2018/03/12 【WEBセミナー】アクティブ運用機関が企業に望むこと

概略

【セミナー開催日】2018年3月7日(水)

一口に機関投資家(運用会社)と言っても、個別企業の株価が高いか安いかなどは考慮せずに例えば東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動した運用成果を目指す「パッシブ投資家」と、銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、成長が見込めなくなった銘柄を売却するなどして利益を得ようとする「アクティブ投資家」に大きく分かれます。そのアクティブ投資家の中でも、スチュワードシップ・コード導入前から企業とのエンゲージメント活動を積極的に行い、投資先企業・経営陣と深い信頼関係を構築したうえで投資先企業の隠れた価値を実現させる提案をするなど“バリューアップ戦略”をとることで有名なのが、あすかアセットマネジメントです。短期的な株価の変動に左右されず投資先の株式を保有し続ける真の中長期投資家と言える同社の投資先には、グローバルな優良企業のみならず、必ずしも現時点では株式市場で評価されていない中小型株も数多くあります。本セミナーでは同社の創設メンバーでもある光定洋介様をお招きし、同社が投資先を選定するうえでのチェックポイントやどのような企業に魅力を感じるのか、投資先企業が中長期的な企業価値を向上させるうえで経営陣に望むことは何か、また、投資先企業の中長期的な企業価値を向上させるためにどのような提案を行うのかなどについて、本音で語っていただきます。株主総会に向けこれから本格化する機関投資家との対話に臨むうえでも参考になるお話が聞けるはずです。

【講師】あすかアセットマネジメント 運用部
   あすかコーポレイトアドバイザリー
   取締役ファウンディングパートナー
   光定 洋介(みつさだ ようすけ) 様

セミナー資料 アクティブ運用機関が企業に望むこと.pdf(970KB)

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セミナー動画
(1) 序論

33701a

(2) 運用スタイルと企業の関係~

33701b

(3) 株主・機関投資家とは何者か?~

33701c

(4) 「企業価値を上げる」とは~

33701d

(5) コーポレートガバナンス・コード~

33701e

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2018/03/12 【WEBセミナー】アクティブ運用機関が企業に望むこと(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年3月7日(水)

一口に機関投資家(運用会社)と言っても、個別企業の株価が高いか安いかなどは考慮せずに例えば東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動した運用成果を目指す「パッシブ投資家」と、銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、成長が見込めなくなった銘柄を売却するなどして利益を得ようとする「アクティブ投資家」に大きく分かれます。そのアクティブ投資家の中でも、スチュワードシップ・コード導入前から企業とのエンゲージメント活動を積極的に行い、投資先企業・経営陣と深い信頼関係を構築したうえで投資先企業の隠れた価値を実現させる提案をするなど“バリューアップ戦略”をとることで有名なのが、あすかアセットマネジメントです。短期的な株価の変動に左右されず投資先の株式を保有し続ける真の中長期投資家と言える同社の投資先には、グローバルな優良企業のみならず、必ずしも現時点では株式市場で評価されていない中小型株も数多くあります。本セミナーでは同社の創設メンバーでもある光定洋介様をお招きし、同社が投資先を選定するうえでのチェックポイントやどのような企業に魅力を感じるのか、投資先企業が中長期的な企業価値を向上させるうえで経営陣に望むことは何か、また、投資先企業の中長期的な企業価値を向上させるためにどのような提案を行うのかなどについて、本音で語っていただきます。株主総会に向けこれから本格化する機関投資家との対話に臨むうえでも参考になるお話が聞けるはずです。

【講師】あすかアセットマネジメント 運用部
   あすかコーポレイトアドバイザリー
   取締役ファウンディングパートナー
   光定 洋介(みつさだ ようすけ) 様

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(1) 序論

(2) 運用スタイルと企業の関係~

(3) 株主・機関投資家とは何者か?~

(4) 「企業価値を上げる」とは~

(5) コーポレートガバナンス・コード~
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2018/03/12 【WEBセミナー】フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、上場企業が整備すべき情報統制

概略

【セミナー開催日】2018年3月7日(水)

昨年(2017年)実施された金融商品取引法の改正により「フェア・ディスクロージャー・ ルール」(以下、FDルール)が創設され、いよいよ今年4月1日から適用開始となります。FDルールの特徴は、インサイダー規制がインサイダー情報をもとに株式を売買して利益を得た「投資家」を規制するルールであるのに対し、“重要情報”を漏らしてしまった「企業」の行動を規制するルールであるという点です。したがって、FDルールに抵触しないようにするため、企業には重要情報の範囲を特定したうえで、重要情報の流れを整理しその取扱いのルールを決めるなどの対応(情報統制)が求められることになります。ただ、FDルールへの抵触を恐れるあまり、情報開示に消極的・保守的になりすぎれば、投資家との建設的な対話やIR上もマイナスです。FDルールの下では、文字どおり“フェア”な情報開示環境を保ちつつ、情報開示の量や質は落とさないという工夫も必要でしょう。そこで本セミナーでは、金融庁の企業開示課へ出向経験もあるTMI総合法律事務所の池田賢生弁護士をお招きし、FDルールの下で企業が整備すべき情報統制やその運用上の留意点などについて解説していただきます。投資家との対話に企業側のスピーカーとして臨む場合、まさにFDルールの当事者となる役員にとっても必見のセミナーです。

【講師】TMI総合法律事務所
    パートナー 弁護士
    池田 賢生(いけだ けんせい) 様

セミナー資料 フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、上場企業が整備すべき情報統制.pdf(923KB)

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セミナー動画
(1) 第1 フェア・ディスクロージャー・ルールの概要
   第2 フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容

33681a

(2) 第2 フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容(続き) 規制対象情報~

33681b

(3) 第2 フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容(続き) 情報提供者の範囲~

33681c

(4) 第2 フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容(続き) 報道機関へのアピール~

33681d

(5) 第3 フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえた体制整備

33681e

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2018/03/12 【WEBセミナー】フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、上場企業が整備すべき情報統制(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年3月7日(水)

昨年(2017年)実施された金融商品取引法の改正により「フェア・ディスクロージャー・ ルール」(以下、FDルール)が創設され、いよいよ今年4月1日から適用開始となります。FDルールの特徴は、インサイダー規制がインサイダー情報をもとに株式を売買して利益を得た「投資家」を規制するルールであるのに対し、“重要情報”を漏らしてしまった「企業」の行動を規制するルールであるという点です。したがって、FDルールに抵触しないようにするため、企業には重要情報の範囲を特定したうえで、重要情報の流れを整理しその取扱いのルールを決めるなどの対応(情報統制)が求められることになります。ただ、FDルールへの抵触を恐れるあまり、情報開示に消極的・保守的になりすぎれば、投資家との建設的な対話やIR上もマイナスです。FDルールの下では、文字どおり“フェア”な情報開示環境を保ちつつ、情報開示の量や質は落とさないという工夫も必要でしょう。そこで本セミナーでは、金融庁の企業開示課へ出向経験もあるTMI総合法律事務所の池田賢生弁護士をお招きし、FDルールの下で企業が整備すべき情報統制やその運用上の留意点などについて解説していただきます。投資家との対話に企業側のスピーカーとして臨む場合、まさにFDルールの当事者となる役員にとっても必見のセミナーです。

【講師】TMI総合法律事務所
    パートナー 弁護士
    池田 賢生(いけだ けんせい) 様

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(1) 第1 フェア・ディスクロージャー・ルールの概要
   第2 フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容

(2) 第2 フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容(続き) 規制対象情報~

(3) フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容(続き) 情報提供者の範囲~

(4) 第2 フェア・ディスクロージャー・ルールの規制内容(続き) 報道機関へのアピール~

(5) 第3 フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえた体制整備
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2018/03/12 「裁量労働制」を巡る誤解

周知のとおり、厚生労働省が不適切な調査データを用いていたことをきっかけに、現在国会に提出されている「働き方改革関連法案」から「企画業務型裁量労働制の適用拡大」に関する条文が削除されることとなった。

厚生労働省が不適切な調査データを用いていたこと : 実質的な「残業代のカット」ではないかとの批判もある裁量労働制の適用拡大を実現するためには、裁量労働制による労働者の労働時間の方が一般労働者よりも短いことが実証された方が好都合と言える。厚生労働省のデータでは裁量労働制による労働者の方が20分程度短い労働時間となっていたが、裁量労働制による労働者には「通常の一日の労働時間」を聞いていたのに対し、一般労働者には「最も残業時間の多い日の労働時間」を聞いたり、一般労働者の一日の労働時間が45時間となっているデータが含まれるなど、不自然なデータが含まれていた。

現行の労働基準法では、事業運営に関する事項の企画・立案等の業務(例えば「経営企画」や「広報」等)に従事する労働者について、労使委員会の決議と労働者本人の同意を前提に、労使で取り決めた時間数を労働したものとみなす「企画業務型裁量労働制」が認められている。政府は、裁量労働制の適用対象職種を、①課題解決型提案営業(例えば「顧客ニーズに応じた新商品の開発・販売」等)、②事業運営に関する事項の実施管理とその実施状況の検証結果に基づく企画立案等を一体的に行う業務(例えば「全社レベルの品質管理計画の立案」等)にも拡大しようとしている。

労使委員会 : 使用者及びその事業場 の労働者を代表する者が構成員となっている委員会で、企画業務型裁量労働制を実施するために労働基準法に設けられた。

「実質的な残業代のカットではないか」との批判もある裁量労働制だが、この点ばかりに焦点が当たり、そもそも「裁量労働制」とはどういうものなのかが企業において理解されていないケースが多い。このままでは、将来的に企画業務型裁量労働制の適用拡大が実現したとしても、企業がそれを上手く使いこなせるのか、一抹の不安が残る。例えば下記の3つの問いに即答できるだろうか。

① ミーティングに出席させることはできるか
② 休日出勤を命じることができるか
③ みなし労働時間(労働したものとみなされる時間数)は誰が決めるのか

裁量労働制とは、文字通り、業務の遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる制度であり、逆に言えば、同制度の対象となる労働者は業務遂行の手段や時間配分を自らの裁量で決められることになっている。したがって、会社(上司)は、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、具体的な指示をしてはならない。この点を踏まえると、上記問いへの解答はそれぞれ下記のとおりとなる。・・・

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2018/03/12 「裁量労働制」を巡る誤解(会員限定)

周知のとおり、厚生労働省が不適切な調査データを用いていたことをきっかけに、現在国会に提出されている「働き方改革関連法案」から「企画業務型裁量労働制の適用拡大」に関する条文が削除されることとなった。

厚生労働省が不適切な調査データを用いていたこと : 実質的な「残業代のカット」ではないかとの批判もある裁量労働制の適用拡大を実現するためには、裁量労働制による労働者の労働時間の方が一般労働者よりも短いことが実証された方が好都合と言える。厚生労働省のデータでは裁量労働制による労働者の方が20分程度短い労働時間となっていたが、裁量労働制による労働者には「通常の一日の労働時間」を聞いていたのに対し、一般労働者には「最も残業時間の多い日の労働時間」を聞いたり、一般労働者の一日の労働時間が45時間となっているデータが含まれるなど、不自然なデータが含まれていた。

現行の労働基準法では、事業運営に関する事項の企画・立案等の業務(例えば「経営企画」や「広報」等)に従事する労働者について、労使委員会の決議と労働者本人の同意を前提に、労使で取り決めた時間数を労働したものとみなす「企画業務型裁量労働制」が認められている。政府は、裁量労働制の適用対象職種を、①課題解決型提案営業(例えば「顧客ニーズに応じた新商品の開発・販売」等)、②事業運営に関する事項の実施管理とその実施状況の検証結果に基づく企画立案等を一体的に行う業務(例えば「全社レベルの品質管理計画の立案」等)にも拡大しようとしている。

労使委員会 : 使用者及びその事業場 の労働者を代表する者が構成員となっている委員会で、企画業務型裁量労働制を実施するために労働基準法に設けられた。

「実質的な残業代のカットではないか」との批判もある裁量労働制だが、この点ばかりに焦点が当たり、そもそも「裁量労働制」とはどういうものなのかが企業において理解されていないケースが多い。このままでは、将来的に企画業務型裁量労働制の適用拡大が実現したとしても、企業がそれを上手く使いこなせるのか、一抹の不安が残る。例えば下記の3つの問いに即答できるだろうか。

① ミーティングに出席させることはできるか
② 休日出勤を命じることができるか
③ みなし労働時間(労働したものとみなされる時間数)は誰が決めるのか

裁量労働制とは、文字通り、業務の遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる制度であり、逆に言えば、同制度の対象となる労働者は業務遂行の手段や時間配分を自らの裁量で決められることになっている。したがって、会社(上司)は、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、具体的な指示をしてはならない。この点を踏まえると、上記問いへの解答はそれぞれ下記のとおりとなる。

① ミーティングに出席させることはできるか
時間を決めてミーティングへの出席を命じることはできない。もっとも、そのミーティングに出席しようがしまいが、成果に影響が出れば、それは評価の対象とすることが可能である。

② 休日出勤を命じることができるか
労働契約(労働協約や適法に制定された就業規則を含む)や適法に制定された就業規則に根拠規定があれば、休日出勤を命じることができる。もちろん、その分の休日勤務手当は支払わなければならない。また、「休日の振替え(出勤日と休日とを入れ替える)」も、根拠規定があれば理論上は可能だが、その日の出退勤時刻を会社が指示することができないので、実務的には意味がないだろう。

労働協約 : 賃金、労働時間などの労働条件や、団体交渉、組合活動などの労使関係のルールについて、労働組合と使用者が書面で取り交わした約束事

③ みなし労働時間数(労働したものとみなされる時間数)は誰が決めるのか
現行の「専門業務型裁量労働制」では過半数労組または過半数代表者との労使協定により、「企画業務型裁量労働制」では労使委員会の決議により、(すなわち労使が話し合って)決めることになっている。必ずしも法定労働時間(週40時間)とするべきものではない。

専門業務型裁量労働制 : 裁量労働制には「専門業務型」と「企画業務型」があるが、専門業務型裁量労働制とは、SEや士業(弁護士、公認会計士、税理士、建築士など)、雑誌編集者、コピーライターなどの専門業務に従事する労働者について、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量委ねる制度。今回、裁量労働制の適用拡大が議論されたのは「企画業務型」の方である。
過半数労組 : 労働者の過半数により組織している労働組合のこと
過半数代表者 : 労働者の過半数を代表する者のこと

以上、現行の裁量労働制について誤解されやすい点をいくつか具体例を挙げて解説してみたが、裁量労働制が正しく運用されれば、労働者は自分のペースで自由かつ効率的に働くことができ、また、“時間”でなく“成果”によって正当に評価されることで、労働者自身の納得感も高まる。企業は「残業代を支払わずに済む」という安易な考え方は捨て、労働生産性を高めるためにこの制度を有効に活用するべきだろう。

2018/03/09 グローバル機関投資家の新たな関心事

GPIFが新たにESG指数を選定した昨年(2017年)は“ESG元年”とも言われるが(ESG指数については2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)、日本の上場企業においてはESG(環境・社会・ガバナンス)、特にE(Environment=環境)とS(Social=社会)への関心は今のところ企業間格差が大きい。また、機関投資家の多くも、現状ではEやSよりもG(ガバナンス)への関心が強いと言える(2018年2月22日「価値協創ガイダンスに見るESGに対する機関投資家の考え方」参照)。

こうした中で、グローバル機関投資家の関心がかなり高まっているのが「E」の一分野である・・・

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2018/03/09 グローバル機関投資家の新たな関心事(会員限定)

GPIFが新たにESG指数を選定した昨年(2017年)は“ESG元年”とも言われるが(ESG指数については2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)、日本の上場企業においてはESG(環境・社会・ガバナンス)、特にE(Environment=環境)とS(Social=社会)への関心は今のところ企業間格差が大きい。また、機関投資家の多くも、現状ではEやSよりもG(ガバナンス)への関心が強いと言える(2018年2月22日「価値協創ガイダンスに見るESGに対する機関投資家の考え方」参照)。

こうした中で、グローバル機関投資家の関心がかなり高まっているのが「E」の一分野である気候変動問題だ。

例えば、ESGを考慮して(株価指数を上回る)超過収益をとりにいくアクティブ運用機関として著名で、日本の企業年金連合会が国内企業とのエンゲージメントを委託したことにより日本での認知度も高まった(「企業年金連合会のスチュワードシップ活動」6ページ参照)英国のハーミーズ(Hermes)EOS(Equity Ownership Services)の親会社である英国ハーミーズ・インベストメント・マネジメントは、機関投資家向け情報サイトのアジア・アセットマネジメントで「アジアの機関投資家にとって気候変動問題は2018年の主要関心事になる」とコメントしている。

ハーミーズ(Hermes)EOS(Equity Ownership Services) : 英国のBritish Telecom年金基金の子会社であるHermes Investment Management (HIM)の子会社。HIMの顧客のみならず、それ以外の顧客にも各種サービスを提供している。顧客には欧州大手公的年金・企業年金が数多く、約40基金。 アドバイザリー対象の資産は25兆円相当以上。うち、日本企業へ投資されている額は現状2兆5,000億円程度。会長の Colin MelvinはPRIのボードメンバーでもある(企業年金連合会資料より引用)。

また、ハーミーズEOSによると、アジアの機関投資家(後述)により構成される気候変動に関する団体である「AIGCC(Asia Investor Group on Climate Change)」や「AClimate Action 100+」が、気候変動問題に対応するための活動を積極化しているという。ハーミーズEOSは、気候変動に特に大きな影響を及ぼすコアビジネスを展開する企業(温室効果ガスを大量に排出する企業など)は、気候に関する財務情報(例えば温室効果ガスの排出量などの実績値やその削減に向けた目標値などが考えられる)について包括的な報告書の作成を期待する。

AIGCC(Asia Investor Group on Climate Change : 気候変動に関連するリスクと機会について、アジアの資産所有者と金融機関に意識を高めるために設立された団体。年金基金、政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)、保険会社、ファンド・マネジャーなどにより構成される。
Climate Action 100+ : 機関投資家が、温室効果ガスを排出する世界最大級の企業と協力し、こうした企業が気候変動に関するガバナンスを改善するとともに、排出量を抑制し、気候関連の財務情報の開示を促進するために設立された団体。

機関投資家はこうした情報を用いて、投資に際してネガティブスクリーニング(ESGの観点から見て何らかの問題がある企業への投資を避ける手法。ESG投資の手法については、新用語・難解用語辞典の「ESGインテグレーション投資」参照)を行ったり、またダイベストメント(投資の取り止め)を決定したりすることになる。ハーミーズの見解を踏まえると、そのような動きがアジアの資本市場で活発化する可能性があろう。

ESG投資 : ESGに優れた企業に投資すること

ここで留意したいのは、上述した「アジアの機関投資家(Asian institutional investors)」とは、文字通りアジア地域だけで活動している機関投資家ではなく、あくまでグローバル投資家を指しているという点だ。例えば上記「Climate Action 100+」の中心となっているのは、米国CalPERS(カルパース=カリフォルニア州職員退職年金基金)のほか、英国HSBC Global Asset Management、仏国Ircantec(国家資格なしの国・自治体職員向け補足年金)、豪州Australian Super(国籍等を問わずオーストラリアで雇用されているすべての人を対象にした強制加入の私的年金)などとなっている。したがって、上記ハーミーズのコメントは“グローバルな資本市場の潮流”と捉えるのが適切であり、アジア企業も例外なくその影響を受けるということを意味している。

近年、気候変動が機関投資家の主要関心事となってきたのには、トランプ政権による米国のパリ協定離脱が大きく影響していると考えられる。気候変動問題の解決に向けた政治的な進展が期待できない中で、長期投資の観点からグローバル機関投資家が抱く危機感は大きい。

パリ協定 : 昨年(2015年)末にパリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で採択された2020年以降の温暖化対策の国際的枠組み。パリ協定では、18世紀後半に起きた産業革命前と比較し、気温の上昇を「2℃以内」にとどめることを目標としており、各国に対し、温室効果ガスの排出削減目標を設定のうえ、5年ごとに進捗報告およびより厳しい目標への更新を行うことを義務付けている。

なお、気候変動以外に機関投資家が懸念を抱いている事柄として、ハーミーズは取締役会の多様性(board diversity)と経営者報酬(executive compensation)を挙げている。取締役会の多様性については、長期的な戦略の方向性、ビジネスモデル、従業員、顧客、サプライヤー、地域性などを考慮して追及すべきとし、また、適切な報酬政策は、経営者の利益を投資家やその他のステークホルダーの利益を調整するうえで重要な要素となり得るとする。いずれもコーポレートガバナンスの本流と言うべき論点であり、企業は引き続きこれらに取り組む必要があるが、それに加え、温室効果ガスを排出するメーカー等は気候変動問題に対するグローバル機関投資家の関心の高まりを踏まえ、その削減策などにも取り組んでおく必要があろう。

2018/03/08 「MiFID2」施行後、欧州で起きていること

2017年10月10日のニュース『「MiFID2」余波で証券会社依存のIR/SR活動は困難に』でお伝えしたとおり、EU(欧州連合)の金融商品取引法であるMiFID(Markets in Financial Instruments Directive=金融商品市場指令)の改正版「MiFID2(ミフィッド・ツー=第2次金融商品市場指令)」が2018年1月3日に施行され、欧州ではその影響が現れ始めている。・・・

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2018/03/08 「MiFID2」施行後、欧州で起きていること(会員限定)

2017年10月10日のニュース『「MiFID2」余波で証券会社依存のIR/SR活動は困難に』でお伝えしたとおり、EU(欧州連合)の金融商品取引法であるMiFID(Markets in Financial Instruments Directive=金融商品市場指令)の改正版「MiFID2(ミフィッド・ツー=第2次金融商品市場指令)」が2018年1月3日に施行され、欧州ではその影響が現れ始めている。

既報のとおり、MiFID2では投資家保護の強化のため、これまで慣例となっていた証券会社や投資銀行(以下、証券会社等)が運用会社に対して請求する売買手数料(取引執行費用)に(証券会社等が運用会社に提供する)投資先企業等のリサーチ費用を含めることが禁止され、取引執行費用とリサーチ費用の分離が求められることになった(投資家(年金基金等)の意に反して、運用会社が親密な証券会社等に対し不当に高額な情報提供料を支払うといった不正行為の温床になりかねないため)。MiFID2の施行から2か月余りが経過する中、この規制に伴い欧州では何が起きているのだろうか。

まずリサーチ費用については、運用会社によって対応が異なる。大手運用会社の多くがリサーチ費用を自己負担とする一方で、中小運用会社では顧客(=年金基金等の投資家)負担とせざるを得ないところが多い。この結果、リサーチ費用を顧客負担とする分だけ中小運用会社の手数料は上昇し、大手運用会社との顧客獲得競争上、価格面で不利な立場に立たされる中小運用会社が増えている。近年はただでさえ顧客から手数料の値下げ圧力が強まっているところに今回のMiFID2への対応コスト負担が追い打ちをかける格好となり、資産運用業界の経営環境は厳しさを増している。今後、中小運用会社を中心に合併等、業界再編の動きが出てくる可能性もありそうだ。

リサーチ費用を自己負担する大手運用会社にせよ顧客負担とする中小運用会社にせよ、証券会社等に支払うリサーチ費用を削減しようという動きに変りはない。こうした動きを受け、証券会社等においては、リサーチ提供体制の縮小とこれに伴うアナリスト・カバレッジの減少が現実のものとなりつつあり、今後はアナリスト・カバレッジから外される企業が増えていくことも予想される。

アナリスト・カバレッジ : 証券会社や投資銀行のアナリストが調査対象とする上場企業の範囲のこと。

MiFID2は欧州域内に拠点を置く金融機関のほか、日本の運用機関が欧州の年金の運用を受託した場合にも適用されることに加え、将来的に同様の規制の導入が日本の金融市場において導入される可能性も十分ある。日本企業(特に中小型株のカテゴリーに属する企業)はセルサイドのアナリストのレポートに頼らないIR/SR体制の構築を急ぐべきだろう。

セルサイド : 証券会社に所属しており(株式を売る側にいることからこう呼ばれる)、そのレポート(アナリスト・レポート)は、証券会社の顧客である個人投資家や機関投資家に提供され、投資家はこれを投資先の選定や売買のタイミングの判断に利用する。
SR : Shareholder Relations の略で、「株主向け広報」と訳される。株主を含む広く投資家全般に対する広報活動を「IR」 (Investor Relations) と呼ぶのに対し、SR活動とは、企業と株主との信頼関係を築くための活動を指す。