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M&Aの説明責任、特別委員会の設置と開示が鍵に

M&Aは年々増加傾向にある(下図は2018年版中小企業白書の「第2部 深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命」の「第6章 M&Aを中心とする事業再編・統合を通じた労働生産性の向上」より引用)。その背景には、事業の統廃合や、スピード感をもって成長するために“時間を買う”といった経営判断があるものと見られる。
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一方で、M&A取引では、通常の証券市場のような透明性が確保されておらず、また、買い手と売り手の利害が対立することから、どうしても取引に不透明さが残りやすいのも事実。特にMBOや支配株主による従属会社の買収(例えば親会社が過半数の株式を所有している子会社の株式を少数株主から購入する場合など)においては、利益相反の問題情報の非対称性の問題が存在するため、一般株主からすると、買収価格が一般株主に不利な価格になっており、買収者が不当に利益を享受しているのではないかといった疑念が生じやすい。M&Aがより一層普及するためには、M&Aの「手続き面での公正さ」の確保が大きな課題と言えよう。・・・

MBO : マネジメント・バイアウト(経営者による買収)の略で、現在の経営者が全部または一部の資金を出資し、事業の継続を前提として対象会社の株式を購入すること
利益相反の問題 : MBOを主導する経営者や買収を主導する支配株主には、一般株主から不当に安く株式を買い占めたいというインセンティブが働くため、一般株主と利益が相反する関係にあるという問題点のこと。
情報の非対称性の問題 : 一般株主は、MBOを主導する経営者や買収を主導する支配株主に比べると、アクセスできる情報に限りがあるため、一般株主からすると経営者や支配株主が提示する買収対価が妥当かどうか判断しづらいという問題点のこと。

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