2017/09/15 【WEBセミナー】コーポレート・ガバナンスを巡る課題(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2017年9月8日(金)

コーポレートガバナンス・コードが導入されてから既に2年以上が経過し、企業側の対応はもちろん、コードそのものの課題も見えてきました。2017年5月にはスチュワードシップ・コードが初めて改訂されましたが、次はコーポレートガバナンス・コードの改訂がテーマになることが予想されます。
本セミナーでは、金融庁に設置されている「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」のメンバーでもある日本投資環境研究所 主任研究員の上田 亮子様をお招きし、日本の上場企業のコーポレート・ガバナンスの実態を株主総会、企業の社会的責任、取締役会、買収防衛策、政策保有株式など主要テーマごとに整理していただいた上で、コーポレートガバナンス・コードの課題についてお話しいただきます。また、先般改訂されたスチュワードシップ・コードについても、議決権行使結果の個別開示やパッシブ運用におけるエンゲージメントなど、企業の関心が高い論点を中心に企業への影響などを解説していただきます。

【講師】日本投資環境研究所 主任研究員 上田 亮子 様

セミナー資料 コーポレート・ガバナンスを巡る課題.pdf(674KB)
セミナー動画
(1)I. 日本の上場会社のコーポレート・ガバナンスの実態 1.2017年6月株主総会の全般的状況

(2)1.2017年6月株主総会の全般的状況~続き~

(3)2.取締役、監査役の状況 3.買収防衛策の動向

(4)Ⅱ.コードのフォローアップ 4.コーポレートガバナンス・コードの課題

(5)5.スチュワードシップ・コードの改訂
本Webセミナーを閲覧して感じたことや気付いた点(学んだ点、疑問点、自社の課題など)を下の右側の「感想の登録」ボタンを押してください。マイ研修レポートの所感等記入欄の書き直しもこちらからどうぞ。

感想の登録

2017/09/15 【WEBセミナー】コーポレート・ガバナンスを巡る課題

概略

【セミナー開催日】2017年9月8日(金)

コーポレートガバナンス・コードが導入されてから既に2年以上が経過し、企業側の対応はもちろん、コードそのものの課題も見えてきました。2017年5月にはスチュワードシップ・コードが初めて改訂されましたが、次はコーポレートガバナンス・コードの改訂がテーマになることが予想されます。
本セミナーでは、金融庁に設置されている「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」のメンバーでもある日本投資環境研究所 主任研究員の上田 亮子様をお招きし、日本の上場企業のコーポレート・ガバナンスの実態を株主総会、企業の社会的責任、取締役会、買収防衛策、政策保有株式など主要テーマごとに整理していただいた上で、コーポレートガバナンス・コードの課題についてお話しいただきます。また、先般改訂されたスチュワードシップ・コードについても、議決権行使結果の個別開示やパッシブ運用におけるエンゲージメントなど、企業の関心が高い論点を中心に企業への影響などを解説していただきます。

【講師】日本投資環境研究所 主任研究員 上田 亮子 様

セミナー資料 コーポレート・ガバナンスを巡る課題.pdf(674KB)

上記の資料をクリックすると会員限定コンテンツがご覧になれます。
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちら

セミナー動画
(1)I. 日本の上場会社のコーポレート・ガバナンスの実態 1.2017年6月株主総会の全般的状況

30460a

(2)1.2017年6月株主総会の全般的状況~続き~

30460b

(3)2.取締役、監査役の状況 3.買収防衛策の動向

30460c

(4)Ⅱ.コードのフォローアップ 4.コーポレートガバナンス・コードの課題

30460d

(5)5.スチュワードシップ・コードの改訂
30460e

本Webセミナーを閲覧して感じたことや気付いた点(学んだ点、疑問点、自社の課題など)を下の右側の「感想の登録」ボタンを押してください。マイ研修レポートの所感等記入欄の書き直しもこちらからどうぞ。

感想の登録

2017/09/15 【WEBセミナー】ESG評価のメカニズム

概略

【セミナー開催日】2017年7月21日(金)

3月決算会社の2017年6月総会で最も注目されるテーマの一つが役員報酬です。多くの上場企業が株式報酬の導入を検討する一方で、「自社には株式報酬は合わない」として、あえて株式報酬以外の報酬を選択する企業もあると聞きます。本セミナーでは、我が国における経営者報酬コンサルティングの第一人者であるウイリス・タワーズワトソンの櫛笥隆亮様(ディレクター、コーポレートガバナンス・アドバイザリーグループ リーダー)をお招きし、2017年6月総会に上程された役員報酬議案を中心に、各社の事例を分析していただきます。この事例分析を通じ、役員報酬のバリエーションがかなり広がってきていることが理解できるはずですが、こうした自由度の高い役員報酬制度の存立を可能とするのが報酬委員会です。なぜその報酬制度を採用したのかや報酬水準などについて株主の理解を得るためには、独立性の高い報酬委員会での議論を経ることは必須です。櫛笥様には、多くの上場会社の報酬委員会でアドバイザーを務めてきたご経験を踏まえ、報酬委員会の運営実務についてもお話しいただきます。

【講師】サステイナリティクス (Sustainalytics) リードアナリスト 竹林 正人(たけばやし まさと)様

セミナー資料 ESG評価のメカニズム.pdf(4,796KB)

上記の資料をクリックすると会員限定コンテンツがご覧になれます。
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちら

セミナー動画

(1)I. ESG投資:企業価値を測る新たな視点
30425a
(2)II. ESGインテグレーションで何がみられているのか
30425b
(3)III. サステイナリティクスのESGリサーチ
30425c
(4)IV. 日本企業のESGパフォーマンス
30425d
(5)質問
30425e

本Webセミナーを閲覧して感じたことや気付いた点(学んだ点、疑問点、自社の課題など)を下の右側の「感想の登録」ボタンを押してください。マイ研修レポートの所感等記入欄の書き直しもこちらからどうぞ。

感想の登録

2017/09/15 ESGに関する対話の現状(会員限定)

多くの企業は、運用機関との対話で「ESG」に関する話題が増えたと感じていることだろう。当フォーラムでも報じてきたとおり、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国連責任投資原則(PRI)に署名したことを受け、運用機関に対しESG投資に取り組むことを推奨している(2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)。その結果、GPIFから運用を受託する多くの運用機関がESG投資を標ぼうし始めており、既に企業に対してESGに関する取材を始めているところもある。

ESG : ESGとは、Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもので、近年、特にグローバル機関投資家の間で、企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人) : 「Government Pension Investment Fund」の略で、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。
国連責任投資原則(PRI) : (国連)PRIとは「(United Nations) Principles for Responsible Investment」の略で、機関投資家に対し、投資判断プロセスにESGを反映することや、投資対象企業にESGに関する情報開示を求めることなどを提唱するもの。これに署名した機関投資家は、国連に投資の状況を報告する義務が生じるため、ESGを重視した投資を実践せざるを得ない。
ESG投資 : ESGに優れた企業に投資すること

こうした動きは、ESG投資の進展という観点からは大きな一歩と言えるが、実際に取材を受けた複数の企業に話を聞くと、ESGに関しては運用機関側にも未熟な部分が見られ、まだ「対話」と言えるまでには至っていないケースも少なからずあるようだ。

企業からしばしば耳にするのが、取材にあたるポートフォリオマネージャーやアナリストが形式的な質問に終始しているという指摘である。多くの運用機関は、個別企業のESG評価のためのシートを作成し、このシートに基づき取材を行っている。このような取り組み自体は否定されるものではないが、評価シートを埋めることが目的化しているとすれば問題だ。単に評価シートに記載された項目に沿って企業に質問をするだけならアンケート調査と何ら変わらず、企業との建設的な対話とはほど遠い。

こうした事態が生じている背景には、二つの課題があるように思われる。一つは、ポートフォリオマネージャーやアナリストのESGに関する知識レベルである。もっとも、これは時間とともに解消されるであろう。もう一つは、ESG投資に対するポートフォリオマネージャーやアナリストの理解不足がある。本来のESG投資とは、企業の本質的価値を分析する従来のファンダメンタル分析の延長線上にある。すなわち、より長期的な視点に立ってファンダメンタルを分析するためには、環境・社会・ガバナンスというESG項目の情報収集が必須となるということである。CO₂の削減という社会の利益のために開発されたエコカーが自動車メーカーに莫大な利益をもたらしたように、ESGへの取り組みは企業のファンダメンタルを大きく左右する可能性がある。それだけに、ESGへの取り組みが企業の将来の本質的価値にどのような影響を与えるのかを予測するためには深い対話が必要であり、決して評価シートを埋めて済むような話ではないはずだ。日本でようやくスタートラインに立ったESG投資が矮小化されることのないよう願いたい。

ファンダメンタル : 売上高や利益などの業績や、資産・負債などの財務状況等、株式の本質的価値を決める指標

2017/09/15 ESGに関する対話の現状

多くの企業は、運用機関との対話で「ESG」に関する話題が増えたと感じていることだろう。当フォーラムでも報じてきたとおり、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国連責任投資原則(PRI)に署名したことを受け、運用機関に対しESG投資に取り組むことを推奨している(2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)。その結果、GPIFから運用を受託する多くの運用機関がESG投資を標ぼうし始めており、既に企業に対してESGに関する取材を始めているところもある。

ESG : ESGとは、Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもので、近年、特にグローバル機関投資家の間で、企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人) : 「Government Pension Investment Fund」の略で、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。
国連責任投資原則(PRI) : (国連)PRIとは「(United Nations) Principles for Responsible Investment」の略で、機関投資家に対し、投資判断プロセスにESGを反映することや、投資対象企業にESGに関する情報開示を求めることなどを提唱するもの。これに署名した機関投資家は、国連に投資の状況を報告する義務が生じるため、ESGを重視した投資を実践せざるを得ない。
ESG投資 : ESGに優れた企業に投資すること

こうした動きは、ESG投資の進展という観点からは大きな一歩と言えるが、実際に取材を受けた複数の企業に話を聞くと、ESGに関しては運用機関側にも未熟な部分が見られ、まだ「対話」と言えるまでには至っていないケースも少なからずあるようだ。

企業からしばしば耳にするのが、取材にあたるポートフォリオマネージャーやアナリストが形式的な質問に終始しているという指摘である。多くの運用機関は、個別企業のESG評価のためのシートを作成し、このシートに基づき取材を行っている。このような取り組み自体は否定されるものではないが、評価シートを埋めることが目的化しているとすれば問題だ。単に評価シートに記載された項目に沿って企業に質問をするだけならアンケート調査と何ら変わらず、企業との建設的な対話とはほど遠い。

こうした事態が生じている背景には、二つの課題があるように思われる。一つは、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2017/09/15 【WEBセミナー】ESG評価のメカニズム(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2017年9月8日(金)

世界最大の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は2017年7月にESG指数を選定するなど、ESG投資に取り組む姿勢を鮮明にしています。今回選ばれたESG指数の構成銘柄は約360社となっていますが、同指数の募集要項には「相当程度の投資が可能なキャパシティを持つこと」とあることから、今後は構成銘柄数が増えていくことも予想されます。こうした中、上場企業の経営陣は自社のESG評価に関心を持たざるを得ない状況となっている一方で、現状、自社のESGが投資家等にどのように評価されているのかさえ良く知らないという方も少なくないのではないでしょうか。
上場企業のESG評価に影響に大きな与えるのがESG評価機関によるレポートです。本セミナーでは、世界的なESG評価機関であるSustainalytics(サステイナリティクス)社でリードアナリストを務める竹林 正人様をお招きし、企業価値の創造とESGの関係、近年のESG投資の潮流などについて解説いただいた上で、同社が行っているESG評価のメカニズムをご紹介いただきます。実際に多くの機関投資家や指数の作成会社に利用されている同社のESG評価のメカニズムを理解することは、自社のESG評価の改善に取り組む上で必ず役に立つはずです。

【講師】 Sustainalytics(サステイナリティクス) リードアナリスト 竹林 正人(たけばやし まさと)様

セミナー資料 ESG評価のメカニズム.pdf(4,796KB)
※本資料は閲覧専用となっており、印刷したり保存したりすることはできない設定となっております点、ご了承ください。
セミナー動画
(1)I. ESG投資:企業価値を測る新たな視点

(2)II. ESGインテグレーションで何がみられているのか

(3)III. サステイナリティクスのESGリサーチ

(4)IV. 日本企業のESGパフォーマンス

(5)質問
本Webセミナーを閲覧して感じたことや気付いた点(学んだ点、疑問点、自社の課題など)を下の右側の「感想の登録」ボタンを押してください。マイ研修レポートの所感等記入欄の書き直しもこちらからどうぞ。

感想の登録

2017/09/14 株主提案を招きかねない「政策保有の議決権行使基準」とは?

上場企業はコーポレートガバナンス・コードの各原則について「コンプライorエクスプレイン」の対応を求められているが、コンプライとエクスプレインの境界が明確でないコードも多く、結局、そのようなコードをコンプライしているとするかどうかは上場企業の自己判断によっている。そして、いったんコンプライを表明すると問題の所在が見えにくくなる恐れがあり、多少の問題があったとしてもそのことを忘れ、あたかも問題が解決したかのような錯覚を抱きがちだ。政策保有株式について定める原則1-4はその代表例と言える。

【原則1-4.いわゆる政策保有株式】
上場会社がいわゆる政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有に関する方針を開示すべきである。また、毎年、取締役会で主要な政策保有についてそのリターンとリスクなどを踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性について具体的な説明を行うべきである。
上場会社は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための基準を策定・開示すべきである。

コーポレートガバナンス・コード原則1-4をコンプライしている東証上場企業は、2017年7月現在で96.85%に上っている(東証が9月5日に公表した「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況 (2017年7月14日時点)」の3ページを参照)。しかし、たとえコンプライを表明した上場企業であっても、コーポレート・ガバナンス報告書での説明が不十分だと、それに起因して投資家による株主提案議案の上程を招きかねないことには注意すべきだ。・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2017/09/14 株主提案を招きかねない「政策保有の議決権行使基準」とは?(会員限定)

上場企業はコーポレートガバナンス・コードの各原則について「コンプライorエクスプレイン」の対応を求められているが、コンプライとエクスプレインの境界が明確でないコードも多く、結局、そのようなコードをコンプライしているとするかどうかは上場企業の自己判断によっている。そして、いったんコンプライを表明すると問題の所在が見えにくくなる恐れがあり、多少の問題があったとしてもそのことを忘れ、あたかも問題が解決したかのような錯覚を抱きがちだ。政策保有株式について定める原則1-4はその代表例と言える。

【原則1-4.いわゆる政策保有株式】
上場会社がいわゆる政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有に関する方針を開示すべきである。また、毎年、取締役会で主要な政策保有についてそのリターンとリスクなどを踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性について具体的な説明を行うべきである。
上場会社は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための基準を策定・開示すべきである。

コーポレートガバナンス・コード原則1-4をコンプライしている東証上場企業は、2017年7月現在で96.85%に上っている(東証が9月5日に公表した「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況 (2017年7月14日時点)」の3ページを参照)。しかし、たとえコンプライを表明した上場企業であっても、コーポレート・ガバナンス報告書での説明が不十分だと、それに起因して投資家による株主提案議案の上程を招きかねないことには注意すべきだ。現在、ストラテジックキャピタルから政策保有株式の早期売却を定款に織り込むよう株主提案(提案内容は後述)を受けている内田洋行の例を見てみよう。

同社は、2016年7月期末現在で政策保有株式を39銘柄(約53億円)保有している(2017年7月期末現在の銘柄数は38銘柄。金額は2017年9月13日現在未開示)。また、同社の連結純資産は約371億円で、同社の時価総額(370億円:2017年9月13日の終値をベースに計算)にほぼ等しい(すなわちPBRが1倍)。PBRが1倍ということは、投資家が同社の資産内容や財務体質につき「いま会社が解散したときの価値」とほぼ等しいことを意味し、株価が理論的な底値にあると言える、逆に言えば、投資家は連結純資産に計上されていない「将来への期待」という要素をほとんど評価していないことになる。2017年7月期の自己資本利益率(ROE)は6.0%と低い水準である。こうした中、ストラテジックキャピタルから、下記の定款変更を行い、政策保有株式の売却により得た資金で新規事業投資等ROEを高めるための施策の実行を求められることとなった(定時株主総会は2017年10月14日開催予定)。

PBR : 株価純資産倍率(Price Book-Value Ratio)。株価を1株当たり純資産で除して求める。PBRが1倍未満の銘柄は割安株とされる。

(ストラテジックキャピタルの株主提案より抜粋)
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第 7 章 政策保有株式
(政策保有株式の売却)
第43条 当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、純投資目的以外の目的で保有している上場株式は、第 80期()中に、速やかに売却するものとする。

 内田洋行は7月20日決算であり、「80期中」は2018年8月20日までを意味する。

内田洋行がストラテジックキャピタルから株式提案を受けた背景には、上記のような内田洋行の現状があるが、同社が公表したコーポレート・ガバナンス報告書の書きぶり(下記参照)がストラテジックキャピタルの提案を後押しした可能性がある。

(内田洋行のコーポレート・ガバナンス報告書(2017年9月14日現在)より抜粋)
【原則1-4.いわゆる政策保有株式】
当社が政策保有株式を保有するのは、取引先との安定的・長期的な取引関係の構築、業務提携、または協働ビジネス展開の円滑化及び強化等の観点から、当社グループの中長期的な企業価値向上に資すると判断される場合としております。
政策保有株式の議決権につきましては、発行会社の適切なコーポレートガバナンス体制の整備や、中長期的な企業価値の向上に資する提案であるかどうか、また当社グループへの影響等を総合的に判断して行使することとしております。

注目すべきは2段目の政策保有株式の議決権行使の基準である。「発行会社の適切なコーポレートガバナンス体制の整備や、中長期的な企業価値の向上に資する提案であるかどうか、また当社グループへの影響等を総合的に判断して行使する」という説明は、ボリュームが乏しいだけでなく、「適切」「総合的に判断」といった記述を目にした投資家の多くは「具体性に欠ける」と判断するであろう。

実際、ストラテジックキャピタルからは次のように“推察”されている。

(ストラテジックキャピタルの株主提案より抜粋)
政策保有株式のなかには、安定株主として相当額を保有する株式があると思われます。その場合、当社は株主総会において株式発行企業の会社提案に賛成するはずですが、そのような議決権行使は、コードの原則1-4で「策定・開示すべきである」と定められている議決権行使基準とは到底呼べず、それゆえ、CG 報告書に記載することができなかったと推察されます。

政策保有株式のリターン(配当)を投資額(上場会社株式の場合、投資した株式の時価)で除した値がROE未満の場合は、当該株式の保有はROEの引き下げ要因となる。また、実際のところ動機も“不純”な場合が多いため、すべての投資家が納得できる保有理由を見い出すのは困難であり、投資家に正面から政策保有の是非を問われた場合、“負け戦”になる可能性が高い。こうした状況は政策保有株式の議決権行使基準で挽回するしかない。

下に掲げたのは、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスの政策保有株式の議決権行使基準である。政策保有株式を抱える上場会社としては、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスのように、政策保有株式の議決権行使基準を具体的かつ丁寧に書き込むことで、上記のように“推察”される余地をなくすように努めるべきであろう。

議決権行使の基本的な考え方(MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスのコーポレート・ガバナンス報告書より)
議決権の行使は投資先企業において当該企業の発展と株主の利益を重視した経営が行われているか、反社会的行為を行っていないか等に着目し、以下のような項目について議案ごとに確認を行います。さらに必要に応じて個別に精査した上で、当該企業との対話等の結果を勘案し、議案への賛否を判断します。
・株主還元
・役員退職慰労金
・授権資本拡大
・買収防衛策
・事業再編   等

議決権行使にあたっては、上記のとおり、定型的・短期的な基準で画一的に賛否を判断するのではなく、中長期的な視点での投資先企業の企業価値向上や持続的成長を促す観点からの建設的な対話を行い、認識の共有や問題の改善につなげていくことが重要であると考えております。従って、単なる議決権行使結果の集計の開示は、こうしたスチュワードシップ活動を必ずしも正確に表すものではないと考えることから、議決権行使に係る不賛同事例などを公表してまいりました。
現在、2017年5月29日のスチュワードシップ・コード改訂に伴い、議決権行使結果の開示内容を含めた対応方針を策定中であり、今後公表していきます。

2017/09/13 “退任後給付スキーム”に復活の余地

役員退職慰労金に対しては、かつて投資家から「支給の根拠と金額が不透明性である」との批判が高まり、リーマンショック(2008年)前後には役員退職慰労金を廃止し、代わってインセンティブ報酬の支給を強化する企業が相次いだ。

確かに役員退職慰労金は、「慰労金」という言葉からも想起されるように年功的な意味合いがあり、株式報酬などインセンティブ報酬の導入がトレンドとなる中で時代に逆行しているようにも見えるが、役員退職慰労金に対するそのような評価は変化を見せつつある。

ウイリス・タワーズワトソンのコーポレートガバナンス・アドバイザリーグループでリーダーを務める櫛笥隆亮氏は、かつて相次いだ役員退職慰労金の廃止を・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2017/09/13 “退任後給付スキーム”に復活の余地(会員限定)

役員退職慰労金に対しては、かつて投資家から「支給の根拠と金額が不透明性である」との批判が高まり、リーマンショック(2008年)前後には役員退職慰労金を廃止し、代わってインセンティブ報酬の支給を強化する企業が相次いだ。

確かに役員退職慰労金は、「慰労金」という言葉からも想起されるように年功的な意味合いがあり、株式報酬などインセンティブ報酬の導入がトレンドとなる中で時代に逆行しているようにも見えるが、役員退職慰労金に対するそのような評価は変化を見せつつある。

ウイリス・タワーズワトソンのコーポレートガバナンス・アドバイザリーグループでリーダーを務める櫛笥隆亮氏は、かつて相次いだ役員退職慰労金の廃止を「“対話なき時代”を象徴する事象」と位置付ける。「根拠と金額が不透明」という投資家の批判を受け、株主総会での否決リスクを恐れた企業が何らそれに抗弁することなく、「不満はあるが、投資家に『ダメ』と言われたので廃止した」という受身の対応が、役員退職慰労金の“廃止ブーム”につながったというわけだ。

しかし、企業によっては花が開くまでに長い年月を要する事業やプロジェクトもあり、こうしたものへの取り組みを役員に促すという点では、役員退職慰労金という 報酬を後払いする仕組みを持っていることにも合理性がある。また、役員退職慰労金は、トータルすれば同じ報酬コストでも貰い手に一時に渡る金額が大きいため、リテンションや長期インセンティブの観点からは会社にとってコスト効率の良いスキームでもある(櫛笥氏)。

ただし、「支給の根拠と金額が不透明性」という投資家からの批判をかわすためにも、「報酬の方針」を定めて退職慰労金の存在意義を明確にしたうえで、報酬委員会を経て金額を決定するなど、十分な客観性は確保する必要がある。また、退任後に不祥事が発覚した場合等に支払った分を取り戻すクローバックの考え方を入れれば、投資家にはより反対されにくくなる。さらには、「毎期の報酬の後払い」という形で決定手続を踏めば、役員退任時に「退職慰労金」として株主総会に諮る必要もない。「“慰労金”という名称は誤解を生むのでもはや使わない方がよいと思うが、退任時に支給することや金額の合理性を堂々と説明できるのであれば、“退任後給付スキーム”は復活の余地がある」と櫛笥氏は話す。

実際、役員退職慰労金の廃止ムードが一服する中、逆に強い意思をもって役員退職慰労金を残している会社もある。また、議決権行使助言会社最大手のISSも、(1)対象者に社外取締役もしくは社外監査役が含まれる場合、(2)個別の支給額もしくは支給総額が開示されない場合、(3)株価の極端な下落や業績の大幅な悪化など経営の失敗が明らかな場合や、株主の利益に反する行為に責任があると判断される者が対象者に含まれる場合--を除いては、役員退職慰労金の支給議案には「原則として賛成を推奨する」としている。

客観的な基準に基づき合理的な水準の金額を支給する限りにおいては、退職時に支給する報酬要素があってもよいという時代がようやく訪れつつあると言えそうだ。

<取材にご協力いただいたウイリス・タワーズワトソン 櫛笥隆亮氏の連絡先>
ウイリス・タワーズワトソン ディレクター
コーポレートガバナンス・アドバイザリーグループ リーダー
櫛笥 隆亮
03-3581-6428
takaaki.kushige@willistowerswatson.com