2024年8月に、カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタール(以下、アリマンタシォン)から提案を受けて幕を開けたセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)の買収劇。日本史上最大規模のM&Aが激しさを増している。
当初、アリマンタシォンは1株14.86ドル、当時の為替レートで換算すると総額6兆円規模でセブン&アイの全株式を取得するとしていたが、セブン&アイは、買収提案を受けた直後に立ち上げた、取締役会議長のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏を委員長とする独立社外取締役だけで構成される「特別委員会」の議論を踏まえ、9月には「企業価値を『著しく』過小評価している」などとする書簡を送付。それを受けてアリマンタシォンは10月、1株18.19ドル(約2700円)、買収総額を7兆円規模に引き上げる再提案を行った。
現時点では、アリマンタシォンは「友好的なアプローチをしていく」とし、同意なき買収については否定しているが、この言葉をそのまま受け取る向きは少ない。過去2度にわたって買収を打診しており、3度目となる今回は年金基金などスポンサーの同意も取り付けての買収提案とあって「今回は本気で買収しにきている」(セブン&アイ関係者)ことが見えるからだ。それだけにセブン&アイ側の危機感も強く、“実質的な”買収防衛策を相次いで打ち出している。
その1つが、・・・
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