不正解です。
リストリクテッド・ストックとは、一定期間の譲渡制限が付された株式報酬をいいます。リストリクテッド・ストックを使って実質的にパフォーマンス・シェアと同様の効果を持つ役員報酬を設計することができます。そのような役員報酬スキームが普及するかどうかは、当該スキームが税務上「事前確定届出給与」として取り扱われるかどうかにかかっています。税務上は、そのような株式報酬スキームは付与株式数自体が変動するわけではない(あくまで、「譲渡制限の解除ができなくなる」という位置付け)ことから、譲渡制限期間中における業績達成度合いなどの条件が株式付与時に“確定”している限り、「事前確定届出給与」として取り扱われる方向です(以上より、問題文は正しいです)。
2016/03/31 2016年3月度チェックテスト第1問解答画面(正解)
正解です。
リストリクテッド・ストックとは、一定期間の譲渡制限が付された株式報酬をいいます。リストリクテッド・ストックを使って実質的にパフォーマンス・シェアと同様の効果を持つ役員報酬を設計することができます。そのような役員報酬スキームが普及するかどうかは、当該スキームが税務上「事前確定届出給与」として取り扱われるかどうかにかかっています。税務上は、そのような株式報酬スキームは付与株式数自体が変動するわけではない(あくまで、「譲渡制限の解除ができなくなる」という位置付け)ことから、譲渡制限期間中における業績達成度合いなどの条件が株式付与時に“確定”している限り、「事前確定届出給与」として取り扱われる方向です(以上より、問題文は正しいです)。
2016/03/30 2016年3月度チェックテスト第10問解答画面(不正解)
不正解です。
監査等委員会設置会社の監査等委員会は、取締役の指名・報酬に関する“意見陳述権”こそ持っているものの、指名委員会等設置会社における指名・報酬委員会のような “決定権”を有してはいません(以上より、問題文は誤りです)。そのため、監査役設置会社から監査等委員会設置会社に移行する旨の定款変更議案につき、投資家から否定的な評価を受ける可能性もあります。
2016/03/30 2016年3月度チェックテスト第10問解答画面(正解)
正解です。
監査等委員会設置会社の監査等委員会は、取締役の指名・報酬に関する“意見陳述権”こそ持っているものの、指名委員会等設置会社における指名・報酬委員会のような “決定権”を有してはいません(以上より、問題文は誤りです)。そのため、監査役設置会社から監査等委員会設置会社に移行する旨の定款変更議案につき、投資家から否定的な評価を受ける可能性もあります。
2016/03/30 【失敗学第22回】遠藤製作所の事例
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2016/03/30 【失敗学第22回】遠藤製作所の事例(会員限定)
概要
ゴルフクラブヘッド、ステンレス製品、鍛造部品の製造・販売を手掛ける遠藤製作所(ジャスダック)で、同社取締役(海外子会社社長も兼務)が、虚偽の海外出張費の精算などにより、会社資金(連結子会社分も含めて2億円超)を不正に引き出していたことが判明した。
経緯
遠藤製作所が2016年1月に社内調査委員会の調査報告書を公表し、2月に過年度の財務報告を修正するまでの経緯につき、時系列で示すと、次のとおり。
<2004年>
3月:A氏が遠藤製作所に入社し、同時にタイの連結子会社 ENDO STAINLESS STEEL(THAILAND)CO.,LTD.(以下、「ESST社」という)の現地責任者へ出向する。
<2009年>
4月:A氏がESST社の現地社長に就任する。2009年よりA氏の不正な経費精算が始まる。
<2012年>
6月:A氏が遠藤製作所の取締役に就任する。A氏の不正な経費精算が頻繁に行われるようになる。
<2015年>
9月:A氏が不正をしている旨、内部通報があった。
11月:社内の現地調査を実施。
11月27日:A氏が取締役を退任。
12月:遠藤製作所がA氏による不正行為があったことおよび社内調査委員会を設置したことを開示。社内調査委員会の調査が開始。
<2016年>
1月29日:遠藤製作所が社内調査委員会の調査報告書および再発防止策を公表。
2月5日:過年度の財務報告や内部統制報告書を平成23年3月期まで遡って修正(こちらを参照)。
内容・原因・改善策
遠藤製作所が2016年1月29日に公表した社内調査委員会の調査報告書によると、本件の問題点の内容とその原因、改善策は次のとおりである。
カラ出張や経費の過大精算
| 内容 | ・A氏は、実際には出張渡航を行っていないにもかかわらず、偽造した旅行代理店の領収証を用いて架空の旅費交通費の立替金を精算させる方法により、7年間で約80回分の渡航費相当額につき会社資金を横領した(被害額約1億5千万円)。 ・A氏は、主にバンコク市内の飲食店において、個人的に飲食をした際の領収書の金額を水増ししたうえで、福利厚生目的の飲食をしたことにして経費精算を行う方法により、会社資金を横領した(被害額は約1億3千万円)。 ・ESST社では業務日における日本人出向者の昼食用食材は会社が負担することになっており、A氏は私的に消費する食材も一緒に購入して、経費精算をしていた(被害額は約1千1百万円)。 ・A氏は横領した金を、自宅購入資金、投資目的で元取締役の妻名義で購入した不動産取得費用、愛人が居住するフィリピンでの遊興などに費やしていた。 |
| 原因 | ・遠藤製作所の取締役会および他の取締役は、ESST社の経営を現地責任者であるA氏に任せきりであり、A氏の経営活動に対する監視が十分ではなかった。また、ESST社の経営陣もA氏の経営活動に対して十分に監視できていなかった。 ・A氏の海外出張旅費はESST社で精算され、本社では内容を把握していなかった。 ・ESST社には内部監査を担う部門が無いため、本社できめ細かいモニタリングが出来ていなかった。 ・子会社に対する監査役監査は毎年1回行われていたが、監査役は不正を発見できなかった。 ・遠藤製作所が、財務報告に係る内部統制報告制度による業務プロセスの内部統制の評価範囲を選定する際に、ESST社を重要な事業拠点に含めていなかった。 |
| 改善策 | 1.コンプライアンス意識の醸成と浸透 (1)コンプライアンス遵守の誓約書を全社の役職員から徴収する。 (2)コンプライアンス遵守について、トップ・マネジメントが率先して不正防止活動等を推進していく。 (3)より実効性の高い外部機関によるコンプライアンスについての研修会を実施し、コンプライアンス意識の向上を図る。 (4)リスク管理委員会をコンプライアンス・リスク管理委員会に改編し、全社にわたり潜在的に存在する不正リスクを検証し、不正を回避する有効な方策を検討する。 2.内部統制システムの強化 (1)業務プロセスに係る内部統制の評価範囲に ESST社を加え、海外子会社3社は全て評価範囲とする。今後、評価の範囲の決定については、重要な勘定科目や事業拠点等であるかにより、柔軟に検討を行う。 (2)取締役会において、定期的に海外子会社の取締役会議事録等の報告を受けて、取締役の相互牽制に努める。 (3)モニタリング体制が実効的に機能するように、関係会社管理規程を見直し改訂を行う。 (4)海外子会社内部での業務執行について、決裁権限等を見直し、重要な事項については現地の社長の判断のみで実施できない体制を検討する。 (5)経営の監督機能と業務執行機能を分離して、取締役の経営責任を明確にし、コーポレート・ガバナンスの強化を図るため、執行役員制度を検討する。 (6)海外子会社における内部通報制度の導入を検討する。 3.監査機能の強化と充実 (1)監査役による監査の頻度を年1回から2回に増やし、財務上の異常数値有無、規程類の整備状況、社内組織の牽制等の統制環境の確認・整備を行う。 (2)監査の実効性を上げるために、監査役は、遠藤製作所および海外子会社の取締役、管理職に対するヒアリングを強化する。 (3)監査役は遠藤製作所および海外子会社の会計監査人との連携を強化し、有効な情報収集とモニタリングの充実を図る。 (4)内部監査室員を1名増員し2名体制として、うち1名はタイ子会社に駐在し内部監査の充実を図る。 4.海外子会社管理体制の強化 (1)各社内電子稟議システムを活用し、取締役および現地社長の出張等を遠藤製作所において随時把握し、かつ出張報告書の提出を義務付ける。 (2)遠藤製作所の常務取締役管理部門担当がタイ駐在室を管掌し、子会社に対し牽制力を高めるとともに、コミュニケ-ションを図るため定期的訪問を実施する。また、タイ駐在室に専任の日本人スタッフを新たに配置して、海外子会社全体の管理を強化する。 (3)タイ駐在室から遠藤製作所への報告を緊密に行う等、海外子会社管理体制の強化を図る。 5.組織体制の見直し、相互牽制の強化 (1)人事ローテーションを見直し、部門間の人材交流を活発にして、人事の長期固定化、縦割り組織の弊害を排除し、不正の防止を図る。 (2)海外子会社において、複数の従業員が介在する経費等支出の承認ルートを確立する。 (3)管理面が手薄であった ESST社については、管理業務を担当する日本人スタッフを新たに1名出向させ、管理面の強化を図る。 |
コンサルタントからのリベート取得
| 内容 | ESST社の子会社であった ENDO STAINLESS STEEL(VIETNAM)CO.,LTD.が、会社清算手続きを行う際に、コンサルタント会社と業務委託契約をした際に、Aは当該コンサルタント会社からリベートを取得していた(被害額は約1千8百万円)。 |
| 原因 ・改善策 |
上記参照 |
<この失敗から学ぶべきこと>
日本での製造コストが割高となり、市場の拡大も見込めない中、製造拠点や販路を海外に求める中堅企業は少なくありません。新潟県燕市でゴルフクラブヘッド、ステンレス製品、鍛造部品の製造・販売を営む遠藤製作所もその一つです。同社は連結売上高138億円(2015年3月期)の中堅企業ですが、製造子会社をタイに設立してからすでに20年以上が経過しており、海外進出組の中では“老舗”とまではいかなくても“ベテラン”と言っても過言ではありません。遠藤製作所では、最近では量産工程のすべてをタイ工場へ移管し、本社は企画開発と営業部門などに特化するよう事業構造の転換を進めてきました。このように海外子会社の重要性が増すほど、本来であればそれに比例して海外子会社のガバナンスも強化していかなければならないのですが、遠藤製作所の場合はそうではなかったようです。現地駐在員(のちの現地社長)は、本社の目が届かない所で、カラ出張や領収書の改ざんなどの手口を用いた立替金精算を通じて会社から多額の資金を引き出していました。カラ出張は古典的な不正であり、それが行われ得ることを想定するのは容易であったはずですが、親会社の役員・管理部門は内部通報があるまで被害に気付くことができませんでした。
また、遠藤製作所では監査役が年に1回海外子会社を往査していたものの、監査役は出張旅費が過大(カラ出張や偽造領収書による精算など)であることを見逃していました。それにもかかわらず、遠藤製作所が今回の不祥事のために立ち上げた社内調査委員会の調査委員6人中4人が監査役であり、社内調査委員会の委員長も社外監査役です。本調査報告書で、監査役監査についての記述が「監査役監査についても、より充実した監査が必要であったと考えられる。」との指摘に留まったのは、そのような委員構成にも理由があるのかもしれません。監査役は、不祥事を未然に防止できなかった責任を認め、月額報酬の10%を3か月間減額しているだけに、社内調査委員会の構成員として適切な人材であったのか、疑問が残るところです。
今回の不祥事が発覚したきっかけは、内部通報でした。内部通報制度を設けても、実際には機能していない会社が大半です。遠藤製作所で内部通報が機能したことは同社の持つ自浄作用の表れと言え、今回提示された改善策が確実に履行されることで、同社のガバナンス・コンプライアンス体制はより強靭なものとなることでしょう。
2016/03/30 役員が押さえておきたい2016年度における重要法令改正
ここ数年、民法債権法、消費者契約法、特定商取引法、景品表示法の改正、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの策定と、企業に影響を与える経済法令・制度(経済法制)が大きく動いている。役員としては、それが自社に影響を与えかねない以上、たとえ法務等が専門でないとしても、(法令等の細かい中身はさておき)今後の経済法制の改正等の予定やその大まかな内容は把握しておきたい。
民法債権法 : 民法の中で、「契約の基本ルール」について定めた「第三編」のこと。
消費者契約法 : 情報力や交渉力といった点で企業より弱い立場にある消費者を保護するための法律。事業者が消費者に対し契約の締結を勧誘する際に、例えば嘘を言ったり(不実告知)、都合の悪いことを知っていながら隠したり(不利益事実の不告知)といった行為があった場合、消費者は消費者契約法に基づき、事業者との契約を取り消すことができる。
特定商取引法 : 訪問販売や通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引など、消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めた法律。
景品表示法 : 消費者が「実際より良く見せかける表示」や「過大な景品付き販売」につられて質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被らないよう、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限する法律。正式名称は不当景品類及び不当表示防止法。
明後日からスタートする2016年度において予定される経済法制の改正等は以下のとおり。・・・
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2016/03/30 役員が押さえておきたい2016年度における重要法令改正(会員限定)
ここ数年、民法債権法、消費者契約法、特定商取引法、景品表示法の改正、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの策定と、企業に影響を与える経済法令・制度(経済法制)が大きく動いている。役員としては、それが自社に影響を与えかねない以上、たとえ法務等が専門でないとしても、(法令等の細かい中身はさておき)今後の経済法制の改正等の予定やその大まかな内容は把握しておきたい。
民法債権法 : 民法の中で、「契約の基本ルール」について定めた「第三編」のこと。
消費者契約法 : 情報力や交渉力といった点で企業より弱い立場にある消費者を保護するための法律。事業者が消費者に対し契約の締結を勧誘する際に、例えば嘘を言ったり(不実告知)、都合の悪いことを知っていながら隠したり(不利益事実の不告知)といった行為があった場合、消費者は消費者契約法に基づき、事業者との契約を取り消すことができる。
特定商取引法 : 訪問販売や通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引など、消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めた法律。
景品表示法 : 消費者が「実際より良く見せかける表示」や「過大な景品付き販売」につられて質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被らないよう、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限する法律。正式名称は不当景品類及び不当表示防止法。
明後日からスタートする2016年度において予定される経済法制の改正等は以下のとおり。
民法債権法の改正
昨年の通常国会に改正法案が提出され、現在、継続審議となっている。企業にとっては、消滅時効期間の統一、法定利率の変動制への移行が大きなポイントである。他の重要法案との関係で、民法債権法改正案が今国会で成立する可能性は低い。成立は秋以降となる見通しである。
消費者法関係
・消費者契約法改正
今月(2016年3月)、消費者契約法改正法案が国会に提出された。改正法案では、「消費者が当該消費者契約の締結を必要とする事情に関する事項」に「不実告知」があった場合を契約の取消しの対象に追加するとともに、取消権の行使期間を半年から1年に延長している点がポイントである。現在国会で審議が行われており、早ければ今国会で成立見込み。施行は、公布日から1年を経過した日が予定されている。
不実告知 : 嘘を言うこと
・特定商取引法改正
2016年3月に特定商取引法改正案が国会に提出された。改正法案は、現行法では「訪問販売」に適用されている過量販売に関する規制を「電話勧誘販売」にも拡大したことがポイント。施行は、公布日から1年6月以内が予定されている。
・景品表示法における課徴金導入
飲食店でのメニュー偽装に端を発する、不当表示に対する課徴金制度の導入を内容とする景品表示法改正案が2014年11月に成立し、今年(2016年)4月に施行される。ただし、2014年に成立した景品表示法改正に盛り込まれた「表示管理担当者の設置」等の項目は施行日が2014年12月1日とされていたため、これに関する体制整備がなされているかどうか、改めて点検する必要がある(2014年10月17日のニュース「11月中に表示管理体制の整備を」参照)。
表示管理担当者 : 適正な表示を行うため、企業に設置が求められる「商品の表示に関する責任者」のこと。
・消費者団体訴訟制度の開始
いわゆる集団訴訟制度を規定する「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」が今年(2016年)10月1日に施行される。現在、消費者団体側では、訴えの提起の主体となる「特定適格消費者団体」の認定に向けた準備が進められている。
表示管理担当者 : 適正な表示を行うため、企業に設置が求められる「商品の表示に関する責任者」のこと。
コーポレートガバナンス・コード、日本版スチュワードシップ・コード
2014年2月に導入された日本版スチュワードシップ・コード、2015年6月に導入されたコーポレートガバナンス・コードの両コードに関するフォローアップ会合が現在金融庁で開催されており、取締役会の構成のあり方を中心に検討が進められているが、現時点ではコード自体の改正は予定されていない。
会社法見直し
2015年5月に施行された改正会社法では、その附則において「施行後2年経過した時点における社外取締役の選任状況等を踏まえ、社外取締役設置義務付け等の措置を講じる」とされていることを受け、現在、見直しに向けた議論が開始している。
独占禁止法関係
・確約制度の法制化
TPP協定の大筋合意を受けた国内法整備の一環として、「競争当局と事業者との合意により自主的に事件を解決する制度(確約制度)」の導入を内容とする独占禁止法改正案が今月(2016年3月)に閣議決定された。今国会において成立することが見込まれており、TPPの発効にあわせて施行される。
・裁量型課徴金制度の導入
調査への協力度合いに応じて課徴金額を算定する「裁量型課徴金制度」の導入に向けた検討を行うことを目的に、公正取引委員会において「独占禁止法研究会」が本年2月から開催されており、今後、検討が進められることになっている。
確約制度 : 公正取引委員会が事業者に対して“独占禁止法上の懸念”を指摘した場合、事業者が当該懸念を解消する措置を自主的に申し出て、これに公正取引委員会が同意すれば、その事業者に対しては違反認定が行われない代わりに、公正取引委員会は、約束した措置の実施をその事業者に法的に義務付ける行政処分(確約決定)を課す制度。
裁量型課徴金制度 : 調査への協力度などに応じ、公正取引委員会が課徴金の額を裁量で増減できる制度。
知的財産法関係
・改正特許法施行
来月(2016年4月)、契約や勤務規則等で規定することにより、企業側が、従業者からの権利移転なく「特許を受ける権利」を取得できる「法人帰属」を内容とする改正特許法が施行される。税務上の取扱いの変更もチェックしておきたい(2016年3月18日のニュース「職務発明の対価の所得区分が変更へ」)。
2016/03/29 監査等委員会設置会社への移行、「原則賛成」が見直される恐れも
先週金曜日(2016年3月25日)に開催されたオプトホールディングの株主総会に上程されていた「監査等委員会設置会社に移行するための定款変更議案」が可決された。本議案に対しては、・・・
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2016/03/29 監査等委員会設置会社への移行、「原則賛成」が見直される恐れも(会員限定)
先週金曜日(2016年3月25日)に開催されたオプトホールディングの株主総会に上程されていた「監査等委員会設置会社に移行するための定款変更議案」が可決された。本議案に対しては、米国運用会社RMBキャピタルが「反対」を表明するとともに、他の株主に同調を呼びかけるため、委任状勧誘も視野に入れているとしていた(結局、RMBキャピタルの代理人弁護士が「委任状を得た株主の代理人」として総会に出席して議決権を代理行使することをオプト社が認めなかったため、委任状勧誘は見送り)。最終的には同社の株主総会では「原案どおり」定款変更議案が承認されたものの、監査等委員会設置会社への移行を検討している企業は肝を冷やしたことだろう。
RMBキャピタル : 2005年に創業したシカゴを拠点とする独立系の資産運用会社で、35億ドル超の資産を運用する。年金や大学基金、個人富裕層などを顧客に持ち、長期投資を志向する。グローバルの株式、債券等を中心に投資を行うが、野村証券出身の日本人をポートフォリオ・マネジャーに据え、日本株への投資を強化している。オプト社には2012年から「友好的な株主」として投資を行ってきた。2015年11月時点でRMBキャピタルのオプト社株式の保有比率は5%超。
昨年(2015年)5月に改正会社法が施行されて以来、監査等委員会設置会社は急速に増加しており、現時点で移行済の上場会社は250社を超える。監査等委員会設置会社への移行時には社外監査役を社外取締役に横滑りさせられるということが監査等委員会設置会社が急増した大きな要因となっているが、一方で、監査等委員会設置会社の監査等委員会は取締役の指名・報酬に関する“意見陳述権”こそ持っているものの、指名委員会等設置会社における指名・報酬委員会のような “決定権”が認められていないという点で、投資家から否定的な評価を受ける可能性は否定できない(オプト社は、監査等委員会設置会社への移行に伴い「報酬委員会および指名委員会の設置について議論を重ねている」としているが、今回の設置は見送り、定款変更議案は原案のまま可決されている)。特に監査等委員会設置会社では「取締役の選任・解任」という取締役を牽制する最大の権限が(会社法上)社外取締役に委ねられないということを問題視する声は少なくない。RMBキャピタルの関係者も、「企業統治の要諦は株主利益を毀損するような社長をきちんと解任できる仕組みにある」としたうえで、同社の経営体制は株主保護の取り組みが不十分と認識しているとしていた。
確かに、委員会型のモニタリングモデルはグローバルな資本市場の常識であると同時に指名・報酬の委員会を備えるのがスタンダードであり、これらを欠くガバナンス体制が海外投資家の理解を得にくいとう面はあろう。それにしても、監査等委員会設置会社に移行するための定款変更議案に反対を表明されるのは極めて異例。議決権行使助言最大手のISSも監査等委員会設置会社への移行については「原則として賛成を推奨する」としており、実際、昨年において反対を推奨したケースはなかったようだ。
モニタリングモデル : 米国で生まれ欧州に広がったコーポレートガバナンスの形態であり、「業務執行」とその「監督」を分離し、社外取締役が一定比率を占める取締役会に「監督」を担わせる仕組み。
こうした中、RMBキャピタルがオプト社の議案に反対した背景として、社外監査役から社外取締役への「横滑り」に対する批判が相当の割合を占めていたことは否定できない。同社が監査等委員である社外取締役として候補者に挙げていた3名はいずれも現任の社外監査役であり、移行前は社外取締役は1人もいなかった。RMBキャピタルとしては、監査等委員会設置会社に移行することによって、社外取締役がいない状態から一気に社外取締役が3名となることを、「実質的に社外取締役がいない現状が維持された」と捉えた可能性がある。特にオプト社は、過去に(大株主出身者などであり、独立役員ではなかったものの)社外取締役が3~4名いた時期もあることから、「ガバナンスの後退」と見られてしまったのかもしれない。
オプト社のケースは今のところ「レアケース」と位置付けられるが、本件を契機として、監査等委員会設置会社への移行に対する「原則賛成」が見直される可能性は決して小さくない。監査等委員会設置会社への移行を考える企業には、「ガバナンス改善のため」監査等委員会設置会社に移行する、また、移行後もその取組みを継続するという意識が改めて問われることになりそうだ。
