昨日(2015年9月8日)、英損害保険大手アムリンを6420億円で買収すると発表した三井住友海上火災保険は「MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス」という持株会社の傘下にあるが、この持株会社はあいおいニッセイ同和損害保険株式会社という三井住友海上火災保険と同業種の大規模な損害保険会社も有している。銀行、証券、信託、カード会社など「機能別」に子会社を抱えるメガバンク系の金融グループなどとは異なるグループ形態と言える。
一般論として、グループ内に同じ機能を持つ企業がある場合、「一つにして効率化やコストカットを図ってはどうか」という発想になりがちだが、それが正しいとは限らない。実際、同業種・同規模の子会社を複数抱える優良な企業グループは散見される。子会社のうちどこかが突出するのではなく、各子会社が遜色なく並列しているという意味で、“山脈型”の企業グループとも言われる。
例えばある金融グループでは、アセットマネジメント系の子会社を統合した際、1社だけ統合しなかったところがある。それは、当該会社が優れた商品を持ち、ネームバリューが高く、実際に業績も良かったからであり、当該会社だから資金を預けているという投資家も多かった。このほか、外資系企業の傘下に入った後も、開発力と独自の商品を有し、親会社や関係会社に製品を供給できる力を持ち続けることで、親会社に対する独立心を維持している企業もある。
このように、子会社にポテンシャルがあり、業績も良ければ、あえて統合せず、子会社は子会社のブランドを大きくしていくというグループ経営手法は投資家からも評価され得る。むしろ、各子会社間の競争意識、親会社との適度な緊張感を持たせることで、各子会社の企業価値が向上することも期待される。“山脈型”グループ経営の趣旨はまさにそこにあると言えよう。










