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著作権のTPP、“青空文庫問題”は解決も「非親告罪化」で新たな懸念

(2015年)10月5日に大筋合意に至ったTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉で、農作物、自動車などとともに注目を集めていたのが「著作権」だ。TPP交渉は当然ながら秘密裏に進められてきたが、著作権を含む知的財産関係の条文案がウィキリークスにより事前に流出したことで、関係者(著作物を作る側・使う側)間の議論の盛り上がりに拍車がかかっていた。

そもそもTPPで著作権が議論されることとなった背景には、新興国を中心に横行している海賊版ソフトの製造・販売、インターネットへの不正なアップロード等の著作権侵害がある。つまり、TPPはこうした著作権侵害に対する有効な対抗手段を確保し、著作権侵害を止めることを狙いとしており、日本は基本的に「著作権侵害対策を求める立場」にある。とはいえ、日本企業も著作権を利用する立場にもなることがある以上、規制が強化されればその影響を受ける。例えば著作権の保護期間が延長されれば、著作権の権利者にとっては「稼げる」期間の延長となるが、活用する側にとっては、「許諾をとったり、ライセンス料を払ったりしなくてはならない期間」が延長されることを意味する。なかには、ある大手メーカーのように、グループ会社が持っているコンテンツを使って親会社がビジネスを行っているケースもある。

TPP交渉で特に問題となっていたのが、・・・

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