2022/06/01 プライム市場上場会社にさらに厳しいガバナンス体制が求められる可能性(会員限定)

5月16日に開催された今年度最初の金融庁「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、フォローアップ会議)では、今年度の同会議において何を議論すべきか、アウトプットとして何を目指すべきかが議論された。具体的には大きく2つのテーマ、①コーポレートガバナンス・コード再改訂(2021年6月)後の中間点検、②個別論点(持続的な成長に向けた課題、エンゲージメントに係る課題)が提起されている。

① においては、2021年6月の改訂によってコーポレートガバナンス・コードの細則化が進み、企業に“コンプライ至上主義”が蔓延する原因となったことへの反省、企業価値ひいては時価総額の向上という本来の趣旨に還るべきとの意見が強く示された。②の「持続的な成長に向けた課題」としては、企業にとって成長投資(特に人的資本)の重要性が認識される中、内部留保が右肩上がりで増加している現状に疑問が呈され、株主還元の更なる積極化も含めた資本政策の再考が期待されている。②の「エンゲージメントに係る課題」としては、協働エンゲージメントとして許容される範囲が未だ不明確(共同保有者重要提案行為との関連など。この点については2018年4月11日のニュース『機関投資家が語る「集団的エンゲージメント」が普及するために必要なこと』、2017年5月30日のニュース『「集団的エンゲージメント」明記で今後の機関投資家の動きは?』参照)、またパッシブ化が進展する中で運用機関におけるエンゲージメントの負担が過大であることなどが指摘された。

細則化 : 具体的なルールを細かく規定すること。本来、コーポレートガバナンス・コードは、大まかな原理・原則だけを定め、細かな運用は現場の判断に任せるという規制方法である原則主義(プリンシプルベース・アプローチ とも呼ばれる)をとっている。
共同保有者 : 大量保有報告制度上、たとえ単独での保有割合が5%以下でも、「保有者との間で、共同して株主としての議決権その他の権利を行使することを合意している者」のこと。当該「共同保有者」がいる場合、その保有割合も合算して保有割合を判定する。
重要提案行為 : 投資先企業の株主総会において、又は、その「役員」に対し、発行者の事業活動に重大な変更を加え、又は重大な影響を及ぼす行為として「一定の事項」を提案する行為。「一定の事項」としては、例えば代表取締役の選解任、株式交換・移転、会社の分割・合併、配当に関する方針の重要な変更、資本政策に関する重要な変更などがある。
パッシブ : 東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法のこと。パッシブとは「消極的な」という意味である。パッシブ運用に対し、銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、見劣りする銘柄を売却するなどして利益を得ようとする投資手法がアクティブ運用である。

企業にとっては、フォローアップ会議の議論が今後のコーポレートガバナンス改革の方向性およびスピード感に対してどのような影響を与えるのか気になるところだが、その意味では、今回のフォローアップ会議に提出されたICGN(国際コーポレートガバナンスネットワーク=International Corporate Governance Network)の意見書「コーポレートガバナンス・コード再改訂(2021 年)後の中間点検への ICGN の回答」の内容はチェックしておく必要がある。周知のとおり、ICGNはグローバル機関投資家や年金基金などが参加する団体であり、ICGNの意見はグローバル投資家の意見を最も色濃く反映していると考えられるからだ。今回の意見書では10の提言がなされている。各提言のポイントは以下のとおり。

1.独立取締役の数
全プライム上場会社は、独立社外取締役を2023年1月までに3分の1以上、2025年1月までに過半数選任すべきである。また、スタンダードおよびグロース上場会社も3分の1以上選任すべきである。

2.独立取締役の質
定期的に「第三者」による実効性評価を実施するとともに、その対象を取締役会全体のみならず個々の取締役に広げ、評価に基づく実績を再任条件とすべきである。また、スキルマトリクスにおいて選択された属性が企業の目的および長期戦略とどのように一致するかを明確に開示すべきである。

3.多様性、公平性、包摂性
目標、行動計画、測定可能な期限付き目標などを備えたポリシーを策定し、取締役会はその実施状況について毎年報告を受け、また、指名委員会はこれを監督すべきである。

包摂性 : 英語でいう「インクルージョン」を指す。多様性を示すダイバーシティに対し、多様な人材が互いを認め、受け入れ、一体となって働くことを指す。

4.委員会の採用
全プライム上場会社は、機関設計として指名委員会等設置会社を採用すべきである。また、監査委員会・報酬委員会は全員独立社外取締役、指名委員会は過半数が独立社外取締役であることが望ましい。

5.資本配分
事業買収など資本配分決定の根拠、中核でない資産を保有する理由、配当政策の合理的根拠などについての開示を改善すべきである。また、資本コストも開示すべきである。

資本コスト : 「資金提供者(債権者+株主)に対するリターン」のこと(なお、株主に対するリターンには、配当のほかキャピタルゲインも含まれる)。資金提供者に対するリターンが適切にできなければ、債権者は会社に資金の返還を求め、株主は株式を売却(=株価が下落する)せざるを得ない。したがって、会社にとって資本コストは「資金提供者に対するリターンの目標値」と言える。

6.政策保有株式
政策保有株式の上位60銘柄を、株主総会前に有価証券報告書と自社ウェブサイトで開示すべきである。また、政策保有株式を「純投資」と認識することでその保有を曖昧にしているケースがある。純投資であるならば1年以内に売却するべきである。

7.コーポレートガバナンスの開示
全プライム上場会社は、有価証券報告書と招集通知の両方いて英語訳を提供すべきである。開示時期については、招集通知は定時株主総会の少なくとも30日前、有価証券報告書も定時株主総会前が望ましい。これらを実現するため、基準日を4月に移動させるべきである。

基準日 : その日において株主名簿に名前が載っていれば、株主総会での議決権行使や配当を受ける権利を享受できる日のこと。

8.持続性に関する開示
サステナビリティ情報を、有価証券報告書および自主的な企業開示資料を活用して広範囲に開示すべきである。

9.集団的対話
上述の協働エンゲージメントについて、大量保有規制に抵触しないためのガイダンスを公開することが求められている。

10.企業と投資家の間の対話の向上
建設的対話促進のため、企業サイドからも協働エンゲージメントの場を積極的に設けることが期待されている。

上記10の意見のうち1、4、7が全プライム上場会社を対象にしている点は要注意だろう。4月4日にスタートした東証新市場区分においてプライム市場が1,800社を超える水準となっていることを投資家等は強く批判しており、プライム市場上場会社に対しより厳しいガバナンス体制を求めようという動きがある。これにICGNの意見書が影響を及ぼす可能性は決して小さくないと言えよう。

2022/05/31 【役員会 Good&Bad発言集】内部公益通報制度の設計(4)

東証スタンダード市場に上場しているY社の取締役会では、内部通報制度の在り方の見直し案を検討中です。内部公益通報の受付に関する論点について意見を求められた次の4人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?

取締役A:「結局のところ、公益通報業務従事者でない者であっても範囲外共有をすると刑事罰を科されることになるわけですね。」

取締役B:「会社のメールアドレスや社内SNSでのやり取りは、いくら閲覧者を限定したとしても範囲外共有のリスクがあります。」

取締役C:「単に退職者からの通報を受け付けるための窓口を作るだけでは不十分であると考えます。退職者がその窓口の存在を認識できるようにしなければなりません。」

取締役D:「そうですね。ただ、2022年6月1日以降に退職する従業員が対象なので、その者に通報窓口の案内用紙を配ればいいのではないでしょうか。」

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2022/05/31 【役員会 Good&Bad発言集】内部公益通報制度の設計(4)(会員限定)

<解説>

いよいよ2022年6月1日より改正公益通報者保護法が施行されます。当フォーラムではこれまで改正公益通報者保護法に関係するニュース等を下記で取り上げてきました。

【役員会 Good&Bad発言集】内部公益通報制度の設計(3)
【役員会 Good&Bad発言集】内部公益通報制度の設計(2)
【役員会 Good&Bad発言集】内部公益通報制度の設計(1)
2022年5月30日のニュース『改正公益通報者保護法施行目前 監査役や社外取は従事者に指定すべき?
2021年11月4日のニュース『内部通報制度を機能させるための「範囲外共有」防止策
2021年10月25日のニュース『内部公益通報指針の解説が公表、既存制度は早目にアップデートを
2021年9月10日のニュース『取締役全員が「公益通報対応業務従事者」として刑事罰の対象となる恐れ
2020年6月23日のニュース『CGコードの遵守状況に影響も 改正公益通報者保護法改正のポイント

本稿では、改正公益通報者保護法に対応した内部公益通報制度の整備を終えた上場会社に取材した結果をもとに、上場会社の内部通報担当者であれば気になるであろう論点をいくつか紹介することにします。

「内部通報制度に関する企業等向け内部規程例」等の改定版資料が公開

消費者庁のウェブサイトに消費者庁と他団体との共催説明会の資料として、「内部通報制度に関する企業等向け内部規程例」等の改定版資料が公開されています(消費者庁として公式に認定したものではなく、あくまで共催説明会の資料という位置付けです)。規程例は下記の2種類となっています。

・内部通報に関する内部規程例(遵守事項+推奨事項版)
・内部通報に関する内部規程例(遵守事項版)

「遵守事項版」は指針の解説の「指針を遵守するための考え方や具体例」に限定しているのに対し、「遵守事項+推奨事項版」は指針解説の「指針を遵守するための考え方や具体例」に加えて、「その他に推奨される考え方や具体例」についてもできる限り反映したものとなっています。自社の規程と「遵守事項版」を対比させ、まずは重要な漏れがないことを確認したのちに、「遵守事項+推奨事項版」とも対比させ、可能な限り推奨事項も取り込んでいくというのが実務的なアプローチと言えます。

守秘義務と範囲外共有の禁止の違いに注意

守秘義務と範囲外共有の禁止は一見同じことを言っているように感じる向きもあるかもしれません。守秘義務は改正公益通報者保護法12条「公益通報対応業務従事者又は公益通報対応業務従事者であった者は、正当な理由がなく、その公益通報対応業務に関して知り得た事項であって公益通報者を特定させるものを漏らしてはならない。」と定められており、同21条で「第12条の規定に違反して同条に規定する事項を漏らした者は、三十万円以下の罰金に処する。」と刑事罰が用意されています。一方、範囲外共有の禁止は「公益通報者を特定させる事項を必要最小限の範囲を超えて共有する行為」を言います。

どちらも「公益通報者を特定させる事項」を漏らしてしまうことを禁じている点では同じですが、両者を比較すると、まず主体が異なります。守秘義務の方は主体が「公益通報対応業務従事者又は公益通報対応業務従事者であった者」とされています。刑事罰を科すからには、誰が守秘義務を負っているのかが明確に定められていなければなりません。本人にとって不意打ちにならないためにも事業者は書面により指定をするなどの方法で、従事者の地位に就くことが従事者となる者自身に明らかとなる方法により定めなければならないこととされている訳です。一方、範囲外共有の禁止の主体は「事業者の労働者及び役員等」であり、守秘義務を負う者よりもはるかに広い範囲となります。

また、守秘義務は改正公益通報者保護法12条に明記されていますが、範囲外共有の禁止は同法には明記されておらず、同法には単に「事業者がとるべき措置」としか記載されておらず、その内容は内閣総理大臣が定める「指針」に委ねられています。そして、「範囲外共有の禁止」は、この「指針」に明記されています。

守秘義務に反した者(公益通報対応業務従事者又は公益通報対応業務従事者であった者に限る)は上述のとおり刑事罰を科される可能性があります。一方、範囲外共有の禁止に反した者(事業者の労働者及び役員等)は刑事罰を科せられることはありません。もっとも、守秘義務および範囲外共有の禁止のどちらも、違反した場合の罰則(懲戒処分など)を就業規則に定めることで、社内ルールとしてのペナルティを課すことはできます。

なお、「指針」には「通報者の探索の禁止」も定められています。これは公益通報者を特定しようとする行為のことです。「範囲外共有」は「公益通報者を特定させる事項を知っている者」の行為であり、「通報者の探索」は「公益通報者を特定させる事項を知らない者」の行為であるという対比も可能です。「通報者の探索の結果、範囲外共有が行われる」といったように同時に破られることも十分に考えられることから、指針では両者をセットにして「範囲外共有等の防止に関する措置」という表現が用いられています。「通報者の探索」も「範囲外共有」と同様、違反者が刑事罰を科されることはありません。そこで禁止のルールに実効性を持たすためには、就業規則に罰則規定を盛り込むことで、社内ルールとしてのペナルティを課すことが可能となります。

「退職してから1年」の考え方

公益通報者保護法の改正により「当該通報の日前一年以内」に在籍していた従業員(アルバイトや派遣労働者党も含む)がする内部通報も公益通報となり得ることとなりました。この改正は2022年6月1日から施行されますが、2022年6月1日以後に退職した従業員だけが改正法の保護を受けることができるのではなく、2022年5月31日以前に退職した従業員であっても2022年6月1日以降の通報からその要件を充たせば公益通報となり得るということです。

なお、内部通報先が社内掲示板にだけ掲示されているのであれば退職者は通報窓口を認識できません。社内規程を改正して退職者も内部通報をできるようにしたものの、実際の運用フロー(退職者の通報窓口へのアクセス経路の確保、本人確認の方法など)が検討されていなければ画餅に帰すため注意が必要です。

「記録」の考え方とセキュリティホール対策

改正公益通報者保護法の指針によると、事業者は、内部公益通報対応体制を実効的に機能させるための措置として、「記録の保管、見直し・改善、運用実績の労働者等及び役員への開示に関する措置」をとる必要があります。この措置は具体的には次の内容となります。

イ 内部公益通報への対応に関する記録を作成し、適切な期間保管する。
ロ 内部公益通報対応体制の定期的な評価・点検を実施し、必要に応じて内部公益通報対応体制の改善を行う。
ハ 内部公益通報受付窓口に寄せられた内部公益通報に関する運用実績の概要を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において労働者等及び役員に開示する。

この中でも業務従事者がとくに気になるのは「記録をどこまで書き込むか」です。「記録」を読んだだけで通報者が特定されるのであれば、記録面から通報者の特定を避けようとすると、記録を一切残さない方が良いということになりかねません。しかし、通報内容に関して紛争が生じた場合は、記録が証拠になりますし、内部通報制度が適切に機能しているかどうかを監査役監査や内部監査で確認しようとすると、業務従事者が実施した記録が監査対象となります。そこで記録は充実させる必要があります。

その一方で、記録に対するセキュリティを強化しておく必要があります。具体的には、紙のファイルであれば鍵のかかるロッカーで保管し、データであれば必ずパスワードを付して関係者以外はアクセス不能のフォルダ内で管理することが考えられます。ただし、鍵のかかるロッカーといえども、鍵(とくにスペアキー)を誰が管理しているのか、スペアキーの管理状況はどうかについては事前に把握しておきましょう。ここがセキュリティホールとなり、範囲外共有が起きる可能性があるからです。また、社内のシステム(メール、ファイル共有システム、社内SNS)には必ず管理者権限を持つ管理者がいます。ユーザー権限では関係者以外はアクセス不能となっているフォルダであっても、管理者が管理者権限を使えば簡単に入ることができる可能性が“大”です。また、金融機関や一部の事業会社ではメールのモニタリングはオフィシャルな形で日常的に実施されていますが、そのような環境下でメールにより「公益通報者を特定させる事項」をやり取りすれば、メールのモニタリングを通じて「公益通報者を特定させる事項」がダダ洩れになります。内部通報用のWEBフォームを設置したとしても、通報があったことがメールで届くのであれば、結局のところメール管理者にモニタリングされる可能性があります。最近ではリモートワークの普及に伴い、リモートワークに従事する者のPCの操作状況や画面を監視するサービスも普及しましたが、こういったサービスの同時利用に伴い「公益通報者を特定させる事項」がやはりダダ洩れになる可能性があります。さらに、ランサムウェアなどで「公益通報者を特定させる事項」が社外流出すれば、内部通報制度への信頼が一気に損なわれることは明らかです。「内部通報者とのやり取り」「公益通報の業務従事者間でのやり取り」「記録の保管」にあたってはくれぐれもセキュリティホールがないかについて細心の注意を払っておくべきです。

さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。

<正解>
GOOD発言はこちら

取締役B:「会社のメールアドレスや社内SNSでのやり取りは、いくら閲覧者を限定したとしても範囲外共有のリスクがあります。」
コメント:会社のメールシステムにはシステム管理者が存在し、管理者権限で従業員のメール本文を閲覧できるようになっているのが通常です。また、社内SNSにもシステム管理者が存在し、システム管理者はクローズドな投稿であっても内容を確認できるようになっている場合があります。このように内部公益通報の情報をやり取りする際には、システムの管理者権限を用いることで範囲外共有が可能になってしまうリスクがあるのですが、意外と見過ごされがちなリスクでもあります。そのリスクを指摘できた取締役Bの発言はGood発言です。

取締役C:「単に退職者からの通報を受け付けるための窓口を作るだけでは不十分であると考えます。退職者がその窓口の存在を認識できるようにしなければなりません」
コメント:退職者からの通報を受け入れることができるように規程を変え、窓口を整えたところで、肝心の退職者に当該窓口へのアクセス方法が伝わらなければワークしません。せっかく良い制度を整えたところで、実際にワークしなければ意味がありません。取締役Cの発言は実際にワークするかどうかという視点から行われたGood発言です。

BAD発言はこちら

取締役A:「結局のところ、公益通報業務従事者でない者であっても範囲外共有をすると刑事罰を科されることになるわけですね。」
コメント:改正公益通報者保護法に基づく内部通報制度の運用に際して刑事罰を科される可能性があるのは「公益通報対応業務従事者又は公益通報対応業務従事者であった者」であり、かつ、刑事罰を科される可能性があるのは、守秘義務違反(正当な理由がなく、その公益通報対応業務に関して知り得た事項であって公益通報者を特定させるものを漏らした場合)てす。取締役Aの発言は守秘義務の内容を理解しておらず、守秘義務と範囲外共有の区別も付いていないBad発言です。

取締役D:「そうですね。ただ、2022年6月1日以降に退職する従業員が対象なので、その者に通報窓口の案内用紙を配ればいいのではないでしょうか。」
コメント:退職者の通報が内部公益通報たりうるのは「2022年6月1日以降に退職後1年以内に行われる退職者からの公益通報」です。2022年6月1日以降に退職する従業員だけが対象ではなく、2022年5月31日以前に退職した退職者からの通報も退職後1年以内であれば公益通報たりえます。