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総数9名の取締役会で4名のアクティビスト派が多数決を制した背景

香港のアクティビストファンドであるオアシスマネジメント(以下、オアシス)が、東証プライム市場に上場しているフジテックに対して社外取締役の選解任を求めたところ、2023年2月24日に開催された同社の臨時株主総会において4名の社外取締役を送り込むに至ったことは、2023年3月1日のニュース「フジテックで社外取解任、アクティビストとの闘争の行方の鍵を握る第三者委員会」でお伝えしたとおり。フジテック取締役会では、取締役会議長や指名・報酬諮問委員会のメンバーをオアシスが提案した新社外取締役を中心とするなど、さっそくガバナンス改革が進行中だ。具体的な施策を時系列で整理したのが下表である。

日付等 事項 内容
3月24日開催の
取締役会
取締役会議長の交代 フジテック取締役会において海野薫社外取締役を当社取締役会議長に選定し、同日の取締役会から議長を務める。
指名・報酬諮問委員会の入れ替え 指名・報酬諮問委員会の委員及び委員長を次のとおり選定する。
委員長:三品和広社外取締役
委員:トーステン・ゲスナー社外取締役
委員:嶋田亜子社外取締役
3月28日開催の
取締役会
内山会長の解職 本日をもって内山氏を会長から解職するとともに、フジテックと同氏との間の一切の契約を解除する。
第三者委員会の設置 2月24日開催の臨時株主総会に際し、株主提案に係る取締役候補者らに対して、その適格性、社会的信用、名誉等を毀損又は低下させるような行為がされ、また、同候補者らに対して当社の取締役候補者を辞退するように威迫その他の働きかけが行われたとの情報が寄せられたことについて調査するため、独立した第三者委員会を設置する。

フジテック(旧経営陣)側にとっては極めて厳しい内容となっているが、そもそもの疑問は、何故このような取締役会決議が可決されたのか、ということだ。2023年2月24日に開催された臨時株主総会後におけるフジテックの取締役の総数は9名で、そのうちオアシスの提案により選任された社外取締役は4名と、半数未満となっている。それにもかかわらず、取締役会議長の交代や指名・報酬諮問委員会の入れ替えのみならず、内山会長の解職にまで踏み込めたのはなぜだろうか。・・・

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