2025/03/04 トヨタの監査等委員会設置会社選択によりモニタリング・ボードへの移行が加速も

周知のとおり、トヨタ自動車は2025年2月25日の取締役会で、監査等委員会設置会社に移行することを決議した旨をリリースしている。2025年6月開催予定の定時株主総会において定款の一部変更議案を上程し、その承認を経て正式決定される。トヨタは監査等委員会設置会社に移行する目的として以下3点を挙げており、モニタリング・ボード化を進める狙いが読み取れる。


モニタリング・ボード : 経営陣の監督を主たる役割・任務とする取締役会のこと。これに対し、業務執行におけるコンセンサスを形成する場としての取締役会のことを「マネジメント・ボード」という。

◆ 取締役会(における議論)の更なる活性化
◆ 執行への権限委譲による更なる意思決定の迅速化
◆ 取締役会によるモニタリング機能の強化

移行前後の役員構成は下表のとおりとなっている。取締役の人数は10人から9人へと若干の減少にとどまるが、監査役を含めた役員ベースでは16人からの大幅減(7人減)となる。「取締役会を構成する社内・社外のメンバーが役職にとらわれずに参加者全員で議論を行」うことで、取締役会の更なる活性化を図る、すなわち「取締役」「監査役」の別にとらわれず「全員で議論」するために、監査等委員を含む取締役の人数を一定数に抑えることとしたものと考えられる。

移行前:監査役設置会社
取締役 代表取締役 3人
他の社内取締役 3人
社外取締役 4人
監査役 常勤監査役 3人
社外監査役 3人
移行後:監査等委員会設置会社
取締役 代表取締役 3人
他の社内取締役 0人
社外取締役 2人
常勤監査等委員 1人
社外監査等委員 3人

トヨタ自動車のように監査等委員会設置会社に移行する企業は増加し続けている。2025年2月27日時点のプライム市場では、・・・

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2025/03/04 トヨタの監査等委員会設置会社選択によりモニタリング・ボードへの移行が加速も(会員限定)

周知のとおり、トヨタ自動車は2025年2月25日の取締役会で、監査等委員会設置会社に移行することを決議した旨をリリースしている。2025年6月開催予定の定時株主総会において定款の一部変更議案を上程し、その承認を経て正式決定される。トヨタは監査等委員会設置会社に移行する目的として以下3点を挙げており、モニタリング・ボード化を進める狙いが読み取れる。


モニタリング・ボード : 経営陣の監督を主たる役割・任務とする取締役会のこと。これに対し、業務執行におけるコンセンサスを形成する場としての取締役会のことを「マネジメント・ボード」という。

◆ 取締役会(における議論)の更なる活性化
◆ 執行への権限委譲による更なる意思決定の迅速化
◆ 取締役会によるモニタリング機能の強化

移行前後の役員構成は下表のとおりとなっている。取締役の人数は10人から9人へと若干の減少にとどまるが、監査役を含めた役員ベースでは16人からの大幅減(7人減)となる。「取締役会を構成する社内・社外のメンバーが役職にとらわれずに参加者全員で議論を行」うことで、取締役会の更なる活性化を図る、すなわち「取締役」「監査役」の別にとらわれず「全員で議論」するために、監査等委員を含む取締役の人数を一定数に抑えることとしたものと考えられる。

移行前:監査役会設置会社
取締役 代表取締役 3人
他の社内取締役 3人
社外取締役 4人
監査役 常勤監査役 3人
社外監査役 3人
移行後:監査等委員会設置会社
取締役 代表取締役 3人
他の社内取締役 0人
社外取締役 2人
常勤監査等委員 1人
社外監査等委員 3人

トヨタ自動車のように監査等委員会設置会社に移行する企業は増加し続けている。2025年2月27日時点のプライム市場では、監査役会設置会社827社に対し監査等委員会設置会社は729社と、両者の差は約100社まで縮まってきている(なお、指名委員会等設置会社は81社)。2025年に入ってから監査等委員会設置会社への移行を発表したプライム市場上場会社は既に18社あり、あと30社強が移行すれば監査役会設置会社と社数が逆転することになる。下表は、時価総額が1兆円超の監査役会設置会社のうち、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社への移行を予定している企業のリストである。

移行を予定する機関設計 社名 時価総額
監査等委員会設置会社 トヨタ自動車 430,413億円
住友商事 41,008億円
野村総合研究所 30,538億円
JFEホールディングス 11,715億円
コンコルディア・フィナンシャルグループ 10,509億円
指名委員会等設置会社 アサヒグループホールディングス 27,751億円

経済産業省「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会」は現在、コーポレートガバナンスの在り方について検討を進めているが、その議論においては「大企業に対してはモニタリングモデルへの移行を推奨してもよい」(第6回事務局資料4ページ)とされ、望ましい機関設計として「指名委員会等設置会社/監査等委員会設置会社を選択する」(第5回事務局資料25ページ参照)ことが、取り組みのモデルとして示されている。

「委員会型ガバナンス」が政策的のみならず、数的にもスタンダードとなる日は近い。監査役会設置会社は、機関設計を変更するか現状にとどまるかの判断を迫られることになろう。

2025/03/03 【2025年3月の課題】各運用機関の2025年議決権行使方針

2025年3月の課題

2025年6月の株主総会シーズンに向けて、多くの機関投資家が議決権行使ガイドラインの改定を実施しています。
主要国内機関投資家の改定内容を確認し、本年の株主総会において自社が留意すべき点について考えてみてください。
これまでに議決権行使方針の改定を公表した主な投資家は以下のとおりです。

野村アセットマネジメント(2024年11月公表)

大和アセットマネジメント(2024年11月公表)

りそなアセットマネジメント(2024年11月公表)

三井住友トラスト・アセットマネジメント(2024年12月公表)

三井住友DSアセットマネジメント(2024年12月公表)

日興アセットマネジメント(2025年2月公表)

三菱UFJ信託銀行(2025年2月公表)

三菱UFJアセットマネジメント(2025年2月公表)

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2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第10問解答画面(不正解)

不正解です。
開示ガイドラインが改正され、「「純投資目的」とは、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とすることをいう。例えば、当該株式の発行者等が提出会社の株式を保有する関係にあること、当該株式の売却に関して発行者の応諾を要すること等により、発行者との関係において提出会社による売却を妨げる事情が存在する株式は、純投資目的で保有しているものとはいえないことに留意する。」と明文化されました(2025年1月31日から適用されています)。これにより、上場会社が発行者との関係において売却を妨げる事情が存在する株式を保有してる場合、有価証券報告書の作成にあたっては、当該株式の保有目的を「純投資目的以外の目的」として扱うのが妥当ということになります(問題文は誤りです)。

こちらの記事で再確認!
2025年2月27日 【役員会 Good&Bad発言集】保有株ウォッシュ(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第10問解答画面(正解)

正解です。
開示ガイドラインが改正され、「「純投資目的」とは、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とすることをいう。例えば、当該株式の発行者等が提出会社の株式を保有する関係にあること、当該株式の売却に関して発行者の応諾を要すること等により、発行者との関係において提出会社による売却を妨げる事情が存在する株式は、純投資目的で保有しているものとはいえないことに留意する。」と明文化されました(2025年1月31日から適用されています)。これにより、上場会社が発行者との関係において売却を妨げる事情が存在する株式を保有してる場合、有価証券報告書の作成にあたっては、当該株式の保有目的を「純投資目的以外の目的」として扱うのが妥当ということになります(問題文は誤りです)。

こちらの記事で再確認!
2025年2月27日 【役員会 Good&Bad発言集】保有株ウォッシュ(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第9問解答画面(正解)

正解です。
2025年4月以降、東証プライム市場上場会社は決算情報および適時開示情報について日本語による開示と同時に英文開示を行うことが義務化されます。もっとも、例えば、発生事実に係る開示など急遽対応が必要になる場合や、関係者との調整等により開示直前まで日本語による開示内容が定まらない場合であって、英語による同時開示を行おうとすると、日本語による開示の遅延が生じるときは、同時でなくてもよいとされています。

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2025年2月20日 プライム上場会社の英文適時開示、ボリュームとスピードのどちらを優先すべき?(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第9問解答画面(不正解)

不正解です。
2025年4月以降、東証プライム市場上場会社は決算情報および適時開示情報について日本語による開示と同時に英文開示を行うことが義務化されます。もっとも、例えば、発生事実に係る開示など急遽対応が必要になる場合や、関係者との調整等により開示直前まで日本語による開示内容が定まらない場合であって、英語による同時開示を行おうとすると、日本語による開示の遅延が生じるときは、同時でなくてもよいとされています。

こちらの記事で再確認!
2025年2月20日 プライム上場会社の英文適時開示、ボリュームとスピードのどちらを優先すべき?(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第8問解答画面(不正解)

不正解です。
スチュワードシップ・コードの見直しが進められていますが、改訂案によると、議決権行使助言会社に「企業を含む関係者と意思疎通を行うのに十分な人員を備えた拠点」を「日本に設置」することを求める内容となっています(問題文は正しいです)。

こちらの記事で再確認!
2025年2月18日 速報 スチュワードシップ・コードの改訂内容が判明(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第8問解答画面(正解)

正解です。
スチュワードシップ・コードの見直しが進められていますが、改訂案によると、議決権行使助言会社に「企業を含む関係者と意思疎通を行うのに十分な人員を備えた拠点」を「日本に設置」することを求める内容となっています(問題文は正しいです)。

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2025年2月18日 速報 スチュワードシップ・コードの改訂内容が判明(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第7問解答画面(不正解)

不正解です。
日本の現行の会社法では、役員報酬は株主総会で承認を受けた報酬予算の範囲内で取締役会が決定するという、予算額に焦点を当てた“事前承認型”の規制体系を採用しています。そのため、実際の支給額が適正なのか、また、業績や企業価値創造との関係で適切だったのかについて、株主が意見表明を行う機会は極めて限定的となっています(問題文は正しいです)。

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2025年2月17日 日本企業の経営者報酬に欠ける「Pay for failure」に対する抑止力(会員限定)