2018/10/11 アムンディ、全投資先の議決権行使でESG実績を考慮(会員限定)

欧州トップの資産運用会社で(資産運用残高約190兆円)、日本にも100%子会社のアムンディ・ジャパンを置くフランスのアムンディ・アセットマネジメントは今月(2018年10月)8日、責任投資(Responsible Investment =RI)の強化を目的とした3か年計画「2021アクションプラン」(以下、アクションプラン)を公表した。

責任投資(Responsible Investment =RI) : 投資判断プロセスにESG(環境、社会、ガバナンス)を反映すること

アクションプランの中で注目されるのが、2021年末までに、同社が運用するファンドでは、構成銘柄すべてにおいてESG実績を考慮して議決権を行使するとしている点だ。

同社は既に、同社ファンドの構成銘柄のうち5,500社に対し「A~G」までの7段階の同社独自のESGレーティングを付しているが、2021年末までに、基本的に同社のすべてのファンドの構成銘柄に当該ESGレーティングを付す。ESGレーティングの対象となる銘柄はアクティブ運用ファンド、パッシブ運用ファンドいずれの構成銘柄であるかは問わないが、アクティブファンドについては、すべてのファンドで、ポートフォリオのESGレーティングがベンチマークとする他のESGレーティングを上回ることを目標にするという。

アクティブ運用 : 銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、見劣りする銘柄を売却するなどして利益を得ようとする投資手法のこと。パッシブ運用の対極の概念であり、運用担当者(ファンド・マネージャー)が、株式市場や投資銘柄などを調査し、今後の動向を予測することでポートフォリオを決定する。市場の平均的な収益率をベンチマークとし、これを上回る運用成果を上げることを目標にすることが多い。
パッシブ運用 : パッシブ(「消極的」なという意味)運用とは、東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法であり、ファンドマネジャーが独自に銘柄を選択して運用する「アクティブ運用」とは対極の関係にある。

元々アムンディは責任投資(RI)を創業理念の一つとしており、現在でも同社のESG関連投資額は、同社の総資産の19%にのぼる。また、当該ESG関連投資の大部分(金額ベースで96%超)で上述した同社独自のESGレーティングを活用している。同社は2021年末までに例えば環境関連のテーマ型ファンドの運用資産規模を現在の2倍に増やすなど、ESG関連投資を一層強化していく方針だ。

テーマ型ファンド : 例えば環境、IT、クラウド、エネルギーなど、特定のテーマに関連した企業などに投資するファンドのこと。

今回のアクションプランのリリースにあたり、同社の最高責任投資責任者は「投資プロセスと議決権行使にESG要素を組み込むことを“主流化”する」とコメントしている。資産運用会社として欧州最大手、世界でもトップ10に入るアムンディがESG投資をさらに加速させる方針を明確に打ち出したことは、他の資産運用会社にも大きな影響を与えることになりそうだ。

最高責任投資責任者 : 機関投資家における「責任投資」業務の最高責任者

2018/10/10 取締役会にサイバーセキュリティ対策へのコミット求める機関投資家

自社を含む日本全体がこの瞬間にも世界中からサイバー攻撃の危機に晒されているという現実がある一方(NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)がキャッチしたサイバー攻撃を見える化したサイトはこちら)、日本企業ではサイバーセキュリティ対策の強化を経営課題と捉えていない経営陣が多いという経済産業省等の調査結果も出ている(【2017年6月の課題】「サイバーセキュリティの確保」解答の「”サイバーセキュリティ経営”で後れをとる日本企業」参照)。しかし今後は、・・・

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2018/10/10 取締役会にサイバーセキュリティ対策へのコミット求める機関投資家(会員限定)

自社を含む日本全体がこの瞬間にも世界中からサイバー攻撃の危機に晒されているという現実がある一方(NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)がキャッチしたサイバー攻撃を見える化したサイトはこちら)、日本企業ではサイバーセキュリティ対策の強化を経営課題と捉えていない経営陣が多いという経済産業省等の調査結果も出ている(【2017年6月の課題】「サイバーセキュリティの確保」解答の「”サイバーセキュリティ経営”で後れをとる日本企業」参照)。しかし今後は、日本企業の取締役会に対し、機関投資家からサイバーセキュリティ対策へのコミットを強く求められる場面が増えそうだ。

その理由の一つとして、EUで今年(2018年)5月から適用が開始されている「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation=GDPR)」(以下、GDPR)の存在がある。GDPRは企業に対し、個人データの処理・保管などに関して適切な安全管理措置を講じることを求めており、もしこれに違反すれば、最大2,000万ユーロ、あるいは、前事業年度におけるグローバルの売上高の4%相当額のいずれか高い方の金額が罰則として科されることになる。実際、先月(2018年9月)サイバー攻撃を受け顧客のカード情報を含む38万人分の個人情報を漏洩させてしまった英国の航空会社・ブリティッシュ・エアウェイズに対しては、GDPRに基づき5億ポンド(約735億円)の罰金が科される可能性があるという。

そして、GDPRは日本企業にも影響を及ぼし得る。具体的には、 (1) EUに子会社や支店、営業所を有している場合、(2)日本からEUに商品やサービスを提供している場合、(3)EU域内の企業などから個人データの処理などを受託している場合には、日本企業(ここではデータセンター事業者などが想定される)もGDPRの適用を受けることになる。

個人情報が漏洩すればただでさえ多額の対応コストを要するうえ(一事案当たりの平均対応コストは約4.3億円、仮に100万人分の個人情報が漏洩した場合には約40億円の対応コストがかかるとの試算もある)、さらに巨額の罰金が科されるとなれば、企業の存続さえ危ぶまれかねない。機関投資家が投資先企業のサイバーセキュリティ対策に敏感になるのも当然と言えよう。さらに、つい最近相次いで明るみに出たフェイスブックやグーグルという最先端のIT企業における情報漏洩も、機関投資家からのプレッシャーに拍車をかけることになる可能性がある。

機関投資家が特に重視しているのが、冒頭でも述べた「取締役会」によるサイバーセキュリティ対策への関与だ。サイバーセキュリティ対策には、専門部署の設置や専門人材の配置、システム投資といった経営判断が必要になるが、これまで個人情報の漏洩等の問題を起こした企業の多くでは、ガバナンスの欠如によって、これらが適切に行われておらず、結果として多額の対応コストの発生や企業ブランドの失墜を招いている。こうした事態を回避するため、多くの機関投資家が投資先の全取締役に対しサイバーリスクやサイバーセキュリティ対策に関する実践的な知識を習得するとともに、サイバーセキュリティ対策を「経営管理」の一環としてとらえ、その取り組みを取締役会が監督するよう求めている。

近年、日本でもITやサイバーリスクの知識を有する専門人材をCIO(最高情報責任者)を置き、サイバーセキュリティ対策に予算や人員を配分する上場企業は増えているが、それが逆に「サイバーセキュリティ対策=CIOの仕事」という意識を生んでいる面もある。各取締役はサイバーセキュリティ対策をCIO1人に委ねるのではなく、自らも当事者であるとの意識を持つ必要がある。そのためにも、サイバーセキュリティ対策への取り組みは取締役会のテーマとして議論していく必要があろう。

2018/10/09 東証1部上場企業の8割がESG投資の対象に

昨年(2017年)は、GPIFESG総合指数である「FTSE Blossom Japan Index」と「MSCI ジャパン ESG セレクト・リーダーズ指数」、ESGのS(社会)に着目した「MSCI 日本株 女性活躍指数(WIN)」を採用、これらに基づき国内株式全体の3%程度に相当する約1兆円の運用を開始したことから “ESG元年”と言われた(ESG指数については2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)。さらにGPIFは昨年11月からESGのE(Envirronment=環境)をカバーするグローバル環境株式指数の公募・選定を開始、先月(2018年9月)25日には、新たに選定したESG指数に基づきパッシブ運用を開始することを公表している。新たなESG指数は、世界的な環境各付け会社であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社、および同社傘下にあるトラコスト社(両社の詳細は公表資料の18ページを参照)が組成・運用する「S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数」であり、同指数に基づくGPIFの運用資産額は約1.2兆円に達する予定だ。

GPIF : 年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)。厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。
ESG : ESGとは、「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもので、近年、特にグローバル機関投資家の間で、企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。
パッシブ運用 : パッシブ(「消極的」なという意味)運用とは、東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法であり、ファンドマネジャーが独自に銘柄を選択して運用する「アクティブ運用」とは対極の関係にある。

昨年から運用されている上記3指数では、ESGへの対応に優れた企業を選別する「ポジティブスクリーニング」と呼ばれる手法が採用されており、実際に投資対象となる企業数は約150〜250社に絞り込まれている。一方、新指数は基本的に東証1部全銘柄が対象(一部の流動性の低い銘柄などを除く。詳細は後述)としたうえで、炭素効率性や情報開示への評価によって資金配分にウェイト付けを実施するものであり、ESG情報を投資判断に加味する「インテグレーション」と呼ばれる手法が採用されている。

炭素効率性 : 「炭素高率性が高い」とは、企業の温室効果ガス排出量を売上高で除した値が小さいことを指す。

投資対象銘柄から除外されるのは、・・・

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2018/10/09 東証1部上場企業の8割がESG投資の対象に(会員限定)

昨年(2017年)は、GPIFESG総合指数である「FTSE Blossom Japan Index」と「MSCI ジャパン ESG セレクト・リーダーズ指数」、ESGのS(社会)に着目した「MSCI 日本株 女性活躍指数(WIN)」を採用、これらに基づき国内株式全体の3%程度に相当する約1兆円の運用を開始したことから “ESG元年”と言われた(ESG指数については2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)。さらにGPIFは昨年11月からESGのE(Envirronment=環境)をカバーするグローバル環境株式指数の公募・選定を開始、先月(2018年9月)25日には、新たに選定したESG指数に基づきパッシブ運用を開始することを公表している。新たなESG指数は、世界的な環境各付け会社であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社、および同社傘下にあるトラコスト社(両社の詳細は公表資料の18ページを参照)が組成・運用する「S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数」であり、同指数に基づくGPIFの運用資産額は約1.2兆円に達する予定だ。

GPIF : 年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)。厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。
ESG : ESGとは、「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもので、近年、特にグローバル機関投資家の間で、企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。
パッシブ運用 : パッシブ(「消極的」なという意味)運用とは、東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法であり、ファンドマネジャーが独自に銘柄を選択して運用する「アクティブ運用」とは対極の関係にある。

昨年から運用されている上記3指数では、ESGへの対応に優れた企業を選別する「ポジティブスクリーニング」と呼ばれる手法が採用されており、実際に投資対象となる企業数は約150〜250社に絞り込まれている。一方、新指数は基本的に東証1部全銘柄が対象(一部の流動性の低い銘柄などを除く。詳細は後述)としたうえで、炭素効率性や情報開示への評価によって資金配分にウェイト付けを実施するものであり、ESG情報を投資判断に加味する「インテグレーション」と呼ばれる手法が採用されている。

炭素効率性 : 「炭素高率性が高い」とは、企業の温室効果ガス排出量を売上高で除した値が小さいことを指す。

投資対象銘柄から除外されるのは、①一日の平均売買代金が5,000万円未満、②温室効果ガスの排出量がグローバルの上位100位に相当するにもかかわらず排出量が非開示、③不祥事リスクを示すRRIスコア(スイスのRepRisk社による)が75以上、のいずれかに該当する企業であり、その結果、新指数に基づく投資対象は1,694銘柄と、東証1部上場企業の約8割にのぼっている(逆に言うと、約400社が上記①〜③のいずれかに抵触したことになる(ただし、②に抵触した企業はゼロ))。

RepRisk社 : スイス・チューリッヒに本拠を置くESGリスク情報提供会社

GPIFの資料によると、どの銘柄にどの程度投資するかという構成銘柄のウェイト付けは、(1)各銘柄を炭素効率性(温室効果ガスの排出量÷売上高)の水準によって「-30%~+30%」までの10ランク(4~7ランクはウェイトを付さない)にウェイト付けし、(2)温室効果ガス排出量の開示があると認められる場合にはこれに「+10%」のウェイトを加算(開示がなければ加算なし)したうえで、(3) (2)の数字に、構成銘柄の属する業種を温室効果ガスの排出量による環境へのインパクトによって分類した3段階の割合(高(×3.0)・中(×1.0)・低(×0・5))のいずれかを乗じることによって決定される。例えば炭素効率性が最上位(+30%)で、かつ排出量の開示を行っており(+10%)、さらに環境へのインパクトが高い(×3.0)業種に属する企業は「(30%+10%)×3.0」により、「+120%」という最大の“カーボン・ウェイト調整”が行われる。逆に、炭素効率性が最下位で(-30%)で排出量の開示も行っておらず(+10%の加算なし)、しかも環境へのインパクトが高い(×3.0)業種に属する企業となると、「-30%×3.0」により「-90%」という最低水準のカーボン・ウェイト調整率がはじき出されることになる(GPIFの公表資料14ページ参照)。

新たなESG指数の組成・運用に関与している上記のトラコスト社は、まず公開情報もしくは同社による推計値に従って企業の環境データを分析、これを基に作成した環境レポートを添えたエンゲージメントレターを企業に送付する。送付日から4週間以内に企業から反応がなかった場合、トラコスト社はレポートの内容を変更することなく、新指数のウェイト付けに反映するという。したがって、企業としては同社のレポートに記載された内容を精査するとともに、エンゲージメントの要否を判断する必要がある。また、自社の温室効果ガス排出量に関する情報開示が適切なものかどうかも検証しておくべきだろう。

2018/10/09 【WEBセミナー】TOPIX100企業のガバナンス報告書開示分析

概略

【セミナー開催日】2018年9月13日(木)

今年6月に初めて改訂されたコーポレートガバナンス・コードの導入から3年余りが経過する中、同コードに対しグローバル水準の対応を行っている企業が少なからず出て来ている一方で、最低限の対応もしくはそのレベルにも至らない対応にとどまっている企業も散見されるなど、各社の対応にはかなりのバラツキが生じています。
本セミナーでは、株主判明調査で国内トップクラスのシェアを持つ日本シェアホルダーサービス(株) 研究開発/コンサルティング部 チーフコンサルタントで、コーポレートガバナンス研究の第一人者である藤島裕三様をお招きし、“機関投資家目線”を意識して同社が独自に設定した基準に基づきTOPIX100企業のガバナンス報告書を分析することにより導き出した「コーポレートガバナンス対応の評価結果(レベル1~6の6段階)」とそのランキングをご紹介いただきます。また、本セミナーにご参加いただいた企業の皆様にとって参考になるであろう開示事例をピックアップし、どこが優れているのかなどポイントを解説していただきます。上位企業の中には既に改訂コーポレートガバナンス・コードの内容を先取りした対応をとっているところも多く、セミナー参加企業の皆様が今後改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を図る上でも参考になる情報が得られるはずです。

【講師】日本シェアホルダーサービス(株)
研究開発/コンサルティング部
チーフコンサルタント 藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう) 様

セミナー資料 TOPIX100企業のガバナンス報告書開示分析.pdf(1.56MB)

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セミナー動画
(1) コーポレートガバナンス・コード対応レビューの意義と概略
39451a

(2) コーポレートガバナンス・コード対応レビューの意義と概略(続き)
39451b

(3) 注目される原則のレビュー結果と背景、改訂の影響(原則1-4 政策保有株式)
39451c

(4) 注目される原則のレビュー結果と背景、改訂の影響(原則3-1 情報開示の充実)
39451d

(5) 総括:改訂コード対応に際しての望ましい考え方
39451e
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2018/10/08 【WEBセミナー】TOPIX100企業のガバナンス報告書開示分析(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年9月13日(木)

今年6月に初めて改訂されたコーポレートガバナンス・コードの導入から3年余りが経過する中、同コードに対しグローバル水準の対応を行っている企業が少なからず出て来ている一方で、最低限の対応もしくはそのレベルにも至らない対応にとどまっている企業も散見されるなど、各社の対応にはかなりのバラツキが生じています。
本セミナーでは、株主判明調査で国内トップクラスのシェアを持つ日本シェアホルダーサービス(株) 研究開発/コンサルティング部 チーフコンサルタントで、コーポレートガバナンス研究の第一人者である藤島裕三様をお招きし、“機関投資家目線”を意識して同社が独自に設定した基準に基づきTOPIX100企業のガバナンス報告書を分析することにより導き出した「コーポレートガバナンス対応の評価結果(レベル1~6の6段階)」とそのランキングをご紹介いただきます。また、本セミナーにご参加いただいた企業の皆様にとって参考になるであろう開示事例をピックアップし、どこが優れているのかなどポイントを解説していただきます。上位企業の中には既に改訂コーポレートガバナンス・コードの内容を先取りした対応をとっているところも多く、セミナー参加企業の皆様が今後改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を図る上でも参考になる情報が得られるはずです。

【講師】日本シェアホルダーサービス(株)
研究開発/コンサルティング部
チーフコンサルタント 藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう) 様

セミナー資料 TOPIX100企業のガバナンス報告書開示分析.pdf(1.56MB)
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(1) コーポレートガバナンス・コード対応レビューの意義と概略

(2) コーポレートガバナンス・コード対応レビューの意義と概略(続き)

(3) 注目される原則のレビュー結果と背景、改訂の影響(原則1-4 政策保有株式)

(4) 注目される原則のレビュー結果と背景、改訂の影響(原則3-1 情報開示の充実)

(5) 総括:改訂コード対応に際しての望ましい考え方
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2018/10/08 【WEBセミナー】誰にでもわかる「資本コスト」の考え方

概略

【セミナー開催日】2018年9月13日(木)

2018年6月1日から施行されている改訂コーポレートガバナンス・コードでは、個別の政策保有株式について、保有に伴う便益やリスクが「資本コスト」に見合っているかを精査し、保有の適否を検証することや(【原則1-4.政策保有株式】)、「自社の資本コスト」を的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すこと(【原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】)などを求めています。また、コーポレートガバナンス・コードの改訂に併せて金融庁が公表した「投資家と企業の対話ガイドラン」1-2では、「自社の事業のリスクなどを適切に反映した「資本コスト」を的確に把握することを求めています。
これに対し企業からは、「自社の資本コストをどのように算定すればよいのか」「前提条件によって変動する資本コストを算定することに意味があるのか」といった懸念の声も聞かれます。
本セミナーでは、「企業価値の神秘」などの著作でも知られ、「難しいことを分かり易く伝える」講義に定評がある大阪市立大学学院経営学研究科の宮川壽夫教授をお招きし、役員が押さえておくべき資本コストの考え方や資本コストを算定する意味などについて分かりやすく解説していただきます。また、資本コストを取締役会の判断(投資判断、撤退判断等)にどう組み入れていくのかなど、実務への落とし込み方についても語っていただきます。

【講師】大阪市立大学大学院経営学研究科
教授 宮川 壽夫(みやがわ ひさお) 様

セミナー資料 誰にでもわかる「資本コスト」の考え方.pdf(1.13MB)

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(1) はじめに
39438a

(2) 株式会社というメカニズム
39438b

(3) 企業の価値というメカニズム
39438c

(4) 資本コストというメカニズム
39438d

(5) 事業投資の意思決定プロセス
39438e
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2018/10/08 【WEBセミナー】誰にでもわかる「資本コスト」の考え方(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年9月13日(木)

2018年6月1日から施行されている改訂コーポレートガバナンス・コードでは、個別の政策保有株式について、保有に伴う便益やリスクが「資本コスト」に見合っているかを精査し、保有の適否を検証することや(【原則1-4.政策保有株式】)、「自社の資本コスト」を的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すこと(【原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】)などを求めています。また、コーポレートガバナンス・コードの改訂に併せて金融庁が公表した「投資家と企業の対話ガイドラン」1-2では、「自社の事業のリスクなどを適切に反映した「資本コスト」を的確に把握することを求めています。
これに対し企業からは、「自社の資本コストをどのように算定すればよいのか」「前提条件によって変動する資本コストを算定することに意味があるのか」といった懸念の声も聞かれます。
本セミナーでは、「企業価値の神秘」などの著作でも知られ、「難しいことを分かり易く伝える」講義に定評がある大阪市立大学学院経営学研究科の宮川壽夫教授をお招きし、役員が押さえておくべき資本コストの考え方や資本コストを算定する意味などについて分かりやすく解説していただきます。また、資本コストを取締役会の判断(投資判断、撤退判断等)にどう組み入れていくのかなど、実務への落とし込み方についても語っていただきます。

【講師】大阪市立大学大学院経営学研究科
教授 宮川 壽夫(みやがわ ひさお) 様

セミナー資料 誰にでもわかる「資本コスト」の考え方.pdf(1.13MB)
セミナー動画
(1) はじめに

(2) 株式会社というメカニズム

(3) 企業の価値というメカニズム

(4) 資本コストというメカニズム

(5) 事業投資の意思決定プロセス
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2018/10/05 改訂CGSガイドラインが求める社外取締役の「再任基準」(会員限定)

今年(2018年)6月1日から施行されている改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)では新たに補充原則4-3③が設けられ、本則市場(証券取引所の市場一部・二部)に上場する会社は、取締役会がCEOを任期途中で解任するための「客観性・適時性・透明性ある手続」を確立することについてコンプライまたはエクスプレインが求められるようになった。

コーポレートガバナンス・コード補充原則4-3③
取締役会は、会社の業績等の適切な評価を踏まえ、CEOがその機能を十分発揮していないと認められる場合に、CEOを解任するための客観性・適時性・透明性ある手続を確立すべきである。

CEOを巡っては、上記補充原則4-3③の新設による解任手続の確立のみならず、事実上、後任のCEOの指名権限を任意の指名委員会に、各役員への報酬の分配権限を任意の報酬委員会に移すことを求めるべく補充原則4-10①が改訂されたほか(2018年5月29日のニュース『改訂CGコードが意図する「独立した」委員会』、2018年8月29日のニュース「任意の報酬委員会の社内的位置付け」参照)、かねてから問題視されてきたCEOが取締役会の議長に就任することの是非についても、つい先日(2018年9月28日)、経済産業省に設置されている第2期コーポレート・ガバナンス・システム研究会(以下、CGS研究会)が公表した改訂版「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」(以下、改訂CGSガイドライン)で「取締役会の監督機能を重視する場合には、社外取締役などの非業務執行取締役が取締役会議長を務めることを検討すべき」との提案が行われている(2018年9月19日のニュース「取締役会議長には誰が就任するべきか」参照)。

コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針 : 経済産業省が昨年(2017年)3月にとりまとめた「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」のこと(通常、CGSガイドライン)で、「企業価値向上を目的として企業が具体的に検討すべき事項や取り組むべき事項を示す実務的な指針」と位置付けられる。具体的には、「取締役会の在り方」「社外取締役の活用の在り方」「経営陣の指名・報酬の在り方」「経営陣のリーダーシップ強化の在り方」について、コーポレートガバナンス・コードの各原則を補完する形で、企業に具体的な検討の着眼点を示すものとなっている。2018年9月に改訂版が公表された。

こういった一連のガバナンス改革は端的に言えば「CEOの権限基盤の弱体化」を目的にしている。その一方では取締役会議長や任意の指名・報酬委員会の委員長の座には社外取締役が就くことが推奨されていることと併せて考えれば、「CEOの権限基盤の弱体化」と「社外取締役の活用」は表裏の関係にあると言えよう。

ただ、「社外取締役の活用」に伴い社外取締役の活躍の場が広がり、会社の内実に対する理解も進んでくると、別の問題が生じる。それは社外取締役の“社内取締役化”だ。就任当初は社内取締役との適度な緊張関係のもと、外部の視点をもって株主の代弁者としての役割を果たしていた社外取締役も、就任から時間が経過するにつれ、少しずつ社内の常識や空気に流されてしまい、やがて社外取締役の存在意義である「独立性」は低下していく。

社外取締役の活用が叫ばれる中で、社外取締役の活用が進めば進むほど社外取締役の独立性が低下するというのは何とも皮肉な話だが、時間の経過とともにそれが不可避である以上、「社外取締役の活用」と同時に独立性低下への配慮も不可欠となる。そこで注目されるのが、「社外取締役の再任基準」だ。

改訂CGSガイドラインには次の一文が盛り込まれ、「社外取締役の再任基準」の検討が奨励されている(80ページを参照)。

社外取締役の再任基準を設けておくことを検討すべきである。

2015年(6月1日~)のCGコード導入時に設けられた社外取締役の独立性判断基準の策定・開示を求める原則4-9(今回は改訂なし)のコンプライ率が96%に達していることからすると(東証による2017年7月14日時点の調査結果の3ページを参照)、大部分の上場会社は少なくとも独立性判断基準を策定しているはずであり、さらに「取締役会における率直・活発で建設的な検討への貢献が期待できる人物を独立社外取締役の候補者として選定するよう努めるべき」との一文を受け選任基準を設けた企業も少なくはないが、「再任基準」まで設けている企業は約24%に過ぎない(「平成29年度コーポレートガバナンスに関するアンケート調査」(第2期CGS研究会の第3回会合における配布資料の「参考資料2」(回答数:941社)アンケート調査結果の20ページの56番 参照)。

【原則4-9.独立社外取締役の独立性判断基準及び資質】
取締役会は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえ、独立社外取締役となる者の独立性をその実質面において担保することに主眼を置いた独立性判断基準を策定・開示すべきである。また、取締役会は、取締役会における率直・活発で建設的な検討への貢献が期待できる人物を独立社外取締役の候補者として選定するよう努めるべきである。

改訂CGSガイドラインでは、「一律に厳格な再任上限(就任期間の上限)を設けることまでは必要ない」とする従来からの記載が引き継がれつつも、改訂により次のような記載が追加されている(改訂CGSガイドライン79ページを参照)。

社外取締役の再任上限を設定した上で、それぞれの交代のタイミングをずらし、一定のサイクルで社外取締役が入れ替わるような仕組みを設けることで、社外取締役が中心となって社外取締役の選解任や再任を行うことに伴う社外取締役ポストの既得権益化といった問題を解消し、社外取締役の独立性を確保しやすくするとともに、取締役会の新陳代謝を実現するという観点からも、上限を設けることは有意義であると考えられる。
選任した社外取締役に問題がある場合に対処するための安全弁として、一定のサイクルで社外取締役が入れ替わるような仕組みを設けておくために、原則的な再任上限を社内規則等で定めておくことも考えられる

ただし、再任上限を設けると、それが社外取締役に「上限年数までの再任を保証するもの」と誤解され、上限年数に達する前に社外取締役を交代させることに支障が生じるおそれもあろう(改訂CGSガイドライン80ページの注釈59番を参照)。こうした事態を避けるためには、社外取締役就任時における候補者との交渉や、再任上限規定を設けることを社外取締役に説明する際に、「上限年数までは再任し続けられることを確約するものではない」旨説明するとともに、社外取締役選任基準や取締役会規程等で再任上限を定める場合には、「再任上限は●回(●年)までとする。ただし、本再任上限回数は、当該回数だけ会社が再任議案を株主総会に提出することまで保証するものではない」といった一文を入れておくのも一案だ。

もちろん、再任上限を設けること以外にも再任を止める方法はある。例えば「取締役会への出席率」「他の上場企業の役員の兼任社数制限」「再任時の年齢制限」といった定量的基準に加えて、「自社グループ内の各事業に対する理解の深さ」「取締役会での発言の積極性」「出身企業や社外役員兼任先企業のレピュテーションの悪化」といった定性的基準を設け、(任意の)指名委員会がこれらの基準に抵触したと判断()した社外取締役については再任議案を提出しないものとすることも考えられる。定性的基準の判定にあたっては、(任意の)指名委員会のメンバー以外の意見を取り入れることができるよう、取締役会評価のアンケート結果を反映する手もあろう。こうすることにより、定性的基準についてより多角的な判断が可能になるからだ。

 その前提として、(任意の)指名委員会の権限を「社外取締役の選任議案の検討」にまで拡大するとともに、判断対象となる社外取締役を議論に関与させない工夫も必要となる。

再任基準と言っても、選任基準と別に設ける必要はなく、選任基準の中に再任制限の条項を追加すれば十分だが、再任制限が恣意的に運用されないよう、可能な限り明確かつ具体的に定めておく必要がある。例えばCEOが再任議案を提出するかどうかを恣意的に決めることができるとすれば、「客観的には貢献度が高いものの執行側の意に沿わない社外取締役が恣意的に不再任とされることや、社外取締役がその可能性をおそれて十分な監督を行うことができない」可能性があるからだ(改訂CGSガイドライン81ページを参照)。既に再任基準を設けている企業であっても、「再任時は、前条の選任基準に加え、当社取締役としての任期中の実績・経営への寄与等を勘案する」とあいまいな規定ぶりになっている場合には、改訂CGSガイドラインの公表を機に、より具体的な規定への見直しを検討するべきだろう。