既報のとおり、金融庁は2023年1月31日、「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」「コーポレートガバナンスに関する開示」などを盛り込んだ改正開示府令案を確定し、公布・施行したが(2023年2月2日のニュース『速報・改正開示府令 サステナビリティに関する考え方及び取組」の開示は早期適用可能に』参照)、改正開示府令への対応で多くの企業が頭を悩ませることになりそうなのが、・・・
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既報のとおり、金融庁は2023年1月31日、「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」「コーポレートガバナンスに関する開示」などを盛り込んだ改正開示府令案を確定し、公布・施行したが(2023年2月2日のニュース『速報・改正開示府令 サステナビリティに関する考え方及び取組」の開示は早期適用可能に』参照)、改正開示府令への対応で多くの企業が頭を悩ませることになりそうなのが、・・・
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既報のとおり、金融庁は2023年1月31日、「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」「コーポレートガバナンスに関する開示」などを盛り込んだ改正開示府令案を確定し、公布・施行したが(2023年2月2日のニュース『速報・改正開示府令 サステナビリティに関する考え方及び取組」の開示は早期適用可能に』参照)、改正開示府令への対応で多くの企業が頭を悩ませることになりそうなのが、女性活躍推進法等に基づく「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」(以下、3指標)の開示だ(いずれも【従業員の状況】において開示)。
この開示について、企業側からは以下のコメントが寄せられていた(コメント12参照)。ポイントは赤字の部分だ。要するに、全ての連結子会社の情報を集約するのには相当な手間がかかるうえに、女性活躍推進法では「事業年度終了後おおむね3カ月以内」に情報公開することが求められており、有価証券報告書を開示するタイミングと重なるため、当面は、「提出会社単独」あるいは「提出会社と主要な連結子会社のみ」の開示も認めて欲しい、というのが企業側の要望である。
| 「女性管理職比率」「男性の育児休業取得率」「男女間賃金格差」の開示は、女性活躍推進法による公表を行っている全ての連結子会社の情報を集約して記載する必要があり、多くの連結子会社を抱える企業には相当な負担となる。連結子会社が女性活躍推進法による公表を行っているかを確認し、必要な情報を集計し、網羅的かつ正確に開示を行うためには、相当の準備期間が必要であることから、企業の体制が整うまでの間は、提出会社単独での開示や、提出会社と主要な連結子会社のみの開示も許容いただきたい。女性活躍推進法では、事業年度終了後おおむね3か月以内に情報公開することが求められており、有価証券報告書の開示のタイミングと同様であるため、有価証券報告書において、開示対象となる提出会社及び全ての連結子会社の情報を集約・開示するのは難しいことに留意頂きたい。 |
これに対する金融庁の回答は以下のとおり。
| 女性活躍推進法等による公表義務の対象となる連結子会社のうち、有価証券報告書の提出日までに女性活躍推進法等による公表が行われず、後日公表予定である会社がある場合や、 提出会社において連結子会社の公表した情報の集約が困難である場合には、その旨と提出日までに記載可能な情報を記載した上で、後日、未記載分を追加するため、有価証券報告書の訂正を行うことが考えられます。 もっとも、改正開示府令の適用初年度の翌年度以降は、投資家へわかりやすく情報提供する観点から、有価証券報告書の提出時に連結子会社分もまとめて開示することが望ましいと考えられます。 |
上記コメントのとおり、金融庁は、①有価証券報告書の提出日までに女性活躍推進法等による公表が行われず、後日公表予定である会社がある場合や、 ②提出会社において連結子会社の公表した情報の集約が困難である場合、一旦は「その旨と提出日までに記載可能な情報を記載した上で」有価証券報告書を提出することを認めている。企業が注意しなければならないのは、その後の「後日、未記載分を追加するため、有価証券報告書の訂正を行うことが考えられます」との記述だ。要するに、有価証券報告書の提出日には「その時点で揃っている情報」を出したうえ、その時点では未記載となっていた情報は「後日、訂正報告書によって公表すべし」ということである。
訂正報告書を出せば株主・投資家にネガティブな印象を与えかねないため、上場企業としては提出を避けたいのは言うまでもない。企業側からはレビュテーションリスクを指摘する声とともに、「せめて来年の有価証券報告書まで待って欲しい」との要望が聞かれるが、金融庁は、3指標については開示府令の「記載上の注意」において「最近事業年度の提出会社及びその連結子会社それぞれにおける」情報を集約して記載する必要がある旨が明記されていることもあり((29)従業員の状況d、e、f参照)、企業側の要望は受け入れない方向。3指標の開示初年度においては、各社から訂正報告書の提出が相次ぐ可能性も否定できないだろう。
昨年来、世界経済全体の先行きの不透明感が増し、株価のボラティリティが高まりつつある。今後、仮にマーケット全体の株価が大幅に下落するような局面が訪れた場合、経営陣に付与している株式報酬についても、何らかの調整が必要になるのだろうか。欧米企業において、株価の下落局面で株式報酬を付与する際の懸念として度々指摘されているのが、「Windfall gain」と呼ばれる現象だ。
ボラティリティ : 変動率。「株価のボラティリティが高い」とは、株価が乱高下することを意味する。
Windfall gainとは、直訳すれば「風に吹かれて落ちてきた利益」であり、要するに「労せずして本来予想していなかった利益が得られること」を意味する。日本語に意訳する場合は「棚から牡丹餅」が当てられることが多い。株式報酬についてWindfall gainが発生するシチュエーションとしては以下のようなものが考えられる。
多くの欧米企業では、毎期、一定金額相当の株式報酬を経営陣に付与している。その際、付与する株式数は、「当該一定金額/付与時点の株式価値」により算出するのが一般的となっている。このため、株価が下がれば、その分、分母が小さくなり、付与される株式数は増えることになる。仮に株式を付与するタイミングで一時的にマーケット全体の株価が急落したとする(株価下落は自社の業績等とは関係がない)と、上記算式により、経営陣は平時より多くの株式を付与されることになる。その後、マーケット全体の株価が下落前の水準に戻った場合、経営陣は、労せずして多くの利益を得ることになる。これがWindfall gainである。
つまり、意図的かどうかにかかわらず、株式報酬を付与するタイミング次第では、安い株価で大量の株式を手に入れ、株価が上がったタイミングで巨額の利益を得る、といった現象が起こり得るということだ。もちろん、企業にとっては、キャッシュアウトを抑制しつつ、低コストで経営陣に巨額の報酬を付与できたことになるため、悪い話ではない。しかしながら、株主・投資家から見れば、マーケット全体の株価が下落前の水準に戻ったというだけの理由で経営陣が巨額の利益を得たうえに、株式を大量に発行することによる希薄化の問題も生じるため、好ましいことではない。
希薄化 : 1株当たりの価値が下がること。「希釈化」と同義。希薄化率は「新規発行株式数 / 既発行株式数」によって計算される。既存か部主からすれば、希薄化により一株当たり株主価値が低下するのみならず、議決権比率が低下し、投資先企業への影響力も薄まることになる。そこで、例えばある大手機関投資家は、株式報酬制度の導入に関する議案への賛成の条件として、「希薄化率が10%未満」であることを挙げている。発行済み株式数のみならず、今後実際の株式に転換される可能性のあるストックオプションや転換社債などまで含めた株式数をベースに計算された希薄化を「完全希薄化(Fully Diluted)」という。
過去を振り返っても、2008年~2009年頃にかけての金融危機の際、一部の金融機関の経営陣が暴落した株式価値をベースに多くの株式を付与され、その後、マーケット全体の株価が元の水準に戻った際に多額の利益を得たとして批判を受けている。こうした過去の経緯もあり、株主・投資家は、経営陣のWindfall gainには厳しい視線を注いできた。直近では、2020年の新型コロナウイルス流行の際にも、機関投資家などからWindfall gainへの懸念が示されていた。
では、Windfall gainを防ぐために企業が取り得る選択肢としてはどのようなものがあるのだろうか。実は、欧米でも未だ解決策が確立されているわけではないが、強いて挙げるとすれば、①事前の調整(株式報酬の付与時点)と、②事後の調整(株式報酬の権利確定時点)がある。
①事前の調整として最もシンプルなのは、「付与する株式の数を減らす」ということだ。しかしながら、多くの企業にとって、これは非常に勇気のいる選択となる。まず、株価下落局面においては、過去に経営陣に付与された株式報酬の価値も下がっており、かつ、業績の悪化により、業績連動報酬の支給率も低くなりがちである。そうなると、経営陣のリテンション(人材の維持)やインセンティブの観点からも、さらに報酬を減らす、という決断をすることは容易ではない。また、当然ながら、そもそも株価は先が読めない。すなわち、付与の時点では株価が今後上昇するのか下落するのか分からず、将来的にWindfall gainが起こるのかどうかということ自体が分からないということだ。付与時点で株価が底にあるという確信が持てるならば問題ないが、株価がさらに下落し、それが長期化するかもしれないという懸念を抱いた状態のまま、将来のWindfall gainに備えて付与する株式数を減らすという選択肢は取りづらいだろう。
上記以外の付与時における調整方法としては、付与する株式数の算定式(付与金額/付与時点の株式価値)の分母に使用する株式価値に(一時点の株価ではなく)「3か月」や「半年間」といった株価の平均値を用いる方法や、付与の回数を複数回に分けるなど、株価の変動によって生じる影響を最小限に抑えるための機械的なものに限られる。
一方、事後的には、より正確な調整を行うことが可能となる。例えば、付与から数年後、株式報酬の権利確定が近づき、いよいよWindfall gainが生じることが見込まれる場合には、報酬委員会において、株式報酬の権利確定割合の調整を検討することが考えられる。もっとも、経営陣が株式報酬によって得る利益のうち、どの部分がWindfall gainで、どの部分が経営陣の努力に対する正当な対価なのかを切り分けることは非常に難しい。そのため、事後的な裁量調整の程度については、各社の報酬委員会が議論して決めるしかない。機関投資家の多くも「各社の報酬委員会が対応を検討すべき」というスタンスをとっている。
以上のとおり、Windfall gainへの対応は難易度が高いが、逆に言うと、この問題の本質は非常に単純とも言える。すなわち、業績が上がっていないにもかかわらず(マーケット全体の株価上昇につられて)経営陣の報酬も上昇してしまい、その結果、Pay for Performance(業績に照らした報酬水準の妥当性)が崩れてしまっている、ということに尽きる。したがって、最も本質的な解決策としては、仮に株式報酬の価値が予想外に上がってしまったとしても文句を言われないよう業績を上げる、ということになる。
これまで、Windfall gainの問題は、報酬が高額で、かつ報酬全体に占める株式報酬の割合が大きい欧米企業において主に顕在化してきた。しかしながら、近年、一部の日本企業においては報酬の欧米化・高額化が徐々に進んでおり、株式報酬のボリュームも増えている。したがって、日本企業においても、今後、欧米企業と同様の批判が巻き起こる可能性もあるということは、頭の片隅に置いておく必要があろう。
不当な表示と過大な景品類の提供を防止することを目的として「不当景品類及び不当表示防止法」(以下、景品表示法)が1962年に制定されてから既に60年が経過した。景品表示法は、食材偽装事件などを受け、最近では2014年に改正され、一般消費者向けに「景品類の提供」もしくは「自己の供給する商品または役務」についての表示をする事業者による不当表示等を未然に防ぐために講ずべき管理上の措置が導入(2014年12月施行)されるとともに、優良誤認表示・有利誤認表示を行った事業者に対する課徴金制度も導入(2016年4月1日施行)された(課徴金制度の内容は【役員会 Good&Bad発言集】不当表示に対する課徴金制度 参照)。
優良誤認表示 : 商品・サービスの品質を実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝したりする行為。
有利誤認表示 : 商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝したりする行為。
近年、デジタル化の進展によりキャッシュレス決済が一般化し、消費者がインターネット広告に接する機会が増えるなど、景品表示法を取り巻く社会環境に大きな変化が生じている。また、景品表示法の違反業者の中には“確信犯”も少なくなく、こうした業者は違反を繰り返している。そこで、景品表示法を所管する消費者庁は、景品表示法を社会環境の変化に対応させるとともに、悪質な業者に厳正に対処できるようにするため、2022年3月、景品表示保護法の改正に向けて景品表示法検討会を設置、同年12月まで計10回の会合を開催して議論を重ね、その結果を2023年1月13日に報告書にとりまとめ公表したところ。報告書では景品表示法において早期に改正すべき課題が示されている。上場企業としては、今後法改正につながることも視野に入れ、場合によってはアクションを起こす必要がある。・・・
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不当な表示と過大な景品類の提供を防止することを目的として「不当景品類及び不当表示防止法」(以下、景品表示法)が1962年に制定されてから既に60年が経過した。景品表示法は、食材偽装事件などを受け、最近では2014年に改正され、一般消費者向けに「景品類の提供」もしくは「自己の供給する商品または役務」についての表示をする事業者による不当表示等を未然に防ぐために講ずべき管理上の措置が導入(2014年12月施行)されるとともに、優良誤認表示・有利誤認表示を行った事業者に対する課徴金制度も導入(2016年4月1日施行)された(課徴金制度の内容は【役員会 Good&Bad発言集】不当表示に対する課徴金制度 参照)。
優良誤認表示 : 商品・サービスの品質を実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝したりする行為。
有利誤認表示 : 商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝したりする行為。
近年、デジタル化の進展によりキャッシュレス決済が一般化し、消費者がインターネット広告に接する機会が増えるなど、景品表示法を取り巻く社会環境に大きな変化が生じている。また、景品表示法の違反業者の中には“確信犯”も少なくなく、こうした業者は違反を繰り返している。そこで、景品表示法を所管する消費者庁は、景品表示法を社会環境の変化に対応させるとともに、悪質な業者に厳正に対処できるようにするため、2022年3月、景品表示保護法の改正に向けて景品表示法検討会を設置、同年12月まで計10回の会合を開催して議論を重ね、その結果を2023年1月13日に報告書にとりまとめ公表したところ。報告書では景品表示法において早期に改正すべき課題が示されている。上場企業としては、今後法改正につながることも視野に入れ、場合によってはアクションを起こす必要がある。
報告書が早期に改正すべき課題としてトップに掲げているのが「確約手続の導入」だ(報告書13ページ)。確約手続とは、景品表示法に先行して独占禁止法では導入済み(2018年)のルールであり(独占禁止法上の確約手続(確約制度)については(新用語・難解用語)確約制度 参照)、公正取引委員会が独占禁止法に違反する疑いのある行為を行っている事業者に対して、疑いを持つ理由となった行為の概要等を事業者に通知し、通知を受けた事業者が疑いの理由となった行為を排除するために必要な措置に関する計画を作成して公正取引委員会に申請するというもの。そして、公正取引委員会が当該計画は法律上の要件を満たすと認定した場合、事業者は排除措置命令および課徴金納付命令を受けずに済むというメリットがある(独占禁止法における確約手続の詳細なフローはこちらを参照)。
排除措置命令 : 独占禁止法違反行為をした企業等に、速やかにその行為をやめさせ、市場における競争を回復させるために必要な措置を命じること。
課徴金 : カルテルの場合、「違反行為対象商品等の売上高」に対し、製造業の場合は10%、小売業の場合は3%、卸売業の場合は2%。
独占禁止法の確約手続は既に複数の適用例があり、効果を上げている。例えば、ラーメンチェーン店の一蘭の場合、同社の希望小売価格から割引きした価格による販売を行わないよう小売業者に要請し、これに同意した小売業者にのみ商品を供給するなど独占禁止法上の「再販売価格の拘束」(独占禁止法19条、同2条9項4号)に違反していたところ、消費者庁は2022年4月1日に確約手続に係る通知を行い、同年5月19日、同社からの申請に基づき当該確約計画を認定したことを公表している。
消費者庁が景品表示法への確約手続の導入を急ぐ背景には、行政側のリソース(マンパワー)不足がある。現行の景品表示法では、違反行為が認められれば措置命令または課徴金納付命令を下すことになるが、2016年4月、景品表示法に課徴金納付命令を可能とする課徴金制度が導入されたことにより、事件処理に要する期間が長期化している。そのため、意図せず結果的に不当表示を行ってしまい、表示の改善等自主的な取り組みを積極的に行おうという意欲があるような業者については、措置命令や課徴金納付命令に至る前に確約手続として処理できれば、行政側としては事件処理に要する期間を短縮できることに加え、上述のとおり違反事業者にとっても、排除措置命令および課徴金納付命令を受けなくて済むというメリットがある。そこで報告書では、景品表示法においても、独占禁止法と同様の確約手続を導入すべきであると結論付けている。行政および違反事業者双方にメリットがあるため、改正に至る確度は高い。
措置命令 : 商品の品質や価格について不当表示を行った業者に対し、消費者庁がその撤回、再発の防止を命じる行政処分のこと。
また、同じく2016年4月施行の改正景品表示法では、課徴金制度の一環として返金措置(景品表示法10条1項)が導入されたものの、これまでの利用件数はわずか4件にとどまっており、活発に利用されているとはいい難い状況にあるとして、報告書では返金手段の多様性の確保のために電子マネーも選択可能にすべき、と提案している(報告書15ページ)。銀行振込による返金には、あらかじめ返金対象となる消費者に対し銀行の口座番号を尋ねなければならないという手間がかかるうえ、振込手数料も考慮すると小口の返金手段としてはコスパが悪いという問題がある。近年電子マネーの普及が著しく、改正に向け機は熟したと言えることから、こちらも改正に至る確度は高い。
返金措置 : 対象商品・役務の取引をしたことが特定される一般消費者からの申出があった場合に、当該申出をした一般消費者の購入額に3%を乗じた額以上の金銭を交付する措置。
以上のほか、早期に対応すべき課題として、課徴金の割増算定率の適用、課徴金の算定基礎となる売上額の推計、直罰規定の導入等違反行為に対する抑止力の強化策が挙げられているが、いずれも消費者保護の観点から改正に至る確度は高い。
課徴金の割増算定率 : 繰り返し違反行為を行う事業者や課徴金調査に適切に対応できない事業者に適用する割り増しされた課徴金の算定率
直罰規定 : 違法行為が認められた際に、間接罰(行政指導や行政命令)により違反者の自主的な改善を促すといったプロセスを経ず、即時に違反者に罰則を適用する旨の定め。
また、買取りサービスに係る景品表示法の適用についても考え方が整理されている。具体的には、景品表示法を改正せずに買取りサービスという「役務」を「供給」していると評価することが可能であり、買取りサービスにも景品表示法を適用できるとの考え方が示されている(報告書24ページ)。
一方、報告書では、課徴金の対象の拡大(報告書31ページ)、デジタル表示の保存義務(報告書33ページ)、ダークパターン(詳細は【役員会 Good&Bad発言集】ダークパターン参照)などは課題としては把握しつつも、「中長期的に検討すべき課題」と位置付けているため、直近の景品表示法改正にはつながらないとみてよい。もっとも、ダークパターンは、景品表示法の改正動向とは関係なく、企業価値の毀損という観点からも問題となっている。上場企業は、自社の販売サイトなどにおける消費者のユーザーエクスペリエンス(UX)にダークパターンが存在しないかどうか、外部の知見等も活用しながらチェックし、仮に存在すれば早急な解消に努める必要がある。
課徴金の対象の拡大 : 現行の景品表示法は優良誤認表示(5条1号)・有利誤認表示(5条2号)を課徴金の対象としており、おとり広告など指定告示に係る表示(5条3号)は対象としていないことから、報告書では指定告示に係る表示についても課徴金の対象に含めるという案が示されている。
デジタル表示の保存義務 : ネット広告は雑誌広告やチラシ広告と異なり、証拠となる広告が消える可能性があるため、報告書では、将来のトラブルに備えて、デジタル広告を行う事業者に保存義務を課すという案が示されている。
ダークパターン : 消費者・利用者を欺くユーザーインターフェース(UI)あるいはユーザーエクスペリエンス(UX)の悪用など、インターネットの商用利用を悪用する行為の総称。
ユーザーエクスペリエンス : ユーザーが製品やサービスなどの利用を通じて得ることができる体験
【WEBセミナー公開開始日】2023年2月2日
本セミナーでは、国内トップクラスの運用会社である野村アセットマネジメントの責任投資調査部でシニアESGスペシャリストを務める深澤 寛晴 様、平野 成明 様をお招きし、同社の議決権行使について解説していただきます。
具体的には、まず日本企業の現状を踏まえた同社のコーポレートガバナンスに対する考え方をお示しいただいた上で、同社議決権行使の結果、特徴をご説明いただくほか、企業等からよく受ける質問についてもご紹介いただきます。また、取締役の選任、役員報酬、剰余金処分、企業再編・資本政策、買収防衛策、株主提案など個別の主要議案に対する考え方をお示していただくとともに、「投資先企業へのお願い」として、同社のエンゲージメントのスタンスや情報開示についての考え方を語っていただきます。2023年の株主総会に向け、国内トップクラスの運用会社の議決権行使の責任者の声を聞く貴重な機会となるはずです。
【講師】
野村アセットマネジメント
責任投資調査部シニアESGスペシャリスト
深澤 寛晴(ふかさわ ひろはる)様
平野 成明(ひらの なりあき)様
| セミナー資料 | 野村アセットマネジメントの議決権行使について.pdf |
新型コロナウイルス禍において会員の皆様に必要な情報をいち早くお届けするべく、2023年2月2日(木)より下記のWEBセミナーの配信を開始いたしました。
| テーマ | 講 師 |
| 野村アセットマネジメントの議決権行使について | 野村アセットマネジメント 責任投資調査部シニアESGスペシャリスト 深澤 寛晴(ふかさわ ひろはる)様 平野 成明(ひらの なりあき)様 |
■WEBセミナーの詳細
| セミナー の内容 |
本セミナーでは、国内トップクラスの運用会社である野村アセットマネジメントの責任投資調査部でシニアESGスペシャリストを務める深澤 寛晴 様、平野 成明 様をお招きし、同社の議決権行使について解説していただきます。 具体的には、まず日本企業の現状を踏まえた同社のコーポレートガバナンスに対する考え方をお示しいただいた上で、同社議決権行使の結果、特徴をご説明いただくほか、企業等からよく受ける質問についてもご紹介いただきます。また、取締役の選任、役員報酬、剰余金処分、企業再編・資本政策、買収防衛策、株主提案など個別の主要議案に対する考え方をお示していただくとともに、「投資先企業へのお願い」として、同社のエンゲージメントのスタンスや情報開示についての考え方を語っていただきます。2023年の株主総会に向け、国内トップクラスの運用会社の議決権行使の責任者の声を聞く貴重な機会となるはずです。 |
| 講師の ご紹介 |
深澤 寛晴(ふかさわ ひろはる)様 1994年 大和総研入社 エコノミスト、通商産業省(現在の経済産業省)出向等を経て2001年よりジャーディン フレミング投信投資顧問(現在のJ.P.モルガン・アセット・マネジメント)にて営業支援。2004年より大和総研にてファイナンシャル・アナリスト、コンサルタント。2014年よりEY総合研究所。2017年より現職(野村アセットマネジメント 責任投資調査部シニアESGスペシャリスト)。 平野 成明(ひらの なりあき)様 |
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<収録月>
2023年1月
<収録時間>
1時間5分
<視聴環境>
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【WEBセミナー公開開始日】2023年2月2日
本セミナーでは、国内トップクラスの運用会社である野村アセットマネジメントの責任投資調査部でシニアESGスペシャリストを務める深澤 寛晴 様、平野 成明 様をお招きし、同社の議決権行使について解説していただきます。
具体的には、まず日本企業の現状を踏まえた同社のコーポレートガバナンスに対する考え方をお示しいただいた上で、同社議決権行使の結果、特徴をご説明いただくほか、企業等からよく受ける質問についてもご紹介いただきます。また、取締役の選任、役員報酬、剰余金処分、企業再編・資本政策、買収防衛策、株主提案など個別の主要議案に対する考え方をお示していただくとともに、「投資先企業へのお願い」として、同社のエンゲージメントのスタンスや情報開示についての考え方を語っていただきます。2023年の株主総会に向け、国内トップクラスの運用会社の議決権行使の責任者の声を聞く貴重な機会となるはずです。
【講師】
野村アセットマネジメント
責任投資調査部シニアESGスペシャリスト
深澤 寛晴(ふかさわ ひろはる)様
平野 成明(ひらの なりあき)様
| セミナー資料 | 野村アセットマネジメントの議決権行使について.pdf |
【WEBセミナー公開開始日】2023年2月2日
本セミナーでは、日本シェアホルダーサービス 研究開発/コンサルティング部でチーフコンサルタントを務める藤島裕三 様をお招きし、機関投資家の議決権行使に大きな影響を与えるISSおよびグラスルイスの2023年版議決権助⾔方針について解説していただきます。
2023年には、ISSが取締役会の多様性、気候アカウンタビリティに関するポリシーを、グラスルイスが取締役会の独立性、ジェンダーダイバーシティ、気候変動問題の説明責任、過剰な政策保有株式に関するポリシーを導入・変更します。本セミナーでは、新たなポリシーの内容や導入の背景をご説明いただくほか、剰余金処分、取締役会構成、独立性基準、政策保有株式、クーリングオフ、取締役会への出席率、不祥事、報酬、買収防衛策など、ガバナンス上の主要論点について、ISSとグラスルイスのスタンス、考え方の違いを明らかにしていただきます。また、直近の株主総会でISSやグラスルイスに反対助言を受けた企業の事例と対応、企業とのエンゲージメントに対する両者のスタンスの違い、両者が企業に期待することなどについても語っていただきます。
【講師】
日本シェアホルダーサービス
研究開発/コンサルティング部 チーフコンサルタント
藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう)様
| セミナー資料 | ISS・グラスルイスの2023年版議決権助言方針.pdf |