある論点を指摘・整理したものであり、必ずしも実現することが求められているわけではない(2021年4月2日のニュース「改訂対話ガイドラインの位置付け」参照)。しかし、そこに盛り込まれている事項が「投資家の関心事や投資家から問われる可能性のある論点」であるということは、逆に言うと、それらの論点は次回のCGコード改訂時にフォローアップ会議で議論され、場合によってはCGコードに落とし込まれる可能性があるということだ。

今回のCGコードの改訂とともに実施された対話ガイドラインの改訂では、「サステナビリティ委員会の設置」(1-3)、「有価証券報告書の株主総会開催日前提出」(4-1-3)のほか、CGコードに盛り込むことが検討されたものの企業側の反対により見送られた筆頭独立社外取締役の設置(4-4-1、2021年2月24日のニュース「筆頭独立社外取締役に関する補充原則、「例えば」の削除でエクスプレイン続出も」参照)など、上場会社にとって負担となる改訂も盛り込まれている。

プライム市場が「多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資家との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業及びその企業に投資をする機関投資家や一般投資家のための市場」であり、海外市場と同水準の基準を満たした日本を代表するグローバル企業の上場が想定されている以上(東証「市場区分見直しの概要」の「新市場区分のコンセプト」参照))、CGコードもより厳しい内容となっていくことは想像に難くない。プライム市場の選択を決断する際には、今後もCGコード対応のハードルが上がり続けることへの覚悟が求められると言えよう。

2021/07/12 連日新聞報道続く「新たな法人課税ルール」は自社に関係ある?

インターネットを通じ国境を問わず経済取引が行われるデジタル経済の進展を受け、OECD(経済協力開発機構)が法人税収を各国に配分する新たな課税ルールである「デジタル課税」案を検討していることは2019年10月17日のニュース「デジタル課税、大部分の上場企業が対象となる業種も」でお伝えしたところだが、この新たな課税ルールが7月10日に閉幕したG20(財務相・中央銀行総裁会議)における新たな法人課税のルールに関する国際的な合意に至ったとの新聞報道がここ数日紙面を賑わせている。「歴史的」といった見出しも見られるように、そのインパクトは大きい。ただ、多くの日本企業は、この新たな課税ルールが自社に関係あるのかどうか、・・・

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2021/07/12 連日新聞報道続く「新たな法人課税ルール」は自社に関係ある?(会員限定)

インターネットを通じ国境を問わず経済取引が行われるデジタル経済の進展を受け、OECD(経済協力開発機構)が法人税収を各国に配分する新たな課税ルールである「デジタル課税」案を検討していることは2019年10月17日のニュース「デジタル課税、大部分の上場企業が対象となる業種も」でお伝えしたところだが、この新たな課税ルールが7月10日に閉幕したG20(財務相・中央銀行総裁会議)における新たな法人課税のルールに関する国際的な合意に至ったとの新聞報道がここ数日紙面を賑わせている。「歴史的」といった見出しも見られるように、そのインパクトは大きい。ただ、多くの日本企業は、この新たな課税ルールが自社に関係あるのかどうか、実はピンと来ていないのではないだろうか。

元々、この議論はGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)が世界各国で莫大な売上・利益を得ているにもかかわらず各国に適切に税金を払っていないという批判に端を発していることや、「デジタル課税」という通称から、デジタル系でない企業の中には「ウチには関係ない」と考えているところも少ないものと思われる。そこで本稿では、新聞報道等では必ずしも明らかとは言えない「自社に関係があるかどうか」という、経営陣にとって最も気になる点をお伝えしたい。

まず押さえておきたいのは、「デジタル課税」には2種類あるということだ。

一つは「第1の柱(Pillar(ピラー=柱)1」と呼ばれ、企業グループが生み出すグローバルの利益のうち「通常利益を超える部分」を“みなし残余利益”として抽出し、それを各市場国に売上高比で配分する仕組み。つまり、利益率の高いグローバル企業ほど課税を受けやすいということだ。

もう一つは「第2の柱(Pillar2)」と呼ばれ、全世界共通の「最低税率」を定め、ある国でこの最低税率の税金を課されていない企業に対しては、最終親会社の所在地国で最低税率までの追加課税行うもの。近年、企業誘致のため各国が競って法人税率を引き下げてきた。これは日本も例外ではない(日本の法人税率の推移はこちら)。この“税率引下げ競争”れに歯止めをかけようというのが、第2の柱の趣旨である。ここでいう「全世界共通の最低税率」として「15%」という数字が浮上しているが、15%で決着するのか、あるいはそれ以上となるかのは、最終的には政治判断となる。

最終親会社 : 企業グループの構成会社等のうち、他の構成会社等の「議決権の過半数」等を支配するもの。要するに企業グループの頂点に立つ企業のことである。

では、「第1の柱」あるいは「第2の柱」により課税対象となる日本企業はどれくらいあるのだろうか。

まず「第1の柱」については、議論の当初は「消費者向けビジネス」など対象を限定する案も出ていたが、結論としては、業種による判定は行わず、「全世界売上高が200億ユーロかつ売上高税引前利益率10%超」という基準を満たす多国籍企業が対象とされることになった。ただし、規制業種である金融業などは除外される。全世界売上高が200億ユーロというと、現状の為替レート(1ユーロ=約130円)をベースにすれば、約2.6兆円となる。直近の上場企業各社の決算を調べると、この基準を満たす日本企業はトヨタ自動車、ソフトバンクグループなど5、6社しかない。現時点では売上高や利益率の定義が明確になっていないため、あくまで予想の域を越えないとはいえ、いずれにせよ、ほとんどの日本企業は「第1の柱」による課税対象外となることはほぼ確実と言ってよい。今回の合意では、将来的(合意の発効後、7年目以降)には「全世界売上高」を半分(1.3兆円)に引き下げる可能性も示されているが、全世界売上高1.3兆円という要件に加え、「売上高税引前利益率10%超」という要件も満たす日本企業は現時点ではオリックスなどごくわずかな企業に限られる。結論として、大部分の日本企業は「第1の柱」の対象となることはないと考えてよいだろう。

これに対し、「第2の柱」については多くの日本企業が対象となる可能性がある。第2の柱は、連結総収入金額が7億5,000万ユーロ(約1,000億円)以上の多国籍企業に適用される。また、連結総収入金額が1,000億円未満の多国籍企業グループであっても、親会社の所在地国の税務当局が必要と考えれば、第2の柱を適用できるようにすることが検討されている。連結総収入金額1,000億円と言えば、日本の上場企業の中では中堅クラスと言える。さらに連結総収入金額1,000億円未満でも適用対象になるとされれば、多くの上場企業にとって、“他人事”ではなくなる。

連結総収入金額 : 連結財務諸表における売上金額、収入金額その他の収益の額の合計額
多国籍企業 : 企業グループの構成企業等の所在地国が二以上あるものなど

第2の柱は2023年に施行することが検討されている。これに対し企業側からは「早すぎる」など批判の声が上がっており、施行時期はもっと遅くなることも考えられる。10月に予定される各国による最終合意が注目される。

2021/07/11 【WEBセミナー】コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分

概略

【WEBセミナー収録日】2021年7月11日

2021年6月株主総会も終了し、上場会社各社においては、6月11日に施行された改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応に向けた検討を本格的に始めようというところも多いことと思われます。本セミナーでは、コーポレートガバナンス・コードの導入から今回の改訂に至るまで一連の取組みの企画・立案業務を担当してきた東京証券取引所 上場部 部長の林謙太郎様をお招きし、「コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分」とのテーマで、コーポレートガバナンス・コードの改訂や市場区分の見直しの意図、上場会社各社に期待される対応などについてご講演いただきます。具体的には、「取締役会の機能発揮」「企業の中核人材の多様性の確保」「サステナビリティを巡る課題への取組み」をはじめとする今回の改訂における主要項目を中心に改訂の趣旨や背景、新市場区分の上場維持基準を充たしていない場合に適用される経過措置、適用上場維持基準の適合に向けた計画書など、上場会社各社にとって気になる点について解説していただきます。

【講師】株式会社東京証券取引所 上場部 部長 林 謙太郎 様

セミナー資料 コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分.pdf

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セミナー動画

東証の新たな市場区分(1)・・・コーポレートガバナンス・コードの改訂(1)

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東証の新たな市場区分(2)・・・コーポレートガバナンス・コードの改訂(2)コードの主な改訂項目~

57103b

東証の新たな市場区分(3)・・・コーポレートガバナンス・コードの改訂(3)サステナビリティを巡る課題への取組み~

57103c

東証の新たな市場区分(4)・・・東証の新たな市場区分

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東証の新たな市場区分(5)・・・東証の新たな市場区分(続き)

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本Webセミナーを閲覧して感じたことや気付いた点(学んだ点、疑問点、自社の課題など)を下の右側の「感想の登録」ボタンを押してください。マイ研修レポートの所感等記入欄の書き直しもこちらからどうぞ。

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2021/07/11 WEBセミナー「コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分」配信開始!

新型コロナウイルス禍において会員の皆様に必要な情報をいち早くお届けするべく、2021年7月11日(日)より下記のWEBセミナーの配信を開始いたしました。

テーマ 講 師
コーポレートガバナンス・コードの改訂と
東証の新たな市場区分
株式会社東京証券取引所 上場部 部長 林 謙太郎 様

■WEBセミナーの詳細

セミナー
の内容
2021年6月株主総会も終了し、上場会社各社においては、6月11日に施行された改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応に向けた検討を本格的に始めようというところも多いことと思われます。本セミナーでは、コーポレートガバナンス・コードの導入から今回の改訂に至るまで一連の取組みの企画・立案業務を担当してきた東京証券取引所 上場部 部長の林謙太郎様をお招きし、「コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分」とのテーマで、コーポレートガバナンス・コードの改訂や市場区分の見直しの意図、上場会社各社に期待される対応などについてご講演いただきます。具体的には、「取締役会の機能発揮」「企業の中核人材の多様性の確保」「サステナビリティを巡る課題への取組み」をはじめとする今回の改訂における主要項目を中心に改訂の趣旨や背景、新市場区分の上場維持基準を充たしていない場合に適用される経過措置、適用上場維持基準の適合に向けた計画書など、上場会社各社にとって気になる点について解説していただきます。
講師の
ご紹介
林 謙太郎(はやし けんたろう)様
1994年4月に東京証券取引所に入社後、債券部門、上場部門における勤務、証券保管振替機構への出向を経て、2009年6月から上場部 部長(現職)。証券保管振替機構への出向中には、株式のDVP決済、株券電子化の制度創設に携わったほか、上場部門配属後は、2010年における独立役員制度の導入、コーポレートガバナンス・コードの導入から今般の改訂に至る一連の取組みの企画・立案業務を担当。

会員の方は下記URLよりWEBセミナーを視聴いただくことができます。
■会員向けURL(ログインが必要です)
https://govforum.jp/member/webseminar-webseminar-l/57085/

非会員の方は下記URLよりWEBセミナーの視聴をお申込みいただけます。
■非会員向けURL(グーグルフォームが立ち上がります)
https://docs.google.com/forms/d/1872atxvkqc7pMRBR5-QiOLC_MP8pbUHKT0KVsS__Bcg

<収録月>
2021年7月

<収録時間>
1時間9分

<視聴環境>
ブラウザー上で視聴できます。インターネットエクスプローラー、エッジで再生できない場合は、ChromeまたはFirefoxなど他のブラウザーをお試しください。また、インターネットに接続する際にプライベートネットワークやプロキシサーバーを経由している場合やファイアーウォールのセキュリティレベルが高い場合には、サンプル動画が再生されない可能性があります。
万が一、こちらのサンプル動画が再生されない場合、端末を管理するシステム管理者にお問い合わせください。

2021/07/11 【WEBセミナー】コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分(会員限定)

概略

【WEBセミナー公開開始日】2021年7月11日

2021年6月株主総会も終了し、上場会社各社においては、6月11日に施行された改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応に向けた検討を本格的に始めようというところも多いことと思われます。本セミナーでは、コーポレートガバナンス・コードの導入から今回の改訂に至るまで一連の取組みの企画・立案業務を担当してきた東京証券取引所 上場部 部長の林謙太郎様をお招きし、「コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分」とのテーマで、コーポレートガバナンス・コードの改訂や市場区分の見直しの意図、上場会社各社に期待される対応などについてご講演いただきます。具体的には、「取締役会の機能発揮」「企業の中核人材の多様性の確保」「サステナビリティを巡る課題への取組み」をはじめとする今回の改訂における主要項目を中心に改訂の趣旨や背景、新市場区分の上場維持基準を充たしていない場合に適用される経過措置、適用上場維持基準の適合に向けた計画書など、上場会社各社にとって気になる点について解説していただきます。

【講師】株式会社東京証券取引所 上場部 部長 林 謙太郎 様

セミナー資料 コーポレートガバナンス・コードの改訂と東証の新たな市場区分.pdf
セミナー動画

東証の新たな市場区分(1)・・・コーポレートガバナンス・コードの改訂(1)

東証の新たな市場区分(2)・・・コーポレートガバナンス・コードの改訂(2)コードの主な改訂項目~

東証の新たな市場区分(3)・・・コーポレートガバナンス・コードの改訂(3)サステナビリティを巡る課題への取組み~

東証の新たな市場区分(4)・・・東証の新たな市場区分

東証の新たな市場区分(5)・・・東証の新たな市場区分(続き)

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2021/07/10 【新任役員向けトレーニングプログラム】取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス

概略

取締役会における意思決定の際して税務が論点になることは少なくありません。本講義では、元国税審判官というご経歴を持つあいわ税理士法人の尾崎真司税理士に、取締役会で論点になりやすいテーマについて分かりやすく解説していただきます。具体的には、会社決算と税務の関係、 欠損金を有する会社を合併する場合の課税リスクなどM&Aに関する税務、未だ上場企業においても最も多い不正である「横領」など不正行為が起こった場合の税務への影響、子会社株式譲渡時の債権放棄や子会社に対する無利息貸付け、グループ会社に対する貸付金金利の設定、出向負担金の授受など、子会社・グループ会社を巡る税務、インボイス制度や消費税の追徴課税事例など消費税を巡る税務リスクなどを取り上げるほか、税務調査・争訟にどう対応すべきか、税務当局と争うべきか、といった国税審判官として多くの税務紛争を見てきた尾崎税理士ならではの論点を取り上げ、税務を専門としない役員にも“税務のセンス”を身に付けていただきます。

【講師】あいわ税理士法人 税理士 元国税審判官 尾崎 真司
【講義】1時間39分07秒
【目次】
1 はじめに:税務の重要性
2 会社決算と税務
3 M&Aと税務
4 不正行為と税務
5 子会社との取引と税務
6 企業活動と消費税
7 課税当局との争い

講義資料 取締役会における意思決定と税務のセンス.pdf
講義

取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス
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※本トレーニングプログラムは、上場会社役員ガバナンスフォーラムの会員資格だけでは
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詳細は、下の「お申込み」ボタンを押してご確認ください。
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2021/07/10 取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス

概略

取締役会における意思決定に際して税務が論点になることは少なくありません。本講義では、元国税審判官というご経歴を持つあいわ税理士法人の尾崎真司税理士に、取締役会で論点になりやすいテーマについて分かりやすく解説していただきます。具体的には、会社決算と税務の関係、欠損金を有する会社を合併する場合の課税リスクなどM&Aに関する税務、未だ上場企業においても最も多い不正である「横領」など不正行為が起こった場合の税務への影響、子会社株式譲渡時の債権放棄や子会社に対する無利息貸付け、グループ会社に対する貸付金金利の設定、出向負担金の授受など、子会社・グループ会社を巡る税務、インボイス制度や消費税の追徴課税事例など消費税を巡る税務リスクなどを取り上げるほか、税務調査・争訟にどう対応すべきか、税務当局と争うべきか、といった国税審判官として多くの税務紛争を見てきた尾崎税理士ならではの論点を取り上げ、税務を専門としない役員にも“税務のセンス”を身に付けていただきます。

【講師】あいわ税理士法人 税理士 元国税審判官 尾崎 真司
【講義】1時間39分07秒
【目次】
1 はじめに:税務の重要性
2 会社決算と税務
3 M&Aと税務
4 不正行為と税務
5 子会社との取引と税務
6 企業活動と消費税
7 課税当局との争い

講義資料 取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス.pdf
講義

取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス 1

取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス 2

取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス 3

取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス 4

取締役会における意思決定と取締役の税務のセンス 5

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2021/07/09 顧問制度撤廃を求める株主提案、年々高まる「株主の不満」と「賛成率」

最近の株式市場では、アクティビストが新規に株式を取得したことが大量保有報告書で判明した上場企業が“アクティビスト関連銘柄”と位置付けられ、株価上昇の一因になるケースが少なくない。裏を返せば、それだけアクティビストの存在感が高まっていることの表れと言えよう。アクティビストの中でも、このところ特に活発な動きを見せているのが香港を拠点とするオアシス・マネジメント(以下、オアシス)だ。オアシスが東京ドームに業務改善提案を行ったこと(2020年10月28日のニュース「アクティビストの業務改善提案への対応が遅れ社長の解任請求へ」を参照)をきっかけとして、三井不動産が東京ドームをTOBにより子会社化したのは記憶に新しい。そのオアシスが次に目を付けた企業の一つが・・・

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2021/07/09 顧問制度撤廃を求める株主提案、年々高まる「株主の不満」と「賛成率」(会員限定)

最近の株式市場では、アクティビストが新規に株式を取得したことが大量保有報告書で判明した上場企業が“アクティビスト関連銘柄”と位置付けられ、株価上昇の一因になるケースが少なくない。裏を返せば、それだけアクティビストの存在感が高まっていることの表れと言えよう。アクティビストの中でも、このところ特に活発な動きを見せているのが香港を拠点とするオアシス・マネジメント(以下、オアシス)だ。オアシスが東京ドームに業務改善提案を行ったこと(2020年10月28日のニュース「アクティビストの業務改善提案への対応が遅れ社長の解任請求へ」を参照)をきっかけとして、三井不動産が東京ドームをTOBにより子会社化したのは記憶に新しい。そのオアシスが次に目を付けた企業の一つが東洋製罐グループホールディングス(以下、東洋製罐GHD)だ。

2021年6月25日に開催された東洋製罐GHDの定時株主総会では、オアシスから5つの議案が提案(株主提案)され、その一部には議決権行使助言会社が賛成推奨していたことから、機関投資家の動向が注目されていた。当該5つの議案について、その内容と議決権行使助言会社の動向および株主総会での賛成率をまとめると下表のとおり。

議案 議案の内容 議決権行使助言
会社の動向
株主総会
での賛成率
第5号議案 取締役の報酬額改定の件(業績連動型譲渡制限付株式報酬制度の導入) 7.08%
第6号議案 定款一部変更(監査等委員会設置会社制度への移行)の件 6.92%
第7号議案 定款一部変更(相談役・顧問等の廃止)の件 ISS賛成推奨 26.75%
第8号議案 自己株式取得の件 ISS賛成推奨 18.58%
第9号議案 定款一部変更(気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)を踏まえた経営戦略を記載した計画の開示)の件 グラスルイス
賛成推奨
14.31%

蓋を開けてみればいずれも否決となったものの、その中で最も高い賛成率となったのが、第7号の定款一部変更(相談役・顧問等の廃止)の件だ。これは現行定款を次のように変更する提案である(下線部は変更提案があった箇所)。

現行定款 オアシスが提案していた定款変更
第22条 取締役会は、その決議によって代表取締役を選定する。
取締役会は、その決議によって取締役社長1名を選定する。また、取締役会長1名および取締役副社長若干名を定めることができる。
取締役会は、その決議によって名誉会長1名、相談役および顧問各若干名を定めることができる。
第22条 取締役会は、その決議によって代表取締役を選定する。
取締役会は、その決議によって取締役社長1名を選定する。また、取締役会長1名および取締役副社長若干名を定めることができる。
当会社は、名誉会長並びに相談役又は顧問等本会社の業務一般又は特定の業務について代表取締役の諮問に応ずることを職務内容とする役職を置かない。

オアシスの議案提案理由は次のとおり。

経済産業省のガイドラインは、社長経験者が会社に相談役・顧問として残る場合、現役経営陣への不当な影響力の行使が生じることがあると指摘しています()。相談役・顧問がそのような影響力を積極的に行使しない場合でも、現役経営陣が社長経験者の過去の判断に反する意思決定や変革の実行を躊躇することも考えられます。
当社は2名の相談役及び顧問役(非常勤・報酬有)を設置しており、その全員が当社の元代表取締役社長等です。経営陣が大胆な意思決定や変革を躊躇すると、そのような革新による成長の達成は困難となります。
したがって、顧問・相談役制度の廃止は、当社経営陣が果断な意思決定を行い、コーポレートガバナンス上の必要な変革を成し遂げ、将来の収益につながる事業執行を行うために不可欠な制度改革です。
 経済産業省「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」 48頁参照

オアシスの提案に対して、東洋製罐GHD取締役会は次の反論を行っていた。

本議案の提案の理由には「当社は2名の相談役及び顧問役(非常勤・報酬有)を設置」しているとありますが、 当社には、現在、相談役及び顧問役はおりません。
なお、当社には名誉会長がおりますが、当社の名誉会長は、これまでの経験・識見・人脈を活かしつつ、業界団体などの対外的な活動による当社の社会的評価向上などに貢献していただいており、名誉会長が当社の経営に関する意思決定に関与したり、これに不当な影響を与えることはございません。
相談役・顧問等の制度は、各人の豊富な経験・識見・人脈などを活用する必要がある場合に利用し、これを適切に運用することにより、当社の企業価値向上に資するものであるため、引き続き有用であると考えております。
また、当社の取締役会は、3分の1超を独立社外取締役で構成しており、相談役・顧問等が、当社の意思決定等に一切影響を与えない環境が確保されております。
本議案はその前提の認識に誤りがあり、相当でないと考えます。

東洋製罐GHD取締役会の「当社の取締役会は、3分の1超を独立社外取締役で構成しており、相談役・顧問等が、当社の意思決定等に一切影響を与えない環境が確保されている」旨の反論に対しては、「相談役・顧問等による影響を受けやすい社内取締役が取締役会の過半を占めている限り、『当社の意思決定に一切影響を与えない』と言い切ることはできないのではないか」との疑念もあろう。しかし、結果としては東洋製罐GHD取締役会による上記反論が功を奏し、本株主提案議案に対しISSによる賛成推奨があった()にもかかわらず否決された。否決された要因として、オアシスの提案理由中の「2名」との誤記(正しくは「1名」)が、株主に「オアシスはリサーチ不足」という印象を与え、株主の心証を悪くした可能性があることも否定できない。

 本株主提案について、ISSは「他社の事例を用いて相談役・顧問等が会社の経営に悪影響を及ぼすとし、また元経営陣が引き続き相談役・顧問等に就くことで他社一般における社外取締役候補者の確保に支障を与える」として、賛成推奨を行っていた(ISSの2021年版日本向け議決権行使助言基準によると、相談役制度の新設は「取締役の役職として提案される」場合を除き、原則として反対推奨としており(19ページ参照)、今回の株主提案への賛成推奨も当該方針に沿ったものと言える)。

相談役・顧問制度を廃止する定款変更の株主提案議案に4分の1以上の賛成票が投じられたのは東洋製罐GHDだけではない。例えば東北電力の2021年6月株主総会でも「悪しき慣習でしかない相談役・顧問制度を廃止すべき」とする株主提案(定款変更議案)が行われ、26.63%の賛成票が集まった。また、北海道電力の2021年6月株主総会でも「株配当よりも優先して顧問が報酬を得ること、取締役退任後も会社運営に影響を与え続けることは甘受できない」として相談役・顧問制度を廃止することを定めるよう定款変更を求める株主提案に対して26.63%の賛成票が集まっている。ちなみに、北海道電力で昨年(2020年6月)開催された定時株主総会では、相談役・顧問制度を廃止する旨の定款変更議案(株主提案)への賛成率は19.12%と今年より低かったことを踏まえると、相談役・顧問制度の廃止に向けた機運が高まっていることがうかがえる。その背景として、コーポレート・ガバナンス報告書(CG報告書)の記載要領が2017年8月に改訂され、「代表取締役社長等を退任した相談役・顧問等」の人数の開示が必要となり、従来はベールに包まれていた相談役・顧問制度の運用実態が少しずつ明らかになってきたということがある。

もっとも、CG報告書の記載要領では、「任命に際しての、取締役会や指名・報酬委員会の関与の有無」や「相談役・顧問等の報酬総額」は任意開示項目とされており、現状、これに甘んじて詳細を開示していない上場企業が大半だ。例えば報酬については、東洋製罐GHD・東北電力・北海道電力では「有無」しか記載しておらず、具体的な金額は依然としてベールに包まれている。仮に無報酬であっても、執務室や専用車を無償で提供していたり、秘書がついていたりといったフリンジベネフィットを受けている可能性もあるが、詳細は開示されていないことから実態は不明のままである。このようにCG報告書での開示内容がボイラープレート(ひな形)化し、株主の期待に応える開示水準になかなか至らないことに対して株主が不満を抱えているのも事実だ。

2022年開催の定時株主総会では、CG報告書での開示内容や東洋製罐GHD・東北電力・北海道電力などでの賛成票の動向を見て、相談役・顧問制度の廃止を求める定款変更議案の提案が増える可能性がある。相談役・顧問制度を採用している上場企業では、制度の継続の是非やCG報告書での開示の充実について検討することが不可欠となってこよう。