周知のとおり、東京証券取引所(以下、東証)は昨年(2018年)10月から「市場構造の在り方等に関する懇談会」(以下、懇談会)を設け、現在の株式市場構造の見直しを検討している(2019年1月9日のニュース「東証の市場構造の変化がもたらすCGコードへの影響」、2019年2月7日のニュース「パッシブ化”の進行と東証の市場構造の見直しが与える株価への影響」参照)。東証は懇談会における議論を踏まえ、昨年末(2018年12月21日)には「市場構造の在り方等の検討に係る意見募集(論点ペーパー)」(以下、論点ペーパー)を公表し、今年1月末までパブリックコメントに付していたところだ。論点ペーパーでは、マザーズとJASDAQ(グロース)を「新興企業向け市場」、市場第二部とJASDAQ(スタンダード)を「実績のある企業向け市場」、市場第一部を「ステップアップ先の市場」とグルーピングし、それぞれの形式基準や上場廃止基準の在り方を検討していくことが必要であるとされているが、一部メディアでは、懇談会が今月末までに報告書をとりまとめ、4月にも市場構造の見直しが実現するとの報道も見られ、東証一部上場企業であり続けるための“ボーダーライン”と言われる時価総額500億円を下回る企業のリストも掲載されている。
ただ、・・・
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