異例づくめの2020年3月決算企業の決算発表、株主総会の開催時期・方式の最新動向が判明した。
決算発表(決算短信の公表)の時期については、平時であれば東証は「遅くとも決算期末後45日以内(決算期末後30日以内がより望ましい)」を要請しているが、2020年3月期決算企業2,337社のうち、5月15日まで(=決算期末後45日以内)に決算発表を行ったのは1,732社と、全体の74.1%に上っている。以下、「5月16日〜22日」に決算発表を行ったのが519社(全体の22.2%)、「6月1日〜17日」が47社(同2.0%)となっており、既に決算発表を終えた企業は2,298社と、2020年3月決算企業の98.3%と大部分を占めている。一方、「6月中」に決算発表を予定している企業は22社(同1.0%)、「7月中」に予定している企業は8社(同0.3%)、決算発表時期を「未定」としている企業は9社(同0.4%)あった。
上記のとおり約3/4の企業が決算期末後45日以内に決算発表を終える中、定時株主総会もほぼ例年どおりの日程で開催する企業が大部分を占めることになりそうだ。今年、定時株主総会が最も集中するのは6月26日(金)で、747社(全体の32.8%)が開催を予定している。6月の最後の1週間に定時株主総会を開催する企業は1,817社と前年より10%増えている。ギリギリのスケジュールで定時株主総会の準備を進めてきた企業が多いことがうかがえる。なお、株主総会招集通知の早期発送(株主総会の3週間(中15営業日)以上前に発送)を実施した企業は372社(全体の17.2% 前年比-5.4%)、早期ウェブ開示(株主総会の3週間以上前までに自社ウェブサイト等において公表)を実施した企業は1,350社(同65.6% 同-3.5%)となっている。こちらにも決算作業の遅れの影響が若干出ている。
6月中に定時株主総会を開催する企業が大勢を占める中、基準日を変更するとした企業が57社とじわじわと増加している。基準日を変更すれば、配当を受ける予定だった株主が受けられなくなるといった問題が生じることから、多くの上場企業がそれだけは回避したいと考えていた(そこで出てきたのが「継続会」を開催するアイデアである。2020年4月13日のニュース『続報 有報の提出期限さらに延期へ、株主総会延期では「継続会」活用論浮上』)ことを踏まえると、主に無配の企業や、取締役会に剰余金の配当を授権することを定款で定めている企業(2020年4月21日のニュース「配当基準日は変えずに議決権基準日を後倒しして総会を延期する企業が出現」参照)が基準日の変更を選択しているものと思われる。一方、100社を超えるとの予想も出ていた継続会を開催することを開示している企業は29社にとどまっている。
基準日 : その日において株主名簿に名前が載っていれば、株主総会での議決権行使や配当を受ける権利を享受できる日のこと。定時株主総会の基準日を定款に記載しなければ、毎年、基準日を公告しなければならない。その手間を避けるために、定款に基準日を記載するのが通常である。
授権 : 「配当の決定権限」といった権限を株主総会から取締役会に委譲すること。
また、(計算書類報告のための)臨時株主総会を開催する企業も4社あった(臨時株主総会を開催する企業については2020年5月18日のニュース『継続会ではなく「臨時株主総会」を開催する企業が出現』参照)。
基準日変更、継続会開催、臨時株主総会を開催する企業は以下のとおり。
| 株主総会の開催方式 | 主な企業名 |
| 基準日変更 | 東芝、スカパーJAST、ナンシン、サンデン、サンリツ、ブロードメディア、JDI、日本板硝子、オリンパス、音通、レオパレス21、三城ホールディングス、昭和ホールディングス、リプロセル、プレステージ・インターナショナル、凸版印刷、フォーバル、フォーバルテレコム、日本電波工業、日立製作所、日立建機、東洋エンジニアリング、アースレティ、相模ゴム工業、玉井商船、ケーヒン、岩崎通信機、クオールホールディングス、チムニー、北日本紡績、鴻池運輸、ユニプレス、Fringe81、やまや、燦キャピタルマネージメント、ショーワ、電業社機械製作所、フレンドリー、ワイエスフード、アジア開発キャピタル、フジクラ、住友精密工業、理研ビタミン、ヴィア・ホールディングス、東京ボード工業、曙ブレーキ工業、富士電機、サンリオ、桂川電機、NTN、UNCエレクトロニクス、コンヴァノ、ミマキエンジニアリング、ユニデンホールディングス、アドバネクス、旅工房 |
| 継続会開催 | NKKスイッチズ、バイオラックス、エヌリンクス、日本農薬、芦森工業、ADEKA、ナカノフドー建設、国際計測器、三栄コーポレーション、中央ビルド工業、フェローテックホールディングス、アイフリークモバイル、リケン、ミクニ、大和自動車交通、大同工業、新田ゼラチン、リーダー電子、リズム時計工業、岡谷電機産業、大成温調、巴川製紙所、寺崎電機産業、水道機工、戸田建設、フコク、タツミ、スペースバリューホールディングス、ASTI |
| 臨時株主総会開催 | ダイセル、オンキョー、五洋インテックス、ミツバ |
