2019/06/28 2019年6月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)

不正解です。
確かに会社と取締役間で定められた報酬額は「取締役と会社の間の契約内容」であり、契約当事者である会社と取締役の双方を拘束することから、仮に取締役の職務内容に著しい変更(長期欠勤等)があり、株主総会等で報酬額を減額する旨の決議がなされたとしても、契約の相手方である取締役が減額に同意しない限り、取締役は会社に対する報酬請求権を失わないとの考え方(東京地裁2018年9月7日判決)には合理性が認められます。もっとも、上記判決には、被告会社には当時、取締役の長期欠勤の際の報酬の取扱いに関する特段の定めはなかったという点が背景にあることは見逃せません。こういったトラブルを回避するために、会社は役員報酬規程に長期欠勤の際の報酬の取扱いに関する定めを置くことはもちろん、報酬の減額に際しては本人の明確な同意を得ておくべきです。

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2019年6月5日 役員の長期欠勤に伴う報酬の減額(会員限定)

2019/06/28 2019年6月度チェックテスト第3問解答画面(正解)

正解です。
確かに会社と取締役間で定められた報酬額は「取締役と会社の間の契約内容」であり、契約当事者である会社と取締役の双方を拘束することから、仮に取締役の職務内容に著しい変更(長期欠勤等)があり、株主総会等で報酬額を減額する旨の決議がなされたとしても、契約の相手方である取締役が減額に同意しない限り、取締役は会社に対する報酬請求権を失わないとの考え方(東京地裁2018年9月7日判決)には合理性が認められます。もっとも、上記判決には、被告会社には当時、取締役の長期欠勤の際の報酬の取扱いに関する特段の定めはなかったという点が背景にあることは見逃せません。こういったトラブルを回避するために、会社は役員報酬規程に長期欠勤の際の報酬の取扱いに関する定めを置くことはもちろん、報酬の減額に際しては本人の明確な同意を得ておくべきです。

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2019年6月5日 役員の長期欠勤に伴う報酬の減額(会員限定)

2019/06/28 2019年6月度チェックテスト第2問解答画面(正解)

正解です。
ドイツでは、従業員2,000名以上の上場企業(約110社)を対象に、監査役会の女性比率を30%以上とすることが義務付けられています。このように、一定の比率を強制する制度をクオータ制と言います。クオータ(Quota)とは「割り当て」といった意味であり、「4分の1」を意味するクォーター(quarter)とは異なります。以上より、問題文の「4分の1以上」は誤りであり、正しくは「30%以上」です。

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2019年6月4日 「クオータ制」の効果 (会員限定)

2019/06/28 2019年6月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)

不正解です。
ドイツでは、従業員2,000名以上の上場企業(約110社)を対象に、監査役会の女性比率を30%以上とすることが義務付けられています。このように、一定の比率を強制する制度をクオータ制と言います。クオータ(Quota)とは「割り当て」といった意味であり、「4分の1」を意味するクォーター(quarter)とは異なります。以上より、問題文の「4分の1以上」は誤りであり、正しくは「30%以上」です。

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2019年6月4日 「クオータ制」の効果 (会員限定)

2019/06/28 2019年6月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
現行会社法では、株主総会の招集に際しては株主総会の「場所」を定めなければならない(会社法298条1項1号)とされているため、リアル株主総会を開催せずに、取締役・監査役等と株主のすべてがインターネット等の手段を用いて株主総会に出席するバーチャル株主総会(バーチャルオンリー型株主総会)を開催することは、会社法の解釈上、難しいとされています。問題文は正しいです。

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2019年6月3日 (新用語・難解用語)ハイブリッド型バーチャル株主総会(会員限定)

2019/06/28 2019年6月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
現行会社法では、株主総会の招集に際しては株主総会の「場所」を定めなければならない(会社法298条1項1号)とされているため、リアル株主総会を開催せずに、取締役・監査役等と株主のすべてがインターネット等の手段を用いて株主総会に出席するバーチャル株主総会(バーチャルオンリー型株主総会)を開催することは、会社法の解釈上、難しいとされています。問題文は正しいです。

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2019年6月3日 (新用語・難解用語)ハイブリッド型バーチャル株主総会(会員限定)

2019/06/27 政府が「雇用類似」の外注先の保護に本腰

通信技術の発達や雇用の流動化に伴い、フリーランスの IT エンジニアやクラウドワーカーのように、発注者との委託契約等に基づき個人で役務を提供するという働き方が珍しくなくなってきた。両者をウェブ上でつなぐサービスを展開する企業(例えば、クラウドワークスランサーズなど)が続々と出現していることも、それに拍車をかけている。独立行政法人労働政策研究・研修機構が2019年1月から2月にかけて実施した調査の速報結果((雇用類似の働き方の者に関する調査・試算結果等(速報)))によると、「発注者から仕事の委託を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者」は2019年現在、日本全体で約228万人()と推計されているが、「働き方改革」の名の下で副業を容認する企業の増加に伴い、その数はまだまだ伸びる見通しだ。

 このうち、委託を受けた業務を本業にしている者は約170万人、副業にしている者は約58万人と試算されている。

こういった「発注者から仕事の委託を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者」(以下、受託者)と発注者の関係は、実態としては雇用関係に類似しているケースが少なくないものの、そもそも委託契約と雇用契約は少なくとも形式的には別モノであることから(すなわち、受託者は発注者における労働者には該当しない)、受託者に対して労働基準法は適用されない。このため、受託者は下記のようなリスクに晒されている。・・・

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2019/06/27 政府が「雇用類似」の外注先の保護に本腰(会員限定)

通信技術の発達や雇用の流動化に伴い、フリーランスの IT エンジニアやクラウドワーカーのように、発注者との委託契約等に基づき個人で役務を提供するという働き方が珍しくなくなってきた。両者をウェブ上でつなぐサービスを展開する企業(例えば、クラウドワークスランサーズなど)が続々と出現していることも、それに拍車をかけている。独立行政法人労働政策研究・研修機構が2019年1月から2月にかけて実施した調査の速報結果(雇用類似の働き方の者に関する調査・試算結果等(速報))によると、「発注者から仕事の委託を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者」は2019年現在、日本全体で約228万人()と推計されているが、「働き方改革」の名の下で副業を容認する企業の増加に伴い、その数はまだまだ伸びる見通しだ。

 このうち、委託を受けた業務を本業にしている者は約170万人、副業にしている者は約58万人と試算されている。

こういった「発注者から仕事の委託を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者」(以下、受託者)と発注者の関係は、実態としては雇用関係に類似しているケースが少なくないものの、そもそも委託契約と雇用契約は少なくとも形式的には別モノであることから(すなわち、受託者は発注者における労働者には該当しない)、受託者に対して労働基準法は適用されない。このため、受託者は下記のようなリスクに晒されている。

・契約条件の明示、契約の締結・変更・終了に関するルールが明確化されていない
・報酬が支払われない・買い叩きされ、報酬額が適正なものとなっていない
・長時間仕事に従事することで健康を害する恐れがある
・損害賠償が予定されている(労働基準法では、労働契約の不履行について損害賠償を予定することが禁止されている)
・発注者との間で紛争が生じた際の相談窓口がない 等

もちろん、下請法などの他の法律による保護は受けられるものの、労働基準法による保護の方が強力であることから、「雇用類似の働き方」をする者の増加に伴い、政府内ではこうした者にも労働基準法を適用すべきかどうかが政策課題となっている。具体的な動きとしては、厚生労働省が2018年10月19日に「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会」(以下、検討会)を立ち上げ、既にこれまで13回の会合を開催して議論を重ねており、明日(2019年6月28日)には、その議論の成果物として「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会 中間整理」(以下、中間整理)を公表する予定となっている。

下請法 : 下請取引の公正化・下請事業者の利益保護のため、下請代金の支払い遅延禁止、下請け代金の減額の禁止、買いたたきの禁止など、親事業者と下請事業者の取引に関するルールを定めた法律。正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」である。

もっとも中間整理では、労働基準法上の「労働者性」の概念は拡張せず、「当面は、自営業者であって、労働者と類似した働き方をする者を中心に保護の方策を検討する」との方針が示される見込み。これは、「労働基準法上の労働者性が認められない者に対する労働政策上の保護の在り方を検討する視点として、現在の労働者性が適当であるかを念頭に置いておくことは必要であり、継続して検討すべき課題であるが、労働者性の見直しは、これまでの労働者性の判断基準を抜本的に再検討することとなるため、短期的には結論を得ることは困難と考えられる」のが理由だ。

中間整理では、検討会は上記の表で示した項目について特に優先的に取り組むとしている。また、専門的・技術的な検討の場において優先的に取り組むべき課題として下記を掲げている。

・発注者からのセクシュアルハラスメント等への対策
・仕事が原因で負傷し又は疾病にかかった場合等の支援(セーフティネット関係)

とはいえ、中間整理は問題点の指摘や様々な考え方の並記にとどまっており、具体的な論点の深掘りはこれからとなる。今後検討会では、優先すべき課題を中心に、ガイドラインにより対応するのか、あるいは法改正等により対応するのかといった「手法」も含め、スピード感をもって議論を行う方針。

取締役や監査役としては、政府の対応を座して待つのではなく、まずは「自社または子会社から仕事の委託を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者」の有無を調べるとともに、そういった者との契約状況や発注内容・報酬の支払い状況を早急に確認する必要がある。そのうえで、受託者にとってあまりに不公正な契約になっていたり、適正な報酬が支払われなかったりといった運用がなされていないかを検討し、そのような事例があれば直ちに是正することが、レピュテーションリスク(例えば、「あの会社は外注を酷使しているブラック企業である」といった悪評が立つこと)を回避するには有効と言えよう。

(2019年6月28日更新)
・「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会」の中間整理はこちら

2019/06/26 従業員を非業務執行取締役にすることは可能か

「現場の声が経営陣に届かない」といった話はしばしば従業員サイドから聞かれるが、こうした状況を改善すべく、英国では昨年(2018年)のコーポレートガバナンス・コードの改訂(2019年1月1日以降開始する会計年度より適用開始)により、・・・

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2019/06/26 従業員を非業務執行取締役にすることは可能か(会員限定)

「現場の声が経営陣に届かない」といった話はしばしば従業員サイドから聞かれるが、こうした状況を改善すべく、英国では昨年(2018年)のコーポレートガバナンス・コードの改訂(2019年1月1日以降開始する会計年度より適用開始)により、(1)従業員代表の取締役招聘、(2)従業員に諮問する正式な会議の設置、(3)従業員との対話を担当する非業務執行取締役の設置――のいずれか、またはその組み合わせを実施しない場合には、自社にとって実効的な代替措置を、それが実効的であると考える理由とともに説明しなければならない、とされたところだ。

早速このコードに沿ったアクションを起こしたのが、アウトソーシング事業を展開する英国の大手企業キャピタ社である。同社は(2019年)5月14日、従業員2人(男女1人ずつ)を7月1日から「非業務執行取締役」に就任させることを公表した。非業務執行取締役としての任期は、女性従業員が3年、男性従業員が2年となる。2人の従業員に対しては、これまで通り従業員としての給与に加えて、非業務執行取締役としての報酬が年間6万4,500ポンド(直近の為替レートで約884万円)が支払われる。もちろん、他の取締役と同等の権限を持つことになる。現在、女性従業員は保険サービス部門のファイナンスマネージャー、男性従業員は不動産・インフラ部門のプロジェクトマネージャーを務める。同社は2人に対し、会社の戦略的意思決定に従業員の視点を加えることを期待しているという。今回の人事の背景には、同社の業績、株価が近年低迷しているという事情もあるようだ。

キャピタ社のように従業員を非業務執行取締役に就任させる事例は今のところ英国でもほとんどないが(他の事例として、鉄道やバスなどの公共交通を運営するファースト・グループがある)、コーポレートガバナンス・コードの改訂を受け、今後は徐々に増えていくかもしれない。一方、従来の日本企業の取締役はほとんどが新卒採用の“生え抜き”であり、元々は皆従業員だったため、「従業員の視点」が強く、むしろ「社外役員」をいかに増やすかということの方が日本企業の課題となっている。とはいえ、冒頭で触れた「現場の声が経営陣に届かない」といった声を解消する手段として、日本企業でも検討の余地がないとは言い切れないだろう。

その場合に気になるのが、そもそも会社法上、従業員を非業務執行取締役にできるのかという点だ。結論から言えば、少なくとも従業員だった者が「非業務執行取締役」となること自体は可能である。会社法には「非業務執行取締役」という概念は存在せず、取締役には「社内取締役」と「社外取締役」の2つしかない。このうち社外取締役は業務執行をしてはいけないことになっている(会社法2条15号イ)一方、社内取締役については、取締役会が「業務を執行する代表取締役または代表取締役以外の業務執行取締役」を選定することとされている(会社法363条1項(取締役会設置会社の場合))。逆に言えば、業務執行取締役に選定されなかった者は、業務執行ができないこととなる。会社の使用人である従業員は社外取締役の要件を満たさないため(会社法2条15号イ)、「社外取締役」に就任できないが、この取締役会のプロセスを経れば、「業務執行をしない取締役」に就任することは可能というわけだ。ただし、使用人兼務取締役となった場合、使用人として会社の業務の一部を行っている以上は、(たとえ業務執行取締役として選任されていなくても)「非業務執行取締役」であるとは言えないので注意したい(会社法2条15号イ)。「非業務執行取締役」であるためには、非業務執行取締役としての職務に専念する必要があろう。