2015/05/15 コーポレートガバナンス・コードが日本企業に促すもの

 現在、多くの日本企業が国内市場における過当競争にさらされていると言われる。このため日本企業は、グローバルな競合企業と比較すると、残念ながら規模や収益力で劣勢に立たされていることが少なくない。しかも、今後は国内市場の縮小が避けがたい状況にある。

 こうした中、日本企業がとるべき道は2つしかない(どちらか一方、あるいは両方)。それは、国内市場の寡占化による収益力アップか、海外進出による規模拡大である。ただ、そのいずれを実現するにも、オーガニック・グロースでは限界がある。国内市場では“乱売”を引き起こして収益力を落とし、海外進出ではグローバルな競合企業に規模で太刀打ちできない可能性が高い。そこで、ノン・オーガニックによる成長戦略、つまり「M&A」を経営陣が視野に入れるのは自然の流れと言える。

オーガニック・グロース : 企業が自前のリソースを活用することで、現状の製品やサービスの売上を伸ばし、成長すること。

 実は、安倍政権が推進する“ガバナンス改革”のゴールは、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2015/05/15 コーポレートガバナンス・コードが日本企業に促すもの(会員限定)

 現在、多くの日本企業が国内市場における過当競争にさらされていると言われる。このため日本企業は、グローバルな競合企業と比較すると、残念ながら規模や収益力で劣勢に立たされていることが少なくない。しかも、今後は国内市場の縮小が避けがたい状況にある。

 こうした中、日本企業がとるべき道は2つしかない(どちらか一方、あるいは両方)。それは、国内市場の寡占化による収益力アップか、海外進出による規模拡大である。ただ、そのいずれを実現するにも、オーガニック・グロースでは限界がある。国内市場では“乱売”を引き起こして収益力を落とし、海外進出ではグローバルな競合企業に規模で太刀打ちできない可能性が高い。そこで、ノン・オーガニックによる成長戦略、つまり「M&A」を経営陣が視野に入れるのは自然の流れと言える。

オーガニック・グロース : 企業が自前のリソースを活用することで、現状の製品やサービスの売上を伸ばし、成長すること。

 実は、安倍政権が推進する“ガバナンス改革”のゴールは、規模と収益力の面でグローバルに戦えるプレイヤーの創出にある。それには、資本市場との対話によって経営陣の意識を変革し、M&Aをはじめ、これまでのやり方の延長線上にない大胆な経営判断を引き出す必要があり、そのためのツールがスチュワードシップ・コードコーポレートガバナンス・コードに他ならない。伊藤レポートで「日本企業はROE8%以上を目指すべき」と提唱されたことから、ROEの向上を経営目標に掲げる企業は多いが、ROEはあくまでグローバル競争力の向上に向けた“中間指標”に過ぎず、政府が目指すガバナンス改革のゴールではないことは頭に入れておきたい。

 また、日本企業がグローバルプレーヤーとなるためのM&A戦略を推進していくうえでは、投資家を味方に付けておく必要がある。投資家からの評価を高く保つことで、有利な条件でファイナンスを実施したり、有利な統合比率で統合交渉をすることが可能になるからだ。ROEは、そのような高い評価を得るために行われる投資家との対話における「共通言語」としての指標に過ぎない。

 現在、グローバルな時価総額ランキングのトップ20に日本企業の名前はない。株式市場全体の時価総額に対して上場企業数が非常に多い、すなわち1社あたりの時価総額が小さいのが日本の株式市場の特徴だが、投資家との対話の活性化とともに、資本市場の新陳代謝も進んでいくだろう。その結果、多くのグローバル・プレイヤーが輩出された時、政府のガバナンス改革は成功だったと言えることになる。

2015/05/14 (新用語・難解用語)モジュール型開示システム

 伊藤レポートの第二弾の中に盛り込まれた概念で、投資家にとって必要な情報を「モジュール(まとまった構成要素)」として特定し、それを金商法開示(有価証券報告書)、会社法開示(事業報告、計算書類)、証券取引所開示(決算短信)という各開示制度に当てはめていくという考え方。

 経済産業省は4月23日、昨年(2014年)8月に公表された伊藤レポートの第二弾として、「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会(座長:伊藤邦雄・一橋大学大学院商学研究科教授)」による報告書「対話先進国に向けた企業情報開示と株主総会プロセス」を公表している。

 研究会では「株主総会プロセス」のほか(121ページ~。2015年4月28日のニュース「株主総会の7月以降開催が可能に」参照)、「企業開示」について検討が行われ(112ページ~)、3つの制度開示(金商法開示・会社法開示・証券取引所開示)の重複を極力なくすという方向性が打ち出されている。その中で打ち出されたのが「モジュール型開示システム」だ(115ページ~)。これが実現すれば各開示制度間の重複が解消され、企業の開示負担が減る可能性があることから、企業の間ではこれを評価する声もある。

 ただ、このモジュール型開示システムが実現し、実際に機能するためには、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2015/05/14 (新用語・難解用語)モジュール型開示システム(会員限定)

 伊藤レポートの第二弾の中に盛り込まれた概念で、投資家にとって必要な情報を「モジュール(まとまった構成要素)」として特定し、それを金商法開示(有価証券報告書)、会社法開示(事業報告、計算書類)、証券取引所開示(決算短信)という各開示制度に当てはめていくという考え方。

 経済産業省は4月23日、昨年(2014年)8月に公表された伊藤レポートの第二弾として、「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会(座長:伊藤邦雄・一橋大学大学院商学研究科教授)」による報告書「対話先進国に向けた企業情報開示と株主総会プロセス」を公表している。

 研究会では「株主総会プロセス」のほか(121ページ~。2015年4月28日のニュース「株主総会の7月以降開催が可能に」参照)、「企業開示」について検討が行われ(112ページ~)、3つの制度開示(金商法開示・会社法開示・証券取引所開示)の重複を極力なくすという方向性が打ち出されている。その中で打ち出されたのが「モジュール型開示システム」だ(115ページ~)。これが実現すれば各開示制度間の重複が解消され、企業の開示負担が減る可能性があることから、企業の間ではこれを評価する声もある。

 ただ、このモジュール型開示システムが実現し、実際に機能するためには、「モジュール」をどのように特定するのか、そして特定されたモジュールをどのように各制度開示に当てはめるかが大きな課題となる(報告書にはこの点に関する具体的な言及がない)。モジュール型開示システムは、金商法開示、会社法開示、証券取引所開示という3つの開示制度の“一元化”を志向しているものと言えるが、開示の一元化にあたっては、各開示制度の意義と、その意義に基づき必要な開示とは何なのかを改めて分析する必要がある。

 本報告書を踏まえ、関係省庁でさらなる検討がなされる可能性もあるが、そこでは、開示の簡素化、重複開示の回避について、“企業の開示実務”に即した具体的な議論が必須となる。その議論がなければ、そもそも「モジュール」を特定することさえできないだろう。実現に向けクリアしなければならないハードルは決して低くないと言えそうだ。

2015/05/13 役員報酬議案、海外では株主の反対が続出

日本では間もなく3月決算会社の株主総会シーズンが始まるが、それに先立ち、4月後半から始まったイギリスの株主総会では、複数企業の役員報酬に関する決議に対し、多数の株主から反対票が投じられている。例えば石油大手のBPでは株主の約11%が同社の役員報酬に関する決議に反対票を投じ、大手金融機関のHSBCに至っては、実に約1/3もの株主が同じく同社の役員報酬決議に反対票を投じている。

その背景の1つにあるのが、役員報酬の高額化だ。リーマンショック後には減少していたイギリス企業における役員報酬は近年再び増加している。これは数字でも裏付けられており、大企業トップの報酬と一般的な従業員の給与の格差は、2000年の「47倍」から昨年は「120倍」にまで拡大している。

株主の不満は、金額自体の高さに限らず、金額の正当性にも向かっている。業績は平凡であるにもかかわらず役員報酬が増加する例など、報酬と業績が連動していないケースに対する株主の批判は強い。

こうした批判の背景には、そもそも・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2015/05/13 役員報酬議案、海外では株主の反対が続出(会員限定)

日本では間もなく3月決算会社の株主総会シーズンが始まるが、それに先立ち、4月後半から始まったイギリスの株主総会では、複数企業の役員報酬に関する決議に対し、多数の株主から反対票が投じられている。例えば石油大手のBPでは株主の約11%が同社の役員報酬に関する決議に反対票を投じ、大手金融機関のHSBCに至っては、実に約1/3もの株主が同じく同社の役員報酬決議に反対票を投じている。

その背景の1つにあるのが、役員報酬の高額化だ。リーマンショック後には減少していたイギリス企業における役員報酬は近年再び増加している。これは数字でも裏付けられており、大企業トップの報酬と一般的な従業員の給与の格差は、2000年の「47倍」から昨年は「120倍」にまで拡大している。

株主の不満は、金額自体の高さに限らず、金額の正当性にも向かっている。業績は平凡であるにもかかわらず役員報酬が増加する例など、報酬と業績が連動していないケースに対する株主の批判は強い。

こうした批判の背景には、そもそも役員報酬の算定式が複雑すぎて株主にとっては分かりにくいということもある。現金以外の役員報酬というと、従来はストックオプションが活用されるケースが多かったが、最近は「パフォーマンス・シェア」という中長期目標を設定し、その達成度に応じて株式を付与する仕組みも登場するなど、多様化している。さらに、報酬を決定する指標も、当期純利益のほか、TSR(株主総利回り) 、EPS(Earnings Per Share=1株当たり利益=当期利益÷期末の発行済み株式数)など様々なものがあり、さらに、これらが「短期の評価軸」「長期の評価軸」に使い分けられるという複雑さだ。もっとも、こうした複雑な仕組みは、皮肉なことに、株主が求める「株主価値向上と連動した役員報酬制度」を追求した結果生み出されたものとも言える。

皮肉という点では、イギリスでは役員報酬の開示制度がかえって報酬合戦を助長しているのではないかという指摘もされている。日本でも平成22年3月期決算から1億円以上の役員報酬の開示が義務付けられているが、イギリスと同様、かえって報酬の高額化を招く可能性がある。

いずれにせよ、役員報酬に対する株主の不満を鎮めるには、新たな役員報酬のモデルが必要だろう。こうした中、イギリスでは、「長期保有条項」付の株式を役員報酬として付与する方法を推奨する声も上がっている。役員の退任後も一定期間は売却ができないようにすれば、役員は退任後の業績まで関心を持つようになり(退任後の業績が保有株の価値を左右するため)、役員報酬と中長期的な企業業績の連動性は高まるだろう。

日本企業の役員報酬は欧米企業のそれほど高額ではないとはいえ、イギリスの動きを見ても、中長期的な企業価値との連動性に対する株主の関心は日本でも高まっていくことになりそうだ。

2015/05/12 CSR活動に対する投資家の視点

 CSR(企業の社会的責任)は、企業利益とは切り離された純粋な社会貢献活動から、社会的な課題の解決を図ることで社会に貢献しつつ企業価値を向上させる(社会と企業で利益を“シェア”する)という「CSV」へと進化しつつある。

 実際、多くの企業が企業価値向上につながるCSR活動(CSV)を行っているが、企業のCSRレポート等を見ると、そのことが表現されていないケースが少なくない。

 CSR活動に要する費用と企業利益はトレードオフの関係にあるため、それが将来の企業価値向上につながる道筋が見えない場合、投資家はそれを「コスト」の一種ととらえるのが通常だ。例えば小売業者がCSR活動として、ある地域で地元の人達とともに植林を行っており、それをCSRレポートで「当社は地球環境に優しい活動をしています」と紹介していたとする。もしレポートがそこで終わっていれば、投資家へのメッセージとしては不十分と言える。

 投資家が知りたいのは、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2015/05/12 CSR活動に対する投資家の視点(会員限定)

 CSR(企業の社会的責任)は、企業利益とは切り離された純粋な社会貢献活動から、社会的な課題の解決を図ることで社会に貢献しつつ企業価値を向上させる(社会と企業で利益を“シェア”する)という「CSV」へと進化しつつある。

 実際、多くの企業が企業価値向上につながるCSR活動(CSV)を行っているが、企業のCSRレポート等を見ると、そのことが表現されていないケースが少なくない。

 CSR活動に要する費用と企業利益はトレードオフの関係にあるため、それが将来の企業価値向上につながる道筋が見えない場合、投資家はそれを「コスト」の一種ととらえるのが通常だ。例えば小売業者がCSR活動として、ある地域で地元の人達とともに植林を行っており、それをCSRレポートで「当社は地球環境に優しい活動をしています」と紹介していたとする。もしレポートがそこで終わっていれば、投資家へのメッセージとしては不十分と言える。

 投資家が知りたいのは、「その活動が企業業価値の向上にどのように貢献しているのか」という点に尽きる。例えば「従業員に地域社会との共生、地域のお客様を意識した接客の精神を植え付けるという人材育成の観点から、地域での植林活動をやっている」と言えば、人材育成は企業価値を上げることになるので、投資家の納得感も得られやすい。

 また、音楽や美術など芸術分野に寄付を行っている企業も少なくない。一見すると音楽や美術とはかけ離れた業態の企業であったとしても、こうした「文化」の発展が事業が成立・成長するための前提であり、「文化の発展なくして事業の発展なし」ということであれば、芸術分野への寄付も、企業価値の向上という観点から十分に説明が可能であろう。

 投資家からすると事業とCSR活動のピントが合っていないように見える場合、それを合わせる“ファインダー”としての役割を果たすのが企業のレポーティングに他ならない。媒体はCSRレポートでも、統合レポートでも、アニュアルレポートでも構わないが、多くの企業のレポーティングで「CSRがCSRにとどまっている」ことは非常にもったいない。

 経営陣は、投資家にきちんとメッセージを発信することによって企業価値(株価)は上昇し得るということを認識すべきであり、逆に言うと、伝えられていないがゆえに損している部分があることに気付く必要がある。このところ活発化しつつあるアクティビストのターゲットとなることを避けるには、企業価値を上げるしかない(2015年2月24日のニュース「中堅企業に向かうアクティビスト」参照)。それには投資家を味方にする必要がある。企業の発信したメッセージに賛同した投資家はその企業への投資を始め、それが最大のアクティビスト対策になるからだ。もちろん個人投資家も重要だが、自社単独で個人投資家対策(例えば個人投資家向けの会社説明会)を実施するには大きなパワーがいるため、効率を考えれば、数は少ないが力(=株式数)を持つ長期の機関投資家にメッセージを送るのが王道と言える。

 「企業イメージやブランド力のアップのためにCSR活動を行っている」という企業も多いが、それがなぜ「植林」なのかについて明快に説明できる企業は意外と少ない。機関投資家はストーリーを重視するため、機関投資家対策という観点からは、どのような活動を行うかは、自社の長期的な価値向上という視点から選ぶべき。CSR活動と企業価値向上をストーリーでつなげることが難しいのであれば、活動そのものの見直しも検討に値しよう(もちろん、純粋な社会貢献活動としてのCSRもあってしかるべきであり、それ自体を否定するものではない)。

2015/05/11 【機関投資家対応】投資ファンドから社長との面談を求められた

 

相手を知ったうえで自社を点検する

近年、投資ファンドの活動が活発化しています。リーマン・ショック直後は活動が停滞する時期もありましたが、その後の株式市場の活性化とともに、投資ファンドが関わるM&Aは再び増加に転じました。さらに、世界的な低金利を背景とする運用難もあり、資金調達するよりも投資先を見つけるのに苦労する投資ファンドは少なくありません。

こうした動きに伴い、投資ファンドからコンタクトを受け、社長との面談を求められることも珍しくなくなっていますが、初めてコンタクトを受けた企業は、どのように対応したらよいのか戸惑うかも知れません。「断る」という選択肢もないわけではありませんが、少なくとも「面談に応じる準備」だけはしておいた方がよいでしょう。具体的には、(1)相手を知ったうえで、(2)自社について点検しておく必要があります。

以下で詳しく解説していきましょう。

投資ファンドが収益を得る方法は3つ

「相手を知る方法」としては、金融機関に問い合わせるほか、国内での実績が豊富な投資ファンドであれば専門誌やWebでも一定の情報を収集することは可能です。まずはこうした方法で投資資金の出所や資金量、投資実績、現状の株式保有状況や共同保有の有無、さらに責任者や面談者の経歴、といった一般的な情報を押さえます。

そのうえで、投資ファンドの狙い、すなわち「どのようにして投資収益を得ようとしているのか」を見定め、実際の対応を検討します。

投資ファンドが投資収益を得る手段は(1)アービトラージ(≒安く買って高く売る)、(2)レバレッジ(≒資本コストを下げる)、(3)マネジメント(≒事業価値を上げる)の3つに分けられます。それぞれについて見てみましょう。・・・

続きをご覧になるには会員登録(※有料)が必要です。会員登録はこちら

“投資ファンドの視点”で自社を点検する

投資ファンドは機関投資家の一種なので、投資ファンドとの面談は「企業価値」に関連した内容が中心になるのが通常です。したがって、面談の前には、「売上」「費用」「投資」「財務」「リスク」といった企業価値の構成要素をしっかり把握しておく必要があります(企業価値の構成要素については、「機関投資家に自社の魅力を伝えたい」の「機関投資家との対話をスムーズにする『自社の魅力』の伝え方」参照)。

投資ファンドが通常の機関投資家と異なるのは、・・・

続きをご覧になるには会員登録(※有料)が必要です。会員登録はこちら

面談の準備から面談後の対応における注意点

では、実際に面談の申し込みがあった場合、どのような社内体制により、どのような準備・対応をすればよいのでしょうか。時系列に見ていきましょう。・・・

続きをご覧になるには会員登録(※有料)が必要です。会員登録はこちら

チェックリスト チェックリストはこちら

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから
本ケーススタディを最後まで閲覧した方は、知識の定着度を確認するため、下の右側のボタンを押してミニテストを受けてください(ミニテストを受けない限り、本ケーススタディの閲覧履歴は記録されません)。
また、本ケーススタディを閲覧して感じたことや気付いた点(学んだ点、疑問点、自社の課題など)を、備忘録として登録しておくことができます。登録を行う場合には、下の左側の「所感登録画面へ」ボタンを押し、登録画面に進んでください。過去に登録した内容を修正する場合も、同じ操作を行ってください。

感想の登録    ミニテスト受講

2015/05/11 チェックリスト:投資ファンドから社長との面談を求められた(会員限定)

■チェックリスト:投資ファンドから社長との面談を求められた

チェック事項 備考 対応未了 対応済
投資ファンドの投資資金の出所や資金量、投資実績、現状の株式保有状況や共同保有の有無、責任者や面談者の経歴を確認したか。 金融機関に問い合わせるほか、国内での実績が豊富な投資ファンドであれば、専門誌やWebでも一定の情報を収集することは可能。
“投資ファンドの視点”で自社を点検し、投資ファンドが自社にどのような収益を見込んでいるのか見当をつけたか。 投資ファンドが投資収益を得る手段は、(1)アービトラージ(≒安く買って高く売る)、(2)レバレッジ(≒資本コストを下げる)、(3)マネジメント(≒事業価値を上げる)の3つ。株価指標が類似企業に比べて低水準にある場合((1)の視点)、金融資産や事業と関連性の低い不動産等を多く保有している((2)の視点)、採算性の低い事業・製品があるが、改善の目途が立っていない((3)の視点)など、(1)~(3)に該当する項目がある場合には、該当項目に対する「現状認識」と「対応策」について合理的な説明ができるよう準備しておく必要がある。
面談の前に、「売上」「費用」「投資」「財務」「リスク」といった企業価値の構成要素や、“投資ファンドの視点”に関する項目を数値で把握したか。 投資ファンドとの面談の場では「数値」を交えた議論が求められるため、面談に臨む者は、少なくとも基本的な数値は頭に入れ、詳細な数値もその場で回答できるように準備しておく必要がある。
投資ファンドとの面談に対応する事務局を設置したか。 社長の下で現場を仕切る事務局を組成し、情報管理、作業の進捗管理を一元化する。情報の拡散を防ぐため、関与者は最小限にとどめる。投資ファンドとの対話が長期化する場合や、正式な買収提案が届いた場合には事務局の設置は必須。
「被買収リスクへの対応マニュアル」を整備したか。 意思決定のプロセスや役割分担などもあらかじめマニュアル化しておくことで、今後同様の状況が生じた場合にもスムーズな対応が可能になる。
投資ファンドとの面談には複数名で対応することとしているか。 投資ファンドは、最初の面談では買収提案などの意思を明確にしないのが通常であるため、複数名が参加することで、投資ファンドのニュアンスを見極める必要がある。また、面談内容の記録を取ることも必須。
「投資ファンドに対する質問事項」も準備しているか。 面談は投資ファンド側の情報を得るチャンスでもあるため、投資ファンドに質問をぶつけてみるとよい。
投資ファンドとの面談では、「企業価値の向上」や「株主共同の利益」のために何をするべきかという視点を常に意識しながら、冷静な議論を心掛けているか。 投資ファンドは必ずしも「高圧的な敵対的買収者」ではない。感情的に対応することによって、投資ファンドに「投資家の視点を理解していない経営者」との印象を与えてしまう。
買収提案につながる可能性のある話題が出た場合、安易な発言をしないよう心掛けているか。 即答は避け、書面による趣旨説明を要求した方が無難。
面談の最後に、次回の対話の方法についても確認することとしているか。 ここで窓口を担当役員などにしておくと、毎回社長が対応する必要がなくなる。

ケーススタディ役員実務「投資ファンドから社長との面談を求められた(会員限定)」はこちら