2018/08/12 【WEBセミナー】「改訂コーポレートガバナンス・コード」について

概略

【セミナー開催日】2018年8月1日(水)

2015年6月に導入されて以来3年が経過し、コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)が初めて見直されています。改訂コーポレートガバナンス・コードは6月から適用され、上場会社各社は改訂CGコードに基づくコーポレートガバナンス報告書(以下、CG報告書)を今年末までに提出することが求められますが、改訂コードについてコンプライするにせよエクスプレインするにせよ、改訂の趣旨等を正確に理解しなければ、投資家を納得させるCG報告書を作成することは困難でしょう。CGコードの改訂を主導した「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」も、形式的なコンプライは全く望んでいないものと思われます。
本セミナーでは、CGコードを所管する東京証券取引所の上場部で部長を務め、今回のCGコード改訂にも携わった林謙太郎様をお招きし、今回見直しの対象となった各原則の改訂の背景や趣旨、改訂を受け企業に期待される対応などについて、CGコード改訂と同時に公表された金融庁の「投資家と企業の対話ガイドライン」とあわせて解説していただくほか、主に経済界から寄せられたパブリックコメントに対する回答や考え方をお示しいただきます。また、CG報告書の提出や開示における実務上の留意点についてもお話しいただきます。

【講師】株式会社東京証券取引所
上場部 部長
林 謙太郎 (はやし けんたろう) 様

セミナー資料 「改訂コーポレートガバナンス・コード」について.pdf(2.41MB)

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セミナー動画
(1) 改訂コードの背景を知る

38506a

(2) 改訂コードに対応する 改訂された原則(1)~(2)

38506b

(3) 改訂コードに対応する 改訂された原則(3)~(10)

38506c

(4) 改訂コードに対応する 改訂された原則(11)~(14)

38506d

(5) 改訂コードに基づくガバナンス報告書の提出

38506e

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2018/08/12 【WEBセミナー】「改訂コーポレートガバナンス・コード」について(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年8月1日(水)

2015年6月に導入されて以来3年が経過し、コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)が初めて見直されています。改訂コーポレートガバナンス・コードは6月から適用され、上場会社各社は改訂CGコードに基づくコーポレートガバナンス報告書(以下、CG報告書)を今年末までに提出することが求められますが、改訂コードについてコンプライするにせよエクスプレインするにせよ、改訂の趣旨等を正確に理解しなければ、投資家を納得させるCG報告書を作成することは困難でしょう。CGコードの改訂を主導した「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」も、形式的なコンプライは全く望んでいないものと思われます。
本セミナーでは、CGコードを所管する東京証券取引所の上場部で部長を務め、今回のCGコード改訂にも携わった林謙太郎様をお招きし、今回見直しの対象となった各原則の改訂の背景や趣旨、改訂を受け企業に期待される対応などについて、CGコード改訂と同時に公表された金融庁の「投資家と企業の対話ガイドライン」とあわせて解説していただくほか、主に経済界から寄せられたパブリックコメントに対する回答や考え方をお示しいただきます。また、CG報告書の提出や開示における実務上の留意点についてもお話しいただきます。

【講師】株式会社東京証券取引所
上場部 部長
林 謙太郎 (はやし けんたろう) 様

セミナー資料 「改訂コーポレートガバナンス・コード」について.pdf(2.41MB)
セミナー動画
(1) 改訂コードの背景を知る

(2) 改訂コードに対応する 改訂された原則(1)~(2)

(3) 改訂コードに対応する 改訂された原則(3)~(10)

(4) 改訂コードに対応する 改訂された原則(11)~(14)

(5) 改訂コードに基づくガバナンス報告書の提出
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2018/08/12 【WEBセミナー】2018年6月株主総会分析(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年8月1日(水)

3月決算会社にとって、2018年6月の定時株主総会は、機関投資家が議決権行使結果の個別開示を行ってから初めての定時株主総会となります。各社とも自社の議案に対する機関投資家の賛否動向に敏感になっており、これまで以上にISS等の議決権行使助言会社や各機関投資家の議決権行使基準を意識した議案の増加が予想されるところです。また、今6月総会でも、多くの会社が役員報酬制度の見直しを諮るものと思われますが、3月決算会社に次いで数の多い12月決算会社の3月総会では、報酬枠を大幅に拡大する取締役報酬額改定議案への賛成率が低位にとどまる会社が出るなど、気になる兆候も表れています。さらに、6月から実施される改訂コーポレートガバナンス・コードの内容を先取りする会社が現れるのかも気になるところです。
本セミナーでは、株主総会実務や株主総会分析の第一人者であり、全国株懇連合会の理事も務める三菱UFJ信託銀行の中川雅博様をお招きし、上記の点などに加え、最近急増している株主提案や注目議案への賛否動向、株主からの特徴的な質問といった株主総会の中身について分析していただくほか、政府が推進する株主総会開催日の分散状況、株主総会来場者の動向、個人株主を集めるための工夫といった株主総会運営上の論点やデータについても解説していただきます。

【講師】三菱UFJ信託銀行
証券代行部 次長
中川 雅博(なかがわ まさひろ) 様

セミナー資料 2018年6月株主総会分析.pdf(945KB)
セミナー動画
(1) Ⅰ2018年6月総会の概況 1.所要時間~3.発言株主数・発言件数

(2) Ⅰ2018年6月総会の概況 4.発言内容~5.議案の否決等

(3) Ⅰ2018年6月総会の概況 6.会社提案議案の議決権行使結果

(4) Ⅰ2018年6月総会の概況 7.株主提案の状況~9.議決権行使の促進等に向けた取組事例

(5) Ⅱ2018年6月総会におけるコード対応
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2018/08/08 企業が頭を悩ます報酬委員会のメンバー構成

周知のとおり、(2018年)6月1日から施行されている改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、改訂CGコード)では、任意の諮問委員会について規定する補充原則4-10①が下記のとおり見直され、諮問委員会の前に「独立した」という文言が追加されている。

※赤字が改訂部分
補充原則 4-10①
上場会社が監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合には、経営陣幹部・取締役の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、例えば、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会を設置することなどにより、指名・報酬などの特に重要な事項に関する検討に当たり独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきである。

この改訂で最大の焦点となるのは、改訂CGコード案へのパブリックコメントとして「『独立した』および『主要な』の定義が曖昧である。過半数を独立社外取締役と明記すべきではないか」「CEOが強い権限を持つ場合などには、独立した諮問委員会が設置されたとしても、有効なモニタリングとして機能しないおそれがあるため、CEOが諮問委員会の委員となる是非に関する内容を含めた方がよい』といったパブリックコメントが寄せられていたように、何をもって「独立した諮問委員会」と言えるのかという点だ。

この点に対する東証側の回答は下記のとおりとなっている(「パブコメに対する回答」の30~31ページ参照)。

※補充原則4-10①の「独立した」の意義については、諮問委員会に求められる役割や、原則4-7(iv)において独立社外取締役が「経営陣・支配株主から独立した立場」でその役割・責務を果たすことを求められている趣旨を踏まえ、一般株主と利益相反が生じるおそれがないかとの観点から実質的に判断されるべきものと考えます。具体的な委員の構成については、個々の上場会社において、CEO等の参加の是非を含めて、そうした観点から合理的に判断されるべきものです。
※なお、補充原則4-10①を「コンプライ」する上では、独立社外取締役が諮問委員会の「主要な構成員」であることが必要となります。補充原則4-10①でいう「主要な」の意義について、独立社外取締役の人数や割合、委員長の属性等の具体的な内容については、補充原則4-10①の対象が、「監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合」とされている趣旨も踏まえ、個々の上場会社において、指名・報酬などの特に重要な事項について、実効的に独立社外取締役の適切な関与・助言を得られるかとの観点から、合理的に判断されるべきと考えます。

当フォーラムでは、関係者への取材に基づき、「『独立した』と言うためには、構成メンバーの過半数を独立社外取締役が占め、委員長も独立社外取締役が務めていることが最低条件になると考えておく必要がある」旨お伝えしたところだが(2018年5月29日のニュース『改訂CGコードが意図する「独立した」委員会』参照)、・・・

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2018/08/08 企業が頭を悩ます報酬委員会のメンバー構成(会員限定)

周知のとおり、(2018年)6月1日から施行されている改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、改訂CGコード)では、任意の諮問委員会について規定する補充原則4-10①が下記のとおり見直され、諮問委員会の前に「独立した」という文言が追加されている。

※赤字が改訂部分
補充原則 4-10①
上場会社が監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合には、経営陣幹部・取締役の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、例えば、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会を設置することなどにより、指名・報酬などの特に重要な事項に関する検討に当たり独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきである。

この改訂で最大の焦点となるのは、改訂CGコード案へのパブリックコメントとして「『独立した』および『主要な』の定義が曖昧である。過半数を独立社外取締役と明記すべきではないか」「CEOが強い権限を持つ場合などには、独立した諮問委員会が設置されたとしても、有効なモニタリングとして機能しないおそれがあるため、CEOが諮問委員会の委員となる是非に関する内容を含めた方がよい』といったパブリックコメントが寄せられていたように、何をもって「独立した諮問委員会」と言えるのかという点だ。

この点に対する東証側の回答は下記のとおりとなっている(「パブコメに対する回答」の30~31ページ参照)。

※補充原則4-10①の「独立した」の意義については、諮問委員会に求められる役割や、原則4-7(iv)において独立社外取締役が「経営陣・支配株主から独立した立場」でその役割・責務を果たすことを求められている趣旨を踏まえ、一般株主と利益相反が生じるおそれがないかとの観点から実質的に判断されるべきものと考えます。具体的な委員の構成については、個々の上場会社において、CEO等の参加の是非を含めて、そうした観点から合理的に判断されるべきものです。
※なお、補充原則4-10①を「コンプライ」する上では、独立社外取締役が諮問委員会の「主要な構成員」であることが必要となります。補充原則4-10①でいう「主要な」の意義について、独立社外取締役の人数や割合、委員長の属性等の具体的な内容については、補充原則4-10①の対象が、「監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合」とされている趣旨も踏まえ、個々の上場会社において、指名・報酬などの特に重要な事項について、実効的に独立社外取締役の適切な関与・助言を得られるかとの観点から、合理的に判断されるべきと考えます。

当フォーラムでは、関係者への取材に基づき、「『独立した』と言うためには、構成メンバーの過半数を独立社外取締役が占め、委員長も独立社外取締役が務めていることが最低条件になると考えておく必要がある」旨お伝えしたところだが(2018年5月29日のニュース『改訂CGコードが意図する「独立した」委員会』参照)、パブコメに対する東証の回答は、上の「※」の下線部「具体的な委員の構成については、個々の上場会社において、CEO等の参加の是非を含めて、そうした観点から合理的に判断されるべきものです。」という記述を見る限り、「過半数が独立社外取締役、委員長も独立社外取締役」と明言するまでは至っていない。

しかし、上記コメントの赤字部分を見ると、下の「※」で「補充原則4-10①を「コンプライ」する上では、独立社外取締役が諮問委員会の「主要な構成員」であることが必要」と言い切っていることをはじめ、その他の部分でも、上の「※」における「諮問委員会に求められる役割」「原則4-7(iv)において独立社外取締役が「経営陣・支配株主から独立した立場」でその役割・責務を果たすことを求められている趣旨を踏まえ」「一般株主と利益相反が生じるおそれがないかとの観点から」といった記述や、下の「※」における「補充原則4-10①の対象が、『監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合』とされている趣旨も踏まえ」「実効的に独立社外取締役の適切な関与・助言を得られるかとの観点から」といった記述は、“独立社外取締役が取締役会の過半数に達しない会社において、独立社外取締役が経営陣等が独立した立場から一般株主の利益になる実効的な関与・助言を実現するためには、どのような諮問委員会であるべきなのか?”という問いを企業に投げかけているものともとれる。この点を踏まえると、「過半数が独立社外取締役、委員長も独立社外取締役」の諮問委員会を創ってこそ、堂々と補充原則4-10①を「コンプライ」していると言うことができるだろう。

諮問委員会に求められる役割 : 補充原則 4-10①を踏まえると、諮問委員会に求められる役割とは、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない監査役会設置会社または監査等委員会設置会社で、「経営陣幹部・取締役の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化する」ことだと言える。

もっとも、「過半数の独立社外取締役、委員長も独立社外取締役」の諮問委員会を創っても、それでもまだ「不十分」、それどころか「NG」だとする法律の規定が存在する。それが指名委員会等設置会社が支給する業績連動給与損金算入要件を規定した法人税法34条1項三号イ(2)と、監査役会設置会社や監査等委員会設置会社が支給する業績連動給与の損金算入要件を規定した法人税法施行令69条15項三号だ。若干マニアックな規定に見えるかも知れないが、報酬委員会(任意のものを含む。以下同)の構成を左右しかねないインパクトを持っているので、報酬委員会の構成を検討する際には必ず押さえておく必要がある。

業績連動給与 : その事業年度の利益や株価、売上等に関する指標に基づく「あらかじめ定められた方法」により決定されるもの。複数年度にわたる指標(例えば3年間の平均利益)を採用することも認められる。
損金 : 法人税計算の基礎となる法人所得を減らす性質の支出等のこと。損金は企業会計上の費用とおおむね一致するが、役員賞与や固定資産の減損損失など「損金には該当しない費用」もある。

業績連動給与とは、文字通り業績等に連動して金額が変動する役員報酬であり、2017年度税制改正では従来から認められていた「利益」に加え、「売上」や「株価」に連動して算出されるものも損金算入の対象とされた(これに伴い、名称も従来の「利益連動給与」から「業績連動給与」に変更。詳細は【特集】2017年度税制改正を踏まえたインセンティブ報酬設計のポイント 2.損金算入要件の変化 (4)利益連動給与の要件緩和等 参照)。利益や株価に連動して金額が変わるという分かり易い仕組みで、しかも損金算入の対象にもなる業績連動給与は、インセンティブ型報酬の代表格として普及が期待されたが、採用企業数はあまり伸びていない。その大きな要因の一つとなっているのが上記法人税法の規定だ。

これらの規定によると、指名委員会等設置会社が設置する報酬委員会や監査役会設置会社や監査等委員会設置会社が設置する任意の報酬委員会のメンバーにたった一人でも「業務執行役員」がいれば、当該会社が支給する業績連動給与は損金算入できないことになっている。要するに、全員が社外取締役などの非業務執行役員でなければ、損金算入は認められないということだ。ちなみに、ガバナンス先進国の英国では、委員会の構成メンバーが3名以上でマジョリティが独立社外取締役、委員長も独立社外取締役でなければならないものの、全員が非業務執行役員であることまでは求めていない。

上記法人税法の規定ができたのは、会社法の制定に伴い役員給与税制が大幅に見直された2006年度(平成18年度)税制改正時に遡る。上述のとおり、今年6月に見直されたばかりの最新の改訂CGコードでさえ、報酬委員会の構成について「過半数が独立社外取締役、委員長も独立社外取締役」であることを明確に求めるまでは至っていない中、せっかく「過半数の独立社外取締役、委員長も独立社外取締役」の報酬委員会を創り、満を持して補充原則4-10①の「コンプライ」を宣言したとしても、法人税法的にはNGの報酬委員会ということになる。

「委員全員を非業務執行役員としない限り業績連動給与の損金算入は不可」という状況が続けば、業績連動給与を(導入の)検討対象から外す企業も多くなりそうだ。

2018/08/07 確約手続制度のガイドライン案、企業に制度利用を躊躇させる内容も

周知のとおり、「米国」を除いたTPP(環太平洋経済連携協定)が2019年の発効を目指し2018年6月に国会で可決・成立しているが、TPPの導入に伴い、独占禁止法上の新たな仕組みとして導入されるのが「確約手続」制度だ。確約手続制度とは、独占禁止法違反の疑いがある場合に、事業者(企業)が公正取引委員会に対し当該疑いを排除するための措置の実施を“確約”することで、問題の解決を事業者の自主的な取り組みに委ねるもの。TPPに参加するカナダ、ペルー、オーストラリア、マレーシアなどの国では既に同様の仕組みが存在するため、日本でもTPP協定の成立に会わせて独占禁止法を改正し、導入することになったという経緯がある(2016年12月26日のニュース「独禁法改正で導入の確約手続制度、カルテルや入札談合への適用は?」参照)。

確約手続の詳細を規定した「公正取引委員会の確約手続に関する規則」(以下、確約手続規則)は、まだ米国のTPP離脱が確定していなかった2016年12月12日に「案」が示され、パブリックコメントを経たうえで、米国の離脱(2017年1月27日)直前の2017年1月19日に制定されている。確約手続規則が施行されるのはTPPの発効日(2019年を予定)からとなるが、それに先立ち、公正取引委員会から、同委員会としての確約手続規則への対応方針を定めたガイドライン案「確約手続に関する対応方針(案)」(以下、ガイドライン案)が先月公表され、8月10日までパブコメに付されている。

ガイドライン案は確約手続に対する企業側の疑問に答えるものと言えるが(当該規則の公開草案に対する意見の概要とそれに対する公正取引委員会の考え方 参照)、その内容に対しては企業側から一部修正を求める声が上がっている。

まず・・・

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2018/08/07 確約手続制度のガイドライン案、企業に制度利用を躊躇させる内容も(会員限定)

周知のとおり、「米国」を除いたTPP(環太平洋経済連携協定)が2019年の発効を目指し2018年6月に国会で可決・成立しているが、TPPの導入に伴い、独占禁止法上の新たな仕組みとして導入されるのが「確約手続」制度だ。確約手続制度とは、独占禁止法違反の疑いがある場合に、事業者(企業)が公正取引委員会に対し当該疑いを排除するための措置の実施を“確約”することで、問題の解決を事業者の自主的な取り組みに委ねるもの。TPPに参加するカナダ、ペルー、オーストラリア、マレーシアなどの国では既に同様の仕組みが存在するため、日本でもTPP協定の成立に会わせて独占禁止法を改正し、導入することになったという経緯がある(2016年12月26日のニュース「独禁法改正で導入の確約手続制度、カルテルや入札談合への適用は?」参照)。

確約手続の詳細を規定した「公正取引委員会の確約手続に関する規則」(以下、確約手続規則)は、まだ米国のTPP離脱が確定していなかった2016年12月12日に「案」が示され、パブリックコメントを経たうえで、米国の離脱(2017年1月27日)直前の2017年1月19日に制定されている。確約手続規則が施行されるのはTPPの発効日(2019年を予定)からとなるが、それに先立ち、公正取引委員会から、同委員会としての確約手続規則への対応方針を定めたガイドライン案「確約手続に関する対応方針(案)」(以下、ガイドライン案)が先月公表され、8月10日までパブコメに付されている。

ガイドライン案は確約手続に対する企業側の疑問に答えるものと言えるが(当該規則の公開草案に対する意見の概要とそれに対する公正取引委員会の考え方 参照)、その内容に対しては企業側から一部修正を求める声が上がっている。

まずガイドライン案のポイントを押さえておこう。

カルテルや入札談合といった悪質性の高い行為が確約手続の対象とならないことは2016年12月26日のニュース「独禁法改正で導入の確約手続制度、カルテルや入札談合への適用は?」でお伝えしたとおりだが、ガイドライン案では、他にも次の違反被疑行為も対象としないこととされている。
・過去10年以内に行った違反行為と同一(繰り返し)の違反被疑行為
・刑事告発が相当である悪質かつ重大な違反被疑行為

また、確約手続規則案のパブリックコメントでは、企業側から「どのような確約計画であれば認定要件を満たすのか、事業者の予測可能性の確保等の観点から、具体例等も交えた詳細な認定基準を策定して示すべき」との意見が寄せられていたが、ガイドライン案では下記のような「確約措置の典型例」が示されている(本対応方針案5ページ以降より一部抜粋)。

(ア)違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認等 被通知事業者が①違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認を行うこと及び②違反被疑行為を行わないことの2点を取締役会等の被通知事業者の意思決定機関において決議することは、措置内容の十分性を満たすために必要な措置の一つである。
(イ)取引先等への通知又は利用者等への周知 例えば、被通知事業者が取引先等に対して自己の競争事業者との取引を禁止していたことが違反被疑行為に該当する場合などにおいて、競争秩序の回復を確保するためには、前記(ア)について取引先等に通知又は利用者等に周知を行う必要があると考えられる。このため、前記(ア)について取引先等への通知又は利用者等への周知を行うことが措置内容の十分性を満たすために必要となる場合がある。
(ウ)コンプライアンス
体制の整備
違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認等を確実にするためには、被通知事業者のコンプライアンス体制の整備(定期的な監査及び従業員に対する社内研修の実施を含む。)を行う必要があると考えられる。このため、違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認等を行う場合は、併せて、コンプライアンス体制の整備を行うことが措置実施の確実性を満たすために必要となる場合がある。
(エ)契約変更 例えば、被通知事業者が取引先に対して自己の商品をどの程度取り扱っているか等を条件とすることにより、競争品の取扱いを制限する効果を有するリベート(一般的には、仕切価格とは区別されて取引先に制度的に又は個別の取引ごとに支払われる金銭をいう。)を供給していることが違反被疑行為に該当する場合など、違反被疑行為が既存の契約を背景に行われており、当該契約内容を変更しなければ競争秩序の回復が確保できない場合もあると考えられる。このため、被通知事業者が当事者となっている契約内容を変更することが措置内容の十分性を満たすために必要となる場合がある。

上の表に掲げた確約措置の典型例の中で注意したいのが「(エ)契約変更」だ。企業が確約計画の認定申請をする場合、公正取引委員会より確約手続の申請に係る通知を受け取ってから60日以内に公正取引委員会に対して確約計画の認定を申請(確約認定申請)する必要があるところ、ガイドライン案では、「公正取引委員会は、確約措置が実施期限内に確実に実施されると判断できなければ、確約計画の認定をすることはない」としたうえで、「例えば、確約措置の内容が契約変更を伴うなど第三者との合意が必要な場合には、当該第三者との合意を確約認定申請時までに成立させなければ、原則として、措置実施の確実性を満たすと認めることはできない」としている。つまり、確約措置に第三者との契約内容の変更が含まれる場合には、「60日以内」に当該第三者との間で契約の変更を完了させておかなければならないということだ。

しかし、契約の相手方を60日以内に説得し、変更後の契約書にサインさせることはスケジュール的に困難な場合もあろう。変更を求められる契約の相手方が複数いれば、一層困難となるのは間違いない。こうした中、日本経団連は、『そもそも、確約認定申請時に措置の実施(合意の成立)まで求めることは疑問であり、措置の「計画」で足りるはずである。その観点から、「当該第三者との合意を確約認定申請時までに成立させなければ、原則として、措置実施の確実性を満たすと認めることはできない」とする部分は、削除ないし契約変更にかかる方針の提出で可とするなど、現実的な記載に修正いただきたい』とのコメントを出している(本対応方針案に対して、2018年8月6日に日本経団連の経済法規委員会競争法部会が提出したコメントの各論1を参照)。

また、ガイドライン案では、確約手続の申請を受けた公正取引委員会は申請を受けた確約計画の概要について「第三者からの意見を募集する場合がある」とし、さらに「認定した確約計画の概要や当該認定に係る違反被疑行為の概要等を公表する」としている。ただ、こういった公表措置があることで、確約手続の利用を躊躇する事業者も出てくる恐れもある。特に確約手続が周知されるまでは、世間から「確約計画の認定」イコール「違反の認定」と受け止められかねないだけに、なおさらだろう。この点についても日本経団連は、「事業者の事前の同意を必要とすべき」とするとともに、「確約計画の認定は違反を認定するものではないことについては、事業者がレピュテーションリスクを懸念してせっかくの手続の利用を躊躇うことのないよう、積極的に周知いただきたい」との要望を提出している(上述の日本経団連のコメントの総論(2)と各論(2)および(3)を参照)。

経済界から突き付けられた課題に公正取引委員会がどのように応えるのか、本年(2018年)秋頃に公表される確定版のガイドラインの中身が注目されるところだ。

2018/08/06 ISS、経営トップの再任反対推奨で、ROEに続く新たな指標導入も

議決権行使助言会社最大手のISS(Institutional Shareholder Services Inc.)は8月2日、機関投資家をはじめとする市場関係者を対象に、2019年2月から施行する2019年版の議決権行使助言方針(ポリシー)の改定に向けたサーベイを開始した。今回のサーベイは、ポリシー改定の方向性を決めるにあたり、市場関係者の意見を聞くことを目的とするもの。ISSは本サーベイの結果を踏まえて、10月に2019年版ポリシーの原案を公表した上で、改めてオープンコメントを募集するとしている。

本サーベイには、・・・

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2018/08/06 ISS、経営トップの再任反対推奨で、ROEに続く新たな指標導入も(会員限定)

議決権行使助言会社最大手のISS(Institutional Shareholder Services Inc.)は8月2日、機関投資家をはじめとする市場関係者を対象に、2019年2月から施行する2019年版の議決権行使助言方針(ポリシー)の改定に向けたサーベイを開始した。今回のサーベイは、ポリシー改定の方向性を決めるにあたり、市場関係者の意見を聞くことを目的とするもの。ISSは本サーベイの結果を踏まえて、10月に2019年版ポリシーの原案を公表した上で、改めてオープンコメントを募集するとしている。

本サーベイには、①グローバルなテーマに関するもの(会計監査人の独立性、取締役会のジェンダーダイバーシティーなど)と、②各地域に対応したローカルなテーマに関するものの2つのパートがあるが、①については8月24日、②については9月21日が意見募集の期限とされており、日本市場向けサーベイは後者(②)に属する。

今回、日本向けサーベイのテーマとされたのが、「バランスシート・マネジメントの評価」と「株式持ち合いと役員の独立性」の2つだ。前者は、今年(2018年)6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)で初めて「資本コスト()」の把握が求められたことを受け(【原則1-4.政策保有株式】【原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】)、資本コストへの意識を高めることを求めるテーマであり(バランスシート・マネジメントについては、【2016年7月の課題】目指すべきB/Sのイメージ 参照)、後者は改訂CGコードが求める「政策保有株式の縮減」に関連したテーマと、いずれも改訂CGコードを念頭に置いたものとなっている。

バランスシート・マネジメント : 事業のリスク・リターンを反映させた自己資本(株式)と有利子負債のバランスや、手元資金の水準の調整を図ること。

 企業の間では、改訂CGコードが求める「資本コスト」が株主資本コストを指すのか、加重平均資本コストを指すのかとの疑問があるが、この点について東証は、CGコード改訂に先立ち募集したパブリックコメントに寄せられた『原則1-4における「資本コスト」の定義は何か?』との疑問に対し、「「資本コスト」は、一般的には、自社の事業リスクなどを適切に反映した資金調達に伴うコストであり、資金の提供者が期待する収益率と考えられます。適用の場面に応じて株主資本コストやWACC(加重平均資本コスト)が用いられることが多いものと考えられます。」と回答している(52ページ「215」参照)。

株主資本コスト : 経営陣(取締役)の使命は、基本的に「株主から預かった資金(株主資本)を元手に展開する事業から獲得するキャッシュ・フローが“株主の期待利回り”を上回ること」にあり、ここでいう“株主の期待利回り”を「株主資本コスト」という。
加重平均資本コスト : 銀行等(債権者)が企業に対し要求する期待利回りが「有利子負債コスト(金利)」であるが、株主と債権者では資金提供リスク(将来獲得できるキャッシュ・フローの不確実性)が異なるため、両者が要求する期待利回りも異なる(通常は株主のリスク(不確実性)の方が高いとされている)。そこで企業全体としての資金調達コストは、両者の期待利回り(「株主資本コスト」と「有利子負債コスト(金利)」)を資金提供額に応じて加重平均することにより算定する。この資金調達コストが「加重平均資本コスト(英語ではWeighted Average Cost of Capital=WACC」であり(通称はワック)、これを上回るキャッシュ・フローの獲得こそが、投資家が経営陣(取締役)に求めているものと言える。加重平均資本コスト(WACC)は資金提供者が要求する最低限の期待利回り(期待収益率)であるため、「ハードル・レート」とも呼ばれる。

以下、それぞれについて見てみよう。

① バランスシート・マネジメントの評価
現在、ISSはバランスシート・マネジメントに問題がある企業を測る指標として自己資本利益率(ROE)を掲げているが、これに加えて「新たな指標」を採用すべきか否かを本サーベイは問いかけている。新たな指標の例としてISSは以下の2つを挙げている。いずれの指標も、仮に採用されれば、ROEと同様、これを満たせなければ「経営トップである取締役」の再任議案への反対推奨へとつながることが予想される。

ROE : Return On Equity=株主資本利益率(当期純利益/株主資本)

〇「ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)+有価証券」が決算期末時点での時価総額と同規模の場合
要するに、「株式の時価総額」が「ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)+有価証券」(会社解散時に確実に現金化可能な財産)と同程度でしかないということであり、投資家が事業の価値を一切評価していない状態を指す。
〇株価純資産倍率(PBR)が過去5年連続で1.0を大幅に下回る場合
PBRが1倍を大幅に下回る場合とは、投資家が企業の将来性に疑問を持っていたり、減損リスクのように潜在的な資産の含み損が多額にのぼる可能性が株価に織り込まれていたりする状態であり、ここではそれが5年続いているという危機的な状況を指す。

PBR : 株価 ÷1株当たり株主資本

② 株式持ち合いと役員の独立性
現状、自社が政策保有株式として株式を保有している企業(被政策保有企業 ※ISSのサーベイでは「政策保有株式銘柄企業」と称している)の出身者は、ISSの独立性基準(2018年版 日本向け議決権行使助言基準7ページ参照)に抵触しないこととされている(正確には、独立性に抵触するケースとして例示されていない)。本サーベイは、改訂CGコードが政策保有株式の縮減を求め、資本コストと個別の政策保有株式の保有便益・リスクが見合っているかの検証が求められていることを受け、今後は「政策保有株式銘柄企業の出身者」もISSの独立性基準に抵触する者として取り扱うべきか否かを問うもの。仮に「独立性基準に抵触する」との結論となった場合、指名委員会等設置会社の社外取締役および指名委員である取締役()、監査等委員会設置会社の監査等委員である社外取締役、親会社・支配株主がいる監査役設置会社の経営トップ()の再任議案に影響が生じることになる。

 いずれのケースにおいても、ISS独立性基準を満たす社外取締役が2名いなければ、反対推奨される。

上記のいずれかのポリシー改定が実現しただけでも、少なからぬ上場企業の株主総会において反対票の増加につながることが予想される。上場企業の経営陣としては、手元現預金や持ち合い株式の水準を確認したうえで、その縮減および有効活用を検討するとともに、自社の財務戦略に理解を得るためのエンゲージメントを実施する必要があろう。今回のポリシー改定が実現した場合、国内外の機関投資家もISSと問題意識を共有し、同じような議決権行使基準の見直しを行ってくる可能性もある。

また、現在、上場企業の多くは、本年12月末までに提出が求められる改訂CGコードに基づくコーポレートガバナンス報告書の作成に向け、改訂コードへの対応を進めているところとみられるが、2019年版ポリシーの改定に向け【原則1-4.政策保有株式】【原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】に対するISSの高い問題意識が明確になったことを踏まえ、両原則への対応は特に慎重に行う必要があろう。

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