2014/12/10 機関投資家が企業に投げかけたい質問の一覧が明らかに(会員限定)

 スチュワードシップ・コードの導入により企業と投資家の対話(エンゲージメント)が求められているが、企業としては「投資家が何を知りたいのか」、大いに気になるところだろう。

 こうした中、経済産業省内に設置されている「投資家フォーラム作業部会」は、機関投資家が企業に質問したい事項をまとめたペーパー「企業経営者と長期投資家の実りある対話のために」を取りまとめた。

 「投資家フォーラム」とは、経済産業省の企業報告ラボのプロジェクトの1つで、機関投資家等により構成されるもの。下記のとおり、今年(2014年)2月に公表された「日本版スチュワードシップ・コード」や8月に公表された伊藤レポートには、投資家間の意見交換などを後押しする記述が盛り込まれており、「投資家フォーラム」プロジェクトはこれらを根拠にしている。

日本版スチュワードシップ・コード 指針7-3
 対話や判断を適切に行うための一助として、必要に応じ、機関投資家が、他の投資家との意見交換を行うことやそのための場を設けることも有益であると考えられる。

伊藤レポート P.90
 企業との対話に向けた実力を高めるため、機関投資家等が知識や経験を共有し、投資家間での忌憚ない議論や情報発信等ができるプラットフォームづくりを促進することも重要である。対話・エンゲージメントに関し、その深さや相手、対話軸はどうあるべきかといった共通基盤を知的インフラとして提供することなどが期待されよう。

 投資家フォーラムの参加者は、所属運用会社の商業的利害関係や運用方針または投資ポジションによる利益相反の介在を排除するため、基本的には「個人」となるが、参加者には巨額資金を動かす資産運用会社に所属する者が多数含まれる見込みであり、その影響力は大きいものになるだろう。実際、主要運用会社が投資する株式数を合算すれば、保有割合が20%を超えることになる上場会社は少なくない。

 今回取りまとめられたペーパーでは、「長期的な戦略課題と持続的な価値創造」「規律ある経営の仕組み」「投資家への向き合い方」の3つに分けて、機関投資家等から企業に投げかけられるであろう質問項目が列挙されている。

 なかでも機関投資家が最も重視しているのが、「長期的な戦略課題と持続的な価値創造」だ。今回のペーパーの目的は、決して機関投資家が企業に文句を言うことではない。あくまでも企業の価値創造を後押し、価値創造のビジョンを企業と機関投資家がシェアすることを狙いとしている。報酬問題が典型であるように、これまでのコーポレートガバナンスに関する議論を踏まえると、つい「機関投資家vs企業」という図式を想像しがちだか、それは企業価値の創造という観点からはあまり意味がないというのが、投資の世界における世界的な新潮流となっている。

 具体的には、「中長期的な企業価値向上や持続的成長を促す」という観点から、「経営理念」「ビジョン」「目標達成のための具体的戦略」「成長原資の確保」をテーマにした下記のような質問項目が並んでいる(一部、当フォーラムで要約)。

・10 年後にどのような姿になっていたいと考えるか。また、会社の将来像、経営理念や長期ビジョンなどが経営計画や経営戦略等にどのような形で反映されているか。
・ 経営計画等における財務係数や経営管理指標(KPI)の目標値はどのような考え方にもとづいて決定されたか。そして実際にどのように現場への浸透を図っているか。
・株主資本をどのように活用しようと考えているか。中長期的な事業拡大に向けた投資に備えた部分、リスクへの対応を目的とする部分、株主への還元を想定する部分などの配分についてどのように考えているか。
・現金等(含む現金相当物)について適正と考えられる水準(比率等)はどの程度か。それはどのような考え方にもとづいているか。
特定投資株式*を保有する効果や、実施、継続、廃止の判断の基準
・自社株を保有する意図

* 純投資目的以外の目的で保有する上場会社の株式。いわゆる「持合株式」を指す。

 今後間違いなく増加していくであろう機関投資家とのエンゲージメントでは、今回のペーパーで示された質問項目がテーマになる可能性は十分ある。企業は、質問項目を通じて投資家の関心事を把握するとともに、できるだけ回答できるようにしておくべきだろう。

2014/12/10 【失敗学第7回】クリーク・アンド・リバー社の事例(会員限定)

概要

 株式会社クリーク・アンド・リバー(ジャスダック)の子会社リーディング・エッジ社(LE社)で循環取引等が行われ、2013年2月期で約14億6,600百万円の売上高の修正が必要になった。

経緯

 クリーク・アンド・リバー社が2013年10月に東京証券取引所に提出した改善報告書に基づき、事件の発覚から改善報告書の提出までの経緯を時系列で示すと、次のとおり。
<2013年>
4月末から5月末:LE社のECマーケティング事業部(以下、EC事業部)が株式会社甲(以下、甲社)に対する売掛金321百万円の支払い遅延が発生。内部監査室の調査がスタートし、架空取引・循環取引の疑いが強まる。
8月28日:クリーク・アンド・リバー社の取締役会で外部専門家(弁護士および公認会計士)を委員に加えた内部調査委員会を設置することが決議される。
9月27日:内部調査結果と過年度決算短信等の訂正をリリース。
10月25日:東京証券取引所に改善報告書を提出する。

内容・原因・改善策

 上述した改善報告書によると、本件の主な問題点は次のとおりである。

甲社との取引(架空取引・循環取引)

内容 ・LE社が甲社から開発業務の受託を受ける。甲社とLE社との間における決済条件は「末日締め、翌々月末払い」。一方LE社は当該業務を乙社等の名目的な下請先に委託。LE社と乙社間の取引における決済条件は「末日締め、当月末払い」。LE社は受注額総額をもって売上に計上する。その利益は受注額の5%相当額。
・本取引は甲社への資金繰り支援の目的で行われていた。すなわち、甲社と乙社は親密な関係にあり、LE社から乙社へ支払われた額はすぐに乙社から甲社へ還流されていた。甲社では還流された資金をLE社への支払いに回すまでに2か月間の余裕が生じることになり、その資金は甲社の資金繰りに利用されるとともに、(実質的な)下請業者へ支払いに充当されていた。
原因 (組織)
・EC事業部の所属社員はA氏1名のみであり、不正行為に対する社員間の相互けん制が効かない組織になっていた。
(受注プロセス)
・LE社代表取締役は商流やエンドユーザーの確認を十分に行っていなかった。
・LE社代表取締役は注文書等の案件名が「●●一式」等抽象的な記述にとどまっているものをそのまま承認していた。
(発注プロセス)
・LE社代表取締役はA氏から口頭で報告を受けていただけであった。
(売上計上プロセス)
・親会社であるクリーク・アンド・リバー社が取引の実在性、売上計上の妥当性および売掛金の評価等に関して、LE社に確認した際に、A氏より様々な資料の提供や具体的説明がおこなわれたことから、取引が実在すると判断してしまった。
(支払プロセス)
・支払先と金額をまとめたリストをA氏が作成しLE社代表取締役に提出するだけの形式的なやり取りに止まっており、支払い条件が「末日締め、当月末払い」と異常に短く不審な取引であることを感知していなかった。
(与信管理プロセス)
受注確定時における与信限度額等に関する規程はなかった。
(その他)
・LE社の会社規模は小規模であることから、専門の内部監査部門は設置していなかった。また、管理部門も実務担当者1名のみであり、けん制機能はなかった。親会社であるクリーク・アンド・リバー社による子会社のモニタリング体制も不十分であった。
・内部通報制度は設置されていなかった。
改善策案 ・今後所属社員が1名のみの事業部は組成しない。
・LE社では、請負契約の締結に先立ち、取引条件が異例扱いか否かにかかわらず、社長以上の決裁を必要にする。それに備えて、各事業部長は、当該取引の概況(商流やエンドユーザー等)、取引条件(資金回収日・資金支払日等)および運営体制等を具体的に記載した「起案書」を起案する。
・発注は起案書に基づき行う。
・売上計上や支払に先立ち、起案書に記載された事項と下請業者等からの納品書および請求書等の明細に齟齬がないかを確認する手続きを設ける。
・作業実態が把握できない抽象的な記載の証憑等については受理しない。
・取引先の信用度に応じて与信限度額を定め、運用を行う。
・内部監査を実施する。
・LE社の社長を交替させる(親会社取締役と兼任していた社長は親会社・子会社ともに辞任。LE社の社外取締役を新たに代表取締役として選任)。
・10百万円を超える滞留債権が生じた場合、親会社に報告。
・内部通報制度を導入。
・コンプライアンス研修の実施。

仕掛品の回収可能性が乏しい取引

内容 ・LE社の仕掛品59百万円はEC事業部がコンサルタント業務として提供するサービスに関して下請け業者に対して先行して支払いが生じた分。今後発注元に検収され売上計上される可能性は乏しいにもかかわらず、仕掛品として資産計上されたままになっていた。
原因 発注元との間で取引の実在性は確認できているものの、サービスの内容および成果について発注元との間で認識に齟齬がある。
改善策案 ・仕掛品が発生している場合は、管理部門やLE社代表取締役が取引の進捗状況、当初想定とのかい離の有無および集積性の低下の有無を確認し、資産性の判断を行う。
・親会社経理部門のチェックを強化する。
<この失敗から学ぶべきこと>

 甲社との取引の実態は、支払条件の違いを利用した資金繰り支援でした。一読しただけではわかりづらいことから、以下に図示します。矢印はお金の流れです。

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 LE社から乙社に支払いがなされる(青い矢印)と、すぐに甲社に還流されます。そして、甲社からLE社に支払いが起きる(赤い矢印)のはLE社から乙社に支払いがなされてから2か月後となります。その間、甲社では支払いを猶予されることから資金繰りが楽になります(あたかも前金で開発業務を受託したかのようになります)。

 このような資金繰り支援がある場合とない場合とで、甲社における資金の状況を比べてみましょう。

(資金繰り支援がないケース)
 甲社は1月に発注元から3億3千万円の開発業務を受託(納品後翌月末払い)。3月に納品し、4月末日に入金があった。甲社の下請会社に1月より3か月間毎月9,000万円を発注(支払い条件は「末日締め、翌月末払い」)。消費税は考慮しない。

(単位:100万円)

1月 2月 3月 4月
発注元からの入金額 330
下請会社への支払い なし -90 -90 -90
甲社の資金繰り(単月) -90 -90 240
甲社の資金残 -90 -180 60

(LE社が資金繰り支援を行うケース)
 上記の前提に加えて、甲社はLE社に1月より3か月間、毎月1億円を架空に発注する。支払い条件は「末日締め、当月末払い」。乙社は入金と同時に甲社へ送金。甲社のLE社への支払いは「末日締め、翌々月末払い」。LE社の手数料は5%(500万円)とする。

(単位:100万円)

1月 2月 3月 4月 5月
発注元からの入金額 330
LE社から乙社を経由した入金額 95 95 95
月末のLE社への支払い なし なし -100 -100 -100
実質的な下請会社への支払い なし -90 -90 -90 なし
甲社の資金繰り(単月) 95 5 -95 140 -100
甲社の資金残 95 100 5 145 45

 資金繰り支援がないケースでは、2月末に資金残が90百万円のマイナス、3月末に180百万円のマイナスになっています。換言するとこのマイナス額に相当する分の資金繰りができなければ仕事を完成することができないことになります。一方、LE社が資金繰り支援を行うケースでは、資金残高がマイナスになることはありません。ここにA氏が特殊な支払条件で甲社と取引を行った理由があります。

 今回の事件の教訓としては、自社で定める支払条件とは異なる特殊な支払条件の稟議が回付されたとき、取締役は資金繰り支援の一環ではないかという懐疑心を持つべきであるということが挙げられます。また、従業員が一人しかいない事業部を有する会社では、取締役は内部統制の欠如をカバーするための方策が十分かどうか、場合によっては組織改編が必要ではないかを検討する良い機会と言えます。

2014/12/09 12日最終案のコーポレートガバナンス・コードは「序文」に注目

 上場会社の注目を集めているコーポレートガバナンス・コードの最終案が今週金曜日(2014年12月12日)に公表される。この最終案はパブリック・コメントに付された後、寄せられた意見を踏まえ、必要があれば微修正を経て確定し、来年6月の株主総会から適用される。

 12日の最終案の中で注目されるのが、「序文」だ。11月25日に公表された原案の段階では序文のところは空欄になっていたが(原案については2014年11月25日のニュース『独立社外取締役「2名以上」も「相当でない理由」の開示は不要に』参照)、12日の最終案ではここが埋まったものが出て来るだろう。

 企業が押さえておきたいポイントが、コーポレートガバナンス・コードの「コンセプト」だ。すなわち、「コーポレートガバナンス・コードとは何か?」という点である。コーポレートガバナンス・コードは事実上の強制力を持つが、「法律」ではない。したがって、・・・

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2014/12/09 12日最終案のコーポレートガバナンス・コードは「序文」に注目(会員限定)

 上場会社の注目を集めているコーポレートガバナンス・コードの最終案が今週金曜日(2014年12月12日)に公表される。この最終案はパブリック・コメントに付された後、寄せられた意見を踏まえ、必要があれば修正を経て確定し、来年6月の株主総会から適用される。

 12日の最終案の中で注目されるのが、「序文」だ。11月25日に公表された原案の段階では序文のところは空欄になっていたが(原案については2014年11月25日のニュース『独立社外取締役「2名以上」も「相当でない理由」の開示は不要に』参照)、12日の最終案ではここが埋まったものが出て来るだろう。

 企業が押さえておきたいポイントが、コーポレートガバナンス・コードの「コンセプト」だ。すなわち、「コーポレートガバナンス・コードとは何か?」という点である。コーポレートガバナンス・コードは事実上の強制力を持つが、「法律」ではない。したがって、法律のように、そこで使われている言葉に定義はない。例えば原案には「経営陣幹部」という言葉が出て来るが、この定義は各社が自ら決めてよいことになる。執行役員制度を採用していない会社であれば、取締役だけでなく部長を「経営陣幹部」に含めても構わない。

 また、「コードを守れなかったらどうなるのか?」という疑問も企業からしばしば聞かれるが、法律でない以上、コードを守れなかったといって罰則があるわけではない。コードを守れなかった場合には、「達成するためにどのような取組みをしているのか」「いつまでに達成しようとしているのか」といった、自社の方針(それは「経営戦略」であることも多いだろう)を説明すればよい。この点は、原案が「2名以上の独立役員の選任」を求めながらも、選任できなかったからといって、改正会社法のように「相当でない理由」を説明しなくてもよいとされた点に表れている(上記のニュース参照)。

 12日に明らかにされる最終案の序文は、こうしたコーポレートガバナンス・コードのコンセプトを汲んだ書きぶりとなろう。

2014/12/08 “誤報”に要注意!日本or米国基準の採用理由の記載は不要

 東証は先月(2014年11月)11日、上場会社に対し、2015年3月期の決算短信から「会計基準の選択に関する基本的な考え方」という新たな開示事項を追加するよう通知したが、この決算短信を巡り、上場会社の役員、特にCFOの間で波紋が広がっている。

 この開示は、2014年6月24日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」の中で「IFRSの任意適用企業の拡大促進」についての提言(78ページ参照)が行われたことを踏まえ、「IFRSの適用を検討しているか(その検討状況、適用予定時期)」の記載を求めるもの。

 ところが、・・・

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2014/12/08 “誤報”に要注意!日本or米国基準の採用理由の記載は不要(会員限定)

 東証は先月(2014年11月)11日、上場会社に対し、2015年3月期の決算短信から「会計基準の選択に関する基本的な考え方」という新たな開示事項を追加するよう通知したが、この決算短信を巡り、上場会社の役員、特にCFOの間で波紋が広がっている。

 この開示は、2014年6月24日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」の中で「IFRSの任意適用企業の拡大促進」についての提言(78ページ参照)が行われたことを踏まえ、「IFRSの適用を検討しているか(その検討状況、適用予定時期)」の記載を求めるもの。

 ところが、一部の会計雑誌には、「IFRSの適用予定がない場合でも、『会計基準の選択に関する基本的な考え方』に関する何らかの開示が必要である」旨の記事が記載された。この記事は、例えば現在日本基準や米国基準を適用しており、将来的にIFRSを適用する予定のない企業であっても、「なぜ日本基準や米国基準を適用しているのか」を記載しなければならないと言っているに等しい。

 この記事を見たCFOなどの間では、「一体何を書けばよいのか」との疑問の声が上がっているが、結論から言うと、この記事は“誤報”である。

 日本基準を例にとると、そもそも日本基準を適用している企業は、日本基準を「選択」したわけではない。これまで何の迷いもなく使ってきただけであり、このような企業にとっては、「日本基準を選択している理由」などもあるはずもない。すなわち、「選択の理由」を求められること自体が理不尽ということになる。そもそも投資家にとっても、「日本基準を選択している理由」を知ったところで、何の利益にもならないだろう。

 結局、東証が求めているのは、「IFRSを適用する予定があるかどうか」の1点に尽きる。これは、上述のとおり、この開示が政府の成長戦略における「IFRS任意適用の拡大策」の一環で設けられたものであることからも明らかだ。一方、「日本基準や米国基準を選択している理由」は全く求めていない。つまり、今後もIFRSを適用する予定が無ければ、「今後も日本基準(米国基準)を使う予定です。」とシンプルに記載すればよい。

 CFO等は、2015年3月期の決算短信で無用な開示を行わないよう注意したい。

2014/12/08 セミナー「「損害賠償責任を含む法的責任」とその回避方法」および「モノ言う株主への対応方法」を2014年12月8日(月)に開催しました。

本セミナーはすでに開催済みですが、会員の方向けにWEBセミナーを配信中です。
WEBセミナー:「損害賠償責任を含む法的責任」とその回避方法
WEBセミナー:モノ言う株主への対応方法

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上場会社役員ガバナンスフォーラムでは、12月8日(月)の14時30分~17時40分に下記のセミナーを開催いたします。

時 間 講 師 テーマ
第一部
14:30

16:00
TMI総合
法律事務所

パートナー
弁護士
石原 修
~業務の適正確保に必要な危機管理対策はどこまで必要か~
上場会社役員が“潜在的リスク”を放置した場合に問われる
「損害賠償責任を含む法的責任」とその回避方法
第二部
16:10


17:40
EY総合
研究所
未来経営
研究部
 上席主任
研究員
深澤 寛晴
~機関投資家等が求める企業価値とは?~
モノ言う株主への対応方法

詳細はこちらをご覧ください。
なお、セミナー参加費につきましては、当フォーラム会員は無料、会員でない方は1万円(税込)となっております。
会員でない方のお振込方法等の詳細はお申込みの受付けメール(下記の「お申込みはこちらから」のボタンをクリック後、お名前等をご入力いただいた後自動送信されるメール)にてご連絡いたします。
ご不明な点等がございましたら、ご遠慮なく jimukyoku@govforum.jp までお問い合わせください。

<セミナー概要>

  • 第一部 上場会社役員が“潜在的リスク”を放置した場合に問われる
        「損害賠償責任を含む法的責任」とその回避方法
  • 第二部 モノ言う株主への対応方法
  • 【日時】2014年12月8日(月)14時30分~17時40分
  • 【場所】六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所セミナールーム
  • 【受付】六本木ヒルズ森タワー1階ロビー 14時より
  • 【講師】第一部 TMI総合法律事務所 パートナー 弁護士 石原 修 様
        第二部 EY総合研究所 未来経営研究部 上席主任研究員 深澤 寛晴 様
  • 【セミナー参加費】当フォーラム会員は無料、会員でない方は1万円(税込)

2014/12/05 日本株上昇の背景にあるもの

 マクロ経済指標の低迷にもかかわらず、日本株の上昇が続いている。海外投資家の資金もかなり流入しているものとみられる。

 なぜ海外投資家は日本企業を買ってくるのだろうか。その理由の1つとして挙げられるのが、日本のコーポレートガバナンス改革への期待だ。今年(2014年)2月にはスチュワードシップ・コード、8月には伊藤レポートが作成され、さらに、現在はコーポレートガバナンス・コードが検討されている。これらの議論には企業はもちろん機関投資家なども参加し、様々な立場の人々がそれぞれの利害関係を越え、現在日本が置かれている厳しい現状に危機感を持って、知恵を出し合っている。

 このうち伊藤レポートについて海外投資家に話を聞くと、非常に肯定的な反応が返ってくる。それどころか、企業、投資家、官庁が一体となってこのようなレポートを発表したこと自体、驚きとしてとらえられている。2年前、現在のような日本の改革の動きを予想した海外投資家はいないのではないだろうか。こうした驚きが、日本企業への期待につながり、株価上昇の一因になっていると分析する向きも多い。

 また、海外投資家の中には、伊藤レポートが「ROE8%」を提言したことを評価している者も多い。企業も参加しているプロジェクトでこうした議論が行われたこと自体、極めてポジティブにとらえられている。

 伊藤レポートは企業、投資家それぞれに様々な課題解決を迫っているが、特に企業への要求は大きい。それにもかかわらず、・・・

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2014/12/05 日本株上昇の背景にあるもの(会員限定)

 マクロ経済指標の低迷にもかかわらず、日本株の上昇が続いている。海外投資家の資金もかなり流入しているものとみられる。

 なぜ海外投資家は日本企業を買ってくるのだろうか。その理由の1つとして挙げられるのが、日本のコーポレートガバナンス改革への期待だ。今年(2014年)2月にはスチュワードシップ・コード、8月には伊藤レポートが作成され、さらに、現在はコーポレートガバナンス・コードが検討されている。これらの議論には企業はもちろん機関投資家なども参加し、様々な立場の人々がそれぞれの利害関係を越え、現在日本が置かれている厳しい現状に危機感を持って、知恵を出し合っている。

 このうち伊藤レポートについて海外投資家に話を聞くと、非常に肯定的な反応が返ってくる。それどころか、企業、投資家、官庁が一体となってこのようなレポートを発表したこと自体、驚きとしてとらえられている。2年前、現在のような日本の改革の動きを予想した海外投資家はいないのではないだろうか。こうした驚きが、日本企業への期待につながり、株価上昇の一因になっていると分析する向きも多い。

 また、海外投資家の中には、伊藤レポートが「ROE8%」を提言したことを評価している者も多い。企業も参加しているプロジェクトでこうした議論が行われたこと自体、極めてポジティブにとらえられている。

 社外取締役を多数選任している海外の企業にその理由を聞くと、「規則だから」という回答が返ってくることがある。一方、日本では、現在検討されているコーポレートガバナンス・コードにより独立社外取締役の複数選任が求められる前から、“自主的”に複数の社外取締役を選任するなど、コーポレートガバナンスの強化を図る企業も少なくない。日本企業にこうした自己変革への努力が見られることが、海外投資家が日本株を買ってくるもう1つの理由と言えそうだ。