「取締役会の3分の1以上の独立社外取締役の選任」を企業に強制するかのような新聞報道もあり、コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)原則4-8の改訂の方向性に企業の関心が集まっていたが、当フォーラムが2018年2月20日のニュース「“社外取締役1/3以上説”、現時点での最新情報」でお伝えしていたとおり、原則4-8の後段部分の書きぶりを強める形で収束している。
| 【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】 独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきである。 また、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、 |
ただ、勘違いしないようにしたいのは、原則4-8は今回の改訂で“最終形”に到達したわけでは決してないということだ。当フォーラムが複数の関係者に取材したところを踏まえても、むしろ、次のCGコード改訂(数年後)では、「独立社外取締役の割合1/3」が事実上義務化される可能性は非常に高いと考えておくべきだろう。
その理由として、「1/3」という数字は、既にそれほど上場企業にとって高いハードルではなくなりつつあるということが挙げられる。東証の昨年(2017年7月26日)のデータでは、独立社外取締役が全取締役の3分の1以上を占める東証一部上場企業は既に27.2%にのぼっている(東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況(2017年7月26日) 3ページ参照)。東証二部上場企業では18.7%とまだ低いが、「社外取締役」に限れば「32.3%」と3割を超えて来る(社外取締役と独立社外取締役の違いは2014年12月26日のニュース『「社外取締役」と「独立社外取締役」の違い、明確に説明できますか?』参照)。一方、「過半数の独立社外取締役」を選任している上場企業は、東証一部でも2.9%、東証二部では1.3%に過ぎない(以上、5ページ参照)。要するに、「1/3」という数字は、数年後には東証一部・二部上場企業にとって達成可能な“現実的に達成可能な目標”と言える。
現状、独立社外取締役が取締役会に占める割合が1/3未満にとどまっている東証一部・二部上場企業は、数年後に行われる次のCGコード改訂に向け、今のうちから独立社外取締役の増員を進めておくべきだろう。
