正解です。
平成30年(2018年)度税制改正大綱によると、「賃上げや設備投資」に積極的な企業の法人税が減税される一方で、消極的な企業に対しては研究開発税制などの「租税特別措置」の適用を制限することで法人税の負担を重くする“賃上げ・投資減税”が導入される見込みです(問題文は正しいです)。
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2017/12/12 現預金不要のM&Aが容易に 賃上げ・設備投資へのプレッシャー高まる(会員限定)
正解です。
平成30年(2018年)度税制改正大綱によると、「賃上げや設備投資」に積極的な企業の法人税が減税される一方で、消極的な企業に対しては研究開発税制などの「租税特別措置」の適用を制限することで法人税の負担を重くする“賃上げ・投資減税”が導入される見込みです(問題文は正しいです)。
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2017/12/12 現預金不要のM&Aが容易に 賃上げ・設備投資へのプレッシャー高まる(会員限定)
不正解です。
仮想通貨は確かに値動きが荒いですが、受け取ってもすぐに円転すれば価値変動リスクから解放されるため、BtoC企業を中心に決済手段として採用する上場企業が増えています(問題文は誤りです)。
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2017/12/08 仮想通貨を自社の決済手段に導入する際の注意点(会員限定)
正解です。
仮想通貨は確かに値動きが荒いですが、受け取ってもすぐに円転すれば価値変動リスクから解放されるため、BtoC企業を中心に決済手段として採用する上場企業が増えています(問題文は誤りです)。
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2017/12/08 仮想通貨を自社の決済手段に導入する際の注意点(会員限定)
不正解です。
M&Aの成功確率に関する世界的な学術研究結果によると、M&Aの成功確率はあまり高くなく、買収企業から見るとむしろ失敗する確率の方が高いとも言われています。これに関して、産業能率大学経営学部の光定教授は「買収プレミアム(コントロールプレミアム)の支払い過ぎ」がM&Aの成功確率が高まらない原因の一つにあると指摘しています(問題文は正しいです)。
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2017/12/07 “売るM&A”戦略の重要性(会員限定)
正解です。
M&Aの成功確率に関する世界的な学術研究結果によると、M&Aの成功確率はあまり高くなく、買収企業から見るとむしろ失敗する確率の方が高いとも言われています。これに関して、産業能率大学経営学部の光定教授は「買収プレミアム(コントロールプレミアム)の支払い過ぎ」がM&Aの成功確率が高まらない原因の一つにあると指摘しています(問題文は正しいです)。
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2017/12/07 “売るM&A”戦略の重要性(会員限定)
不正解です。
自動車業界は、収益認識会計基準の公開草案に対して、「有償支給取引の設例で、有償支給取引が実質的に買戻契約に該当するとして金融取引の会計処理を行うものとなっているが、どのような条件が実質的に買戻契約に該当するか否かの判断基準が示されていないことから、支給品に対する支配が実質的に支給先に移転している有償支給取引、または、金融取引としての性質を有していない有償支給取引にまで、広く本設例の処理が求められる恐れがあり、適切ではない」と反対意見を述べています。自動車業界は、決して「下請先に対して原材料や部品を有償で支給した場合に、有償支給額を損益計算書に売上高として計上すること」を認めるよう要望しているわけではないので、問題文は誤りです。
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2017/12/01 有償支給が支給先からの融資に? 収益認識基準で製造業に広範な影響も(会員限定)
正解です。
自動車業界は、収益認識会計基準の公開草案に対して、「有償支給取引の設例で、有償支給取引が実質的に買戻契約に該当するとして金融取引の会計処理を行うものとなっているが、どのような条件が実質的に買戻契約に該当するか否かの判断基準が示されていないことから、支給品に対する支配が実質的に支給先に移転している有償支給取引、または、金融取引としての性質を有していない有償支給取引にまで、広く本設例の処理が求められる恐れがあり、適切ではない」と反対意見を述べています。自動車業界は、決して「下請先に対して原材料や部品を有償で支給した場合に、有償支給額を損益計算書に売上高として計上すること」を認めるよう要望しているわけではないので、問題文は誤りです。
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2017/12/01 有償支給が支給先からの融資に? 収益認識基準で製造業に広範な影響も(会員限定)
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EDINETで株主総会前に事業報告等の記載事項を含む有価証券報告書を金融商品取引法上の書類として開示する場合についても株主総会資料の電子提供として認められるようになれば、定時株主総会の後ろ倒し開催を実現しやすくなる。
議決権行使助言会社のグラスルイスは、2018年から、「取締役会に女性役員がおらず、そのことについて十分な説明が伴っていない東証一部上場企業における社長の取締役選任議案」に対して、反対または棄権を推奨するとしている。
東証一部上場メーカーのS社では、後継者計画(サクセッション・プランニング)の設計に取り組んでいます。外国人投資家比率が比較的高いS社では、社長・会長をはじめとする取締役の指名に客観性と透明性が強く求められている一方、既に持株割合こそ相当低くなっているものの、創業家の影響もいまだに残っており、特に経営トップの選任基準をどのようなものにしたらよいのか頭を悩ませています。S社はどのような方針で後継者計画を設計し、またそれが機能するようにどのように運用していくべきか考えてみてください。
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「攻めのガバナンス」実現を目指すコーポーレートガバナンス・コード(以下、「CGコード)という)が求める「迅速果断な意思決定」(「コーポレートガバナンス・コード原案」序文「本コード(原案)の目的」6参照)というと、一見“トップダウン型”の強引な意思決定を連想する向きもあるかもしれませんが、そうではありません。同じくコーポレートガバナンス・コードの序文では「(会社は)株主から経営を付託された者としての責任(受託者責任)をはじめ、様々なステークホルダーに対する責務を負っていることを認識して運営されることが重要である」としたうえで、「こうした責務に関する説明責任を果たすことを含め企業の意思決定の透明性・公正性を担保しつつ、迅速果断な意思決定」を促しています(同7参照)。
この考え方をより具体的に表している原則の一つが、CGコードの【基本原則5:株主との対話】の中にある原則5-2です(下記参照)。ここでは、経営戦略や経営計画の策定・公表に関する株主への説明責任を求めています。
| 【原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】 経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである。 |
本原則で留意すべきなのは、経営戦略や経営計画を策定・公表する場合、方針や目標、それを実現するための方策について、「株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行う」ことが求められているという点です。本原則を踏まえると、もし株主との対話の中で「その経営計画に経済合理性がある(企業価値向上につながる)のか?」という質問を受けた場合、経営陣はそれに対し説明責任を果たさなければならないということになりますし、実際、今後はそのような状況も増えていくでしょう。
では、「その経営計画に経済合理性はあるのか?」という投資家の問いに対し、経営陣はどのように回答すればよいのでしょうか。その回答を考えるうえでは、そもそも投資家が企業(取締役)に何を求めているのかということを知る必要があります。
経営陣(取締役)の使命は、基本的に「株主から預かった資金(株主資本)を元手に展開する事業から獲得するキャッシュ・フローが“株主の期待利回り”を上回ること」にあります。ここでいう“株主の期待利回り”は「株主資本コスト」とも言われます。また、企業経営では、株主から調達する資金以外に、銀行等からの借入(有利子負債)を活用することもよくあります。この場合、銀行等(債権者)が企業に対し要求する期待利回りが「有利子負債コスト(金利)」です。株主と債権者では資金提供リスク(将来獲得できるキャッシュ・フローの不確実性)が異なるため、両者が要求する期待利回りも異なります(通常は株主のリスク(不確実性)の方が高いとされています。また、リスクが高ければ高いほど期待利回りは高くなります)。そこで企業全体としての資金調達コストは、両者の期待利回り(「株主資本コスト」と「有利子負債コスト(金利)」)を資金提供額に応じて加重平均することにより算定します。この加重平均された資金調達コストが「資本コスト」であり、これを上回るキャッシュ・フローの獲得こそが、投資家が経営陣(取締役)に求めているものと言えます。
このように加重平均によって求められた資本コストを加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital=WACC)と言います(通称「ワック」)。一般的に、WACCは資金提供者が要求する最低限の期待利回り(期待収益率)であるため、「ハードル・レート」とも呼ばれます。
したがって、投資家との対話で「その経営計画に経済合理性はあるのか?」と聞かれたら、経営計画に盛り込まれた投資プロジェクトから得られるリターン(予想キャッシュ・フロー)が、企業にとっての加重平均資本コスト(WACC)を上回ることを説明する必要があります。
投資プロジェクトの採算性を説明するための代表的な手法として、非財務系の役員も知っておきたいのが、「正味現在価値法」と「内部収益率法」の2つです。以下、それぞれについて事例を交えて説明しましょう。
正味現在価値法(Net Present Value Method : NPV法)
NPV法とは、「正味現在価値法」という日本語名称のとおりフリー・キャッシュ・フロー(*)の「正味現在価値」を計算し、これが正の値となる場合は「経済合理性がある」と判断し、逆に負の値となる場合は「経済合理性がない」と判断する手法です。
NPVの計算式
NPV(正味現在価値)は、初期投資額を含む将来見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率(後述)を用いて、各年度のフリー・キャッシュ・フローの現在価値を計算し、それを合計することにより算出します。
割引率 : 「将来の価値」を「現在の価値」に直すために用いる率のこと。例えば、利回りを3%とし、1年後に1万円もらえるとすると、1年後にもらえる1万円の現在の価値は、「1万円÷(1+0.03)」により9,709円となる。この計算における「3%」が割引率である。「割引」という言葉を使うのは、将来価値より現在価値の方が金額が小さいからである。(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)
「現在価値」という場合の「現在」とは、「投資時点」を指しています。投資の是非は、将来生み出されるフリー・キャッシュ・フローを投資時点の価値に引き直して投資額を比較しないと、判断することができないからです。現在の100万円と1年後の105万円ではどちらが価値が高いかと言われても比較時点が異なるので即答できないのと同じことです。
利回りが5%の場合、1年後の105万円の現在価値は100万円(105万円÷1.05 )となりますが、フリー・キャッシュ・フローの現在価値を計算求めるのに使う割引率(利回り)には上述したWACC(加重平均資本コスト)を用います。なぜなら、WACCは企業への資金提供者である株主および債権者が企業に対して要求する利回り(期待収益率)だからです。将来の不確実性は期待収益率(利回り)に織り込まれます。したがって、一般的に、リスクの高い事業ほど割引率(WACC)は高くなります。
ある年度(n年度)におけるフリー・キャッシュ・フロー(上述のとおり、ここには初期投資額が含まれます)の現在価値は
| n年度におけるFCF/(1+WACC)ⁿ ※FCF:フリー・キャッシュ・フロー |
により計算されます。10年後に手にする100万円よりも1年後に手にする100万円の方が価値が高いことからも明らかなように、割引率は時間の経過とともに大きく(その結果、現在価値は小さく)なっていきます。この点は、NPV(正味現在価値)計算上の分母のn乗が時の経過とともに大きくなっていくことからもお分かりいただけるでしょう。
そして、下記算式のとおり、この毎年度のフリー・キャッシュ・フローの現在価値を合計したものが「NPV(正味現在価値)」ということになります。
| 投資額(例えば1千万円投資すれば「-1千万円」)+(1年後のFCF/(1+WACC))+(2年目のFCF/(1+WACC)²)+(3年目のFCF/(1+WACC)³)・・・・+(n年目のFCF/(1+WACC)ⁿ)=NPV(正味現在価値) |
このようにして計算した将来獲得できるフリー・キャッシュ・フローの現在価値の合計が、事業投資額を上回るのであれば、「経済合理性がある」と判断することになります。
NPVが極めて小さい場合の経営判断は?
では、NPVがかろうじて正の値となったものの、極めて小さい場合はどう判断したらよいのでしょうか。
この場合に考慮すべき点として、まず投資の回収期間が挙げられます。NPV法によって意思決定する場合には、将来発生するフリー・キャッシュ・フローの現在価値にばかり関心が向き、それが「いつ」どれだけ発生するかについての考慮が浅くなりがちです。しかし実際には、フリー・キャッシュ・フローの現在価値が同じであっても、早期に回収が見込まれる案件と、回収までに長期間を要する案件とでは、前者を優先した方が経営上も合理的と言えます。なぜなら、経営陣は限られた経営資源の下で企業価値を最大化するために投資を実行していかなければならないため、投資の回収までに長期間を要すれば、その間により収益性の高い案件が浮上した場合、機会費用(その投資を実行しなければ得られたであろう代替的な利益)が生じてしまうからです。
もう一つ考慮すべき点として、他の案件との相乗効果が考えられます。投資を検討する対象となった案件自体の収益性は低くても、それが高い収益を生み出す案件の創出に貢献するのであれば、中長期的な視点からは投資は実行に値すると言えるでしょう。
もっとも、後述するとおり、WACCの値を一義的に導くのは困難であり、算定されたWACCには誤差が含まれているのが通常です。このため、NPVが極めて小さい場合は、WACCに誤差が生じていることも想定する必要がありますが、それほど誤差が大きいとは思われない場合には、NPVが正になるのか負になるのか、断定し難い状況も起こり得ます。
一義的 : それ以外に意味や解釈が考えられないこと。
事例
それでは実際にNPV法で、初期投資額100百万円、その後3年後まで一定のフリー・キャッシュ・フロー(1年後:20百万円、2年後:50百万円、3年後:80百万円)が見込まれる投資プロジェクトの採算性を検討してみましょう(説明の便宜上、当該投資プロジェクトは3年後には終了することを前提とし、継続価値は考慮しません)。
当該投資プロジェクト検討時の金融市場から推定されたWACCは5.55%とします。
※WACC(資本コスト)の詳しい計算方法は、【新用語・難解用語】「ディスカウント・キャッシュフロー(DCF)法」参照(引用:上場会社役員ガバナンスフォーラム)
下表のとおり、当該投資プロジェクトから見込まれる各年度のフリー・キャッシュ・フローをWACCで現在価値に割引いたうえで合計した金額であるNPVは31.9百万円となります。すなわち、NPVが正の値をとるため、当該投資プロジェクトへの投資は経済合理性があると判断されることになります。投資家にはこの結果をもって「この投資プロジェクトには経済合理性がある」と主張できるでしょう。
| 現在 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | 合計 | |
| FCF | -100.0 | 20.0 | 50.0 | 80.0 | 50.0 |
| 現在価値 | -100.0 | 18.9 | 44.9 | 68.0 | 31.9 |
| NPV計算上の分子【(1+WACC)ⁿ】 | - | 1+5.550% | (1+5.550%)² | (1+5.550%)³ |
内部収益率法(Internal Rate of Return method:IRR法)
投資プロジェクトの採算性を説明するためのもう一つの代表的な手法である内部収益率法とは、上記で説明したNPV(正味現在価値)、つまり事業計画から獲得できる将来フリー・キャッシュ・フローの現在価値の合計が「0」となる率である内部収益率と、資金提供者が要求する最低限の期待収益率であるWACC(加重平均資本コスト=ハードル・レート)と比較して、IRRがWACCを上回る場合には「事業に投資する経済合理性がある」と判断する手法です。すなわち、「IRR >WACC」となれば投資を実行し、逆に「IRR <WACC」となれば投資を見送ることになります。以下、その理由を説明します。
「NPV=0」とは、投資額とリターン(将来得るキャッシュ・フローの現在価値)が等しいことを意味しています。つまり、IRRとは投資額とリターンを等しくする(内部)収益率なのです。したがって、NPVが0となるIRRよりも資金提供者が要求する最低限の期待収益率であるWACC(ハードルレート)が高ければ(IRR<WACC)、投資をしても資金提供者の期待(する収益率)に応えることはできませんから、投資を見送るのです。
実は、実務ではNPV法よりもIRR法が使われることが多くなっています。というのも、NPV法の割引率として用いられるWACCのうち株式コストは、計算式に不確定要素が含まれるからです。株価は企業によってTOPIXと同様の動きをするところもあれば、TOPIXと乖離しているところもあります。株式コストは、当該企業の株価のTOPIXなどに対する感応度(リスク)を金融市場から推定し、これによって調整する必要があります。このため、投資家の考えるWACCと自社の考えるWACCが異なるということもあり得ます。
感応度(リスク) : この感応度のことを専門用語でベータ(β)という。株式市場全体の動きに対して株価大きく反応する場合には感応度(β)が高く、あまり大きく反応しない場合には感応度(β)が低いということになる。(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)
これに対し事業計画から獲得できる将来フリー・キャッシュ・フローの現在価値の合計が「0」となる率である内部収益率(IRR)であれば、WACCのように不確定要素を考慮せず、社内にある数字だけで計算することができます。最終的には投資家の考えるWACC(ハードル・レート)と比較して投資判断をする必要があるものの、IRRは客観性が高く、使い勝手は良いといえるでしょう。
IRRの計算方法は下記のとおりです。
IRRの計算式
下記の算式のとおり、NPV(正味現在価値)がゼロとなるIRRを求め、「IRR >WACC」となれば投資を実行し、逆に「IRR < ハードルレート」となれば、投資を行わないことになります。
| 投資額(例えば1千万円投資すれば「-1千万円」)+(1年後のFCF/(1+IRR))+(2年目のFCF/(1+IRR)²+(3年目のFCF/(1+IRR)³・・・・+(n年目のFCF/(1+IRR)ⁿ=0(NPV=正味現在価値) |
事例
上記NPV法の事例と同じ投資プロジェクトの採算性をIRR法で検討してみましょう。下表のとおり、当該投資プロジェクトの将来フリー・キャッシュ・フローから逆算して求められたNPV(正味現在価値)がゼロとなる IRRは18.787%となりました。投資検討時に推定されるWACCが上記NPV法の事例と同じ5.55%であれば、当該投資プロジェクトにおいてはIRRがWACCを上回るため経済合理性があるものと判断できます。
| 現在 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | 合計 | |
| FCF | -100.0 | 20.0 | 50.0 | 80.0 | 50.0 |
| 現在価値 | -100.0 | 16.9 | 35.4 | 47.7 | 0.0 |
| NPV計算上の分子【(1+IRR)ⁿ】 | - | 1+18.787% | (1+18.787%)² | (1+18.787%)³ |
上述のとおり、計算上、WACCという不確定な要素を考慮しなくてすむだけにNPV法よりも使い勝手が良いとされているIRR法ですが、欠点もあります。IRR法は、IRRとWACCという「率」の比較で経済合理性を判断する手法であるため、「投資規模」を検討することができません。
したがって、例えば複数の投資プロジェクト候補があり、その中から最も経済合理性があるプロジェクトへの投資を選択しなければならないケースにおいて、IRR法とNPV法で採択されるべき投資プロジェクトが異なる場合、「企業価値を最大化する」という観点からは、NPV法の結果(企業価値が最も大きい「額」になるプロジェクト)を優先的に採用するべきということになります。
上記の通り、NPV法、IRR法ともに、「将来フリー・キャッシュ・フロー」と「割引率(WACC)」を基に投資プロジェクトの経済合理性を判断しています。そのため、もしこれら2つの項目の見積りに誤りがあると正確に投資の可否判断ができず、その結果、将来的に減損損失の発生につながる懸念があります。
減損損失 : 価値が帳簿価額より大きく下落している固定資産について、帳簿価額を将来のキャッシュ・フローで回収可能な金額まで引き下げることに伴い計上する損失のこと。(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)
将来フリー・キャッシュ・フローの見積もりでは、その前提となる事業計画において、過去業績の増減要因分析、正常収益力分析、想定される市場規模および市場占有率などを基礎とした正確な将来予測が行われている必要があり、当然ながらこうした事業計画の前提は対外的に合理的な説明ができるものでなければなりません。また、割引率(WACC)は、上述のとおり当該企業の株価のTOPIXなどに対する感応度(β)を金融市場から推定しなければならならず、これによって数値も変わってくるため、WACCの算定にあたっては専門的な知見が必要になります。
最近、日本を代表する上場企業が大規模な投資後に生じた事業環境の変化等により、多額の減損損失を計上し、経営危機に瀕している事案が少なからず見受けられます。善管注意義務を負う取締役は、投資後の減損損失を防ぐため投資プロジェクトを慎重に検討すべき立場にあります。善管注意義務違反の有無は、経営判断の原則により、(1)行為当時の状況に照らし、経営判断の前提となる事実認識の過程(情報収集とその分析・検討)に問題はなかったか、(2)事実認識に基づく意思決定の推論過程および内容において問題がなかったか、の2つの基準によりを判定することになっていますが、仮に減損損失の発生の原因が杜撰な見積もりにあったとなれば、善管注意義務違反に該当することは避けられないでしょう。したがって、重要性の高い投資プロジェクトの意思決定を行う場合には、第三者評価機関による投資プロジェクトの価値算定を受けることも選択肢として考えられます。