2022/10/24 批判の対象になりやすい社外取締役報酬の高額化、将来的には個別開示も

既報のとおり、ICGN(International Corporate Governance Network=国際コーポレートガバナンスネットワーク)は東証・JPXと共同開催した会議において『日本のガバナンスの優先課題』(2022年10月11日付)を公表したが(2022年10月18日のニュース「ICGNが公表した「日本のガバナンスの優先課題」 次期CGコード改訂のテーマになる可能性も」参照)、5つの主要テーマのうち「CEO及び役員報酬」では、「独立社外取締役報酬の個別開示」の必要性(5.2参照)に言及している。これは、今後の・・・

ICGN : グローバル機関投資家や年金基金などが参加する団体であり、ICGNの意見はグローバル投資家の意見を最も色濃く反映していると考えられている。

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2022/10/24 批判の対象になりやすい社外取締役報酬の高額化、将来的には個別開示も(会員限定)

既報のとおり、ICGN(International Corporate Governance Network=国際コーポレートガバナンスネットワーク)は東証・JPXと共同開催した会議において『日本のガバナンスの優先課題』(2022年10月11日付)を公表したが(2022年10月18日のニュース「ICGNが公表した「日本のガバナンスの優先課題」 次期CGコード改訂のテーマになる可能性も」参照)、5つの主要テーマのうち「CEO及び役員報酬」では、「独立社外取締役報酬の個別開示」の必要性(5.2参照)に言及している。これは、今後のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)改訂や更なる開示規制強化の方向性を示唆するものとみられる。

ICGN : グローバル機関投資家や年金基金などが参加する団体であり、ICGNの意見はグローバル投資家の意見を最も色濃く反映していると考えられている。

その背景には、日本の大手企業における社外取締役報酬が欧米主要国と変わらない水準に到達しているという現実がある。世界各国で報酬調査を行う人事コンサルティング会社 ウイリス・タワーズワトソン(WTW)が公表した「日米欧CEOおよび社外取締役報酬比較‐2022年調査結果」によると、日本の社外取締役の報酬水準は中央値が約1,600万円であるのに対し、英独仏の3か国では約1,100万円~2,200万円、世界トップクラスの水準を誇る米国でも約1,300万円(ただし、現金報酬部分のみ)と、現金報酬だけで見れば、既に欧米主要国と遜色ないレベルにある。特に2015年のCGコード施行以降、日本企業の各社で任意の報酬委員会の設置が進み、社外取締役への期待役割やその責任・負荷は増大している。また、特に女性の経営経験者など、一部では人材獲得競争の様相も見られ、こうした動向に呼応する形で、社外取締役の報酬水準も年々上昇してきたと考えられる。

一方、業務執行役員の報酬決定プロセスにおいても、報酬委員会の存在により一定の客観性・透明性が担保されるようになったと言えるが、その報酬委員会の主たる構成員である社外取締役の報酬についても同委員会で社外取締役が自ら審議・決定している。実際、報酬委員会での審議の様子を取材すると、業務執行役員報酬の増額改定に足並みをそろえる形で社外取締役報酬も増額改定するという、暗に「お互いに増額するから異議はないよね?」といったニュアンスで報酬額が決まることが少なくない。社外取締役も自らの報酬額についてコメントし難いため、「会社(執行側)がそう言うなら」あるいは「他社でも報酬が上昇しているなら」といった理由で報酬額を受け入れてしまう事情も理解できなくはないが、仮に株主がこの報酬決定プロセスを見たとすれば、その不透明さに憤慨する可能性は否定できない。

こうした懸念を踏まえると、株主に代わり業務執行の監督等を行う立場にある社外取締役の報酬については、株主自身が直接評価を行えるような規制・ルールを導入するという考え方には合理性がある。米国のSay on Payと同等とまではいかなくても、近い将来、日本でも個別開示を義務付けられる可能性は十分にあるだろう。その際には、単に報酬額を開示するだけではなく、なぜそのような高水準の報酬が必要なのかについて、理由・背景、社外取締役の活動内容や果たしている役割・責務、さらには、取締役会の実効性の観点からの評価等についても欧米主要国と同程度の開示を求められることも考えられる。日本企業は、社外取締役報酬の高額化は潜在的に批判の対象となりやすいことを今のうちから留意しておくべきだろう。

2022/10/21 適時開示を巡る投資家と企業の期待ギャップ

(2022年)10月5日に再開した金融庁の金融審議会・ディスクロージャーワーキング・グループ(以下、DWG)では、四半期報告書の廃止などとともに、四半期決算短信のあり方も検討のテーマとなっているが、既報のとおり、四半期決算短信の開示内容は“現状維持”としつつ(すなわち、開示内容は増やさず)、「適時開示」の充実を図るというのが金融庁の基本的なスタンスとなっている(2022年10月5日のニュース「四半期決算短信の任意提出、レビュー対象化の行方」参照)。

再開後の第1回金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループでも早速、適時開示の充実について議論されている。周知のとおり、適時開示制度は、東証の規則により重要な会社情報を上場会社から投資家に対して、報道機関等あるいはTDnet(適時開示情報伝達システム)により「直接的に」「広く」「タイムリー」に伝達するもの。株式をはじめとする金融商品市場においては突発的に発生する各種の情報によって売買高が大きな影響を受けかねないことから、投資家にとって適時開示の重要性は高い。

新型コロナウイルス感染症は最近落ち着きを見せ始めたとはいえ、ロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安や物価上昇など経営環境が著しく変化する中、適時開示の重要性が高まっているのは間違いない。しかしながら、積極的な適時開示により、幅広い資金を取り込むことができる環境を確立することができれば、必ずしも一律に四半期開示を求めなくても、投資家に充実した情報が提供されることになるとの声もある一方で、・・・

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2022/10/21 適時開示を巡る投資家と企業の期待ギャップ(会員限定)

(2022年)10月5日に再開した金融庁の金融審議会・ディスクロージャーワーキング・グループ(以下、DWG)では、四半期報告書の廃止などとともに、四半期決算短信のあり方も検討のテーマとなっているが、既報のとおり、四半期決算短信の開示内容は“現状維持”としつつ(すなわち、開示内容は増やさず)、「適時開示」の充実を図るというのが金融庁の基本的なスタンスとなっている(2022年10月5日のニュース「四半期決算短信の任意提出、レビュー対象化の行方」参照)。

再開後の第1回金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループでも早速、適時開示の充実について議論されている。周知のとおり、適時開示制度は、東証の規則により重要な会社情報を上場会社から投資家に対して、報道機関等あるいはTDnet(適時開示情報伝達システム)により「直接的に」「広く」「タイムリー」に伝達するもの。株式をはじめとする金融商品市場においては突発的に発生する各種の情報によって売買高が大きな影響を受けかねないことから、投資家にとって適時開示の重要性は高い。

新型コロナウイルス感染症は最近落ち着きを見せ始めたとはいえ、ロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安や物価上昇など経営環境が著しく変化する中、適時開示の重要性が高まっているのは間違いない。しかしながら、積極的な適時開示により、幅広い資金を取り込むことができる環境を確立することができれば、必ずしも一律に四半期開示を求めなくても、投資家に充実した情報が提供されることになるとの声もある一方で、実際には、以下のとおり、投資家の強い関心がある事項について十分な適時開示が行われていないという実態がある。

出典:令和4年度第1回金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ事務局説明資料2の内容を当フォーラムにて編集
東証が開示を要請した事項 開示実態
新型コロナウイルス感染症の拡大が事業活動・経営成績に及ぼす影響
⇒東証は、2020年2月に新型コロナウイルス感染症の拡大が事業活動・経営成績に及ぼす影響について、積極的かつ速やかな開示、及び2020年3月に新型コロナウイルス感染症に係るリスク情報の早期開示を要請
(1)決算発表時期(※3月期決算会社の通期決算及び12月期決算会社の第1四半期決算。おおむね4月下旬~5月中旬)の到来前
⇒適時開示を行った企業は、全体の1割程度。
(2)その後の決算発表時期(2020年4月下旬~5月)
⇒足元の影響の有無や内容について記述的に説明する事例は増加したものの、リスク情報として開示した事例は1割程度にとどまったほか、3月期決算会社の半数以上が業績予想の開示を見送り(例年は、通期決算の発表時に9割以上の企業が業績予想を開示)。
(3)3月期決算会社の第1四半期決算(2020年7月下旬~8月)
⇒半数以上の会社が前年同四半期比で30%以上の減益となった旨を開示(多くの会社で相当の業績インパクトが発生)。
ロシア・ウクライナ情勢が事業活動・経営成績に及ぼす影響やリスク
⇒東証は、2022年3月にロシア・ウクライナ情勢が事業活動・経営成績に及ぼす影響やリスクの丁寧な説明を要請
現在のロシア・ウクライナ情勢を踏まえ、欧米の企業では影響の有無やリスクへの対応等に関する積極的な情報開示が行われ初めているが、日本企業の開示例は少数(2022年3月時点)。

新型コロナウイルス感染症の影響及びロシア・ウクライナ情勢の影響について、適時開示が十分行われなかった原因の一つと考えられるのは、適時開示の軽微基準(クリックして開いた先にあるエクセル「適時開示チェックリスト」を参照)の存在だ。取引所が定める軽微基準とは、適時開示すべきか否かの判断にあたって定量的な基準を設け、基準値未満であれば「重要性がない」として、その情報の開示を不要とするもの。新型コロナウイルス感染症の影響及びロシア・ウクライナ情勢の影響のような投資家が注目している重要性が高い事項についても軽微基準が適用され、その影響が基準値未満の場合、適時開示は不要となる。

以下の事例は、日立製作所のロシア・ウクライナ両国における事業の状況と今後の対応方針についての適時開示(2022年3月10日公表、抜粋)だ。ロシア・ウクライナ両国における事業の状況と今後の対応方針、公表済みの業績予想について、ロシア・ウクライナに関連する収益が占める割合を示しつつ、その影響度を説明しており、投資家からは好事例と受け止められている。

ウクライナには、日立グループのGlobalLogic社(米国本社)のエンジニアリング拠点がありますが、同拠点の従業員および家族は、事業継続計画に基づき、安全を最優先としてウクライナの安全な場所や他国への避難を進めています。また、従業員の移動中はサービスが一部滞ることもありましたが、徐々に顧客とのプロジェクトを再開しており、通常のオペレーションを取り戻しつつあります。ソフトウェアエンジニアリングサービス事業の性質上、従業員はパンデミックが生じた際の対応と同様、遠隔地から業務を遂行することができ、現在、同社のオペレーションに大きな影響は生じていません

また、ロシアにおける事業については、日立グループは当面の間、ロシアへの輸出およびロシアにおける製造拠点の稼働(市民生活に欠かせない電力設備を除く)を順次停止していくこととしました。

なお、日立グループのロシア向け売上収益は、2022年3月期連結売上収益見通し10兆円に対して約0.5%で、その
過半が建設機械事業です。また、GlobalLogic社のウクライナにおける開発拠点が担う売上収益は、2022年3月期連結売上収益見通しの約0.3%です。

現時点で、ウクライナおよびロシアの情勢変化による当社の2022年3月期の業績への大きな影響はない見通しです。当社では、すでに立ち上げている対策本部を中心に、引き続き状況を注視した上で適切な対応を行っていきます。今後の情勢の変化に伴い、当社業績に大きな影響が見込まれる場合は、速やかにお知らせします。

もっとも、日立製作所は「ウクライナおよびロシアの情勢変化による当社の2022年3月期の業績への大きな影響はない」として適時開示している。しかし、投資家は、軽微基準により重要性があると判断された情報は開示されて当然として、重要性がないと判断されるような情報でも、社会的に注目され、関心の高い情報は適時開示して欲しいと考えている。一方、企業側は軽微基準により重要性がないと判断された情報は適時開示する必要はないと考えており、両者の間で期待ギャップが生じている。

新型コロナウイルス感染症の影響については、企業会計基準委員会(ASBJ)が2021年2月9日に公表した「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」により、新型コロナウイルス感染症の影響が会計上の見積りに重要な影響を与えないと判断したとしても、当該判断について開示することが財務諸表の利用者にとって有用な情報になると判断した場合には(追加情報)として注記すること、すなわち「重要な影響を及ぼさないこと」を開示すること自体が投資家にとって有用な情報となる場合があるとされている(2021年2月17日のニュース『見積会計基準適用開始後の「コロナ禍に関する仮定」の開示場所と方法』参照)。

軽微基準を形式的に当てはめた結果、投資家が必要とする重要性の高い情報が開示されないのであれば、軽微基準を廃止し、欧米のように原則主義()を採用して企業がより自主的に適時開示を行う事項を判断することが必要ではないかとの意見もある。

 投資判断にとって重要な情報の適時開示を求める「タイムリー・ディスクロージャー」の枠組みは主要国の証券取引所に存在するが、日本では取引所が開示すべき事項や重要性基準を定める細則主義を採用しているのに対し、欧米では原則主義を採用しており、企業が自主的に適時開示を行う事項を判断している。

社会的に注目度が高い事象については、軽微基準にかかわらず、自主的に適時開示する姿勢が上場会社には求められていると言えそうだ。

2022/10/20 “ステマ天国”日本、ようやく消費者庁が規制強化へ(会員限定)

ネット記事やSNS投稿などで一見第三者が中立の意見を述べているように見えて、読み進めるうちに実は広告だということが分かり拍子抜けすることは少なくない。通販サイトのレビュー欄にやらせの書き込みが横行していることも周知の事実となっている。飲食店が業者を使ってグルメサイトの口コミ欄にやらせ書き込みをした事件や、オークション運営会社が芸能人に報酬を渡し実際には落札していないにもかかわらず落札できたかのようなコメントをしてもらっていたペニーオークション(入札ごとに手数料がかかるオークションサイト)の事件は未だ記憶に新しい。また、最近はソーシャルメディア広告(SNS広告)の市場拡大に伴い、インフルエンサーがInstagram、TikTok、Twitterなどのソーシャルメディアを使って、広告と気づかれないように商品を宣伝したり、商品に関する不適切なクチコミの発信に加担したりするケースも増えている。

インフルエンサー : 世間に与える影響力が大きい人物

このように、実際は広告であるにもかかわらず、広告であることが分からない行為(下記の例示参照)は「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼ばれており、消費者の合理的な選択を阻害するものとして問題視されてきた。なお、ステルスには「隠密」「こっそり行う」といった意味がある。

消費者庁ステルスマーケティングに関する検討会の第1回会合の資料4「ステルスマーケティングに関する実態調査」5ページより引用)
例えば、広告主の依頼であるにもかかわらず、
・有名人が商品・サービスと一緒に取った写真を広告であると明示せずに宣伝すること
・商品・サービスについて、広告である旨明示せず、「よかった」や「おすすめ」といった感想の体裁をとって、SNS等に投稿すること
・インターネット上の記事に広告である旨を明示しないこと
・商品・サービスの比較ランキングに広告である旨を明示しないこと
・ECサイト上において、広告である旨を明示せず、商品・サービスの使用感等のレビューをすること

日本にはステルスマーケティングに対して、業界団体や媒体運営会社における自主規制は存在しているが、法律による規制は存在しない。OECD加盟国(名目GDP上位9か国)において、ステルスマーケティングに対する法規制がないのは日本のみであり(下表は消費者庁ステルスマーケティングに関する検討会の第1回会合の資料4「ステルスマーケティングに関する実態調査」5ページより引用)、まさに日本は広告主にとって“ステマ天国”と言える。
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もちろん、広告が優良誤認有利誤認に該当すれば不当景品類及び不当表示防止法(以下、景品表示法)に抵触することになるが、それはあくまで当該広告に「優良誤認・有利誤認があれば」の話だ。つまり、ステルスマーケティングの手法を用いた広告であっても、優良誤認・有利誤認に該当しない限り景品表示法では規制しようがない。

優良誤認 : 商品・サービスの品質を実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝したりする行為
有利誤認 : 商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝したりする行為

こうした中、日本弁護士連合会(以下、日弁連)が2017年2月16日にとりまとめ、消費者庁に提出した「ステルスマーケティングの規制に関する意見書」では、現在、景品表示法の5条3号に基づいて内閣総理大臣が指定(下枠内の赤字)している6項目(下記の<現行の規制>を参照)に加えて、ステルスマーケティングへの規制も追加することが提案されている(下記の<日弁連の提案>を参照)。

<現行の規制>
■景品表示法の5条3号
(不当な表示の禁止)
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
(中略)
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

■景品表示法の5条3号に基づき現在内閣総理大臣が指定している6項目
無果汁の清涼飲料水等
商品の原産国
消費者信用の融資費用
不動産のおとり広告
おとり広告
有料老人ホーム

<日弁連の提案>
■日弁連の意見書で提案されたステルスマーケティングへの規制
商品又は役務を推奨する表示であって次のいずれかに該当するもの
1 事業者が自ら表示しているにもかかわらず、第三者が表示しているかのように誤認させるもの
2 事業者が第三者をして表示を行わせるに当たり、金銭の支払その他の経済的利益を提供しているにもかかわらず、その事実を表示しないもの。ただし、表示の内容又は態様からみて金銭の支払その他の経済的利益が提供されていることが明らかな場合を除く。

日弁連の提案は長い間、保留となったままだったが、先月(2022年9月)16日、消費者庁がステルスマーケティングに関する検討会を立ち上げ、ステルスマーケティングへの法規制を視野に入れ、まずは同検討会でステルスマーケティングの実態および消費者への影響に関する議論が開始された。日弁連の提案から5年超の歳月を経て、ようやく消費者庁が規制強化に動き出したことになる。

同検討会では、既に10月6日までに事業者等へのヒアリングを終えており、今後は11月中旬に開催する第5回検討会で論点整理、取りまとめに向けた議論を行うなどして、2022年12月中に報告書を公表することを予定している。

規制強化にあたっては被害の把握が必須となる。仮に消費者がステルスマーケティングによって大した被害を受けていないのであれば、わざわざ規制を強化する必要はなくなるからだ。もっとも、ステルスマーケティングによる被害は、文字通り「ステルス」(「見えない」「隠密」といった意味)という性質上、消費者自身が認識していないことが多く、どの程度の被害を受けているのか、全貌把握が極めて困難となっている。そこで同検討会では、東京大学エコノミックコンサルティング社に調査を委託し、経済学の観点からステルスマーケティングによる消費者への被害の影響を把握するとしている。推計をしてでも被害額を探ろうという動きは、規制強化が既定路線であることの裏返しとも言えよう。

ただ、実際には「規制されるべきステルスマーケティング」と「規制不要なマーケティング活動」の線引きは難しく(第4回検討会で新経済連盟が示した『無償提供・利益提供を受けていることや「広告」であることが表示されていなくても現時点では社会的に許容されていると考えられる例』を参照)、ステルスマーケティングへの規制が行われるとしても、それがどのような形で決着するのかは現段階では未知数と言える。

日本インタラクティブ広告協会の広告掲載基準ガイドラインによると、インターネット広告においてステルスマーケティングが行われないよう、広告目的で表示されているものである旨([広告]、[広告企画]、[PR]、[AD]などを明記。以下、広告表記)を分かりやすく表示することが求められている(第4回 ステルスマーケティングに関する検討会の「資料2 一般社団法人日本インタラクティブ広告協会説明資料」19ページを参照)。これは通常のインターネット広告とは異なるインフルエンサーを用いたマーケティングでも同様であり(クチコミに関するマーケティング活動の業界団体であるWOMマーケティング協会のWOMJガイドラインでは、情報発信者にはマーケティング主体と情報発信者の関係性等を明示することが求められている)、インフルエンサーの投稿に「広告」であることが明示されることにより、消費者はその投稿が広告であることを認識し、広告への懐疑的な感情が高まるとされている。それに加えて、インフルエンサーも広告表記が自身への評価の低下につながりかねないことから(第1回 ステルスマーケティングに関する検討会の「資料6 ステルスマーケティングを取り巻く経営学・商業学分野の学術研究の現状について」の9ページを参照)、広告主およびインフルエンサーともに広告表記に対してはネガティブな姿勢をとっている。このため、インフルエンサーマーケティングでは特にステルスマーケティングが行われやすい。広告主による審査を通った後にインフルエンサーが広告主に黙って広告表記をこっそり外す例もあると聞く。したがって、広告主としてはインフルエンサーが広告表記を外さないよう投稿を継続的にウオッチすることが必須となる。

ステルスマーケティングへの法的規制の開始まで、もはや秒読み段階に入ったが、規制前だからといってステルスマーケティングをしていたことが露呈すれば企業イメージを大きく損ねてしまうことは間違いない。上場企業としては、自社の広告の現場でステルスマーケティングが行われることがないよう、媒体審査だけに頼るのではなく、社内で担当部署の教育を充実させ、代理店、インフルエンサーへの統制を強化する必要があろう。

2022/10/20 “ステマ天国”日本、ようやく消費者庁が規制強化へ

ネット記事やSNS投稿などで一見第三者が中立の意見を述べているように見えて、読み進めるうちに実は広告だということが分かり拍子抜けすることは少なくない。通販サイトのレビュー欄にやらせの書き込みが横行していることも周知の事実となっている。飲食店が業者を使ってグルメサイトの口コミ欄にやらせ書き込みをした事件や、オークション運営会社が芸能人に報酬を渡し実際には落札していないにもかかわらず落札できたかのようなコメントをしてもらっていたペニーオークション(入札ごとに手数料がかかるオークションサイト)の事件は未だ記憶に新しい。また、最近はソーシャルメディア広告(SNS広告)の市場拡大に伴い、インフルエンサーがInstagram、TikTok、Twitterなどのソーシャルメディアを使って、広告と気づかれないように商品を宣伝したり、商品に関する不適切なクチコミの発信に加担したりするケースも増えている。

インフルエンサー : 世間に与える影響力が大きい人物

このように、実際は広告であるにもかかわらず、広告であることが分からない行為(下記の例示参照)は「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼ばれており、消費者の合理的な選択を阻害するものとして問題視されてきた。なお、ステルスには「隠密」「こっそり行う」といった意味がある。・・・

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2022/10/19 企業価値においてESG要素が占めるウェイトが高い業種は?

日本証券アナリスト協会は10月13日、2022年度の「ディスクロージャー優良企業選定報告書」を公表した。「ディスクロージャー優良企業」は、証券アナリストが策定した企業のディスクロージャーの質・量・タイミング等の優劣を判断するための客観的な評価基準により、業種ごとに選定される。今年度の受賞企業は・・・

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2022/10/19 企業価値においてESG要素が占めるウェイトが高い業種は?(会員限定)

日本証券アナリスト協会は10月13日、2022年度の「ディスクロージャー優良企業選定報告書」を公表した。「ディスクロージャー優良企業」は、証券アナリストが策定した企業のディスクロージャーの質・量・タイミング等の優劣を判断するための客観的な評価基準により、業種ごとに選定される。今年度の受賞企業は下表のとおり。

業種 ディスクロージャー優良企業 得点
建設・住宅・不動産 積水ハウス 83.6
食品 味の素 88.3
化学・繊維 三井化学 83.3
トイレタリー・化粧品 ファンケル 81.8
医薬品 第一三共 84.0
鉄鋼・非鉄金属 日本製鉄 81.6
機械 小松製作所 88.9
電気・精密機器 オムロン 85.5
自動車・同部品・タイヤ ブリヂストン 75.9
エネルギー (該当なし)
運輸 日本航空 72.8
通信・インターネット 日本電信電話 82.4
商社 三井物産 80.8
小売業 丸井グループ 87.0
銀行 三菱UFJフィナンシャル・グループ 86.6
保険・証券・その他金融 東京海上ホールディングス 83.4
ITサービス・ソフトウェア 野村総合研究所 91.9
広告・メディア・エンタテインメント オリエンタルランド 77.8

評価基準は下表の5分野で構成されている。それぞれ配点枠の範囲内で業種別に配点が設定され、5分野合計で100点満点の評価となる。

評価分野 配点枠
①経営陣のIR 姿勢、IR 部門の機能、IR の基本スタンス 15~50点
②説明会、インタビュー、説明資料等における開示 10~40点
フェア・ディスクロージャー 5~25点
④ESGに関連する情報の開示 15点~40点
⑤各業種の状況に即した自主的な情報開示 5点~20点

フェア・ディスクロージャー : 上場企業による情報開示がすべての投資家に対し公平に行われること

上述のディスクロージャー優良企業には、各業種で最高点を得た企業が選ばれる。なお、「該当なし」のエネルギー業界における最高点はENEOSホールディングスの75.8だった。運輸業界でディスクロージャー優良企業に選ばれた日本航空の得点がこれを下回る72.8であったにもかかわらず優良企業に選定されなかった理由については「当専門部会において検討した結果、本年度の当業種における優良企業はなしとなった」とされるにとどまっている。気候変動の観点から批判を受けやすい業界事情が影響した可能性もありそうだ。

今年度の特徴として、「④ ESGに関連する情報の開示」という評価分野の新設が挙げられる。昨年までは「④ コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示」とされていたが、名称を変更したうえで内容を充実、配点枠も拡大された。

ここで興味深いのは、業種ごとの「④ ESGに関連する情報の開示」の配点だ。この配点からは、評価者であるセルサイドアナリストが、担当業種の企業価値においてESG要素が占めるウェイトがどの程度だと考えているかが推測できる。下表は業種別による配点ランキングとなっている。

セルサイドアナリスト : 証券会社に所属しており(株式を売る側にいることからこう呼ばれる)、そのレポート(アナリスト・レポート)は、証券会社の顧客である個人投資家や機関投資家に提供され、投資家はこれを投資先の選定や売買のタイミングの判断に利用する。

業種 ④の配点
エネルギー 35点
広告・メディア・エンタテインメント 35点
食品 34点
電気・精密機器 32点
鉄鋼・非鉄金 30点
運輸 30点
通信・インターネット 30点
商社 30点
ITサービス・ソフトウェア 30点
化学・繊維 29点
トイレタリー・化粧品 27点
小売業 27点
機械 26点
保険・証券・その他金融 26点
建設・住宅・不動産 25点
医薬品 25点
自動車・同部品・タイヤ 20点
銀行 20点

単純に考えれば、配点が上位の業種の企業価値分析においては非財務情報が重要ということであり、企業業績に不確定要素が多い一方、将来的には大きいリターンを期待できる可能性もある。逆に下位業種については専ら財務情報による企業価値分析が有効であり、業績動向の予見可能性が高い反面、非財務面での成長性を織り込む余地は小さいという見方もできよう。

下表は、④分野の配点が35点と大きかった2つの業種について、総合得点が最も高かった2社(ENEOSホールディングス、オリエンタルランド)における、④分野の評価ポイントをまとめたものである。ENEOSホールディングスは④分野の得点が業界トップでポジティブなコメントが並んだ一方、オリエンタルランドは5位に甘んじており、ネガティブなコメントも付されている。各社においてESG関連の情報開示を検討する際の参考にされたい。

エネルギー ENEOSホールディングス ・カーボンニュートラル計画を迅速に発表するなど、開示面でも業界をリードしている
・ESG 情報の提供に積極的であり、データや説明が充実している
広告・メディア・エンタテインメント オリエンタルランド ・政策保有株式の保有目的の説明や、社外取締役の選任基準、独立性の説明が不十分との声があった
・ESGの取組みの軸を従業員に向けた点を評価する声もあった

2022/10/18 ICGNが公表した「日本のガバナンスの優先課題」 次期CGコード改訂のテーマになる可能性も(会員限定)

機関投資家・専門家のグローバルな組織であるICGN(International Corporate Governance Network=国際コーポレートガバナンスネットワーク)は10月4日、プレスリリース「日本のガバナンスの優先課題」を公表した(和訳付き)。同日に東京で開催されたシンポジウムが公表の場となった。

ICGN : グローバル機関投資家や年金基金などが参加する団体であり、ICGNの意見はグローバル投資家の意見を最も色濃く反映していると考えられている。

ICGNによる本提言はもともと2019年7月に公表されたもので、5つの大項目(企業報告、取締役会の独立性、取締役会の実効性、資本配分、CEO及び役員報酬)から構成されている。今回の第2版は同様の構成の下、「引き続き推奨」する項目とともに、「加えて推奨」する項目が示された。以下、5つの大項目ごとに、それぞれにおける要求項目を確認する。

1. 企業報告
英文による株主総会招集通知や有価証券報告書の早期開示、総会集中日の回避に加えて、監査の実効性に関する情報開示などが新たに求められている。

引き続き
推奨
1.1 総会30日前に招集通知の英訳を発行(プライム市場上場企業)
1.2 総会30日前に有価証券報告書の英訳を発行(プライム市場上場企業)
1.3 定款変更により総会基準日を少なくとも1か月は(後ろに)変更
加えて
推奨
1.4 内部統制システムを監督する取締役会の役割を開示
・国際的な内部監査基準に照らして定期的に完全性を検査
1.5 ・完全に独立した監査委員会を設置
・全ての監査委員は財務的な知識を具備する
・取締役会が承認した監査委員会規則を開示
・監査委員会メンバーの氏名、独立性、出席状況などを開示
・監査法人の情報など監査プロセスの有効性を報告
1.6 ・企業報告に対する責任を明記した取締役会規則を開示
・取締役会の開催回数を減らすことを検討
1.7 サステナビリティ会計及び報告を世界基準と調和させる

基準日 : その日において株主名簿に名前が載っていれば、株主総会での議決権行使や配当を受ける権利を享受できる日のこと。定時株主総会の基準日を定款に記載しなければ、毎年、基準日を公告しなければならない。その手間を避けるために、定款に基準日を記載するのが通常である。
内部統制システム : 取締役(指名委員会等設置会社の場合は執行役)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他会社の業務並びに当該会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制。

2. 取締役会の独立性
独立取締役の比率向上(3分の1→過半数)および独立性基準の強化に加えて、取締役会の多様性向上や議長・CEOの分離などが新たに求められている。

引き続き
推奨
2.1 ・独立取締役を取締役会の3分の1とする(プライム市場上場企業)
・上記を適切な期間内に過半数とする(プライム市場上場企業)
2.2 東証の独立性基準を強化する(政策保有株式などに関する開示の改善のため)
・企業独自の独立性基準を策定する
・独立した判断が可能である取締役の氏名を開示
・独立性を担保するクーリングオフ期間を設定
2.3 ・指名委員会が主導する透明な手続により独立取締役を指名
・取締役は定期的に教育を受ける(特に財務の理解力)
加えて
推奨
2.4 ・取締役会を多様な人材で構成(性別、年齢、民族、国籍など)
・取締役会のダイバーシティ・ポリシーを毎年報告する
・女性の管理職任命を促進
・外国人取締役の選任に注力(海外事業を持つ企業)
2.5 ・取締役会議長とCEOの機能を分離
・独立取締役が取締役会議長を務める
・CEOが取締役会議長を兼務している場合、それが適切と考える理由を説明
2.6 顧問・相談役の役割と報酬を開示(有価証券報告書、コーポレートガバナンス報告書)

クーリングオフ期間 : 利害関係が消滅するために要する一定の期間

3. 取締役会の実効性
実効性評価の開示充実および外部評価の定期的な実施に加えて、評価の実施主体としての指名委員会および筆頭独立取締役に関する規律などが新たに求められている。

引き続き
推奨
3.1 ・実効性評価のプロセス、議論の過程および結論を開示
・具体的な議題および課題、今後の対応について開示
3.2 ・完全に独立した指名委員会を設置、内部評価を主導する
・独立したコンサルタントが外部評価を主導する
3.3 ・3年に1回、外部評価を実施
・外部コンサルタントの名称と委託料、委託条件を開示
加えて
推奨
3.4 ・取締役会が承認した指名委員会規則を開示
・指名委員会メンバーの氏名、独立性、出席状況などを開示
3.5 ・全役員の選任理由を明確に定義された指標を用いて説明
・上記に際してスキルマトリックスを活用
3.6 ・筆頭独立取締役を選任(CEOが取締役会議長を兼任しているか否かにかかわらず)
・筆頭独立取締役が取締役会議長を評価
・筆頭独立取締役の責務を開示

4. 資本配分
資本配分の方針や政策保有株式に関する規律に加えて、事業ポートフォリオ戦略および株主還元の充実・根拠の開示が新たに求められている。

引き続き
推奨
4.1 明確な資本配分方針を開示、毎年取締役会が見直す
4.2 政策保有株式について、一定期間内の削減計画と進捗状況を開示
4.3 政策保有株式の保有理由および資本生産性への影響を開示
加えて
推奨
4.4 ・取締役会は事業ポートフォリオを毎年見直し
資本コストを超える収益が得られない場合は撤退計画を示す
4.5 ・中核事業に関係のない資産を保有する理由を開示
・資本コストを超える収益が得られない資産は売却する
4.6 ・株主還元の根拠を開示(低い配当性向、現金の貯め込み)
・原則として全てのフリーキャッシュフローを株主に還元

資本コスト : 「資金提供者(債権者+株主)に対するリターン」のこと(なお、株主に対するリターンには、配当のほかキャピタルゲインも含まれる)。資金提供者に対するリターンが適切にできなければ、債権者は会社に資金の返還を求め、株主は株式を売却(=株価が下落する)せざるを得ない。したがって、会社にとって資本コストは「資金提供者に対するリターンの目標値」と言える。

5. CEO及び役員報酬
個別報酬金額の開示など規制強化に加えて、報酬委員会の独立性強化やサステナビリティ指標の採用、独立取締役の報酬開示が新たに求められている。

引き続き
推奨
5.1 報酬決定のプロセスと個々の支給額の根拠を開示
5.2 CEOおよび経営陣幹部の報酬内容を毎年、個別に開示
5.3 ・1億円超の個人報酬金額の開示を求める法令を廃止
・CEOおよび経営陣幹部の報酬金額を個別開示する法令を制定
加えて
推奨
5.4 ・完全に独立した報酬委員会を設置
・取締役会が承認した報酬委員会規則を開示
・報酬委員会メンバーの氏名、独立性、出席状況などを開示
5.5 ・サステナビリティ関連の目標や達成に向けた進捗状況など主要業績評価指標に沿って報酬の根拠を説明
5.6 独立取締役の報酬を毎年、個別に開示

これらICGNによる要求事項には、現状の日本企業にとって未だハードルの高いものも含まれている。しかし、金融庁に設置された「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」のメンバーにICGNの最高経営責任者 ケリー・ワリング氏が含まれていること、またプライム市場上場企業に対してグローバル水準のコーポレートガバナンスを求める声が国内外の機関投資家から聞かれることから、例えば次期のコーポレートガバナンス・コードの改訂において主要な検討課題になることも考えられる。プライム市場上場企業を中心とする上場企業は先を読んだ対応を図るため、本「優先課題」を確認しておく必要があろう。

2022/10/18 ICGNが公表した「日本のガバナンスの優先課題」 次期CGコード改訂のテーマになる可能性も

機関投資家・専門家のグローバルな組織であるICGN(International Corporate Governance Network=国際コーポレートガバナンスネットワーク)は10月4日、プレスリリース「日本のガバナンスの優先課題」を公表した(和訳付き)。同日に東京で開催されたシンポジウムが公表の場となった。

ICGN : グローバル機関投資家や年金基金などが参加する団体であり、ICGNの意見はグローバル投資家の意見を最も色濃く反映していると考えられている。

ICGNによる本提言はもともと2019年7月に公表されたもので、5つの大項目(企業報告、取締役会の独立性、取締役会の実効性、資本配分、CEO及び役員報酬)から構成されている。今回の第2版は同様の構成の下、「引き続き推奨」する項目とともに、「加えて推奨」する項目が示された。以下、5つの大項目ごとに、それぞれにおける要求項目を確認する。・・・

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