2024/03/11 株価上昇の理由の一つに 日本企業のコーポレートガバナンスは本当に改善している?

先週の3月4日、日経平均株価がとうとう終値で4万円台に乗り、史上最高値を更新した。外国人投資家が、積極的に日本株を評価している。その理由の一つのとして、日本企業のコーポレートガバナンスの改善が挙げられている。確かに、独立社外取締役の増加などの進歩は見られる。日本取締役協会によると、取締役会に占める独立社外取締役の割合が過半数を占める企業(東証1部/東証プライム 以下同)の割合は2014年(東証1部)の1.4%から2023年(東証プライム)の16.0%に、「3分の1から半数」を占める企業の割合は2014年の8.2%から2023年の80.0%にそれぞれ増加している(日本取締役協会「上場企業のコーポレート・ガバナンス調査」6ページ参照)。また、アジア・コーポレート・ガバナンス協会(ACGA)のアジア・パシフィックのコーポレートガバナンス・ランキングでは、日本は2020年の5位から2023年にはオーストラリアに次いで2位と、ランキングを大きく上げている(2023年12月18日のニュース「ACGAの最新コーポレートガバナンス・ランキングで日本が2位に急上昇した背景」参照)。


ACGA : 英語の正式名称は「Asian Corporate Governance Association」で、香港を拠点とし、アジアに投資するグローバルな機関投資家の団体である。ACGAの会員となっている機関投資家の資産総額は40兆米ドルに達しており、日本の規制当局に対しても強い発言力を持っている。ACGAによるアジア諸国の「コーポレートガバナンス・ランキング」を含むコーポレートガバナンスに関する調査結果「CG Watch」には、資本市場関係者や規制当局も高い関心を持っている。

ただ、これまで多くの批判に晒されてきた日本企業のコーポレートガバナンスが、本当に株価を押し上げる要因となるほど改善したのであろうか。・・・

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2024/03/11 株価上昇の理由の一つに 日本企業のコーポレートガバナンスは本当に改善している?(会員限定)

先週の3月4日、日経平均株価がとうとう終値で4万円台に乗り、史上最高値を更新した。外国人投資家が、積極的に日本株を評価している。その理由の一つのとして、日本企業のコーポレートガバナンスの改善が挙げられている。確かに、独立社外取締役の増加などの進歩は見られる。日本取締役協会によると、取締役会に占める独立社外取締役の割合が過半数を占める企業(東証1部/東証プライム 以下同)の割合は2014年(東証1部)の1.4%から2023年(東証プライム)の16.0%に、「3分の1から半数」を占める企業の割合は2014年の8.2%から2023年の80.0%にそれぞれ増加している(日本取締役協会「上場企業のコーポレート・ガバナンス調査」6ページ参照)。また、アジア・コーポレート・ガバナンス協会(ACGA)のアジア・パシフィックのコーポレートガバナンス・ランキングでは、日本は2020年の5位から2023年にはオーストラリアに次いで2位と、ランキングを大きく上げている(2023年12月18日のニュース「ACGAの最新コーポレートガバナンス・ランキングで日本が2位に急上昇した背景」参照)。


ACGA : 英語の正式名称は「Asian Corporate Governance Association」で、香港を拠点とし、アジアに投資するグローバルな機関投資家の団体である。ACGAの会員となっている機関投資家の資産総額は40兆米ドルに達しており、日本の規制当局に対しても強い発言力を持っている。ACGAによるアジア諸国の「コーポレートガバナンス・ランキング」を含むコーポレートガバナンスに関する調査結果「CG Watch」には、資本市場関係者や規制当局も高い関心を持っている。

ただ、これまで多くの批判に晒されてきた日本企業のコーポレートガバナンスが、本当に株価を押し上げる要因となるほど改善したのであろうか。結論から言えば、過去10年間を振り返ると、日本企業のコーポレートガバナンスが改善してきたのは間違いないが、この数年で改善の度合いが加速しているわけではなく、依然大きな問題を抱えているというのが実状だ。2014年にスチュワードシップ・コード、2015年にコーポレートガバナンス・コードが導入され、そこから日本企業のコーポレートガバナンスの本格的な改善が始まり、毎年徐々に前進しつつも、いまだ発展途上にある。

ACGAのコーポレートガバナンス・ランキングで日本が急激に順位を上げているのは、特殊要因による。まず、これまでの日本の順位(2018年7位、2020年の5位)は“過小評価”されていたと言える。特に2018年当時は、評価方法としてあまりにも法制度(ハードロー)による規制が強調されたため(2018年12月13日のニュース「ACGAが付けた日本のCGランキングに機関投資家から批判の声」参照)、ソフトローが中心の日本は厳しい評価を受けた。今回の2023年の評価では、こうしたバイアスが修正されたと見てよい。

また、これまで高く評価されてきた香港が、中国本土の影響の高まりから大きく順位を落としたことも、日本が相対的に順位を上げた要因となっている。結局、外国人投資家による日本企業のコーポレートガバナンスへの高い評価は、日本株を買うために探してきた“理由”に過ぎない。

では、日本企業のコーポレートガバナンスで残された課題とは何か言えば、それは「指名委員会」および「報酬委員会」であると考えられる。東証によれば、指名委員会、報酬委員会、監査委員会の3委員会の設置が法的に義務付けられた指名委員会等設置会社を採用しているのは、2022年のデータで、東証プライム市場上場企業の3.9%に過ぎない。東証プライム市場で任意で指名委員会を設置している企業は79.7%、任意で報酬委員会を設置している企業は81.6%に上っており(東証(2022年)「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況」11ページ参照)、表面的には、東証プライム市場上場企業の多くは、3委員会を有していることになる。しかし、任意の委員会の決定には法的拘束力はない。もちろん、任意の委員会であっても、企業努力により各委員会が機能している事例もある。逆に、指名委員会等設置会社であっても、指名委員会や報酬委員会に問題がある企業もある。しかし、やはり任意の委員会は、結局のところ、CEOの決定にお墨付き与える存在に過ぎないということは否定できない。

もし、本気でコーポレートガバナンスを改善するのであれば、わざわざ任意の委員会を設置するのではなく、指名委員会等設置会社を選択する方が外国人投資家にとっても分かりやすいのは間違いない。今後、日本企業で3委員会の機能が発揮されるようになれば、本当の意味で日本企業のコーポレートガバナンスが改善されたと評価されることになろう。

2024/03/08 【Webセミナー】『建設的な「株主との対話」を目指して』

概略

【WEBセミナー公開開始日】2024年3月8日

建設的な「株主との対話」は、企業価値向上に向けた上場企業の幹部・取締役の基本的かつ重要な役割の一つです。本ウェビナーは、まず基調講演として、IR/SRのエキスパートであり大手企業の独立社外役員としてもご活躍されている浜辺真紀子様をお招きし、建設的な「株主との対話」に向けた重要ポイントを分かり易く解説して頂きます。基調講演では、上場企業における「対話=IR」の目的、投資家の分類とターゲティング、株主開拓における留意点、機関投資家・アナリストの注目する経営指標、中期経営計画の意味、対話におけるポイント、アクティビストに狙われないための体質作りなど、豊富なご経験に基づく実践的なアドバイスを頂きます。続くパネルディスカッションでは、アリアンツ・グローバル・インベスターズの日本株CIO(最高投資責任者)である中塚浩二様に加わって頂き、グローバル機関投資家から見た日本企業の現状や課題、今後の注目点について議論を深めて頂きます。資本市場の最前線で活躍するプロフェッショナルが講師を務める本ウェビナーは、上場企業役員の皆様が企業価値向上に向けた実践的な知見を得る貴重な機会となるでしょう。

【講師】
浜辺真紀子事務所(IR/ESG コンサルティング)代表、(株)大塚商会 独立社外取締役、日本マクドナルドホールディングス(株)独立社外監査役、Morrow Sodali Japan シニアアドバイザー
浜辺 真紀子(はまべ まきこ)様

アリアンツ・グローバル・インベスターズ日本株CIO(最高投資責任者)、シニア・ポートフォリオ・マネジャー
中塚 浩二(なかつか こうじ)様

(モデレーター)
Morrow Sodali Japan 価値創造戦略コンサルティング担当ディレクター
古木 謙太郎(こぎ けんたろう)様

セミナー資料 建設的な「株主との対話」を目指して.pdf
セミナー動画

建設的な「株主との対話」を目指して

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2024/03/08 【WEBセミナー】建設的な「株主との対話」を目指して(会員限定)

概略

【WEBセミナー公開開始日】2024年3月8日

建設的な「株主との対話」は、企業価値向上に向けた上場企業の幹部・取締役の基本的かつ重要な役割の一つです。本ウェビナーは、まず基調講演として、IR/SRのエキスパートであり大手企業の独立社外役員としてもご活躍されている浜辺真紀子様をお招きし、建設的な「株主との対話」に向けた重要ポイントを分かり易く解説して頂きます。基調講演では、上場企業における「対話=IR」の目的、投資家の分類とターゲティング、株主開拓における留意点、機関投資家・アナリストの注目する経営指標、中期経営計画の意味、対話におけるポイント、アクティビストに狙われないための体質作りなど、豊富なご経験に基づく実践的なアドバイスを頂きます。続くパネルディスカッションでは、アリアンツ・グローバル・インベスターズの日本株CIO(最高投資責任者)である中塚浩二様に加わって頂き、グローバル機関投資家から見た日本企業の現状や課題、今後の注目点について議論を深めて頂きます。資本市場の最前線で活躍するプロフェッショナルが講師を務める本ウェビナーは、上場企業役員の皆様が企業価値向上に向けた実践的な知見を得る貴重な機会となるでしょう。

【講師】
浜辺真紀子事務所(IR/ESG コンサルティング)代表、(株)大塚商会 独立社外取締役、日本マクドナルドホールディングス(株)独立社外監査役、Morrow Sodali Japan シニアアドバイザー
浜辺 真紀子(はまべ まきこ)様

アリアンツ・グローバル・インベスターズ日本株CIO(最高投資責任者)、シニア・ポートフォリオ・マネジャー
中塚 浩二(なかつか こうじ)様

(モデレーター)
Morrow Sodali Japan 価値創造戦略コンサルティング担当ディレクター
古木 謙太郎(こぎ けんたろう)様

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建設的な「株主との対話」を目指して

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2024/03/07 サステナ情報の「保証制度」導入へ金商法改正視野、保証の担い手は監査法人に限定しない方向

周知のとおり、日本では、2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の一部が開示されているが、個別具体的な開示基準は現時点では存在しない。こうした中、日本のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)は現在「サステナビリティ開示基準」の策定を進めており、遅くとも2024年3月末には公開草案を公表し、その後同年7月末頃まで意見募集を行ったうえで、2025年3月末までの最終化を予定している。


SSBJ : 日本における非財務開示の基準を作成する団体。IFRS(国際財務報告基準)の母体であるIFRS財団が「国際サステナビリティ基準審議会(ISSB=International Sustainability Standards Board)」を設立し、非財務開示の国際的な基準「サステナビリティ報告基準」を策定することを受け、日本では財務会計基準機構(FASF)が母体となり、IFRS財団におけるISSBに相当するSSBJ(Sustainability Standards Board of Japan)が2022年7月1日に設立された。

一方、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は既に昨年6月にはサステナビリティ関連財務情報の開示基準であるS1基準およびS2基準(以下、国際的なサステナビリティ情報の開示基準)を最終化している。日本のサステナビリティ開示基準が国際的なサステナビリティ情報の開示基準と同水準のものとなった場合、・・・


ISSB : International Sustainability Standards Board(国際サステナビリティ基準審議会)」の略称。資本市場向けのサステナビリティ開示の包括的なグローバル・ベースラインを開発するため、IFRS財団が2021年11月に設立した団体。
S1基準 : 全般的なサステナビリティ関連開示の要求事項を定めたもの。
S2 : 気候関連開示の要求事項を定めたもの。

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2024/03/07 サステナ情報の「保証制度」導入へ金商法改正視野、保証の担い手は監査法人に限定しない方向(会員限定)

周知のとおり、日本では、2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の一部が開示されているが、個別具体的な開示基準は現時点では存在しない。こうした中、日本のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)は現在「サステナビリティ開示基準」の策定を進めており、遅くとも2024年3月末には公開草案を公表し、その後同年7月末頃まで意見募集を行ったうえで、2025年3月末までの最終化を予定している。


SSBJ : 日本における非財務開示の基準を作成する団体。IFRS(国際財務報告基準)の母体であるIFRS財団が「国際サステナビリティ基準審議会(ISSB=International Sustainability Standards Board)」を設立し、非財務開示の国際的な基準「サステナビリティ報告基準」を策定することを受け、日本では財務会計基準機構(FASF)が母体となり、IFRS財団におけるISSBに相当するSSBJ(Sustainability Standards Board of Japan)が2022年7月1日に設立された。

一方、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は既に昨年6月にはサステナビリティ関連財務情報の開示基準であるS1基準およびS2基準(以下、国際的なサステナビリティ情報の開示基準)を最終化している。日本のサステナビリティ開示基準が国際的なサステナビリティ情報の開示基準と同水準のものとなった場合、そのまま法定開示に取り入れられる可能性が高い。すなわち、SSBJの開発するサステナビリティ開示基準に基づく開示項目が有価証券報告書において開示されるということだ。有価証券報告書での開示にあたっては、当然ながら開示府令も改正されることになる。


ISSB : International Sustainability Standards Board(国際サステナビリティ基準審議会)」の略称。資本市場向けのサステナビリティ開示の包括的なグローバル・ベースラインを開発するため、IFRS財団が2021年11月に設立した団体。
S1基準 : 全般的なサステナビリティ関連開示の要求事項を定めたもの。
S2 : 気候関連開示の要求事項を定めたもの。

ここで問題となるのが、有価証券報告書に開示された気候変動等のサステナビリティ情報の正確性をいかにして担保するのかという点だ。日本企業の中には、現在でも任意でサステナビリティ情報に対する保証を行っているところが少なくないが、あくまで“任意”の保証であり、法的な裏付けがあるわけではない。こうした中、2月19日に開催された金融庁の金融審議会総会では、鈴木俊一金融担当大臣により「サステナビリティ情報に係る昨今の国際的な動向や要請を踏まえ、我が国資本市場の一層の機能発揮に向け、投資家が中長期的な企業価値を評価し、建設的な対話を行うに当たって必要となる情報を、 信頼性を確保しながら提供できるよう、同情報の開示やこれに対する保証のあり方について検討を行うこと」との諮問が行われた。これを受け金融審議会では、「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ(仮称)」(以下、サステナビリティWG)を設置し、今後1年程度かけて、SSBJが開発中のサステナビリティ開示基準に規定された開示項目を有価証券報告書に取り込むとともに、開示された情報に対する第三者保証のあり方について検討するという。

サステナビリティ情報の開示にあたって最大の課題となる第三者保証では、担い手、保証基準・範囲・水準、制度整備等が論点となる。海外の状況を見ると、国際監査・保証基準審議会(IAASB=International Auditing and Assurance Standards Board)は昨年8月にサステナビリティ保証に関する新基準の公開草案を公表し、今年9月を目途に最終決定する予定。また、国際会計士倫理基準審議会(IESBA=The International Ethics Standards Board for Accountants)は倫理規則の改正を今年12月頃までに最終化するとしている。


IAASB : 国際的に統一された監査の基準であるISA(international standards on auditing=国際監査基準)を策定している会議体。
IESBA : 職業会計士の倫理規程(Code of Ethics for Professional Accountants)を制定する独立基準設定審議会。

注目されるのは、保証業務の提供者は監査人に限定しないのが海外の潮流となっている点。保証の水準については、欧州では2024会計年度より順次「限定的保証」とし、その後「合理的保証」へと移行することになっている。米国では、スコープ1・2について、2024会計年度より順次限定的保証とし、2026会計年度より合理的保証を要求する予定だ。


合理的保証 : 合理的保証とは、結論を表明する基礎として、業務実施者が保証業務リスクを個々の業務の状況において受入可能な低い水準に抑えた保証業務であり、限定的保証よりも保証水準が高いとされる。
スコープ1・2 : スコープ1 : 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出のこと。 スコープ2 : 他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う温室効果ガスの間接排出のこと。 スコープ3 : 事業者自ら排出している温室効果ガス(二酸化炭素等)であるScope1、Scope2以外の間接排出、具体的には「事業者の活動に関連する他社」による温室効果ガスの排出のこと。

上述のとおり、日本でも既に任意でサステナビリティ情報に対する保証を行っている企業は少なくないが、金融庁によると、日経225企業のうち保証を付けているのは65%で、このうち54%は監査法人や監査法人系コンサル会社等以外のISO認証機関等が占めているという。諸外国の例を踏まえれば、日本でも保証業務の提供者は監査法人に限定しないこととされる可能性が高い。

合理的保証は監査と同様のものであり、仮に日本でも欧米のように保証水準を合理的保証とする(監査証明と同様の仕組みを導入する)のであれば、金融商品取引法の改正は必須となってくる(有価証券報告書での開示のみであれば、開示府令を改正することで実現する)。サステナビリティ情報の開示と保証を同じタイミングで導入するかどうかも、サステナビリティWGの検討課題となろう。

なお、サステナ開示基準に基づく有価証券報告書の開示の強制適用時期(金融庁が決定)は、SSBJが同基準を2025年3月に最終化することを予定しているため、早くても2026年3月期からとなりそうだ。ただし、SSBJは、日本版S1基準およびS2基準を“同時に”適用することを条件に、「公表日以後終了する年次報告期間に係るサステナビリティ関連財務開示」から適用することができるとしているため(例えば、日本版S2基準のみの早期適用は不可)、2025年3月期からの早期適用は認められる。すなわち、今から約1年後の2025年3月期の有価証券報告書や統合報告書において、SSBJのサステナビリティ開示基準に基づく情報を開示することが可能となる。既に昨年6月に最終化されている国際的なサステナビリティ情報の開示基準に遅れをとらないようにすることや、欧米等で事業を行う日本企業への配慮と言えそうだ。

2024/03/06 WEBセミナー『「企業買収における行動指針」の概要』配信開始!

新型コロナウイルス禍において会員の皆様に必要な情報をいち早くお届けするべく、2024年3月6日(水)より下記のWEBセミナーの配信を開始いたしました。

テーマ 講師
「企業買収における行動指針」の概要 TMI 総合法律事務所
パートナー弁護士  岡部 洸志

■WEBセミナーの詳細

セミナー
の内容
かつて相次いだ国内での大型業界再編から、近年は、海外企業に対するM&Aの増加、当初の買収提案を契機とした第三者からの対抗提案の提示へと、企業買収の形は大きく変容しています。また、買収防衛策の導入・継続に対する機関投資家の反対率の増加とそれに伴う導入企業数の減少、買収防衛策に基づく対抗措置の発動事例やその差止めを巡る裁判例の蓄積など、企業買収を巡る環境にも大きな変化が起きています。こうした中、経済産業省は2022年11月に「公正な買収の在り方に関する研究会」を設置し、上場会社の経営支配権を取得する買収を巡る当事者の行動の在り方を中心に、M&Aに関する公正なルール形成に向けて経済社会において共有されるべき原則論及びベストプラクティスについて検討を重ねて来ました。こうして昨年取りまとめられ、公表されたのが「企業買収における行動指針」です。
本セミナーでは、金融庁および経済産業省への出向経験を有し、金融庁では公開買付規制等の業務に従事、経済産業省では「公正なM&Aの在り方に関する指針」の策定に関与した経験を有するTMI 総合法律事務所 パートナー弁護士の岡部 洸志 様に、「企業買収における行動指針」が取りまとめられた経緯や過去の指針・ガイドラインとの関係などを踏まえつつ、買収提案を巡る取締役・取締役会の行動規範や、買収への対応方針・対抗措置など同指針の内容を解説していただきます。
講師のご紹介 岡部 洸志(おかべ こうじ)様
TMI 総合法律事務所 パートナー弁護士
2013年1月にTMI総合法律事務所入所。2017年7月から金融庁企画市場局企業開示課勤務を経て、2019年10月にTMI総合法律事務所に復帰。2023年1月 TMI総合法律事務所 パートナー就任。
金融庁への出向中は、公開買付規制、大量保有報告規制、発行開示規制、コーポレート・ガバナンスに関連する業務に従事。また、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する研究会」にオブザーバーとして参加し、「公正なM&Aの在り方に関する指針」の策定に関与した。
金融庁への出向を通じて得た知見と経験から、上場会社のM&Aやエクイティ・ファイナンス案件を数多く担当。特に、MBOや支配株主による従属会社買収を中心に、公開買付けの案件を数多く取り扱っているほか、コーポレート・ガバナンス、アクティビスト対応、アライアンス(提携)、商事関連争訟、支配権・経営権争い等を専門とする。
<連絡先E-mail> koji_okabe@tmi.gr.jp

会員の方は下記URLよりWEBセミナーを視聴いただくことができます。
■会員向けURL(ログインが必要です)
/member/webseminar-webseminar-l/72444/

非会員の方は下記URLよりWEBセミナーの視聴をお申込みいただけます。
■非会員向けURL(グーグルフォームが立ち上がります)
https://forms.gle/aKwD16ox9VFGir5e8

<収録月>
2024年3月

<収録時間>
1 時間 5分

<視聴環境>
ブラウザー上で視聴できます。インターネットエクスプローラー、エッジで再生できない場合は、ChromeまたはFirefoxなど他のブラウザーをお試しください。また、インターネットに接続する際にプライベートネットワークやプロキシサーバーを経由している場合やファイアーウォールのセキュリティレベルが高い場合には、サンプル動画が再生されない可能性があります。
万が一、こちらのサンプル動画が再生されない場合、端末を管理するシステム管理者にお問い合わせください。

2024/03/06 【WEBセミナー】「企業買収における行動指針」の概要

概略

【WEBセミナー公開開始日】2024年3月6日

かつて相次いだ国内での大型業界再編から、近年は、海外企業に対するM&Aの増加、当初の買収提案を契機とした第三者からの対抗提案の提示へと、企業買収の形は大きく変容しています。また、買収防衛策の導入・継続に対する機関投資家の反対率の増加とそれに伴う導入企業数の減少、買収防衛策に基づく対抗措置の発動事例やその差止めを巡る裁判例の蓄積など、企業買収を巡る環境にも大きな変化が起きています。こうした中、経済産業省は2022年11月に「公正な買収の在り方に関する研究会」を設置し、上場会社の経営支配権を取得する買収を巡る当事者の行動の在り方を中心に、M&Aに関する公正なルール形成に向けて経済社会において共有されるべき原則論及びベストプラクティスについて検討を重ねて来ました。こうして昨年取りまとめられ、公表されたのが「企業買収における行動指針」です。
本セミナーでは、金融庁および経済産業省への出向経験を有し、金融庁では公開買付規制等の業務に従事、経済産業省では「公正なM&Aの在り方に関する指針」の策定に関与した経験を有するTMI 総合法律事務所 パートナー弁護士の岡部 洸志 様に、「企業買収における行動指針」が取りまとめられた経緯や過去の指針・ガイドラインとの関係などを踏まえつつ、買収提案を巡る取締役・取締役会の行動規範や、買収への対応方針・対抗措置など同指針の内容を解説していただきます。

【講師】
TMI 総合法律事務所
パートナー弁護士  岡部 洸志

セミナー資料 「企業買収における行動指針」の概要.pdf
セミナー動画

1.指針策定の経緯と位置づけ

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2.指針のポイント(第1章から第3章まで)

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3.指針のポイント(第4章以降)、公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告

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2024/03/06 【WEBセミナー】「企業買収における行動指針」の概要(会員限定)

概略

【WEBセミナー公開開始日】2024年3月6日

かつて相次いだ国内での大型業界再編から、近年は、海外企業に対するM&Aの増加、当初の買収提案を契機とした第三者からの対抗提案の提示へと、企業買収の形は大きく変容しています。また、買収防衛策の導入・継続に対する機関投資家の反対率の増加とそれに伴う導入企業数の減少、買収防衛策に基づく対抗措置の発動事例やその差止めを巡る裁判例の蓄積など、企業買収を巡る環境にも大きな変化が起きています。こうした中、経済産業省は2022年11月に「公正な買収の在り方に関する研究会」を設置し、上場会社の経営支配権を取得する買収を巡る当事者の行動の在り方を中心に、M&Aに関する公正なルール形成に向けて経済社会において共有されるべき原則論及びベストプラクティスについて検討を重ねて来ました。こうして昨年取りまとめられ、公表されたのが「企業買収における行動指針」です。
本セミナーでは、金融庁および経済産業省への出向経験を有し、金融庁では公開買付規制等の業務に従事、経済産業省では「公正なM&Aの在り方に関する指針」の策定に関与した経験を有するTMI 総合法律事務所 パートナー弁護士の岡部 洸志 様に、「企業買収における行動指針」が取りまとめられた経緯や過去の指針・ガイドラインとの関係などを踏まえつつ、買収提案を巡る取締役・取締役会の行動規範や、買収への対応方針・対抗措置など同指針の内容を解説していただきます。

【講師】
TMI 総合法律事務所
パートナー弁護士  岡部 洸志

セミナー資料 「企業買収における行動指針」の概要.pdf
セミナー動画

1.指針策定の経緯と位置づけ

2.指針のポイント(第1章から第3章まで)

3.指針のポイント(第4章以降)、公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告

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2024/03/05 経営トップの不祥事公表に物言う株主の影

上場会社で従業員による不正な経費精算が発覚しても、それが全て外部に公表されるとは限らない。不正金額が僅少であれば社内ルールに則って淡々と処分されるだけであり、利益にさほど影響がない事案まで逐一外部に公表することはないのが通常だ。しかし、経営トップによる不正経費精算となると話は変わってくる。株主目線からすれば、経営トップの不祥事は経営トップの資質を判断するためにすべて公表して欲しいと考えるのが当然だからだ。もっとも、経営トップによる経費の不適切利用だからといって、その内容や金額にかかわらずすべて公表しなければならないという開示ルールは存在しない。公表・非公表の線引きは悪質さの程度や金額的重要性などに応じて会社ごとの判断に委ねられているのが実状だが、不正に該当するかどうかの判断が難しかったり、金額が僅少であったり、あるいは返金されたことを理由に公表しないという苦渋の判断をした上場会社も少なくないものと思われる。

こうした中、自社の社長による不正の公表に踏み切ったのが、東証プライム市場に上場している・・・

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