2021/05/12 コロナ禍における役員報酬を巡る3つのトレンド(会員限定)

3月決算企業を例にとると、通常、役員報酬を巡る大きな動きがあるのがこの時期だ。前期(2021年3月期)の決算数値が固まったことを受け前期の役員報酬額を支払うとともに、遅くとも6月中には今期の目標を設定し、役員報酬額の算定ロジック(どういう条件をクリアすれば役員報酬がいくら支払われるか)を決めることになる。

しかし、経営環境が大きく変化する中、特にコロナ禍の影響を受けやすい企業では、今期の目標設定や役員報酬額の算定ロジックの決定を9月~10月に遅らせるという動きが見受けられる。本来、企業価値向上へのインセンティブを高めるという観点からは、目標設定等の時期は早ければ早いほど良いはずである。その点からすると、例年の「6月」でも期初からは既に3か月が経過しており、それをさらに9月や10月まで遅らせるとなると、平時であれば“後出しじゃんけん”との批判を受けかねないが、不確実性があまりにも高い現在、それも許容される余地は十分にあろう。

現在の状況にあっても目標設定等は例年通りの時期に行うという企業の間でも、目標や算定ロジックは見直す動きがみられる。具体的には、定性的な目標を立てるとともに、非財務指標による評価のウェイトを大きくしようというものだ。コロナ前の役員報酬は、できるだけ定量的な目標を定め、その達成度合に応じて機械的に報酬額を算出するという傾向が強かったが、コロナ禍においては定量的な目標を立てても大幅未達という結果になる恐れがある。「結果責任」と言ってしまえばそれまでだが、非常事態の中で役員には平時以上の頑張りが求められる中、現状では定量的な目標を立ててもインセンティブとして機能しない可能性がある。評価指標に定性的な要素の割合を増やすことは検討に値しよう。

また、「時間軸」をずらすことを検討している企業もある。コロナ禍の早期収束が見込めない中、賞与(現金)などの短期インセンティブは低調となることが予想される。そこで、賞与を長期インセンティブに寄せる、すなわち、中長期の業績等に基づき支給するようにすることも選択肢となる。

以上、コロナ禍における役員報酬の3つのトレンドをまとめると下記のとおり。

(1)目標設定等の時期を遅らせる
(2)定量的でない(定性的=非財務)指標を増やす
(3)賞与のベースとなる時間軸を短期から中長期に移す

ここまで述べて来たのは基本的に役員報酬の低額化を防ぐための手法だが、どうしても役員報酬の削減が避けられない場合もある。それは、従業員の給与削減やリストラを実施した(する)場合だ。従業員にだけ“痛み”を強いれば、役員と従業員の利害の不一致が生じ、従業員から不満の声が上がるだろう。これは、ステークホルダーとしての従業員を重視するという最近のコーポレートガバナンスやESG投資(特に「S」)の潮流にも反する(【特集】「〜株主からステークホルダー全体へ〜世界中で台頭するコーポレートガバナンスの新たな考え方」参照)。経営陣も進んで痛みを甘受する必要があろう。

ESG投資 : 「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」に優れた企業に投資すること。

2021/05/11 解禁に向け資金決済法が施行 給与のデジタルマネー払いにどう対応する?

“交通系”のSuica、PASMO、“流通系”のWAON、nanaco、楽天Edy、“QRコード系”のPayPay、LINE Pay(ZホールディングスとLINEの統合に伴い、2022年を目途に統合予定)など、電子マネーの利用によるキャッシュレス決済は既に身近なものとなっているが、いよいよ賃金(給与)の“デジタルマネー払い”の解禁が目前に迫っている。デジタルマネー払いを可能にするうえで法令上のハードルとなってきたのが「資金決済法」と「労働基準法」だが、このうち・・・

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2021/05/11 解禁に向け資金決済法が施行 給与のデジタルマネー払いにどう対応する?(会員限定)

“交通系”のSuica、PASMO、“流通系”のWAON、nanaco、楽天Edy、“QRコード系”のPayPay、LINE Pay(ZホールディングスとLINEの統合に伴い、2022年を目途に統合予定)など、電子マネーの利用によるキャッシュレス決済は既に身近なものとなっているが、いよいよ賃金(給与)の“デジタルマネー払い”の解禁が目前に迫っている。デジタルマネー払いを可能にするうえで法令上のハードルとなってきたのが「資金決済法」と「労働基準法」だが、このうち昨年(2020年)6月に改正された資金決済法がこの5月1日から施行されている。

資金決済法とは決済に伴う資金移動などに関するルールを定めた法律で、今般の改正資金決済法が施行される前は、「銀行以外の者」が為替取引を業として営む場合には財務局への登録を求めるとともに、取引金額も「100万円以下」に制限されていた。ここでいう「為替取引」とは、要するに、対面していない者の間に立ち、現金送付以外の方法による送金を仲介すること指す。この仲介業者は「資金移動業者」と呼ばれ、PayPay株式会社や楽天Edy株式会社なども資金移動業者に名を連ねている(資金移動業者の一覧はこちら)。要するに、「賃金のデジタルマネー払い」とは、賃金を銀行口座でなく、PayPayなどの資金移動業者が提供する口座に振り込むことを指す。改正資金決済法では、資金移動業者を「第一種資金移動業者(高額類型)」「第二種資金移動業者(現行類型)」「第三種資金移動業者(少額類型)」の3つに区分し、このうち第一種資金移動業者(高額類型)については、金融庁の認可を得ることを条件に、100万円超える為替取引(海外送金を含む)を可能とした(他の類型は登録制。詳細は厚生労働省の資料22ページ参照)。

一方、労働基準法上のハードルはまだクリアされていない。労働基準法24条は「賃金は‥通貨で‥支払わなければならない」と規定し、「現金払い」を原則としており、労働者の同意を得た場合のみ「銀行・証券会社等の本人口座への振込み」と「退職手当に限り小切手等での支払い」が認められている(同法施行規則第7条の2)。すなわち、賃金をデジタルマネーで支払うためには上記施行規則(厚生労働省令)の改正が必要になるが、政府は2020年7月に閣議決定した「成長戦略フォローアップ」の中で「デジタルマネーによる賃金支払い(資金移動業者への支払い)の解禁」を目標に掲げており(116ページのウ参照)、これを受け厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会)は資金移動業者の口座への賃金支払いについて議論を重ねている。成長戦略フォローアップでは「2020年度できるだけ早期の制度化を図る」とされていることからすると、スケジュール的には遅れが出ているのが現状だが、これは、労働者保護の観点から以下のような懸念が生じているため。労働政策審議会の慎重な姿勢がうかがえるところだが、いずれにせよ改正厚生労働省令は近く公布されることになろう。

(1) 即日、1円単位での引き出しが可能か
(2) 資金移動業者が破綻した場合の補償が充分か
(3) 事実上、使用者が特定の業者を指定することにならないか
(4) 入出金記録や使途に関する情報が第三者へ漏洩しないか

企業の経営陣からは「銀行振込みの方が安心感があり、デジタルマネー払いが普及するとは思えない」といった声も聞かれるが、米国などでは既に普及していることや、従業員、そして企業自身のメリットを考えると、必ずしもそうとは言えないだろう。

まず従業員側のメリットとしては、ATMで現金を引き出す手間がなくなる。コロナ禍がまだしばらく続くようであれば、このメリットは大きくクローズアップされるはずだ。ちなみに、デジタルマネー払いになったからといって、現金が引き出せなくなるわけではない。米国などでは資金移動業者が「ペイロール(=給与)カード」と呼ばれるカードを発行しており、このカードを使えば銀行のATMから現金を引き出すこともできる。日本でも同様の仕組みが導入される可能性が高い。

また、少子高齢化により人手不足が深刻化する中、特に小売業、飲食業界では外国人労働者を大量に雇用している企業が少なくないが、外国人労働者は銀行口座の開設が難しい場合がある。こうしたケースでは、外国人労働者の賃金の受取手段としてデジタルマネー払いが重宝されよう。

さらに、資金移動業者への振込手数料は銀行への振込手数料よりも低く設定されているため、企業は振込手数料を節約できるうえ、短期間での賃金の支払いを求めるパート、アルバイトの要望にも応えやすい。

デジタルマネー払いの大きな課題となりそうなのが、例えば引き続き銀行振込みを希望する従業員とデジタルマネー払いを希望する従業員が混在した場合、賃金支払いの事務負担が過重になる恐れがあるということだ。銀行振込みを希望する従業員が一定数いる中で、全従業員一律デジタルマネー払いというわけにもいかないだろう。

もっとも、デジタルマネー払いは従業員の利便性を高める観点から導入が検討されているものであり、近年、ステークホルダーとしての従業員を重視する傾向が強まる中(【特集】「〜株主からステークホルダー全体へ〜世界中で台頭するコーポレートガバナンスの新たな考え方」参照)、自社がデジタルマネー払いに対応しているか否かは従業員満足度にも大きく影響する可能性がある。経営陣は、賃金支払いの事務負担増加に配慮しながら、デジタルマネー払いの導入を検討する必要が出て来ることも考えられる。自社の対応を検討するうえでも、厚生労働省令の内容が注目されるところだ。

2021/05/10 【2021年4月の課題】各運用機関の2021年議決権行使方針(会員限定)

日本シェアホルダーサービス株式会社
コンサルタント 水嶋 創

本年(2021年)6月の株主総会シーズンを前に、国内機関投資家の議決権行使ガイドライン(以下、ガイドライン)の改定が相次ぎました。各機関投資家の改定内容は様々ではありますが、並べてみるといくつかの共通テーマが浮かび上がってきます。本年はガイドライン改定を実施するタイミングでコーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた議論が進展していたこともあり、取締役会の構成や多様性、サステナビリティ(ESG)といった内容に関する改定も確認されます。

本稿では、国内の主要機関投資家各社に共通して見られるガイドラインの改定内容について確認します。もちろん、企業にとってどの機関投資家が「主要」と位置付けられるのか、すなわちどの機関投資家の議決権行使判断が自社の議案の賛成率に与える影響が大きいかについては、当然のことながら企業毎に状況が異なりますが、ここでは国内最大の年金基金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)からの運用受託額が大きい投資家(アセットマネジメントOne、ブラックロック・ジャパン、三井住友トラスト・アセットマネジメント、三菱UFJ信託銀行、りそなアセットマネジメント)と投資信託の運用額の大きい投資家(野村アセットマネジメント、大和アセットマネジメント)のガイドラインを中心に分析を行います。なお、日興アセットマネジメントも投資信託の運用額の大きい投資家に位置付けられ、本年2月にガイドラインの改定を実施していますが、文言等の変更はあったものの具体的な基準の変更は確認されなかったことから、本分析の対象外としています。

取締役会の構成に関する改定

まず、取締役会の構成に関する改定から見ていきます。下表のとおり、5つの機関投資家が本テーマについてガイドラインを改定しています。

機関投資家 ガイドライン改定内容(要旨)
アセマネOne ・親会社等のいない会社に求める社外取締役の割合を、「2名以上かつ20%以上」から「2名以上かつ25%以上」に引き上げ(2022年4月以降は「1/3以上」への引き上げを検討)
大和AM ・東証一部上場企業以外に求める社外取締役の割合を1名以上から2名以上に引き上げ
野村AM 支配株主のいない監査役設置会社に求める社外取締役の割合を、原則2名以上から1/3以上に引き上げ(2021年11月以降適用)

支配株主 : 必ずしも一律の定義はないが、東証の上場規則では、議決権の50%超を有している者や議決権の40%以上を有している者で、かつ、取締役の過半数を派遣していたり重要な財務および事業の方針の決定を支配する契約書が存在していたりする者を指す(東証 有価証券上場規程施行規則3条の2)。「支配株主」以外を「一般株主」という。ちなみに、上場会社の支配株主自体も上場しているケースが「親子上場」である。(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)

ブラックロック ・監査等委員会設置会社に求める社外取締役の割合を2名以上から1/3以上に引き上げ(2022年以降適用)
・プライム市場上場の監査役設置会社に対して、1/3以上の社外取締役選任を要求(2022年以降適用)
りそなAM ・親会社・支配株主のいない監査役設置会社に求める社外取締役の割合を、「2名以上かつ20%以上」から「2名以上かつ25%以上に引き上げ(次回(2022年)の改定において「1/3以上」への引き上げを検討)
・親会社・支配株主を有する場合の基準を1/3以上から過半数に引き上げ

本年3月に公表され、(4月7日~)5月7日までパブリックコメントに付されていたコーポレートガバナンス・コード改訂案におけるポイントの一つとして、プライム市場上場会社に対し、独立社外取締役の1/3以上の選任が実質的に義務付けられたことが挙げられます(原則4-8)。

国内機関投資家では、既に三菱UFJ信託銀行や三井住友トラスト・アセットマネジメントが、議決権行使の判断基準として、今回のガイドライン改定以前に「1/3基準」を導入していましたが、これに続いて野村アセットマネジメントやブラックロック・ジャパンも本年株主総会シーズン以降、原則として「1/3以上」の社外取締役選任を求めることとなりました。本年は「25%以上」への引上げにとどまったアセットマネジメントOneやりそなアセットマネジメントも、来年以降「1/3以上」への変更を検討していると表明しています。

一方、海外機関投資家の議決権行使判断に大きな影響力をもつ議決権行使助言会社ISSも、2022年2月より、監査役設置会社に対し「1/3基準」を適用する予定となっています(指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社に対しては既に同基準を導入済み)。したがって、来年にはほとんどの機関投資家が、企業の機関設計に関わらず1/3以上の社外取締役の選任を求めることになります。

社外役員の任期に関する改定

社外役員の任期については、下表のとおり3つの機関投資家がガイドラインを改定しています。

機関投資家 ガイドライン改定内容(要旨)
野村AM ・在任期間が12年以上の社外役員の独立性を否認
ブラックロック ・在任期間が16年以上の社外役員の独立性を否認(本改定前から、「社外役員の在任期間が著しく長期にわたる場合」には独立性を否認していたが、今回具体的な年数が明示された)
りそなAM ・在任期間が12年以上の社外役員の独立性を否認

本年6月株主総会に向けたガイドラインの改定では、上表のとおり、野村アセットマネジメント、りそなアセットマネジメントが社外役員の在任期間に関する基準を新設し、ブラックロックが独立性を否認する在任期間の明確化を図ったことが確認されました。これには、在任期間が長期に及んだ場合、企業からの独立性が薄れ、社外役員として厳しい発言などがしにくくなる恐れがあるとの懸念が背景にあります。

既に社外役員の在任期間に関する基準を設定している投資家も多く、アセットマネジメントOneと大和アセットマネジメントは「12年以上」、三菱UFJ信託銀行は「20年以上」で独立性を否認しています。機関投資家によって違いはあるものの、国内においては、「12年」が主流になりつつあると言えそうです。一方、議決権行使助言会社のISSやグラスルイスは、現状では日本企業向けポリシーにおいて在任期間に関する基準を置いていません。

ジェンダー・ダイバーシティに関する改定

ジェンダー・ダイバーシティについては、下表のとおり2つの機関投資家がガイドラインを改定しています。

機関投資家 ガイドライン改定内容(要旨)
大和AM ・TOPIX100構成企業で女性取締役/監査役が不在の場合に代表取締役の再任に反対
ブラックロック ・TOPIX100構成企業で女性取締役/監査役が不在かつ合理的な説明がなされない場合に責任のある取締役の再任に反対
りそなAM (・今後女性役員に関する基準導入を検討)

コーポレートガバナンス・コードの改訂議論を進めて来たフォローアップ会議では女性役員の選任義務付けを求める声もありましたが、今回の改訂での導入は見送られました。一方、国内機関投資家では、大和アセットマネジメントとブラックロック・ジャパンがTOPIX100構成企業を対象として女性役員に関する基準を導入しました。りそなアセットマネジメントは今後の導入を示唆するとどまったものの、「検討」することを明記したことからすると、近い将来、導入に踏み切ることが予想されます。

議決権行使助言会社では、グラスルイスが東証一部・二部上場会社に女性役員の選任を求めているのに対し、ISSは女性役員に関する基準を導入していません。ただし、投資家独自の基準として日本企業に対し女性取締役に関する基準(不在の場合に経営トップの選任議案に反対するなど)を置く海外機関投資家も増えてきています。来年以降、国内においてジェンダー・ダイバーシティ基準を導入する機関投資家が増える、あるいは既に導入している機関投資家が対象企業(現状は「TOPIX100構成企業」など)を拡大する(例えば「プライム市場上場企業」など)可能性もあります。また、海外機関投資家の行使判断に与える影響が大きいISSの動向も引き続き注目されるところです。

政策保有株式に関する改定

政策保有株式については、下表のとおり1つの機関投資家がガイドラインを改定しています。

機関投資家 ガイドライン改定内容(要旨)
大和AM (・政策保有株式の自己資本に占める割合が高い場合は、資本効率の点から問題があると考えており、今後基準導入を検討)
三井住友トラスト ・ 政策保有株式を過大に保有している企業について、対話の申入れに応じない場合や、継続的な対話実施にも関わらず改善がみられない場合に取締役選任への反対を検討
りそなAM (・資本効率や企業統治の低下を招く政策保有株式について、一定の範囲を超えて保有している企業に対しての基準導入を検討)

議決権行使助言会社では、グラスルイスが本年(2021年)から、政策保有株式を過大に保有する企業の取締役選任議案に反対するとの基準の適用を開始しています(政策保有株式の金額が純資産の10%以上の場合、経営トップの選任議案に反対推奨)。また、ISSも来年(2022年)から、政策保有株式の金額が純資産の20%以上の場合に経営トップの選任議案に反対推奨するとの基準の適用を開始する予定となっています。

一方、政策保有株式に関する基準を置く国内機関投資家は、SOMPOアセットマネジメントや三井住友DSアセットマネジメントなど限定的であったところ、上表のとおり、三井住友トラスト・アセットマネジメントが、企業が対話の申込みに応じない場合や対話を経ても改善がみられない場合に取締役選任への反対を検討するとの基準を新設しました。さらに大和アセットマネジメントとりそなアセットマネジメントは、今後の基準導入の可能性を示唆しています。

政策保有株式に関する機関投資家の関心は高いものがあります。したがって、たとえ現在は特段の基準を設定していない機関投資家であっても、対話のテーマとなり得ることはもちろん、将来的にはガイドラインを改定する可能性がある点、注意したいところです。

ESGに関する改定

ESGについては、下表のとおり3つの機関投資家がガイドラインを改定しています。

機関投資家 ガイドライン改定内容(要旨)
アセマネOne ・気候変動リスクなど情報開示を求める株主提案について株主価値向上に資すると判断される場合は原則賛成する
ブラックロック ・気候変動に関連するリスクが高いと考えられる投資先企業において、情報開示等が不十分な場合、責任のある取締役の再任に反対する
三井住友トラスト ・ESGなど重大な課題を有する企業について、対話の申入れに応じない場合や、継続的な対話実施にも関わらず改善がみられない場合に取締役選任への反対を検討する

昨今、年金基金のみならず、投資信託においてもいわゆるサステナビリティファンドに資金が流入していると言われており、ESG投資がますます進展していることが窺われます。上表とおり今回の機関投資家のガイドライン改定におけるESGに関する規定の新設も、こうした流れに沿ったものと言えるでしょう。

具体的に見ると、アセットマネジメントOneは、気候変動に関する情報開示を求める株主提案について、株主価値向上に資する場合には原則賛成するとの立場を明文化しました。もっとも、昨年みずほフィナンシャルグループに提出された気候変動に関する計画の開示を求める株主提案議案の賛成率が34%に上ったことからも分かるとおり、ESGについてガイドラインに特段の基準を設けていない機関投資家であっても、こうした株主提案に賛成することは十分にあり得るという点には留意すべきでしょう。

ブラックロック・ジャパンは、気候変動に関する情報開示等が不十分な場合には会社提案の取締役選任議案に反対するとしています。同様に三井住友トラスト・アセットマネジメントも、企業がESG課題に関する対話の申し入れに応じない場合や進捗が不十分な場合には反対行使を検討するとの基準を新設しています。

コーポレートガバナンス・コード改訂案においても、「サステナビリティの開示」に関する補充原則3-1③が新設され、サステナビリティについての取組みの開示を求めています。さらに、プライム市場上場会社については「TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示」が求められることとなりました。議決権行使判断において考慮される企業のESG課題としても、気候変動問題がその筆頭であると言えるでしょう。

TCFD : 主要国の金融当局(中央銀行、金融監督当局、財務省)やIMF(国際通貨基金)、世界銀行、BIS(国際決済銀行)、OECD(経済協力開発機構)などで構成される国際的な金融システムの安定を目的とする組織である金融安定理事会(FSB)が設置した組織。TCFDとは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略である。TCFDが2017年6月に公表した最終提言は、気候変動リスクに関する情報開示のフレームワーク(枠組み)のグローバルスタンダードになりつつある。この開示フレームワークは制度開示書類、つまり日本においては有価証券報告書への適用を想定しているが、日本においては現状、金融庁が気候変動リスクについて「開示義務化の予定はない」と明言しており、有価証券報告書だけでなく、統合報告書など投資家向け任意開示書類を含む開示媒体への“自主的な”記載が推奨されている。(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)

本年総会以降の見通し

ここまで、国内主要機関投資家の本年6月株主総会シーズンに向けたガイドライン改定において確認された共通テーマとして、①取締役会構成、②社外役員の任期、③ジェンダー・ダイバーシティ、④政策保有株式、⑤ESGを取り上げてきましたが、これらを「時間軸」で見ると、その“ステージ”には違いが見られます。

①取締役構成と②社外役員の任期については、国内機関投資家の目線としてそれぞれ「社外取締役1/3以上」、「在任期間12年程度まで」という水準に概ね収れんしつつある状況と言えそうです。

一方、③ジェンダー・ダイバーシティ、④政策保有株式については、これまで企業と機関投資家の対話におけるテーマであったものが、議決権行使ガイドラインに織り込まれはじめた段階にあると考えられます。次回のガイドライン改定では、③「女性役員不在の場合、経営トップの選任に反対する」や④「政策保有株式が純資産の〇%以上の場合、経営トップの選任に反対する」といった基準の新設が進むことも予想されます。

さらに、⑤ESGについては、企業と機関投資家との対話がまさに進行している段階にあると言えるでしょう。機関投資家の間では、広範に及ぶESG課題のうち、まずは気候変動問題が重要であるとの認識が浸透しており、対話の進展に伴って、「企業の気候変動に関する方針や情報の開示が不十分である」などを理由とした取締役選任議案への反対行使等が徐々に増加することが予想されます。

気候変動に続くテーマとしては、例えばコロナ禍において注目が高まっている「人権」などが考えられます。実際、大和アセットマネジメントは、ガイドライン改定のリリースにおいて「当社では、ビジネスと人権について、企業の人権に対する取組みや情報開示を促すことは重要なエンゲージメントのテーマであり、課題であると認識しています」と表明しています。将来的には、対話を経てもなお「重要なESG課題に対する企業の取組みが不足している」とみなされた場合などに、取締役選任議案への反対行使が増加するということが起こるかもしれません。もっとも、重要なESG課題は企業によって異なると考えられます。上場会社の経営陣は、自社のビジネスにとって重要なESG課題を整理するとともに、投資家との対話を通じて自社の取組みに対する評価や認識の齟齬がないかなどを確認することがますます重要になってくると言えるでしょう。

2021/05/10 表を用いない「取締役の有するスキル等の組み合わせ」の開示(会員限定)

改訂コーポレートガバナンス・コードのパブリックコメントが(2021年)5月7日に締め切られたが、企業側から関係機関への問い合わせが「スキル・マトリックス」に集中している模様だ。

周知のとおり、取締役会の多様性の開示を求める補充原則4-11①が改訂され、「取締役の有するスキル等の組み合わせ」の開示方法としてスキル・マトリックスが挙げられている(赤字が改訂部分)。

取締役会は、事業戦略に照らして自らが備えるべきスキル等を特定した上で、取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方を定め、各取締役の知識・経験・能力等を一覧化したいわゆるスキル・マトリックスをはじめ、経営環境や事業特性等に応じた適切な形で取締役の有するスキル等の組み合わせを取締役の選任に関する方針・手続と併せて開示すべきである。その際、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含めるべきである。

改訂補充原則4-11①(以下、改訂原則)で「スキル・マトリックスをはじめ・・・」という曖昧な表現が使われていることが、「スキル・マトリックスを開示しなくてもよいのか?」「スキル・マトリックス以外だとどのような開示方法が認められるのか?」といった疑問につながっているものと思われる。また、これまでスキル・マトリックスを公表したことがある企業が極めて少ないという背景もある。経済産業省に設置された事業再編研究会が昨年(2020年)4月20日の第5回会合に提出した資料(41ページ)によると、東証一部・二部上場企業(図中の「全社」を指す)のうちスキル・マトリックスを作成・公表している企業は4%に過ぎない(下図参照。なお、図中の「対象企業」とは JPX 日経インデックス 400の構成銘柄企業のうち複数の報告セグメントを有する企業を指す)。

JPX 日経インデックス 400 : 東京証券取引所および日本経済新聞社が東証の市場第一部等に上場している株式のうち代表的な銘柄として選定した400銘柄。業績が低迷している企業を除いたうえで規模が大きい企業が選定されるため、東京証券取引所の代表的銘柄とも言える。

スキル・マトリックスの作成・公表状況
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この点、当フォーラムの取材によると、改訂原則では必ずしもスキル・マトリックスの開示を求めているわけではないことが改めて確認されている。すなわち、スキル・マトリックスは開示方法の一例にすぎず、「取締役の有するスキル等の組み合わせ」の開示形式は企業の創意工夫に委ねられているということだ。

ポイントは、別に「表形式で開示しなくてもよい」ということである。例えば、それぞれの取締役が有するスキル等を「文章」で説明した場合でも、改訂原則をコンプライしたことになる。スキル・マトリックスという言葉が独り歩きし、専門家による解説記事等の中にも「改訂原則はスキル・マトリックスの開示を求めている」と言い切っているものが見受けられるが、これは誤りなので注意したい。

スキル・マトリックスを作成するうえでは、各取締役の有するスキル等をある程度大まかにカテゴライズせざるを得ない(例えば「国際性」「マーケティング」など)。この点からすると、例えば一口に「国際性」と言っても、スキル・マトリックスに「〇」を付すだけよりも、文章で説明した方が読み手にもその取締役が有する国際性の内容の詳細とともに、他の取締役が有する国際性との違いが伝わり、結果として「国際性」のいう一つのカテゴリ―の中での多様性も表現できるという考え方もある。他社の開示事例にとらわれることなく、自社の各取締役のバックグラウンドを踏まえて、自社に適した開示方法を検討したいところだ。

2021/05/10 表を用いない「取締役の有するスキル等の組み合わせ」の開示

改訂コーポレートガバナンス・コードのパブリックコメントが(2021年)5月7日に締め切られたが、企業側から関係機関への問い合わせが「スキル・マトリックス」に集中している模様だ。

周知のとおり、・・・

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2021/05/01 【WEBセミナー】対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案~企業からの質問等を踏まえて~

概略

【WEBセミナー収録日】2021年4月24日(土)

現在東証よりパブリックコメントに付されている(4月7日〜5月7日)改訂コーポレートガバナンス・コード案を巡っては、上場企業各社から様々な意見や疑問等が聞かれます。例えば、今回の改訂のメインテーマの一つである中核人材の多様性については、女性・外国人・中途採用者に期待されているものがスキルなのかデモグラフィなのかが分からないといった指摘があり、取締役会の多様性と独立社外取締役の構成割合の引上げについては、人数を減らすことと多様性を高めることを同時に実現しなければならず、対応が難しいと打ち明ける企業もあります。また、多くの企業がコンプライのハードルが高いと考えている気候変動開示については、開示フレームワークのスタンダードが定まっていない状況の現時点で気候変動データを出させることに意味があるのかといった厳しい声もあります。このほか、サステナビリティの「基本的な方針」の内容、サステナビリティの項目に「知財」が入った理由、事業ポートフォリオ戦略を「実効的に監督」ではどのような説明が期待されているのか、「事業ポートフォリオに関する基本的な方針」との関係等々、企業の悩みは広範に及んでいます。
本セミナーでは、金融庁・フォローアップ会議のメンバーであり、SBI大学院大学、京都大学でもコーポレートガバナンスをテーマに教鞭をとる上田亮子様と、同じくコーポレートガバナンスの専門家であり、上場企業との接点も多い日本シェアホルダーサービス 研究開発/コンサルティング部でチーフコンサルタントの藤島裕三様に、コーポレートガバナンス・コード改訂案に対する企業からの質問等をテーマに対談していただきます。改訂の趣旨・背景などを踏まえたやり取りは、今後企業が改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を検討するうえで非常に参考になるはずです。

【講師】
上田 亮子(うえだ りょうこ)様
  ×
藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう)様

セミナー資料 対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案~企業からの質問等を踏まえて~.pdf

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セミナー動画
対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案~企業からの質問等を踏まえて~

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2021/05/01 【WEBセミナー】「対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案~企業からの質問等を踏まえて~」(会員限定)

概略

【WEBセミナー収録日】2021年4月24日(土)

現在東証よりパブリックコメントに付されている(4月7日〜5月7日)改訂コーポレートガバナンス・コード案を巡っては、上場企業各社から様々な意見や疑問等が聞かれます。例えば、今回の改訂のメインテーマの一つである中核人材の多様性については、女性・外国人・中途採用者に期待されているものがスキルなのかデモグラフィなのかが分からないといった指摘があり、取締役会の多様性と独立社外取締役の構成割合の引上げについては、人数を減らすことと多様性を高めることを同時に実現しなければならず、対応が難しいと打ち明ける企業もあります。また、多くの企業がコンプライのハードルが高いと考えている気候変動開示については、開示フレームワークのスタンダードが定まっていない状況の現時点で気候変動データを出させることに意味があるのかといった厳しい声もあります。このほか、サステナビリティの「基本的な方針」の内容、サステナビリティの項目に「知財」が入った理由、事業ポートフォリオ戦略を「実効的に監督」ではどのような説明が期待されているのか、「事業ポートフォリオに関する基本的な方針」との関係等々、企業の悩みは広範に及んでいます。
本セミナーでは、金融庁・フォローアップ会議のメンバーであり、SBI大学院大学、京都大学でもコーポレートガバナンスをテーマに教鞭をとる上田亮子様と、同じくコーポレートガバナンスの専門家であり、上場企業との接点も多い日本シェアホルダーサービス 研究開発/コンサルティング部でチーフコンサルタントの藤島裕三様に、コーポレートガバナンス・コード改訂案に対する企業からの質問等をテーマに対談していただきます。改訂の趣旨・背景などを踏まえたやり取りは、今後企業が改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を検討するうえで非常に参考になるはずです。

【講師】
上田 亮子(うえだ りょうこ)様
  ×
藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう)様

セミナー資料 対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案~企業からの質問等を踏まえて~.pdf
セミナー動画
対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案~企業からの質問等を踏まえて~

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2021/05/01 WEBセミナー「対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案~企業からの質問等を踏まえて~」配信開始!

新型コロナウイルス禍において会員の皆様に必要な情報をいち早くお届けするべく、2021年5月1日(土)より下記のWEBセミナーの配信を開始いたしました。

テーマ 講 師
対談・コーポレートガバナンス・コード改訂案
~企業からの質問等を踏まえて~
上田 亮子(うえだ りょうこ)様
×
藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう)様

■WEBセミナーの詳細

セミナー
の内容
現在東証よりパブリックコメントに付されている(4月7日〜5月7日)改訂コーポレートガバナンス・コード案を巡っては、上場企業各社から様々な意見や疑問等が聞かれます。例えば、今回の改訂のメインテーマの一つである中核人材の多様性については、女性・外国人・中途採用者に期待されているものがスキルなのかデモグラフィなのかが分からないといった指摘があり、取締役会の多様性と独立社外取締役の構成割合の引上げについては、人数を減らすことと多様性を高めることを同時に実現しなければならず、対応が難しいと打ち明ける企業もあります。また、多くの企業がコンプライのハードルが高いと考えている気候変動開示については、開示フレームワークのスタンダードが定まっていない状況の現時点で気候変動データを出させることに意味があるのかといった厳しい声もあります。このほか、サステナビリティの「基本的な方針」の内容、サステナビリティの項目に「知財」が入った理由、事業ポートフォリオ戦略を「実効的に監督」ではどのような説明が期待されているのか、「事業ポートフォリオに関する基本的な方針」との関係等々、企業の悩みは広範に及んでいます。
本セミナーでは、金融庁・フォローアップ会議のメンバーであり、SBI大学院大学、京都大学でもコーポレートガバナンスをテーマに教鞭をとる上田亮子様と、同じくコーポレートガバナンスの専門家であり、上場企業との接点も多い日本シェアホルダーサービス 研究開発/コンサルティング部でチーフコンサルタントの藤島裕三様に、コーポレートガバナンス・コード改訂案に対する企業からの質問等をテーマに対談していただきます。改訂の趣旨・背景などを踏まえたやり取りは、今後企業が改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を検討するうえで非常に参考になるはずです。
講師の
ご紹介
上田 亮子(うえだ りょうこ)様
金融庁「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」メンバー
SBI大学院大学准教授、京都大学客員准教授

1997年横浜市立大学大学院経営学研究科修了。2014年千葉商科大学政策研究博士。2001年みずほ証券入社後、日本投資環境研究所に出向、転籍。2005年明治学院大学非常勤講師。2014年金融庁金融研究センター特別研究員。2017年みずほインターナショナル(ロンドン)に勤務。2020年よりSBI大学院大学准教授、株式会社マネーフォワード社外取締役、京都大学客員准教授に就任。
首相官邸「未来投資会議 構造改革徹底推進会合」金融庁「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」、「金融審議会市場ワーキンググループ」、「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」、経済産業省「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~プロジェクト(伊藤レポート)」、「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」、「株主総会プロセス等の電子化促進等に関する研究会」、International Corporate Governance Network(ICGN)「株主責任委員会」、IFRS財団・国際会計基準審議会(IASB)〝Management Commentary Consultative Group”等の政府や国際機関の委員を歴任。
「安定株主の分析-過去10年間の推移とコーポレート・ガバナンス上の問題」(商事法務)、”How is corporate governance in Japan changing? -Developments in listed companies and roles of institutional investors-“(OECD Corporate Governance Working Papers)など著書・論文多数。

藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう)様
日本シェアホルダーサービス 研究開発/コンサルティング部 チーフコンサルタント

慶應義塾大学大学院法学研究科修了後、1994年に株式会社大和総研入社。企業調査部アナリスト、同社経営戦略研究所経営戦略研究部 主任研究員 、企業経営コンサルティング部 副部長・シニアコンサルタントを経て2014年、EY総合研究所に入社、未来経営研究部 部長 主席研究員に就任。コーポレートガバナンス改善計画の策定支援、敵対的買収対応に関わる体制整備の支援、IRや株主対応に関する改善支援・アドバイザリーなどに従事。2017年9月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学非常勤講師(2003-2005年)、京都大学大学院非常勤講師(2006-2008年)、財務省 財政投融資ガバナンス委員会 委員(2005ー2006年)、経済産業省コーポレート・ガバナンスの対話の在り方分科会 委員(2013年-)。
『コーポレートガバナンス・マニュアル 21世紀日本企業の条件』(中央経済社、第1版 2005年1月、第2版2008年1月):共著、『現代の財務経営1 コーポレートファイナンス』(中央経済社、2009年3月):共著、『ガイダンス コーポレートガバナンス』(中央経済社、2009年10月):共著など著書・論文多数。

会員の方は下記URLよりWEBセミナーを視聴いただくことができます。
■会員向けURL(ログインが必要です)
https://govforum.jp/member/webseminar-webseminar-l/56064/

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<収録月>
2021年4月

<収録時間>
1時間48分

<サンプル画像>
56067

<視聴環境>
ブラウザー上で視聴できます。インターネットエクスプローラー、エッジで再生できない場合は、ChromeまたはFirefoxなど他のブラウザーをお試しください。また、インターネットに接続する際にプライベートネットワークやプロキシサーバーを経由している場合やファイアーウォールのセキュリティレベルが高い場合には、サンプル動画が再生されない可能性があります。
万が一、こちらのサンプル動画が再生されない場合、端末を管理するシステム管理者にお問い合わせください。

2021/05/01 【2021年5月の課題】スキル・マトリックス作成上のポイント

2021年5月の課題

今般のコーポレートガバナンス・コードの改訂により見直された補充原則 4-11①は取締役会に対し、「経営戦略に照らして自らが備えるべきスキル等を特定」した上で、「各取締役の知識・経験・能力等を一覧化したいわゆるスキル・マトリックスをはじめ、経営環境や事業特性等に応じた適切な形で取締役の有するスキル等の組み合わせ」を開示することを求めています。本改訂の前からスキル・マトリックスの開示事例は散見されましたが、多くの上場会社にとって、スキル・マトリックスの作成・開示は初めての経験となります。
自社のスキル・マトリックスを作成する上で検討すべきポイント、スキル・マトリックスが埋まらなかった場合の対応について考えてみてください。

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