2024/02/14 フリーランスとの付き合い方、変革が必須に

自社の製品の製造工程の一部や自社サービスのプログラムやコンテンツの開発などを個人の外注先に委託するケースは少なくない。また、円満退社して独立開業した元従業員に従来の業務の一部を委託するケースもよくある。業務だけでなく、福利厚生の一環から、英会話講師やマッサージ師と契約して定期的に来社してもらい、従業員が英会話レッスンやマッサージを受けられるように制度を整えている会社もある。こうした外注取引において、特に個人で業務を受託している者()は、フリーランスと呼ばれている。

会社形態にはしているものの、従業員がおらず、社長が一人で業務をこなしている場合も含む。農林漁業従事者は含まない。

内閣官房の調査によると、フリーランスは日本全体で少なくとも462万人いると言われている(2020年の調査)。組織のしがらみを嫌い、自由な働き方を求めて、会社勤めからフリーランスに転じる者も多い。ただ、フリーランスは対事業者との取引において交渉力に乏しいことから弱い立場に置かれがちであり、発注者から低報酬で無理難題を押し付けられる事例も少なくない。内閣官房の新しい資本主義実現会議事務局等が実施した「令和4年度フリーランス実態調査結果」によると、「発注者との取引の中で、次のようなあなたが納得できない行為を受けたことがありますか(複数回答可)」との設問に対して、「報酬の支払いが遅れた・期日に支払われなかった」と回答したフリーランスが11.8%、「あらかじめ定めた報酬を減額された」と回答したフリーランスが8.5%いた(48ぺージのQ1-1)。また、「発注者から納得できない行為を受けた場合、どのように対応しましたか」との設問に対して、32.6%のフリーランスが「そのまま受け入れた」と回答している(50ぺージのQ2)。

このように弱い立場に置かれがちなフリーランスだが、実態が労働者であると認められない限りは労働関係法令が適用されないため、法律上の保護が手薄となっており、フリーランスが安心して働くことができる環境の整備が急務となっている。こうした背景の下、フリーランスと事業者間の取引を適正化し、フリーランスが安心して働くことができるようにするため、・・・

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2024/02/14 フリーランスとの付き合い方、変革が必須に(会員限定)

自社の製品の製造工程の一部や自社サービスのプログラムやコンテンツの開発などを個人の外注先に委託するケースは少なくない。また、円満退社して独立開業した元従業員に従来の業務の一部を委託するケースもよくある。業務だけでなく、福利厚生の一環から、英会話講師やマッサージ師と契約して定期的に来社してもらい、従業員が英会話レッスンやマッサージを受けられるように制度を整えている会社もある。こうした外注取引において、特に個人で業務を受託している者()は、フリーランスと呼ばれている。

会社形態にはしているものの、従業員がおらず、社長が一人で業務をこなしている場合も含む。農林漁業従事者は含まない。

内閣官房の調査によると、フリーランスは日本全体で少なくとも462万人いると言われている(2020年の調査)。組織のしがらみを嫌い、自由な働き方を求めて、会社勤めからフリーランスに転じる者も多い。ただ、フリーランスは対事業者との取引において交渉力に乏しいことから弱い立場に置かれがちであり、発注者から低報酬で無理難題を押し付けられる事例も少なくない。内閣官房の新しい資本主義実現会議事務局等が実施した「令和4年度フリーランス実態調査結果」によると、「発注者との取引の中で、次のようなあなたが納得できない行為を受けたことがありますか(複数回答可)」との設問に対して、「報酬の支払いが遅れた・期日に支払われなかった」と回答したフリーランスが11.8%、「あらかじめ定めた報酬を減額された」と回答したフリーランスが8.5%いた(48ぺージのQ1-1)。また、「発注者から納得できない行為を受けた場合、どのように対応しましたか」との設問に対して、32.6%のフリーランスが「そのまま受け入れた」と回答している(50ぺージのQ2)。

このように弱い立場に置かれがちなフリーランスだが、実態が労働者であると認められない限りは労働関係法令が適用されないため、法律上の保護が手薄となっており、フリーランスが安心して働くことができる環境の整備が急務となっている。こうした背景の下、フリーランスと事業者間の取引を適正化し、フリーランスが安心して働くことができるようにするため、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下、フリーランス新法)が昨年(2023年)4月28日に成立している。フリーランス新法は今年(2024年)秋頃までの施行が予定されており(具体的な時期は現時点では未定)、施行までに残された時間は少ないだけに、フリーランスを外注先にしている、あるいは今後する可能性のある上場企業は、法律の内容を押さえておく必要がある。

フリーランス新法で保護されるフリーランスは「業務委託の相手方である事業者であって従業員(短時間・短期間等の一時的に雇用される者は含まれない)を使用しないもの」であり、同法における「業務委託」とは次に掲げる行為をいうとされている。

一 事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造(加工を含む)又は情報成果物の作成を委託すること
二 事業者がその事業のために他の事業者に役務の提供を委託すること(他の事業者をして自らに役務の提供をさせることを含む)

ここで注意したいのは、「会社形態にはしているものの、社長以外に他の役員や従業員がおらず、社長が一人で業務をこなしている者も新法で保護されるフリーランスに該当する」「従業員がいても短時間・短期間等の一時的に雇用される者であればカウントしない」という点だ。新規取引にあたり「法人だから新法で保護されるフリーランスではない」「従業員がいるから新法で保護されるフリーランスではない」と即断することなく、フリーランス新法で保護されるフリーランスかどうかの事前調査が必要になる。また、取引開始時には他の役員や従業員がいても、継続的に取引を続ける中で状況が変化し、他の役員が退任し従業員も退職して一人社長になるケースも珍しくない。したがって、上記の業務委託に該当する場合には、事前調査を省略して、すべてフリーランス新法の保護対象と同じ内容の取扱いをするようにしておくのが効率的と言える。

具体的に見てみよう。例えば、企業が自社サイトで用いる本社や工場の社屋、新製品、役員などの写真を撮影するため、個人のカメラマンに業務委託をしたとする。個人(従業員なし)のカメラマンはフリーランス新法で保護されるフリーランスに該当し、委託した業務の内容も上記の「役務の提供の委託」を満たすため、本業務委託はフリーランス新法の対象となる(下図の赤矢印)。一方、個人が家族写真の撮影を委託するケース(下図の上の青矢印)や不特定多数の者がカメラマンの自作写真集を購入するケース(下図の下の青矢印)はフリーランス新法の対象外となる。

カメラマンを例にしたフリーランス新法の適用範囲
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(内閣官房新しい資本主義実現本部事務局等が取りまとめた「フリーランス新法の説明資料」の5ページより引用

フリーランス新法施行後は、業務委託事業者はトラブルの未然防止のため「書面等による取引条件()の明示義務」を負うことになる(フリーランス新法3条)。すなわち、新法施行後は口頭だけで発注することは認められなくなるので要注意だ。しかも、この取引条件の明示は「直ちに」行わなければならないとされている。「令和4年度フリーランス実態調査結果」では「主な契約において、業務を開始する前に、依頼者から、取引条件が書面・メール・SNS・規約など形に残る方法(保存・記録可能な方法)で十分に示されていますか」との設問に対して「示されていない」と回答したフリーランサーが20.7%、「示されているが不十分である」と回答したフリーランサーが17.6%にものぼっており(33ページのQ1)、業務委託事業者にとっては対応の改善余地が大きい。新法施行までにフリーランスに業務委託する際の業務委託契約書や発注書の様式を見直すなど、発注体制を整備しておく必要がある。

 取引条件として、フリーランス新法3条1項には「特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日」が明記されており、今後公表される予定の政省令では、さらに「受託・委託者の名称、業務委託をした日、給付の提供場所、給付の期日など」も明記されることが見込まれている。

もっとも、取引条件の明示は必ずしも「書面」でなくてもよく、電子メールやSNSなどの「電磁的方法」によることもできる。むしろ、ペーパーレス化の進展により、「電磁的方法」の方が主流になってくる可能性もある。ただし、業務委託事業者が取引条件を電磁的方法により明示した場合、特定受託事業者(業務委託の相手方である事業者であって、「個人であって、従業員を使用しないもの」「法人であって、1名の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用しないもの(いわゆる「一人社長」)」のいずれかに該当するもの)から書面の交付を求められたときは、遅滞なく、書面を交付しなければならない(フリーランス新法3条2項)。

業務委託事業者が特定業務委託事業者(「個人であって従業員を使用する業務委託事業者」または「2名以上の役員があり、又は従業員を使用する法人の業務委託事業者」。すなわち、大企業や中小企業、従業員がいる個人事業者を指し、上場企業やその子会社は必ず特定業務委託事業者に該当する)に該当する場合には、さらに下記の義務を負うことになる。

特定業務委託事業者の負う義務
・期日における報酬支払(発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内)
・広告等での募集情報の的確表示
・ハラスメント(セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメント、パワーハラスメント)対策に係る体制整備

ハラスメント(セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメント、パワーハラスメント)対策は、労働法に基づき「労働者」を保護範囲としている会社が大半だろう。フリーランス新法施行後はハラスメント対策を労働法の適用を受けないフリーランスも享受できるよう、体制を整備する必要がある(下図参照)。なお、2022年6月に施行された改正公益通報者保護法で、契約中または契約終了後の業務委託先も新たに公益通報者保護法の保護対象になったため、既にフリーランスでも内部通報制度を利用できるようになっているはずだが、実際にフリーランスでも利用可能となっているかどうか、フリーランス新法の施行を待たずに早急に確認しておきたい。

フリーランス新法で特定業務委託事業者に求められるハラスメント対策
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(内閣官房新しい資本主義実現本部事務局等が取りまとめた「フリーランス新法の説明資料」の5ページより引用)

また、フリーランスとしては、当該ハラスメント対策の詳細を知らなければ制度を利用しようがない。したがって、既存の業務委託先であるフリーランスに対しては早急に、フリーランス新法施行後に新規に契約するフリーランスに対しては契約のタイミングで、フリーランスであっても従業員へのハラスメント対策と同じ制度(相談窓口)を利用できることを告知するのが望ましい。告知の手間を考えると、フリーランスとの契約書や発注書のひな型に相談窓口を記載しておくのも一案と言えよう。

フリーランス新法(5条1項、2項2号)では、特定業務委託事業者が継続的(具体的な期間については政令の公布待ち)に発注する場合は、下記の7つの行為を行ってはならないとされている(禁止行為)。

特定業務委託事業者が継続的に発注する場合に禁止される7つの行為
禁止行為 説解
受領拒否 フリーランスに責任がないのに、発注した物品等の受領を拒否すること。発注の取消し、納期の延期などで納品物を受け取らない場合も受領拒否に該当する。なお、事実上、特定業務委託事業者の支配下に置けば、検収の有無を問わず受領に該当する。
報酬の減額 フリーランスに責任がないのに、発注時に決定した報酬を発注後に減額すること。協賛金の徴収、原材料価格の下落など、名目や方法にかかわらない。
返品 フリーランスに責任がないのに、発注した物品等を受領後に返品すること。
買いたたき 発注する物品・役務等に通常支払われる対価に比べ著しく低い報酬を不当に定めること。通常支払われる対価とは、同種または類似品等の市価とされている。
購入・利用強制 フリーランスに発注する物品の品質を維持するためなどの正当な理由がないのに、発注事業者が指定する物(製品、原材料等)や役務(保険、リース等)を強制して購入、利用させること。
不当な経済上の利益の提供要請 発注事業者が自己のために、フリーランスに金銭や役務、その他の経済上の利益を不当に提供させ、それによってフリーランスの利益を不当に害すること。報酬の支払とは独立して行われる、協賛金などの要請が該当する。
不当な給付内容の変更、やり直し フリーランスに責任がないのに、発注の取消しや発注内容の変更を行ったり、受領した後にやり直しや追加作業を行わせる場合に、フリーランスが作業を行うに当たって負担する費用を発注事業者が負担しなかったりして、フリーランスの利益を不当に害すること。

「継続的な発注」という要件が加えられているのは、一般的に、契約期間が長くなればなるほど、発注事業者とフリーランスなどの受注事業者との間に経済的な依存関係が生じ、発注事業者から不利益な取扱いを受けやすい傾向にあるのが理由とされている(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)Q&Aの9ページを参照)。

また、特定業務委託事業者が継続的(具体的な期間については政令の公布待ち)に発注する場合は下記の義務も負う。

特定業務委託事業者が継続的に発注する場合に負う義務
・育児介護等と業務の両立に対する配慮
・中途解除等の予告

なお、上記の「配慮」に関して、具体的な考え方や対応の具体例について、今後厚生労働大臣が定める指針において明確化される予定。

ここまでフリーランス新法について説明してきたが、下請法との類似性も見受けられるところだ。しかし、下請法では下請事業者と親事業者の双方に「資本金基準」が設けられているが、フリーランス新法には資本金基準による制限はない。また、フリーランス新法では、下請法とは異なり、「自ら用いる役務」を他の事業者に委託する場合()も保護対象となる。すなわち、保護範囲はフリーランス新法の方が下請法よりも相当広くなっている点、留意が必要だ。

 例えば、運送会社が運送業務を外注する場合、下請事業者が役務を提供するのは親事業者の「取引先」であることから下請法の適用対象になりうるが、運送会社が自社の社屋の清掃業務を外注する場合は、下請事業者が親事業者に対して役務を提供することから、いわゆる「自家利用役務」に該当し、下請法の対象にはならない。

なお、特定受託事業者による違反行為を受けたフリーランスは、当該違反行為についてフリーランス・トラブル110番を経由するなどして、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省が今後設置する窓口に申告できる。行政機関は、その内容に応じて、違反事業者に対し、以下の対応をとることができる。
報告徴収・立入検査
・指導・助言
・勧告
・勧告に従わない場合の命令(50万円以下の罰金)や公表措置


報告徴収 : 事業者に対して報告を求めること。

フリーランス新法の政省令やガイドラインはいまだ公表されていないため、現状、新法への対応は「様子見」という企業が大半であろう。しかし、「ハラスメント対策に係る体制整備」については複数の社内規程にまたがる規程改正が必要になるはずであり、対応に時間がかかることが予想されるだけに、早めに取り掛かっておくべきだろう。

2024/02/13 コンテンツにアクセスできない場合の対応について

近年、海外から日本に対するサイバーアタックが急増していることを踏まえ、当フォーラムでは、当フォーラムWEBサイトのセキュリティに万全を期すため、海外のIPアドレスを経由したアクセスを一部制限しております。
当フォーラムWEBサイトのコンテンツにアクセスできないという事象が生じた会員様は、当フォーラム事務局までお問合せください。

jimukyoku@govforum.jp

2024/02/13 ISSの2024年版日本向け議決権行使助言基準に対する企業側の異論

2月1日に議決権行使助言会社ISSの「2024年版日本向け議決権行使助言基準」が公表されたが、一部の基準に対して企業側からは異論も聞かれる。以下、テーマごとに見ていこう。・・・

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2024/02/13 ISSの2024年版日本向け議決権行使助言基準に対する企業側の異論(会員限定)

2月1日に議決権行使助言会社ISSの「2024年版日本向け議決権行使助言基準」が公表されたが、一部の基準に対して企業側からは異論も聞かれる。以下、テーマごとに見ていこう。

●ROE基準
2024年度版から「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた対応」がなくなり、その結果、一時的に停止されていた「資本性が低く(過去5期平均の自己資本利益率[ROE]が5%を下回り)かつ改善傾向にない場合、経営トップである取締役に対して、原則として反対を推奨する」というROE基準が発動されることになった。2024年版への意見募集段階で、投資家、非投資家ともに基準の再発動を許容していたのは既報のとおり(2023年11月27日のニュース「ISSが2024年版ポリシー策定に向けオープンコメント募集、改定案が示唆する取締役会の独立性強化」参照)。


経営トップ : 社長や会長を指す。

このROE基準について、「ROE5%は最低水準であり、日本企業が目指すべきゴールとの位置づけではない」との注釈も維持されているが(5ページ脚注3参照)、これに対し企業側からは、ROEの過度な重視に対し、かねてから「社会貢献を意識した企業倫理、長期的志向での投資や人材育成などを通じた経営の安定化と持続的成長に基軸を置く日本企業の経営哲学にそぐわない」(関西経済連合会)との意見がある(関西経済連合会「未来投資会議における企業関連制度改革に関する意見」1ページ①参照)。このところ人的資本経営が重視されている中で、議論を呼びそうだ。

●取締役会の多様性
今回の改定では、「取締役会の多様性」に関する解説の充実が図られている点も目に付く。

ISSはまず、「女性の「社内」取締役の登用はいまだ進んでいない」との課題を挙げている。具体的には、女性の社内取締役を選任した日本企業はISS調査対象企業の12.4%に過ぎず「ここ数年で大きく増加した女性の社外取締役とは異なり、ほぼ変化が見られない」と指摘している(12ページ最終段落参照)。雇用機会均等法が施行されてからすでに38年が経過しており(脚注29)、「日本企業の経営幹部に女性が極端に少ないことを問題視する投資家もいる」と手厳しい。政府の女性役員登用目標や経団連のデータでも、女性の執行役員など執行部門のトップ層に女性が少ないことを指摘しており(内閣府男女共同参画局が2023年11月27日に公表した「企業における女性登用の加速化について」14ページ、経団連が2023年12月25日に公表した「上場企業役員ジェンダー・バランスに関する経団連会員企業調査結果」12ページ参照)、女性の社内登用を増やすべきとの問題意識は共通している。

一方でISSは、「監査役設置会社においても、従来は経営の『執行』が主な役割であった取締役会の役割が変化」したとの認識の下、経営の『監督』を主な役割とする指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社の取締役会と同様、社外取締役の3分の1以上であることを求めている(12ページの2段落目参照)。社外取締役の割合を高めるべきことを求めつつ、同じページで、女性の「社内」「取締役」を増やすべき、すなわち取締役会には社内人材も一定割合いるべきだというISSの考え方は矛盾をはらんでいるとの指摘が企業側にはある。

またISSは、「役員の性別を招集通知に開示することが望まれる」としている(13ページ参照)。「性別が開示されない場合、投資家は候補者の名前や写真に基づき判断せざるを得ない」とのことだが、脚注31で「開示する性別は生物学上の性別ではなく、自認している性別でもよい。役員が生物学上や自認している性別の開示を望まない場合は当然開示すべきではない」ともしている。役員が「生物学上や自認している性別の開示を望まない場合」への配慮はもっともだが、「招集通知に性別が開示されない場合、取締役会には女性がいないと性悪説に基づき判断する投資家も存在すると考えられる」(脚注33)と投資家に責任を押しつけるような記述もあり、ISSとしての見識が定まらないままに開示を「望むもの」としている姿勢に対して企業側からは批判とともに、むしろ性悪説をとる投資家には性別の開示を求めないとのスタンスを示すべきではないか、との意見も聞かれる。あるいは、例えば「取締役会提案の取締役候補者5名のうち2名は自認する性が男性以外である」といった工夫を示すべき、との意見もある。

●独立役員制度
今回追加された「独立役員制度」についての脚注への批判も少なくない。

周知のとおり、独立役員制度とは、東証が企業行動規範において「遵守すべき事項」として規定するもので、一般株主保護の観点から、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役又は社外監査役1名以上を「独立役員」として確保することを上場会社に求めるもの。上場会社には、独立役員の確保状況を確認するため「独立役員届出書」の提出を求めている。企業行動規範上の義務はあくまで「1名以上の独立役員の確保」であるため、要件に合致する社外役員が複数名存在する場合であっても、その全員を独立役員として届け出なければならないわけではない。

ISSは、「取締役や監査役の独立性の判断にあたり、独立役員として指定されているかは考慮しない」とする一方で(15ページの脚注37参照)、独立役員の要件は満たすがあえて独立役員には指定せず東証に独立役員としては届け出ない事例については、「独立役員としての指定を重視する投資家は独立役員ではない、つまり独立性がないと判断し、反対することが考えられる」(16ページの脚注40参照)としている。「独立役員として指定されているかは考慮しない」としておきながら、仮に基準を満たしていても届出がない独立役員については「独立性がないと判断し、反対することがある」と突き放しており、この姿勢に対し、企業側からは「投資家、事業会社双方に対するプロフェッショナルとしての責任感に疑問符が付く」との指摘がある。ただし、「しかし情報を必要とする投資家のために独立役員の情報を収集する」(15ページの脚注37参照)という、データプロバイダーとしての姿勢は評価されている。

●監査役・監査役会の英語名
ISSは、監査役・監査役会の英語名として「statutory auditor」「board of statutory auditors」を使うべきだとして、人事権や監督権を示唆する「supervisory」などの表現を用いることは避けることが望ましいとした。「監査役には取締役の選解任の権限や取締役への監督権限がなく、妥当性監査の権限があるかも不明確」だからだという(19ページの最終段落参照)。

昨年10月に刊行された「監査役の矜持」(岡田譲治・加藤裕則著/同文館出版)では、2012年8月に日本監査役協会が監査役・監査役会の英語名を「Audit & Supervisory Board Member」「Audit & Supervisory Board」と決めた経緯を、当時の協会長だった太田順司氏の思いだとして、氏の「監査役は違法性監査にとどまるべきではない。業務の妥当性にもどんどん踏み込むべきだ」との言葉を紹介し、「(監査役は)現在は妥当性監査の権限を持っているという共通認識があるようだ」(同書128ページ)と述べているが、ISSはこれとは真逆の判断を示しており、議論となろう。

●定款変更議案
定款変更議案について、ISSは「バーチャル『オンリー』型株主総会は、株主が物理的に出席する権利を奪う事となるため、肯定的に評価することは難しい」(21ページの脚注50)との表現を加えた。


バーチャル『オンリー』型株主総会: リアル株主総会を開催せず、全出席者が遠隔地からインターネット等で参加する株主総会。日本の会社法では、株主総会を招集するには、開催する「場所」を定めることを求めていることから(会社法298条1項1号)、実現は困難とされていたが、2021年6月19日より施行された改正産業競争力強化法において上場会社に限り会社法の特例として「場所の定めのない株主総会」の開催が可能となった。

これに対し企業側からは、ISSの議決権行使基準に基づいて議決権行使をする株主のうちどれだけが物理的に出席する意思があるのかについては疑問がある、との声が上がっている。

●株式報酬

 株式報酬についての解説に、「近年、株式報酬をはじめとする複数の役員報酬(例えば固定報酬枠、業績連動型報酬枠、株式報酬)をまとめて単一の議案として提案する事例が見られる。一般に投資家は複数の役員報酬のうち一つにでも反対する内容があれば、議案全体に反対せざるを得ない」として、「それぞれ個別の議案として提案する方が、株主の意見がより適切に反映される。また企業にとっても不要な反対票を避けることができる」との記述が加わった(25ページの最終段落~26ページ参照)。

この解説について企業側からは、複数の基準の組み合わせで経営陣に対する評価をすることで、経営に対する考え方を一体として示す場合、個別の議案として賛否を問うことにこだわれば、木を見て森を見ないことになる場合もある、との懸念の声が上がっている。

ISSと企業の考え方にこれだけの相違がある中、ISSが個別議案に対して実際にどのような判断をするのか、また、それを受けて、株主・投資家がどのように判断するのか、注目される。

2024/02/11 WEBセミナー『サステナビリティ経営時代の「株主との対話」を考える』配信開始!

2024年3月19日より下記のオンデマンド型のWEBセミナーを配信いたします。

テーマ 講師
サステナビリティ経営時代の「株主との対話」を考える 浜辺真紀子事務所(IR/ESG コンサルティング)代表、(株)大塚商会 独立社外取締役、日本マクドナルドホールディングス(株)独立社外監査役、Morrow Sodali Japan シニアアドバイザー
浜辺 真紀子(はまべ まきこ)様
キャピタル・グループ ESGスチュワードシップ・マネジャー
藤木 彩(ふじき あや)様
(モデレーター)
Morrow Sodali Japan 価値創造戦略コンサルティング担当ディレクター
古木 謙太郎(こぎ けんたろう)様

■WEBセミナーの詳細

セミナー
の内容
近年、サステナビリティに関する情報開示と株主との対話の重要性が急速に高まりつつあります。本ウェビナーは、IR/SRのエキスパートであり大手企業の独立社外役員としてご活躍される浜辺真紀子様をお招きし、上場企業に求められるサステナビリティ経営の本質と資本市場との対話のあるべき姿を分かり易く解説して頂きます。基調講演では、ESG/サステナビリティの基本的な考え方、上場企業にサステナビリティ経営が求められる理由、コーポレートガバナンスの本質、ESG投資の動向などの重要な論点について解説して頂きます。続くパネルディスカッションでは、著名なグローバル機関投資家であるキャピタル・グループにてESGスチュワードシップ・マネジャーとしてご活躍されている藤木彩様に加わって頂き、グローバル機関投資家としてのESGに対する考え方や方針、日本企業に対する期待についてお伺いします。企業のIR/SRとコーポレートガバナンスに精通した浜辺様とグローバル機関投資家としてエンゲージメントと議決権行使に豊富な経験を有する藤木様のディスカッションは、資本市場の要請に応えるサステナビリティ経営の実現に向けた貴重な洞察を提供してくれることでしょう。
講師のご紹介 浜辺 真紀子(はまべ まきこ)様
浜辺真紀子事務所(IR/ESG コンサルティング)代表、(株)大塚商会 独立社外取締役、日本マクドナルドホールディングス(株) 独立社外監査役、Morrow Sodali Japan シニアアドバイザー。チリ中央銀行、JP モルガン等を経て、ヤフー(現LINEヤフー(株))初の IR 専任者として入社。同社 SR (ステークホルダーリレーションズ)本部長、社長室長兼コーポレートエバンジェリスト、ディップ(株)執行役員、ソウルドアウト(株)独立社外取締役などを歴任。著書に「この1冊ですべてわかるIRの基本」(日本実業出版社 2023年)、「株主との対話ガイドブック」(中央経済社 2023 年)、「ヤフージャパン 市場との対話」(徳間書店 2018 年)など。
藤木 彩(ふじき あや)様
キャピタル・グループ、ESGスチュワードシップ・マネジャー。アジア太平洋地域のスチュワードシップ業務を担当。業界経験年数20年。2022年5月にキャピタル・グループ入社以前は、ブラックロック・ジャパンにてインベストメント・スチュワードシップ部ディレクターとして日本企業に対する議決権行使およびエンゲージメント(対話)を中心にスチュワードシップ業務に従事。日本証券アナリスト協会検定会員。東京オフィス在籍。
(モデレーター)
古木 謙太郎(こぎ けんたろう)様

Morrow Sodali Japan 価値創造戦略コンサルティング担当ディレクター

会員の方は下記URLよりWEBセミナーを視聴いただくことができます。
■会員向けURL(ログインが必要です)
/member/webseminar-webseminar-l/72566/

非会員の方は下記URLよりWEBセミナーの視聴をお申込みいただけます。
■非会員向けURL(グーグルフォームが立ち上がります)
https://forms.gle/1s289qszkHpx8tLk8

<収録月>
2024年3月

<収録時間>
1 時間 4分

<視聴環境>
ブラウザー上で視聴できます。インターネットエクスプローラー、エッジで再生できない場合は、ChromeまたはFirefoxなど他のブラウザーをお試しください。また、インターネットに接続する際にプライベートネットワークやプロキシサーバーを経由している場合やファイアーウォールのセキュリティレベルが高い場合には、サンプル動画が再生されない可能性があります。
万が一、こちらのサンプル動画が再生されない場合、端末を管理するシステム管理者にお問い合わせください。

2024/02/09 SSBJ基準の適用対象企業が大幅に減少

2023年3月期の有価証券報告書には「サステナビリティに関する考え方及び取組」欄が新設され、サステナビリティに関する開示が義務化されたものの、未だにサステナビリティに関する開示基準は存在しない。こうした中、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、国内のサステナビリティ開示基準の開発を進めており、2024年3月に同基準の公開草案を公表する予定だが、公表が目前に迫る中、・・・


SSBJ : 日本における非財務開示の基準を作成する団体。IFRS(国際財務報告基準)の母体であるIFRS財団が「国際サステナビリティ基準審議会(ISSB=International Sustainability Standards Board)」を設立し、非財務開示の国際的な基準「サステナビリティ報告基準」を策定することを受け、日本では財務会計基準機構(FASF)が母体となり、IFRS財団におけるISSBに相当するSSBJ(Sustainability Standards Board of Japan)が2022年7月1日に設立された。

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2024/02/09 SSBJ基準の適用対象企業が大幅に減少(会員限定)

2023年3月期の有価証券報告書には「サステナビリティに関する考え方及び取組」欄が新設され、サステナビリティに関する開示が義務化されたものの、未だにサステナビリティに関する開示基準は存在しない。こうした中、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、国内のサステナビリティ開示基準の開発を進めており、2024年3月に同基準の公開草案を公表する予定だが、公表が目前に迫る中、同基準の適用対象となる企業が当初の想定よりも大幅に少なくなることが判明した。


SSBJ : 日本における非財務開示の基準を作成する団体。IFRS(国際財務報告基準)の母体であるIFRS財団が「国際サステナビリティ基準審議会(ISSB=International Sustainability Standards Board)」を設立し、非財務開示の国際的な基準「サステナビリティ報告基準」を策定することを受け、日本では財務会計基準機構(FASF)が母体となり、IFRS財団におけるISSBに相当するSSBJ(Sustainability Standards Board of Japan)が2022年7月1日に設立された。

金融庁の金融審議会・ディスクロージャーワーキング・グループが2022年 12 月 27 日に公表した「ディスクロージャーワーキング・グループ報告」では、SSBJが策定するサステナビリティ開示基準を適用する企業の範囲を巡り、以下のとおり様々な意見が紹介されているが、「最終的に全ての有価証券報告書提出企業が必要なサステナビリティ情報を開示すること」が前提となっていた。

・国内で検討される開示基準に関し、市場区分や規模等に応じた段階的な対応を検討することが考えられる。
・サステナビリティは社会課題に関する事項であり市場区分等に関わらない。
ISSB の基準開発の中で「スケーラビリティ」が検討されていること等を踏まえて検討すべき。
・企業によって社会全体へのインパクトが異なることや様々な業態があること、企業負担の観点、欧米では企業規模に応じた段階的な適用が示されていることを踏まえると、我が国では、最終的に全ての有価証券報告書提出企業が必要なサステナビリティ情報を開示することを目標としつつ、今後、円滑な導入の方策を検討していく。
・国内及びグローバルでの比較可能性を確保する観点から、我が国における開示基準については、国内において統一的に適用しうる開示基準を策定するべき。
・「グローバル・ベースライン」となる ISSB の基準をゴールとせず、これをベースに我が国の開示基準を検討していくべき。法定開示である有価証券報告書には、このような統一的な開示基準を取り込んでいくことが考えられる。


ISSB : 「International Sustainability Standards Board(国際サステナビリティ基準審議会)」の略称。資本市場向けのサステナビリティ開示の包括的なグローバル・ベースラインを開発するため、IFRS財団が2021年11月に設立した団体。
スケーラビリティ : 適用可能性、企業の負荷軽減のためのメカニズムを意味する。

しかし、今週2月6日に開催された第30回サステナビリティ基準委員会では、出席した金融庁の担当者から「SSBJが策定中のサステナビリティ開示基準は、プライム市場上場企業全社又はプライム市場上場企業の一部を適用対象とすることを考えている。プライム市場以外の上場企業はTCFDなどのプリンシプルベースの基準を視野に入れながら今後状況を見て検討する」との発言があり、大きなサプライズとなった。


TCFD : 主要国の金融当局(中央銀行、金融監督当局、財務省)やIMF(国際通貨基金)、世界銀行、BIS(国際決済銀行)、OECD(経済協力開発機構)などで構成される国際的な金融システムの安定を目的とする組織である金融安定理事会(FSB)が設置した組織。TCFDとは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略である。TCFDが2017年6月に公表した最終提言は、気候変動リスクに関する情報開示のフレームワーク(枠組み)のグローバルスタンダードとなっている。
プリンシプルベース : 大まかな原理・原則だけを定め、細かな運用は現場の判断に任せるという規制方法のこと。プリンシプルベース(原則主義)の反意語は「ルールベース(細則主義)」である。

サプライズとなった理由は、前述のとおり、そもそもSSBJが開発しているサステナビリティ開示基準は、上場・非上場を問わず全ての有価証券報告書提出企業に適用されることを前提に策定が進められてきたからだ。今回の金融庁担当者の発言により、その前提が覆されたことになる。また、SSBJは公開草案公表時に、プライム市場上場企業又はプライム市場上場企業の一部が適用対象となることを前提とした基準である旨、明記することを表明した。

プライム市場上場企業は約1900社と全上場企業のおよそ半分であり、かなりの企業が適用対象から外れたことになる。もしプライム市場上場企業の一部にしか適用されないことになれば、その数はさらに減る。その場合、適用・非適用をどのような形で線引きするのか、注目される。プライム市場以外の上場企業にとってはサステナビリティ開示負担が減るという意味で朗報にも見えるが、上記の金融庁担当者の発言のとおり、SSBJの基準が適用されないだけで、例えばTCFDの開示基準などの何らかの基準に基づく開示は求められる方向であるだけに、こちらの詳細も気になるところ。本件は動きがあり次第、続報する。

2024/02/08 『建設的な「株主との対話」を目指して』のWEBセミナー配信のお知らせ

新型コロナウイルス禍において会員の皆様に必要な情報をいち早くお届けするべく、2024年3月8日(金)より下記のWEBセミナーの配信を開始いたしました。

テーマ 講師
建設的な「株主との対話」を目指して 浜辺真紀子事務所(IR/ESG コンサルティング)代表、(株)大塚商会 独立社外取締役、日本マクドナルドホールディングス(株)独立社外監査役、Morrow Sodali Japan シニアアドバイザー
浜辺 真紀子(はまべ まきこ)様

アリアンツ・グローバル・インベスターズ日本株CIO(最高投資責任者)、シニア・ポートフォリオ・マネジャー
中塚 浩二(なかつか こうじ)様

(モデレーター)
Morrow Sodali Japan 価値創造戦略コンサルティング担当ディレクター
古木 謙太郎(こぎ けんたろう)様

■WEBセミナーの詳細

セミナー
の内容
建設的な「株主との対話」は、企業価値向上に向けた上場企業の幹部・取締役の基本的かつ重要な役割の一つです。本ウェビナーは、まず基調講演として、IR/SRのエキスパートであり大手企業の独立社外役員としてもご活躍されている浜辺真紀子様をお招きし、建設的な「株主との対話」に向けた重要ポイントを分かり易く解説して頂きます。基調講演では、上場企業における「対話=IR」の目的、投資家の分類とターゲティング、株主開拓における留意点、機関投資家・アナリストの注目する経営指標、中期経営計画の意味、対話におけるポイント、アクティビストに狙われないための体質作りなど、豊富なご経験に基づく実践的なアドバイスを頂きます。続くパネルディスカッションでは、アリアンツ・グローバル・インベスターズの日本株CIO(最高投資責任者)である中塚浩二様に加わって頂き、グローバル機関投資家から見た日本企業の現状や課題、今後の注目点について議論を深めて頂きます。資本市場の最前線で活躍するプロフェッショナルが講師を務める本ウェビナーは、上場企業役員の皆様が企業価値向上に向けた実践的な知見を得る貴重な機会となるでしょう。
講師のご紹介 浜辺 真紀子(はまべ まきこ)様
浜辺真紀子事務所(IR/ESG コンサルティング)代表、(株)大塚商会 独立社外取締役、日本マクドナルドホールディングス(株) 独立社外監査役、Morrow Sodali Japan シニアアドバイザー。チリ中央銀行、JP モルガン等を経て、ヤフー(現LINEヤフー(株))初の IR 専任者として入社。同社 SR (ステークホルダーリレーションズ)本部長、社長室長兼コーポレートエバンジェリスト、ディップ(株)執行役員、ソウルドアウト(株)独立社外取締役などを歴任。著書に「この1冊ですべてわかるIRの基本」(日本実業出版社 2023年)、「株主との対話ガイドブック」(中央経済社 2023 年)、「ヤフージャパン 市場との対話」(徳間書店 2018 年)など。

中塚 浩二(なかつか こうじ)様
アリアンツ・グローバル・インベスターズ日本株CIO(最高投資責任者)、シニア・ポートフォリオ・マネジャー。2005年にアリアンツ・グローバル・インベスターズに入社。日本株CIOとして日本株チームを統括する他、集中投資戦略や小型株などオールキャップにわたる日本株戦略の運用を担当する。それ以前は、ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントにて中小型日本株投資信託の運用、シュローダー証券投信投資顧問にて中小型株のアナリストを担当。25年以上にわたり一貫して日本株に従事してきた経験を有する。上智大学法学部卒業。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定認定アナリスト。

(モデレーター)
古木 謙太郎(こぎ けんたろう)様

Morrow Sodali Japan 価値創造戦略コンサルティング担当ディレクター

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<収録月>
2024年3月

<収録時間>
1 時間 8 分

<視聴環境>
ブラウザー上で視聴できます。インターネットエクスプローラー、エッジで再生できない場合は、ChromeまたはFirefoxなど他のブラウザーをお試しください。また、インターネットに接続する際にプライベートネットワークやプロキシサーバーを経由している場合やファイアーウォールのセキュリティレベルが高い場合には、サンプル動画が再生されない可能性があります。
万が一、こちらのサンプル動画が再生されない場合、端末を管理するシステム管理者にお問い合わせください。

2024/02/08 ESG 格付機関等にさらなる規制の動きも

企業のESG 関連の情報を収集して評価するESG評価機関やESGデータ提供機関の信頼性が問われる中、日本の金融庁は2022 年12 月、世界各国に先駆けてESG評価・データ提供機関の行動規範をとりまとめたところだが(2022年6月27日のニュース「ESG評価・データ提供機関の行動規範、コンプライorエクスプレイン方式に」、「2022年11月22日のニュース「速報 ESG評価・データ提供機関の行動規範案の修正事項」参照)、将来的には以下・・・

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