6月から適用が開始される改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、改訂CGコード)の確定版の公表が間近に迫っている。現在は、4月29日に締め切られた改訂CGコード案へのパブリックコメントに対する回答の作成等、確定版の公表に向けた最終的な準備が行われているものとみられる。
今回の改訂CGコードの目玉の一つと言えるのが、政策保有株式に関する原則1-4の大幅な見直しだ。
【原則1-4. 上場会社が 上場会社は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための具体的な基準を策定・開示 |
このうち後段の「政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための基準」として何を書くべきか企業は頭を悩ませているが(2018年4月4日のニュース「政策保有株式開示、何を書く?」参照)、もう一点、企業にとって大きな関心事となっているのが、「個別の政策保有株式」ごとの開示の要否だ。
改訂原則1-4の前段部分には、「毎年、取締役会で、個別の政策保有株式について保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を検証するとともに、そうした検証の内容について開示すべきである」とある。「個別の政策保有株式について保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を検証する」ところまではあくまで“社内”の話だが、この精査・検証結果を(政策保有株式として)株式を保有している個別企業ごとに開示するのは避けたいというのが企業の本音であり、経済界も個別企業ごとの開示には強く反対している(2018年5月7日のニュース「改訂CGコードに対する経済界のコメント」参照)。「そうした検証の内容について開示すべきである」という記述からは、個別企業ごとの開示の要否が明確に読み取れないだけに、パブリックコメントでもその真意を問う質問も寄せられている模様だ。
そこで当フォーラムが当局に取材したところ、・・・
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