不正解です。
「重要な財産」に該当するか否かの判断基準の一つである「総資産の1%基準」は、会社法に定められた基準ではなく、単なる実務慣行に過ぎません(以上より、問題文の記述は「間違い」です)。会社の役員としては、取締役会の「総資産の1%基準」に拘泥することなく、財産の種類や状況によって個別に判断したり、取締役会の効率化の視点を取り入れ独自の合理的な基準を定めたりすることを検討すべきです。
こちらの記事で再確認!
2015/07/01 「重要な財産=総資産の1%」という常識が変わる(会員限定)
不正解です。
「重要な財産」に該当するか否かの判断基準の一つである「総資産の1%基準」は、会社法に定められた基準ではなく、単なる実務慣行に過ぎません(以上より、問題文の記述は「間違い」です)。会社の役員としては、取締役会の「総資産の1%基準」に拘泥することなく、財産の種類や状況によって個別に判断したり、取締役会の効率化の視点を取り入れ独自の合理的な基準を定めたりすることを検討すべきです。
こちらの記事で再確認!
2015/07/01 「重要な財産=総資産の1%」という常識が変わる(会員限定)
正解です。
「重要な財産」に該当するか否かの判断基準の一つである「総資産の1%基準」は、会社法に定められた基準ではなく、単なる実務慣行に過ぎません(以上より、問題文の記述は「間違い」です)。会社の役員としては、取締役会の「総資産の1%基準」に拘泥することなく、財産の種類や状況によって個別に判断したり、取締役会の効率化の視点を取り入れ独自の合理的な基準を定めたりすることを検討すべきです。
こちらの記事で再確認!
2015/07/01 「重要な財産=総資産の1%」という常識が変わる(会員限定)
企業経営においては時に訴訟を提起されることも十分あり得る。仮に敗訴となった場合には、損害賠償金額の全額が会社の「損失」として確定することになるが、判決が出る前でも、敗訴の可能性が高い場合には「引当金」を計上し、その分利益を減じることになる。逆に、敗訴する可能性が高くなければ、引当金を計上する必要はない。
ところが、国際財務報告基準(IFRS)の設定主体である国際会計基準審議会(IASB)が現在検討しているIFRSの「概念フレームワーク」の改正により、たとえ勝訴の確率が高い場合であっても引当金の計上を求められる可能性が出て来た。
概念フレームワークとは、IFRSの制定・改廃・解釈のベースとなる根本規定のこと。IFRSが“法律”だとすれば、概念フレームワークは“憲法”に相当する。そのような重要規定である概念フレームワークの内容を改めるため、IASBでは5月に公開草案「財務報告に関する概念フレームワーク」(以下、概念フレームワーク公開草案)を公表し、2015年10月26日までコメントを募集している。概念フレームワーク公開草案の中で注目されるのが、資産・負債の「認識要件」の1つである「将来の経済的便益が流入(流出)する可能性が高い」(蓋然性要件)という記述が削除されている点だ。概念フレームワークが改正されればその改正内容に整合させるようIFRSも改正される。したがって、概念フレームワークから「蓋然性要件」が削除されれば、IFRSの「引当金の認識要件」も変更される可能性が高い。
現行のIFRSでは、引当金を認識する要件として「発生の可能性が高い」ことを求めている。逆に言うと、「発生の可能性が高くない」場合には引当金を認識する必要はない。これは日本の会計基準(以下、日本基準)でも同様だ。しかし、「蓋然性要件」が削除されるとなると話は変わってくる。具体的には、「発生の可能性が高くない」場合であっても、発生可能性に応じた引当金の計上(これを「期待値法」という)が求められる可能性が高い。「当社はIFRSを採用していないから関係ない」という認識は適当ではない。IFRSで引当金の認識基準が改正されれば、コンバージェンス(収斂)を通じて日本基準も改正される可能性がある。「IFRSの任意適用企業だけの問題」とは言い切れないわけだ。
期待値法による引当金の計算方法を、損害補償損失引当金を例に具体的な数字を用いて見てみよう。・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。
企業経営においては時に訴訟を提起されることも十分あり得る。仮に敗訴となった場合には、損害賠償金額の全額が会社の「損失」として確定することになるが、判決が出る前でも、敗訴の可能性が高い場合には「引当金」を計上し、その分利益を減じることになる。逆に、敗訴する可能性が高くなければ、引当金を計上する必要はない。
ところが、国際財務報告基準(IFRS)の設定主体である国際会計基準審議会(IASB)が現在検討しているIFRSの「概念フレームワーク」の改正により、たとえ勝訴の確率が高い場合であっても引当金の計上を求められる可能性が出て来た。
概念フレームワークとは、IFRSの制定・改廃・解釈のベースとなる根本規定のこと。IFRSが“法律”だとすれば、概念フレームワークは“憲法”に相当する。そのような重要規定である概念フレームワークの内容を改めるため、IASBでは5月に公開草案「財務報告に関する概念フレームワーク」(以下、概念フレームワーク公開草案)を公表し、2015年10月26日までコメントを募集している。概念フレームワーク公開草案の中で注目されるのが、資産・負債の「認識要件」の1つである「将来の経済的便益が流入(流出)する可能性が高い」(蓋然性要件)という記述が削除されている点だ。概念フレームワークが改正されればその改正内容に整合させるようIFRSも改正される。したがって、概念フレームワークから「蓋然性要件」が削除されれば、IFRSの「引当金の認識要件」も変更される可能性が高い。
現行のIFRSでは、引当金を認識する要件として「発生の可能性が高い」ことを求めている。逆に言うと、「発生の可能性が高くない」場合には引当金を認識する必要はない。これは日本の会計基準(以下、日本基準)でも同様だ。しかし、「蓋然性要件」が削除されるとなると話は変わってくる。具体的には、「発生の可能性が高くない」場合であっても、発生可能性に応じた引当金の計上(これを「期待値法」という)が求められる可能性が高い。「当社はIFRSを採用していないから関係ない」という認識は適当ではない。IFRSで引当金の認識基準が改正されれば、コンバージェンス(収斂)を通じて日本基準も改正される可能性がある。「IFRSの任意適用企業だけの問題」とは言い切れないわけだ。
期待値法による引当金の計算方法を、損害補償損失引当金を例に具体的な数字を用いて見てみよう。会社が取引先から訴訟を受け、判決が出る前に決算を迎えたとする。また、訴訟の行方に関するシナリオとそれぞれのシナリオにおける損害賠償額、確率を予想すると、次のようになるとしよう。
コンバージェンス : IFRSを日本の基準とするのではなく、日本の会計基準にIFRSの定める内容を取り込む形で、日本の会計基準とIFRSとの差異をなくしていくこと。
| シナリオ | 損額賠償額 | 確 率 |
| A(当社敗訴) | 100 | 5% |
| B(当社一部敗訴) | 50 | 10% |
| C(当社勝訴) | 0 | 85% |
シナリオAとBは決して「発生の可能性が高い」とは言えず、現行の引当金の会計基準によればこの状況で損害補償損失引当金を計上することはない。しかし期待値法では、勝つ確率が100%でない以上、金額的に重要性に欠ける場合でない限り、 “期待値”に基づく引当金の計上が必要になる。上記例では、損害補償損失の発生の期待値である「10」(=100×5%+50×10%+0×85%)の引当金を計上しなければならない。
「敗訴する可能性が高い」場合にだけ損害補償損失引当金を計上するという考え方に慣れている経営者にとっては、敗訴の可能性が低いにもかかわらず「敗訴する確率」の分だけ引当金を計上するよう求められても納得できないだろう。また、交通事故に起因する損害賠償を求める訴訟のように過失割合を高い確度で予測できるならまだしも、判例の集積が少ない訴訟ではその行方を正確に見積もるのは困難だ。さらに、損害補償損失引当金を計上すれば、その金額からこちらの訴訟見通しまで白日の下にさらされ、訴訟の相手方が勢いづいたり、和解に応じなくなったりする事態になる可能性もある。「蓋然性要件」がこのまま削除されることになるのか、注目される。
株価の上昇、雇用環境の改善など、デフレからの脱却を最優先に掲げ政策を遂行している安倍政権の成果が着実に現れつつある。このような状況を踏まえて、政治との結びつきを持ちたいと考える企業もあるだろう。その手段の1つが、「政治資金パーティー」への出席である。
政治資金パーティーは文字通り政治資金を集める目的で開催され、政治資金規正法上も認められている合法的なものだ。ただし、同法では、1つの政治資金パーティーにつき「150万円」を超えて当該政治資金パーティーの対価の支払いをしてはならないとして、対価の支払額に上限を設けている(政治資金規正法22条の8第3項)。また、1つの政治資金パーティーにおいて、同一の者からの支払額が20万円を超えた場合には、政治資金収支報告書に、支払いをした者の氏名、住所等を公表しなければならない(同法12条1項1号ト)。
さらに、パーティー券購入について取締役の善管注意義務違反を追及し、株主代表訴訟が提起された事例があるので押さえておきたい。・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。
株価の上昇、雇用環境の改善など、デフレからの脱却を最優先に掲げ政策を遂行している安倍政権の成果が着実に現れつつある。このような状況を踏まえて、政治との結びつきを持ちたいと考える企業もあるだろう。その手段の1つが、「政治資金パーティー」への出席である。
政治資金パーティーは文字通り政治資金を集める目的で開催され、政治資金規正法上も認められている合法的なものだ。ただし、同法では、1つの政治資金パーティーにつき「150万円」を超えて当該政治資金パーティーの対価の支払いをしてはならないとして、対価の支払額に上限を設けている(政治資金規正法22条の8第3項)。また、1つの政治資金パーティーにおいて、同一の者からの支払額が20万円を超えた場合には、政治資金収支報告書に、支払いをした者の氏名、住所等を公表しなければならない(同法12条1項1号ト)。
さらに、パーティー券購入について取締役の善管注意義務違反を追及し、株主代表訴訟が提起された事例(東京地裁 2015年5月28日判決)があるので押さえておきたい。
この裁判で株主は、(1)「政治家個人」の政治資金パーティーのパーティー券を出席の予定がないにもかかわらず購入したことが、政治資金規正法が禁じた「企業から政党や政治資金団体“以外”への寄付」に該当し、政治資金規正法に反する、(2)パーティー券の購入を担当した取締役には「確実に出席が見込める枚数の限度」でパーティー券を購入すべき義務があるにもかかわらず、これに反してパーティー券を購入したことは善管注意義務違反に当たる――と主張した。
裁判所は、「形式的にはパーティー券の購入に伴う代金の支払いであっても、社会通念上、その対価的意義を著しく損なう支出であると評価される場合には“寄付”に該当する」との考えを示したうえで、「本件は、パーティー券の購入枚数や金額、社内手続、出席状況や会社の規模を考慮すると、対価性を“著しく損なっている”とはいえず、寄付には該当しない」「必ずしも実際に参加者が具体的に予定されている必要はない」として、取締役の善管注意義務違反を否定している。
この裁判は、仮にパーティー券の購入が「寄付」に該当すると判断され、政治資金規制法違反に該当していれば結論が変わった可能性も否定できない。判断のポイントになったのはパーティー券の「対価性」だが、どのような場合に「社会通念上、その対価的意義を著しく損なう(上記の下線部)」ことになるのかについて判決は「購入枚数の多寡や会社の規模によって異なる」としており、明確な答えはない。ただ、「必ずしも支払いに相当する参加者が具体的に予定されていることを要しない」旨述べていることからすると、対価性を厳格に捉えているというわけでもない。したがって、企業が常識的な範囲でパーティー券を購入している限り、通常は問題になることはないと考えてよさそうだ。
とはいえ、本事例は「パーティー券購入が代表訴訟の対象になり得る」ということを示した。株主に会計帳簿閲覧等請求権(会社法433条)を行使された場合に備えて、パーティー券を購入する理由を株主に説明できるようにしておくべきだろう。政治資金パーティでは、政治家や有識者による講演会が行われるのが通常であるため、例えば「情報収集のため」といった理由や、企業による政治献金の適法性が争われた八幡製鉄事件(最高裁・昭和45年6月24日判決)を参考に、「会社の社会的役割を果たすため」といった理由が考えられよう(詳細は、2014年9月8日のニュース「政治献金を株主にどう説明するか」参照)。
会計帳簿閲覧等請求権 : 総株主の議決権の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主または発行済株式(自己株式を除く)の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主に認められた権利で、株式会社の営業時間内であれば、いつでも会計帳簿の閲覧やコピーの請求をすることができる。会社は「株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき」等所定の事項(会社法433条2項)に該当すると認められる場合を除き、拒むことができない。
企業会計のルールを歴史的に振り返ると、現金主義会計から発生主義会計へと進化してきました。現金主義会計とは、現金の動き(キャッシュイン、キャッシュアウト)に合わせて損得を計算する方法です。一方、発生主義会計とは、モノの価値の費消や移転、時の経過といった事象の発生に応じて損得を計算する方法です。発生主義会計では、現金の動きに関係なく損得を計算します。
信用取引が多く行われる現代の経済社会においては、現金の動きよりモノの移転やサービスの提供が先行することがしばしばあり、この場合、現金の動きを待っていると収益や費用の認識が遅れてしまうという問題が生じます。そこで、現代の企業会計のルールでは、発生主義会計で費用を計上するのが原則です。
なお、収益については、発生主義よりも計上の要件が厳格な実現主義が適用され、モノの移転やサービスの提供に加えて、対価(現金等価物)を受け取らない限り計上できないことになっています。また、売上原価やリベートなどの「収益に対応する費用」については、費用収益対応の原則が適用され、収益が計上されない限り、費用に計上することが認められません。
現金等価物 : 現金・預金に加えて、容易に現金・預金に転換できる小切手、手形、売掛金も含む。
営業部長が提案したのは、「未出荷分」(期末日(3月末)においてKKK製作所からCCC電機に出荷されていない分)についてのリベートを費用として計上することでした。これは現金主義会計では今期の費用になりますが、発生主義会計では、実際に出荷した期(来期)の費用になります。また、「未出荷分」は今期の売上に計上されていないことから、「未出荷分」についてのリベートは今期の売上に対応する費用とは言えず、上述した費用収益対応の原則からも今期の費用に計上できません。
では、「既出荷分」(リベートの計算期間の始期(1月)から期末日(3月末)までの3か月間にKKK製作所からCCC電機に出荷された分)についてのリベートはいつ費用計上すればよいのでしょうか? 既出荷分に関するリベートは現金主義会計では来期の費用になりますが、発生主義会計では期末時点で将来の支払いを高い確度で見込める(一定量に達しなければ支払い条件を満たさない場合は、一定量に達するかどうかの判断が必要になります)限り、費用計上(未払い計上)が必要になります。
以上の解説をご覧いただければ、どれがGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。
取締役経理部長:「収益に対応するように費用を計上しないと、利益管理を適切に行えなくなってしまいます。」
(コメント:利益は収益から費用を差し引いて計算されます。もし収益と費用が適切に対応していなければ、それらを基に算定される利益はまったく意味のない情報になってしまいます。未出荷分のリベートは来期の収益に対応させるべき費用なので、それを今期の費用に計上してしまうと、今期の利益が少なく計上されてしまいます(その分来期の利益が多く計上されてしまいます)。利益が歪んで算定されてしまうことに警鐘を鳴らした経理部長の発言は、費用収益対応の原則の観点からGOOD発言です。)
KKK製作所(3月決算)の今期の決算は、新製品の売れ行きが好調なうえ、円安により輸出品の価格競争力が向上し北米市場でのシェアが高まったことで、過去最高益を計上できる見込みである。従業員の間に「夏のボーナスは倍増ではないか」との噂が駆け巡り、決算月を迎えた社内はどことなく浮足立った雰囲気だ。
浮足立っているのは従業員だけではない。KKK製作所の取締役会では、役員全員が今期決算の着地予想に目を通しながら満足げな表情を浮かべている。
取締役経理部長:「今期は新製品の販売が好調だったことと、円安効果により海外市場でライバル社のシェアを奪えたことから、過去最高益を達成できる見込みです。」
K社長:「円高が長引いたときに、全社が一丸となって「円高でも利益を出せる体質」に変わるため様々な施策に取り組んできた。その効果が出てきたタイミングで、たまたま為替が円安に大きく振れ、そのおかげで海外市場での新興国企業との価格競争に打ち勝つことができた。しかし、来期もこのまま円安が続くとは限らない。そこで利益が出ている内に将来に向けての次の対策を打っておきたい。どのような対策が考えられるのか、皆さんの知恵を貸して欲しい。」
取締役営業部長:「1つ提案があります。リベートを先払いする案はいかがでしょうか?」
K社長:「リベートの先払い? どういうことか聞かせてくれ。」
取締役営業部長:「はい。CCC電機とのリベート契約によると、毎年12月末を区切りとして、当社からの出荷実績を1年分集計したうえで、その出荷実績をもとに事前に合意した計算式により計算したリベート額を、当社からCCC電機に対して支払っています。CCC電機の場合、他社と異なり出荷量が比較的安定しているので、12月までの出荷見込みを高い確度で予測できます。この出荷見込みに応じて計算したリベートを先に支払い、今期の費用にするというのが、私の案です。来期の費用を今期に計上できれは、来期が楽になりますし、CCC電機としても、本来の受取日より前に現金を受け取ることができるので、悪い話ではないはずです。」
取締役経理部長:「営業部長、その先払いリベートは残念ながら今期の費用には計上できません。リベートは発生した期間に対応するように費用計上する必要があり、たとえ先に支払ったとしても、発生していない期間に費用計上するわけにはいかないのです。」
取締役営業部長:「私はありもしない費用の計上を提案しているのではありません。現金で支払った分を費用計上する案を提案しているだけです。実際にキャッシュアウトがあるのだから、費用計上しても問題はないはずです。」
取締役経理部長:「リベートは出荷(売上)に対応して支払うものであり、売上の計上と同じタイミングで費用計上する必要があります。収益に対応するように費用を計上しないと、利益管理を適切に行えなくなってしまいます。」
上の取締役経理部長と取締役営業部長の発言のうち、どちらの発言がGOOD発言でしょうか?
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。
政府は「女性の活躍」を重要政策の1つに打ち出し、2020年までに「指導的地位(課長級以上)」に占める女性の割合30%程度にすることを目標にしているが(2015年2月20日のニュース「女性の登用、日本の現在地」参照)、当該割合とともに「活躍」を測る指標が給与額だ。OECDの調査(2014年)によると、日本における女性の賃金は男性の賃金よりも26.6%低いという結果が出ている。OECDに加盟する主要国の平均格差15.5%であり、日本はこれより10%以上も悪い。ちなみに、主要国のうち男女の給与較差が最も大きかったのは韓国の36.6%、逆に最も小さかったのはニュージーランドの5.6%であり、これにベルギー(6.4%)、スペイン(8.7%)、イタリア(11.1%)、フランス(14.1%)が続いた。
男女の賃金格差の問題は、日本がコーポレートガバナンス改革の手本とする英国にも存在している。英国は今月(2015年7月)14日、2015年中の実現を目指してきた「FTSE100企業の取締役会に占める女性比率25%」という目標を前倒し達成するなど、“女性活用先進国”のイメージが強いが、その英国でも、上記OECDの調査による男女の賃金格差は17.5%となっている(米国は17.9%)。
FTSE100 : ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄による時価総額加重平均型の株価指数。
こうした中、英国政府が最近、男女間の賃金格差を解消するため、従業員250名以上の企業に対し「男女間の平均賃金格差」の公表を求める方針を打ち出し、波紋を呼んでいる。企業側からは、・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。
政府は「女性の活躍」を重要政策の1つに打ち出し、2020年までに「指導的地位(課長級以上)」に占める女性の割合30%程度にすることを目標にしているが(2015年2月20日のニュース「女性の登用、日本の現在地」参照)、当該割合とともに「活躍」を測る指標が給与額だ。OECDの調査(2014年)によると、日本における女性の賃金は男性の賃金よりも26.6%低いという結果が出ている。OECDに加盟する主要国の平均格差15.5%であり、日本はこれより10%以上も悪い。ちなみに、主要国のうち男女の給与較差が最も大きかったのは韓国の36.6%、逆に最も小さかったのはニュージーランドの5.6%であり、これにベルギー(6.4%)、スペイン(8.7%)、イタリア(11.1%)、フランス(14.1%)が続いた。
男女の賃金格差の問題は、日本がコーポレートガバナンス改革の手本とする英国にも存在している。英国は今月(2015年7月)14日、2015年中の実現を目指してきた「FTSE100企業の取締役会に占める女性比率25%」という目標を前倒し達成するなど、“女性活用先進国”のイメージが強いが、その英国でも、上記OECDの調査による男女の賃金格差は17.5%となっている(米国は17.9%)。
FTSE100 : ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄による時価総額加重平均型の株価指数。
こうした中、英国政府が最近、男女間の賃金格差を解消するため、従業員250名以上の企業に対し「男女間の平均賃金格差」の公表を求める方針を打ち出し、波紋を呼んでいる。企業側からは、男女の賃金格差はキャリアの差など様々な要因から生じるため、「平均賃金の格差=“同じ職務”に対する支払賃金の格差」ではないと指摘する声が上がっているが、政府は賃金格差の公表を義務付けることが女性の賃金上昇へのプレッシャーになると考えており、公表義務化が実現する可能性は高い。
日本では、東証が2013年4月18日付けで「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の記載要領を改訂し、同報告書で役員・管理職への女性登用状況や登用促進に向けた取組みを記載することを要請、さらに2015年3月末決算期からは開示府令の改正により有価証券報告書に役員の女性比率を記載することが義務付けられた。その際にも経済界から小さくない反対の声が上がったが、日本における男女の賃金格差の現状に加え、「女性の活躍」の1つの帰結が“賃金の上昇”であることからすると、いずれ開示の対象が「賃金格差」にまで拡大することもあながちあり得ない話ではない。英国での議論の行方をウォッチしていきたい。