不正解です。
2021年4月7日に東京証券取引所が公表したコーポレートガバナンス・コードの改訂案の補充原則1-2④によると、プライム市場上場会社は、「機関投資家向け」に議決権電子行使プラットフォームを利用可能とすべきとされています(問題文の「個人投資家向け」は誤りです)。
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2021年4月1日 速報・CGコード改訂 プライム市場向け特則は「独立性の向上」と「情報開示の充実」で各3原則(会員限定)
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2021年4月7日に東京証券取引所が公表したコーポレートガバナンス・コードの改訂案の補充原則1-2④によると、プライム市場上場会社は、「機関投資家向け」に議決権電子行使プラットフォームを利用可能とすべきとされています(問題文の「個人投資家向け」は誤りです)。
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2021年4月1日 速報・CGコード改訂 プライム市場向け特則は「独立性の向上」と「情報開示の充実」で各3原則(会員限定)
3月決算上場会社の2021年6月総会に向け、コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂を先取りする企業が相次いでいる。・・・
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3月決算上場会社の2021年6月総会に向け、コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂を先取りする企業が相次いでいる。東京証券取引所が昨日(2021年4月26日)公表した「2021年3月期決算会社の定時株主総会の動向について」によると、機関投資家向けの議決権電子行使プラットフォームを利用するとしている市場第一部上場会社は62.5%(*)あった。昨年の52.9%と比べると9.6ポイント増加している。その背景には、現在東証がパブリックコメント(2021年4月7日〜5月7日まで)に付しているCGコード改訂案の中で、「特に、プライム市場上場会社は、少なくとも機関投資家向けに議決権電子行使プラットフォームを利用可能とすべきである」との一文が補充原則1-2④に追加されたということがある。改訂CGコードの施行は6月が見込まれており、3月決算会社は2022年3月期の株主総会から同原則に対応すればよいが、プライム市場上場を目指す会社の中には、改訂前の2021年3月期から前倒しでの対応に踏み切ったところが多かったということだろう。
議決権電子行使プラットフォーム : 東証と米国Broadridge社の合弁会社であるICJ(インベスター・コミュニケーションズ・ジャパン)社が2004年から提供を開始した機関投資家向け電子投票システムである。議決権行使に際して郵便物の受発送を伴わないため、外国人をはじめ機関投資家にとっては時間削減などメリットが大きい。
こうした動きは英文開示でも起こっている。招集通知本文および株主総会参考書類の英訳版を提供する予定の市場第一部上場会社は65.7%に上っており、昨年同時点の57.4%より8.3ポイント増加している。これも、CGコードの改訂により「特に、プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである。」との一文が補充原則3-1②に追加されたことが影響しているのは間違いない。
また、2021年3月期決算会社のうち総会開催日の3週間(中15営業日)以上前にTDnetで招集通知を公表する予定の市場第一部上場会社は74.1%と過去最高水準(2019年3月期は69.1%、2020年3月期は68.3%)となった。これには、東証のルール改正で、上場会社は2021年3月1日から「招集通知」「株主総会参考書類」「計算書類・連結計算書類」「事業報告」等を、株主総会の日の“3週間前よりも早期”に、“電磁的方法”により提供することが努力義務として課されるようになったことが影響している(東証のルール改正については2020年12月21日のニュース「東証、株主総会資料の3週間前ウェブ開示を上場企業の努力義務に」を参照)。
コロナ禍の影響がみられるのが、バーチャル株主総会開催の開催動向だ。今年6月の株主総会では東証上場会社の232社(14.0%)の3月期決算会社がバーチャル株主総会を実施する予定としている。これは前期の5.2%と比べ3倍近い数字となる。3回目の緊急事態宣言の終結が遅れるようであれば、バーチャル総会実施会社はさらに増加する可能性もある。ただし、バーチャル総会実施予定会社のうち大半がハイブリッド参加型(208社 12.6%)を選択している。これに対し、ハイブリッド出席型は19社(1.1%)あり、 産業競争力強化法改正を見込んで(*)バーチャルオンリー型の開催を予定する会社は5社(0.3%)にとどまった。改正産業競争力強化法が未だ成立しない中、バーチャルオンリー型総会を招集する場合、「株主の利益の確保に資するものとして経済産業省令・法務省令で定める事項」を定めなければならないとされるなど、バーチャルオンリー型を選択するかどうかの判断材料となる事項が未確定であることが影響していると言えそうだ(2021年2月16日のニュース「バーチャルオンリー総会、省令の公表時期次第で“見送り”ムード広がる可能性」を参照)。
ハイブリッド参加型 : リアル株主総会の様子をライブ配信するだけで、オンラインでの議決権の行使は認めないバーチャル株主総会。
ハイブリッド出席型:リアル株主総会の様子をライブ配信したうえで、オンラインでも議決権の行使を認めるバーチャル株主総会。
産業競争力強化法 :日本経済の3つの歪みとされる「過剰規制」「過小投資」「過当競争」を是正するため、収益力の飛躍的な向上に向けた事業再編などの企業の取り組みを後押しする法律。
バーチャルオンリー型 :リアル株主総会を開催せず、全出席者が遠隔地からインターネット等で参加する株主総会。日本の会社法では、株主総会を招集するには、開催する「場所」を定めることを求めていることから(会社法298条1項1号)、会社法上は実現困難とされている。
労働基準法が改正され、2019年4月から、すべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日について企業が時季を指定して取得させることが義務付けられるようになりました。企業によっては年末年始、ゴールデンウィーク(GW)、お盆などの休暇と年次有給休暇の計画的付与日を組み合わせて、長期の一斉休業を実施するところも増えています。
一斉休業にあたり注意したいのがセキュリティリスクです。システム管理者や利用者が長期間不在になるなどいつもとは違う状況になることから、ウイルス感染や不正アクセス等の被害が発生した場合に対処が遅れて被害が拡大する可能性があるからです。そこで、独立行政法人情報処理推進機構では、2018年12月20日に「長期休暇における情報セキュリティ対策」を公表し、長期休暇の前、最中、休暇明けの時点ごとに、システム管理者とシステム管理者以外の従業員(利用者)にわけて以下の対策を行うよう注意を呼び掛けています。
| システム管理者 | システム管理者以外の従業員(利用者) |
| (1)緊急連絡体制の確認 不測の事態が発生した場合に備えて、委託先企業を含めた緊急連絡体制や対応手順等が明確になっているか確認してください。 ・連絡体制の確認(連絡フローが現在の組織体制に沿っているか、等) ・連絡先の確認(各担当者の電話番号が変わっていないか、等) |
(1)機器やデータの持ち出しルールの確認と遵守 長期休暇に社外での対応が必要となるなどパソコン等の機器やデータ等の情報を持ち出す場合は、持ち出しルールを事前に確認し遵守してください。 |
| (2)使用しない機器の電源OFF 長期休暇中に使用しないサーバ等の機器は電源をOFFにしてください。 |
(2)社内ネットワークへの機器接続ルールの確認と遵守 ウイルス感染したパソコンや外部媒体等を社内ネットワークに接続することで、ウイルスをネットワーク内に拡散してしまうおそれがあります。長期休暇中にメンテナンス作業などで社内ネットワークへ機器を接続する予定がある場合は、社内の機器接続ルールを事前に確認し遵守してください。 |
| (3)使用しない機器の電源OFF 長期休暇中に使用しない機器は電源をOFFにしてください。 |
| 持ち出し機器やデータの厳重な管理 自宅等に持ち出したパソコン等の機器やデータは、ウイルス感染や紛失、盗難等によって情報漏えい等の被害が発生しないよう、厳重に管理してください。 |
| システム管理者 | システム管理者以外の従業員(利用者) |
| (1)修正プログラムの適用 長期休暇中にOS(オペレーティングシステム)や各種ソフトウェアの修正プログラムが公開されている場合があります。修正プログラムの有無を確認し、必要な修正プログラムを適用してください。 |
(1)修正プログラムの適用 長期休暇中にOS(オペレーティングシステム)や各種ソフトウェアの修正プログラムが公開されている場合があります。修正プログラムの有無を確認し、必要な修正プログラムを適用してください。なお、修正プログラムの適用については、システム管理者の指示に従ってください。 |
| (2)定義ファイルの更新 長期休暇中に電源を切っていたパソコンは、セキュリティソフトの定義ファイル(パターンファイル)が古い状態のままになっています。電子メールの送受信やウェブサイトの閲覧等を行う前に定義ファイルを更新し、最新の状態にしてください。 |
(2)定義ファイルの更新 長期休暇中に電源を切っていたパソコンは、セキュリティソフトの定義ファイル(パターンファイル)が古い状態のままになっています。電子メールの送受信やウェブサイトの閲覧等を行う前に定義ファイルを更新し、最新の状態になっていることを確認してください。 |
| (3)サーバ等における各種ログの確認 サーバ等の機器に対する不審なアクセスが発生していないか、各種ログを確認してください。もし何らかの不審なログが記録されていた場合は、早急に詳細な調査等の対応を行ってください。 |
(3)持ち出し機器のウイルスチェック 長期休暇中に持ち出していたパソコンや、データを保存していたUSBメモリ等の外部記憶媒体にウイルスが感染していないか、組織内で利用する前にセキュリティソフトでウイルススキャンを行ってください。 |
| (4)不審なメールに注意 実在の企業などを騙った不審なメールに関する相談が多く寄せられています。こういったメールの添付ファイルを開いたり、本文中のURLにアクセスしたりすることで、ウイルスに感染したり、フィッシングサイトに誘導されたりしてしまう可能性があります。長期休暇明けはメールが溜まっていることが想定されますので、誤って不審なメールの添付ファイルを開いたり、本文中のURLにアクセスしたりしないように注意してください。不審なメールを受信していた場合は各組織のシステム管理者に報告し、指示に従ってください。 |
その他、長期休暇前には重要なデータのバックアップをとっておくようにしておくべきです。また、システムの保守・運用・監視につきアウトソーシングをすることで、システム管理者への負荷を減らすとともに、長期休暇時のリスクを減らすことが可能になります。
また、内閣官房に設置された内閣サイバーセキュリティセンターも2021年4月26日、「大型連休等に伴うセキュリティ上の留意点について」を公表しています。これは新型コロナウイルス感染症対応の長期化に伴い、引き続き、これらに乗じたとみられるサイバー攻撃が確認されていることに加え、大型連休がサイバーセキュリティに与えるリスクを踏まえ、適切な管理策が必要となることに鑑み、十全なサイバーセキュリティ確保のための注意喚起のための文書となります。これによると、下記の5つのリスクが指摘されています。
ここでも「⑤ 長期休暇に伴うリスク」が取り上げられているのが目を引きます。「⑤ 長期休暇に伴うリスク」として具体的に下記の4つのリスクが掲げられています。
こういったリスクはシステム管理者が把握しているだけでは不十分です。長期休暇に入る前に、全従業員に当該リスクと対策を周知徹底させておくべきと言えます。
さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。
取締役B:「私は大半のシステムを一時停止させる計画に賛成です。ただ、GWが明けたときが危ないので、GW明けの初日にはシステム担当部門の方に緊張感をもって取り組んでもらう必要がありますね。」
(コメント:一斉休業時に大半のシステムを停止することで、システム管理者が休暇中のセキュリティリスクを相当抑え込むことが可能になります。もっとも、長期休暇中にOS(オペレーティングシステム)や各種ソフトウェアの修正プログラムが公開されている場合があるので、長期休暇明けにシステムを再起動する際には注意が必要となります。また、長期休暇中に確認・公表されたシステムの脆弱性に対する反応が遅れる可能性もあります。そういったリスクに備えることを促すBの発言はGoodです。)
取締役A:「一部とはいえシステムを止めると自宅でリモートワークをする従業員に迷惑がかかる可能性があるので、システムを止めるべきではありません。」
(コメント:そもそも一斉休業期間中である以上、それに従わずにリモートワークをしようとする従業員が万が一いる可能性に備える必要はなく、むしろそういう従業員に配慮しないことが働き方改革を進めるうえで重要となってきます。取締役Aの発言は一斉休業の意味を理解していないBad発言です。)
取締役C:「そうですね。GWが明けたあとに社内アナウンスをしっかりとやるようにして欲しいですね。」
(コメント:GW明けに各従業員がGW中に届いた大量の未読メールを処理する中で、不注意によりマルウエアの感染につながる不審メールを開封するリスクが普段よりも高まります。そのためには全従業員に対して「GW前」に注意を促す必要があります。「GWが明けたあと」の社内アナウンスでは遅すぎるので、Cの発言はBadです。)
東証一部上場会社のS社では働き方改革のためゴールデンウィーク(GW)の従業員一斉休暇を予定しています。4月の取締役会で、システム担当取締役が従業員一斉休暇時のセキュリティリスクを低減させるためにWebサーバやメールサーバ等一部のシステムを除き大半のシステムを一時停止させる計画について説明を行ったところ、次の3人が発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「一部とはいえシステムを止めると自宅でリモートワークをする従業員に迷惑がかかる可能性があるので、システムを止めるべきではありません。」
取締役B:「私は大半のシステムを一時停止させる計画に賛成です。ただ、GWが明けたときが危ないので、GW明けの初日にはシステム担当部門の方に緊張感をもって取り組んでもらう必要がありますね。」
取締役C:「そうですね。GWが明けたあとに社内アナウンスをしっかりとやるようにして欲しいですね。」
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東証が現在パブリックコメントに付している(4月7日〜5月7日)改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)では5つの原則が新設されているが(改訂原則の一覧は2021年4月1日のニュース『速報・CGコード改訂 プライム市場向け特則は「独立性の向上」と「情報開示の充実」で各3原則』参照)、その中で、果たしてどのような要件を備えていれば「コンプライ」に相当すると言えるのか各企業が判断しかねているのが、事業ポートフォリオについて説明を求める補充原則5-2①だ。
| 上場会社は、経営戦略等の策定・公表に当たっては、取締役会において決定された事業ポートフォリオに関する基本的な方針や事業ポートフォリオの見直しの状況について分かりやすく示すべきである。 |
具体的には、同原則が“分かりやすく示す”ことを求めている「事業ポートフォリオに関する基本的な方針」(以下、事業ポートフォリオ基本方針)の記載内容である。同じく今回のCGコード改訂で新設された補充原則4-2②が策定を求めている“サステナビリティ基本方針”と同種の悩みと言えよう(サステナビリティ基本方針については2021年4月23日のニュース「“サステナビリティ基本方針”策定のヒント」参照)。・・・
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東証が現在パブリックコメントに付している(4月7日〜5月7日)改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)では5つの原則が新設されているが(改訂原則の一覧は2021年4月1日のニュース『速報・CGコード改訂 プライム市場向け特則は「独立性の向上」と「情報開示の充実」で各3原則』参照)、その中で、果たしてどのような要件を備えていれば「コンプライ」に相当すると言えるのか各企業が判断しかねているのが、事業ポートフォリオについて説明を求める補充原則5-2①だ。
| 上場会社は、経営戦略等の策定・公表に当たっては、取締役会において決定された事業ポートフォリオに関する基本的な方針や事業ポートフォリオの見直しの状況について分かりやすく示すべきである。 |
具体的には、同原則が“分かりやすく示す”ことを求めている「事業ポートフォリオに関する基本的な方針」(以下、事業ポートフォリオ基本方針)の記載内容である。同じく今回のCGコード改訂で新設された補充原則4-2②が策定を求めている“サステナビリティ基本方針”と同種の悩みと言えよう(サステナビリティ基本方針については2021年4月23日のニュース「“サステナビリティ基本方針”策定のヒント」参照)。既報のとおりサステナビリティ基本方針については特段の定義はないが、事業ポートフォリオ基本方針については経済産業省から公表されている「事業再編実務指針」において下記の定義が示されている(62ページの注釈参照)。
| 「事業ポートフォリオに関する基本方針」とは、子会社を含めた企業集団(グループ)の事業ポートフォリオに関する基本方針を指す。具体的には、企業集団(グループ)として、どのような事業を有し、各事業にどのように経営資源の配分を行うかに関する基本方針をいい、事業ポートフォリオ(具体的な構成)の在り方に限らず、事業ポートフォリオマネジメントのための社内の実施体制の整備や事業評価の仕組みの在り方も含む。 |
上記の定義(特に赤字部分)を踏まえると、事業ポートフォリオ基本方針とは、①事業の構成、②経営資源の配分、③社内の実施体制、④事業評価の仕組み、の4つの要素が含まれたもの考えることができる。上記定義では①②がメインと位置付けられていることから、①②の要素を備えていることは同原則をコンプライするために必須と言えそうだ。
事業再編実務指針では「事業ポートフォリオに関する基本方針の決定、及びその基本方針に基づき経営陣が行う職務の執行に対する監督は、取締役会の重要な役割である」とされており(62ページ参照)、これが補充原則5-1②の重要な裏付けとなったものと推測される。また、同指針では、「②経営資源の配分」を検討する際のツールとして「4象限フレームワーク」を示しているほか(53ページ参照)、子会社を含めた企業集団(グループ)の「④事業評価の仕組み」として、主に事業部門は「ROIC」、グループ本社は「ROE」を用いることを提唱している(58ページ「 2.3.3 経営目標等の設定の在り方」参照)。これらの内容は事業再編実務指針に反映することも可能であろう。
4象限フレームワーク :資本収益性と成長性の両軸で事業セグメントの位置づけを確認し、事業ポートフォリオの在り方を検討するための枠組み。
ROE : Return On Equity=株主資本利益率(利益/株主資本)
以下、「事業ポートフォリオ基本方針」の内容の検討に役立ちそうな開示事例をピックアップしたので参考にしていただきたい。
〇コニカミノルタ:事業ポートフォリオの将来像(16ページ)
5つの事業(オフィス、プロフェッショナルプリント、ヘルスケア、産業用材料・機器、新規)の3年後における売上高および営業利益の構成比を開示。
〇三菱ケミカルHD:資源配分の道筋と指標(24ページ)
各事業を大きく4つ(基盤、成長、次世代、再構築)に分け、資源配分とポートフォリオ最適化のイメージを図示するとともに、売上高成長性、ROS(売上高利益率)、 ROIC(投下資本利益率)の ハードルレートを開示。
ハードルレート : 投資案の収益率についての足切り基準。収益率がハードルレートを下回る投資案は採用すべきではない。
〇三井物産:ポートフォリオ管理委員会の役割と、ポートフォリオ管理の年間サイクル(41ページ)
全社ポートフォリオ戦略および投融資方針を策定し、全社ポートフォリオを定期的にモニタリングする「ポートフォリオ管理委員会」の詳細な活動内容、年間サイクルについて図を用いて開示。
東証が現在パブリックコメントを実施中(2021年4月7日〜5月7日)のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂案において新設された補充原則4-2②の前段部分では、以下のとおり、取締役会に対し「サステナビリティを巡る取組みの基本的な方針」(以下、サステナビリティ基本方針)の策定を求めている。
| 取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、自社のサステナビリティを巡る取組みについて基本的な方針を策定すべきである。 また、人的資本・知的財産への投資等の重要性に鑑み、これらをはじめとする経営資源の配分や、事業ポートフォリオに関する戦略の実行が、企業の持続的な成長に資するよう、実効的に監督を行うべきである。 |
これまでそのようなものを定めたことがない企業にとっては、一体何を書けばよいのか見当がつかないかもしれない。当フォーラムの取材によると、・・・
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東証が現在パブリックコメントを実施中(2021年4月7日〜5月7日)のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂案において新設された補充原則4-2②の前段部分では、以下のとおり、取締役会に対し「サステナビリティを巡る取組みの基本的な方針」(以下、サステナビリティ基本方針)の策定を求めている。
| 取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、自社のサステナビリティを巡る取組みについて基本的な方針を策定すべきである。 また、人的資本・知的財産への投資等の重要性に鑑み、これらをはじめとする経営資源の配分や、事業ポートフォリオに関する戦略の実行が、企業の持続的な成長に資するよう、実効的に監督を行うべきである。 |
これまでそのようなものを定めたことがない企業にとっては、一体何を書けばよいのか見当がつかないかもしれない。当フォーラムの取材によると、サステナビリティ基本方針については特段の定義はなく、ガイドラインなども存在していない。したがって、その内容は各社が考えなければならないが、その際にヒントとなり得るのが、サステナビリティへの取り組みの検討を促す趣旨で今回改訂された補充原則2-3①の記載だ。
| 取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討を深めるべきである。 |
この改訂補充原則2-3①を手掛かりにすると、サステナビリティ基本方針には以下のような要素を含めることが考えられる。これらの各要素について自社の事業内容や経営環境などを検討し、その結果を反映すれば、自社独自の「サステナビリティ基本方針」になり得よう。
・①環境・自然災害、②人権、③従業員、④取引先などに関するサステナビリティ課題
・収益機会につながる重要な経営課題であるという認識
・中長期的な企業価値向上の観点からの積極的・能動的な取り組み
CGコードが プリンシプルベースの立場をとっている以上、それがどのような内容であっても、基本的にはその企業が「サステナビリティ基本方針あり」と宣言すれば、今回新設された補充原則4-2②をコンプライしたことにはなる。しかし、上述の手法で策定に取り組めば、相対的に質の高いコンプライとなろう。
プリンシプルベース : 大まかな原理・原則だけを定め、細かな運用は現場の判断に任せるという規制方法のこと。プリンシプルベース(原則主義)の反意語は「ルールベース(細則主義)」である。
また、他社事例も参考にしたいところだ。当フォーラムが調査したところ、自社ウェブサイトにおいて「サステナビリティ基本方針」に類した考え方を開示している企業が散見された。もっとも、多くの事例は一般論的な内容にとどまっており、なぜ自社がサステナビリティを重視しているかまでは触れていないため、「サステナビリティ基本方針」と言えるのかは微妙なものがある。
一方、ヤマハグループの「ヤマハグループサステナビリティ方針」は、冒頭で「音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづける」という企業理念を掲げたうえで、環境、人権、取引先・人材(従業員)、新たな価値創出(企業価値向上)など、改訂補充原則2-3①に盛り込まれた要素が散りばめられている。
| ヤマハグループは企業理念として「私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます」を掲げています。 この企業理念に基づき、健全で透明性の高い経営と社会・環境に調和した事業活動を通じてステークホルダーの皆様の信頼をより確かなものにするとともに、社会の持続的発展に貢献するために、以下に掲げる指針に沿ってサステナビリティ活動を推進します。 1. 社会・環境課題を見据えた製品・サービスを通じて新たな価値を創造することにより、社会の持続的発展に貢献します。 |
伊藤忠商事の「サステナビリティ推進基本方針」は、「持続可能な成長につながる重要課題」を策定し、「事業活動を通じて企業価値向上を目指」すとしている。
| 伊藤忠の創業の精神である企業理念「三方よし」のもと、グローバルに事業を行う伊藤忠グループは、地球環境や社会課題への対応を経営方針の最重要事項のひとつとして捉え、企業行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を果たすべく、持続可能な社会の実現に貢献します。 (1) マテリアリティを特定して、社会課題の解決に資するビジネスの推進 国際社会の一員として、自社のみならず社会にとっても持続可能な成長につながる重要課題を策定し、事業活動を通じて企業価値向上を目指します。 (2)社会との相互信頼づくり 正確で明瞭な情報開示に努め、ステークホルダーとの双方向の対話を通じて、社会からの期待や要請を受けとめ、それらを実践していくことで信頼される企業を目指します。 (3)環境・人権に配慮し、持続可能な資源利用に繋がるサプライチェーン・事業投資マネジメントの強化 地球環境の保全や人権と労働における基本的権利に配慮した事業活動を推進します。 事業投資先や取扱商品のサプライチェーン上の地球環境、及び人権・労働への配慮状況の把握に努め、取引先に当社のサステナビリティに対する考え方への理解と実践を求め、持続可能なバリューチェーン構築を目指します。 各国法制度及び国際規範を尊重し、世界各国・地域の文化、伝統、慣習の理解に努め、公正かつ誠実な企業活動を展開します。 (4)サステナビリティ推進に向けた社員への教育・啓発 「サステナビリティを推進するのは社員一人ひとり」であることから、社員に対し重要課題に関する意識を醸成するための教育・啓発活動を行います。社員一人ひとりが、本方針に基づき各組織のアクションプランを実行します。 マテリアリティ : 「重要性」を意味するCSR用語であり、マテリアリティを開示する目的は、要するに「自社にとって重要な課題は何か?」を明らかにすることにある。 |
補充原則4-2②がサステナビリティ基本方針を「策定すべきである」としていることからすれば、同方針を策定しなければエクスプレインとならざるを得ないだけに、今年12月末を期限とする改訂CGコードに対応したコーポレート・ガバナンス報告書の提出に向け、内容の検討を始めたいところだ。また、同原則の主語はあくまで「取締役会」であるため、CSR部門等に策定を“丸投げ”するのではなく、取締役会主導で策定しなければ、コンプライしたことにはならない点、留意したい。
CSR : 「Corporate Social Responsibility」の略で、「企業の社会的責任」と訳される。企業を「社会の構成員」として位置付けることで、企業は取引先・消費者・株主・従業員・地域社会などのステークホルダーに対し責任ある行動を行い、社会的課題に応え、ステークホルダーとの間で信頼関係を築いていくべきという考え方。
近年、投資家が期待する情報開示に対応するため、多くの上場企業が有価証券報告書やコーポレート・ガバナンス報告書といった制度開示書類に加え、統合報告書等の自主開示書類を作成している。統合報告書を開示している上場企業は2019年度には500社を突破し、一部の企業では制度開示と自主開示の“逆転現象”も生じている。・・・
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