正解です。
2021年3月期決算の有価証券報告書の監査から、公認会計士の監査報告書においてKAM(Key Audit Matters=監査上の主要な検討事項)の記載が始まります。公認会計士がこれまで以上に監査手続を厳格化することが予想されるため、結果として企業側の監査対応負担が重くなる可能性は否定できません。ましてや問題文のように「負担が軽減」されることは考えにくいと言えます。以上より、問題文は誤りです。
こちらの記事で再確認!
2019年8月5日 KAMが導入された場合に予想される企業の負担
正解です。
2021年3月期決算の有価証券報告書の監査から、公認会計士の監査報告書においてKAM(Key Audit Matters=監査上の主要な検討事項)の記載が始まります。公認会計士がこれまで以上に監査手続を厳格化することが予想されるため、結果として企業側の監査対応負担が重くなる可能性は否定できません。ましてや問題文のように「負担が軽減」されることは考えにくいと言えます。以上より、問題文は誤りです。
こちらの記事で再確認!
2019年8月5日 KAMが導入された場合に予想される企業の負担
不正解です。
2021年3月期決算の有価証券報告書の監査から、公認会計士の監査報告書においてKAM(Key Audit Matters=監査上の主要な検討事項)の記載が始まります。公認会計士がこれまで以上に監査手続を厳格化することが予想されるため、結果として企業側の監査対応負担が重くなる可能性は否定できません。ましてや問題文のように「負担が軽減」されることは考えにくいと言えます。以上より、問題文は誤りです。
こちらの記事で再確認!
2019年8月5日 KAMが導入された場合に予想される企業の負担
正解です。
企業は、2020年4月1日から施行される改正労働者派遣法により「同一労働同一賃金」を求められることとなります。近年、従業員の賃金決定方式を従来の「職能資格制度」から、「職務等級制度(ジョブグレード制)」あるいは「役割等級制度(ミッショングレード制)」に変更する日本企業が増えていますが、「職能資格制度」と「職務等級制度(ジョブグレード制)」を比較すると、「職務等級制度(ジョブグレード制)」の方が「同一労働同一賃金」にマッチする賃金制度であると言えます。問題文は誤りです。
こちらの記事で再確認!
2019年8月1日 「職能資格制度」「職務等級制度」「役割等級制度」の違い
不正解です。
企業は、2020年4月1日から施行される改正労働者派遣法により「同一労働同一賃金」を求められることとなります。近年、従業員の賃金決定方式を従来の「職能資格制度」から、「職務等級制度(ジョブグレード制)」あるいは「役割等級制度(ミッショングレード制)」に変更する日本企業が増えていますが、「職能資格制度」と「職務等級制度(ジョブグレード制)」を比較すると、「職務等級制度(ジョブグレード制)」の方が「同一労働同一賃金」にマッチする賃金制度であると言えます。問題文は誤りです。
こちらの記事で再確認!
2019年8月1日 「職能資格制度」「職務等級制度」「役割等級制度」の違い
現在、国土交通省や厚生労働省などが中心となって、トラックドライバーの働き方改革が進められている。一見すると、トラックドライバーを雇用する運送事業者のみに関係する話にも見えるが、実はそうではない。
トラックドライバー不足が深刻化する中、トラックドライバーの長時間労働の是正などの働き方改革を進め、運送事業者が例えば「過労運転防止義務(道路交通法)違反」といったコンプライアンス違反を起こすことがないよう、昨年(2018年)12月には「貨物自動車運送事業法」が改正されたが、 改正法には「荷主」に対しても「必要な配慮」を求める責務規定が盛り込まれている。改正法は「トラック運送事業者」に関連する部分と「荷主」に関連する部分に分けられるが、前者は今年(2019年)11月1日から施行されるのに対し、後者は7月1日から施行されている。つまり、荷主に対しては、トラック運送事業者における働き方改革を実現するために「必要な配慮」をするといった法律上の義務が既に課されているわけだ。
貨物自動車運送事業法:トラック運送事業の種類や許可、過労運転の防止、過積載の禁止などを規定する法律。トラック運送事業のみならず、宅配便やバイク便などの事業もこの法律の適用を受ける。
ここでいう「トラック運送事業者」という用語は、国土交通省や厚生労働省などのパンフレットでも使用されているが 、これには、文字通りトラックによって重量のある荷物などを運送する事業者のみならず、宅配便やバイク便も含まれることが当フォーラムの取材により確認されている。すなわち、トラック運送事業者を利用する「荷主」には、建設業者や流通業者などの“ヘビーユーザー”はもちろん、宅配便やバイク便を利用する事業者も含まれることになる。通常、上場企業であれば業種を問わず「荷主」に該当することになろう。
7月1日から施行されている「荷主」に関係する改正貨物自動車運送事業法の改正点は下記の3つである。・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。
現在、国土交通省や厚生労働省などが中心となって、トラックドライバーの働き方改革が進められている。一見すると、トラックドライバーを雇用する運送事業者のみに関係する話にも見えるが、実はそうではない。
トラックドライバー不足が深刻化する中、トラックドライバーの長時間労働の是正などの働き方改革を進め、運送事業者が例えば「過労運転防止義務(道路交通法)違反」といったコンプライアンス違反を起こすことがないよう、昨年(2018年)12月には「貨物自動車運送事業法」が改正されたが、 改正法には「荷主」に対しても「必要な配慮」を求める責務規定が盛り込まれている。改正法は「トラック運送事業者」に関連する部分と「荷主」に関連する部分に分けられるが、前者は今年(2019年)11月1日から施行されるのに対し、後者は7月1日から施行されている。つまり、荷主に対しては、トラック運送事業者における働き方改革を実現するために「必要な配慮」をするといった法律上の義務が既に課されているわけだ。
貨物自動車運送事業法:トラック運送事業の種類や許可、過労運転の防止、過積載の禁止などを規定する法律。トラック運送事業のみならず、宅配便やバイク便などの事業もこの法律の適用を受ける。
ここでいう「トラック運送事業者」という用語は、国土交通省や厚生労働省などのパンフレットでも使用されているが 、これには、文字通りトラックによって重量のある荷物などを運送する事業者のみならず、宅配便やバイク便も含まれることが当フォーラムの取材により確認されている。すなわち、トラック運送事業者を利用する「荷主」には、建設業者や流通業者などの“ヘビーユーザー”はもちろん、宅配便やバイク便を利用する事業者も含まれることになる。通常、上場企業であれば業種を問わず「荷主」に該当することになろう。
7月1日から施行されている「荷主」に関係する改正貨物自動車運送事業法の改正点は下記の3つである。
貨物自動車運送事業法:トラック運送事業の種類や許可、過労運転の防止、過積載の禁止などを規定する法律。トラック運送事業のみならず、宅配便やバイク便などの事業もこの法律の適用を受ける。
まず再確認しておきたいのは、(1)~(3)のいずれも、トラックを使った運送事業者のみならず、宅配便やバイク便を利用する荷主も対象になるという点だ。上述のとおり、国土交通省や厚生労働省などのパンフレットでは、これらの事業者を総称して「トラック運送事業者」と言っているに過ぎない。法律改正前から存在していた(2)の荷主への「勧告制度」については、これまでは「貨物軽自動車運送事業者(宅配便やバイク便)」は対象外とされていたが、今回、対象に加えられている。したがって、上場企業であれば、業種を問わずほぼすべてが「荷主」として上記(1)~(3)への対応を迫られることにある。
企業にとって最も注意しなければならないのは、社名が公表される可能性のある「勧告制度」だろう。実は勧告制度そのもの同様、勧告を受けた荷主の社名を公表する仕組み(以下、社名公表制度)も法律改正前から存在していたが、社名公表制度はこれまでは「通達」を根拠としていたのに対し、今回の法律改正により、これが「法律」を根拠とすることになった((2)の「法律に明記」の部分)。いわば通達から法律への“格上げ”であり、社名公表制度は従来よりも強制力を持ったことになる。
もう一つの注意点は、勧告制度を含め、荷主に違反行為の「疑い」が生じている段階で当局(国土交通省)が動けるようになったという点だ((3)参照)。これまでは荷主が実際に「違反原因行為(*)」を行った場合でなければ当局は勧告等を行うことができなかったが、改正貨物自動車運送事業法では、違反原因行為をしている「疑い」がある段階で荷主に対して改善に向けた「働きかけ」ができるようになり、さらに「疑うに足りる相当な理由」があれば、「働きかけ」より強い「要請」や「勧告・(社名)公表」ができるようになった。
同様に、荷主の行為に独占禁止法違反(優越的地位を利用した著しく不利益な要請等)の「疑い」がある場合には、公正取引委員会に通知することも可能とされた。
「関係省庁と連携して」という文言が法律に入ったことも大きい。荷主への行政処分はこれまで国土交通省が単独で行ってきたが、今後は厚生労働省や経済産業省など関係省庁から情報を得ることも可能になる。この結果、行政処分を受ける荷主が増加することも予想される。国土交通省は「荷主の理解・協力による長年の商慣習の見直し」をトラックドライバーの働き方改革における重要テーマと位置付けているだけに、上場企業にあっては、思わぬ行政処分を受け、自社ブランドを傷つけることにならないよう注意したいところだ。
2019年3月期の有価証券報告書より、【コーポレート・ガバナンスの状況等】の【役員の報酬等】において、「提出会社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する者の氏名又は名称、その権限の内容及び裁量の範囲を記載すること。提出会社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定に関与する委員会が存在する場合には、その手続の概要を記載すること。」が求められることになった(第二号様式(記載上の注意)(57)c抄)のは周知のとおり(関連記事として2019年7月10日のニュース「データで見る 日本企業の業績連動報酬の算定指標」参照)。
日本企業では、各取締役の報酬額の決定を代表取締役等に一任しているケースが多いと言われる。この場合、各取締役の報酬額の決定には下記の2段階のプロセスを踏むことになる(監査等委員である取締役および指名等委員会設置会社の取締役・執行役は除く(*)。以下同じ)。
当フォーラムがTOPIX100を構成する3月決算会社のうち、指名委員会等設置会社を除く69社について、各取締役の報酬額の決定権限を有する者の開示状況を調査したところ・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。
2019年3月期の有価証券報告書より、【コーポレート・ガバナンスの状況等】の【役員の報酬等】において、「提出会社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する者の氏名又は名称、その権限の内容及び裁量の範囲を記載すること。提出会社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定に関与する委員会が存在する場合には、その手続の概要を記載すること。」が求められることになった(第二号様式(記載上の注意)(57)c抄)のは周知のとおり(関連記事として2019年7月10日のニュース「データで見る 日本企業の業績連動報酬の算定指標」参照)。
日本企業では、各取締役の報酬額の決定を代表取締役等に一任しているケースが多いと言われる。この場合、各取締役の報酬額の決定には下記の2段階のプロセスを踏むことになる(監査等委員である取締役および指名等委員会設置会社の取締役・執行役は除く(*)。以下同じ)。
当フォーラムがTOPIX100を構成する3月決算会社のうち、指名委員会等設置会社を除く69社について、各取締役の報酬額の決定権限を有する者の開示状況を調査したところ、その結果は下表の通りとなっている。
| 個人別の役員報酬の決定権限を有する者 | 社数 | 左記のうち、報酬諮問員会等の任意の委員会を設けている会社数 |
| 代表取締役等(社長、会長等)に一任 | 27(注1) | 16 |
| 取締役会等の合議に基づく | 42 | 38 |
(注1)社長、会長等の代表取締役の合議に基づく会社を含む。
(注2)上記調査結果は、有価証券報告書の【役員の報酬等】の記載に基づいている。
上記調査のとおり、69社中27社(39%)が、各取締役の報酬額の決定を代表取締役等に一任していた。役員報酬について不適切な開示をしていたとされている日産自動車のように、実質的に1人で各取締役の報酬額を決定していた場合、その者に権力が極度に集中する一方で、他の取締役による監督機能が失われ、不正が起きやすくなることは明らかだ。
したがって、特に代表取締役等に各取締役の報酬額の決定を一任するような場合は、報酬決定プロセスの客観性・透明性が担保されていなければならない。具体的には、コーポレートガバナンス・コード補充原則 4-10①にあるとおり、報酬委員会など、独立した諮問委員会を設置することにより、代表取締役等は独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきと考えられる。しかしながら、上記調査結果のとおり、代表取締役等に各取締役の報酬額の決定を一任している27社中、11社は報酬委員会等の委員会を設けていなかった。
コーポレートガバナンス・コード補充原則 4-10①
こうした中、各取締役の報酬額の決定を代表取締役等に一任していた会社が、ガバナンス強化の観点から、この決定方法を見直す下記のような事例も出て来ている。日産自動車の件や冒頭で触れた役員報酬の開示ルールの改正をきっかけに役員報酬への投資家の関心が高まる中、こうした事例は今後も増加していくことが予想されよう。
日産自動車:2019年3月期(指名委員会等設置会社へ移行)
三井不動産:2019年3月期(取締役会の決定に基づくこととした)
2019年8月22日のニュース『「E」と「S」に関する企業と国内機関投資家の対話の現状』ではESGのうちE(環境)とS(社会)に関する日本企業と国内機関投資家の対話の“現在地”をお伝えしたが、欧州におけるE、Sに関する対話活動は日本より進んでいる。その背景には、そもそも欧州では環境問題に対する意識が高く、投資残高に占めるESG投資残高比率が高いことや、日本でESG投資が注目を浴びるようになるかなり前からESG専門チームを持っている機関投資家が多いということなどがある。
欧州におけるEとSに関する対話手法は大きく二つに分けられる。ここでは、分かりやすさを重視し、これらを・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。
2019年8月22日のニュース『「E」と「S」に関する企業と国内機関投資家の対話の現状』ではESGのうちE(環境)とS(社会)に関する日本企業と国内機関投資家の対話の“現在地”をお伝えしたが、欧州におけるE、Sに関する対話活動は日本より進んでいる。その背景には、そもそも欧州では環境問題に対する意識が高く、投資残高に占めるESG投資残高比率が高いことや、日本でESG投資が注目を浴びるようになるかなり前からESG専門チームを持っている機関投資家が多いということなどがある。
欧州におけるEとSに関する対話手法は大きく二つに分けられる。ここでは、分かりやすさを重視し、これらを「ボトムアップ型」と「トップダウン型」と呼ぶこととする。以下、それぞれについて説明しよう。
<ボトムアップ型>
これは、投資先企業の中から、スクリーニング等によってE、S問題の大きそうな企業を見つけ、調査を実施したうえで対話を行う手法である。
例えばデンマーク労働市場付加年金(通称ATP)が実施しているESG投資における対話はこの「ボトムアップ型」の典型と言える。その手順は、まず第1段階で、投資先の全企業を対象にATPのESG方針に抵触する懸念があるかどうかについてスクリーニングを行い、懸念のある企業を抽出する。第2段階が事実確認である。ここで、懸念となっている事項について複数の情報ソースから多角的に分析を行い、意図的または繰り返し当該懸念事項が発生しているか、企業が当該懸念事項を社会に対して説明しているか、再発防止策を講じているかなどを確認する。これらの事実確認の後に、第3段階でようやく企業と直接対話を行う。ATPは、第1段階のスクリーニング、第2段階の事実確認では外部の調査機関を活用することもあるが、企業との直接対話は必ず自らが実施する方針を掲げている。さまざまな事実確認の後に対話を行っていることからすると、単に改善を要求するだけでなく、「改善提案」も行っているものと推測される。逆に、直接対話によっても企業が改善を行う意思がないなどの場合には株式売却に至ることになる。
また、スウェーデンの公的年金基金も、ESGの観点から対話を要する投資先企業を特定するという点では「ボトムアップ型」と言える。対話の目的は、投資先企業による現在または将来的な国際条例違反などを防止することで、改善がみられるまで可能な限り継続して対話を行うという。
<トップダウン型>
これは、特定の業種に固有のE、S問題を特定し、調査の後にその業種に属する企業と対話するものである。
トップダウン型では、E、S問題について比較的大きなテーマを設定して対話活動を行う。例えばEであれば気候変動や水資源、Sであれば人権問題などである。そして、こうしたマクロ的な問題に対して特定業種の企業が直面する具体的な課題を取り上げる。気候変動であれば座礁資産や規制リスク、人権問題であれば児童労働やレピュテーション・リスクなどである。これらの課題を業種ごと、企業ごとに事実確認のうえ、特定していく。
座礁資産:CO2の排出量に地球温暖化の2度目標の制約があるとしたら、現在確認されている埋蔵量の石油や石炭資源の一部が使えない資産になってしまう可能性のある資産。
具体的な事例として、欧州トップの資産運用会社であるアムンディ・アセットマネジメント(Amundi Asset Management)のESGのエンゲージメントを見てみよう。これまでに設定され、現在も継続中のテーマとしては、
・食品・小売セクターにおける食料へのアクセスや食品廃棄の問題への対応(2013年から)
・カカオとタバコセクターのサプライチェーンにおける児童労働の撲滅(2016年から)
――などがある。
アムンディは、特定の業種に属する企業への影響の大きいテーマを毎年(前年からの継続テーマもある)設定し、当該テーマについて改善を図るよう、投資先企業に対して働きかけている。そのうえで、アムンディは、自社のホームページに、各社の現状と変化を詳細に記述し、分かりやすい3段階の評価も示している。同レポートから、「カカオとタバコセクターのサプライチェーンにおける児童労働の撲滅」とのテーマで、Philip Morris Internationalなどと並んで日本たばこ産業(JT)について、詳細なコメントと3段階評価が記載されている(Engagement Report 2017の41ページ参照)。アムンディがJTに対しても対話を行ったことが分かる。また、アムンディは、Engagement Reportの中で、各テーマについての「ベストプラクティス」も公表している。こうしたベストプラクティスは、アムンディが同業他社やNPOなど複数の情報ソースに取材し、そこで得た知見に基づき独自に作成したものと思われる。
このほかトップダウン型の事例として、PGGM(オランダの医療関連の年金基金)による製薬セクターにおける医薬品アクセス(Access to Medicine)の問題がある。医薬品へのアクセスの評価では日本の製薬企業(アステラス製薬、武田薬品工業、エーザイ、第一三共)のランキングが低く、PGGMはこれらの日本企業に対し、貧困地域における医薬品アクセス問題解決のための戦略策定について対話活動を行っている。具体的な提案としては、ローカルでも支払い可能な価格設定などがある。また、NBIM(ノルウェーの年金基金の運用部門。主として油田収入によって得られた資金を運用する)が公表している責任投資(Responsible Investment)レポートでもどのようなテーマで対話活動を行っているかが紹介されている。
医薬品アクセス: 必要な医薬品を必要としている人々に届けること。開発途上国や新興国では、貧困や医療制度の未整備などにより医薬品が十分に行きわたらない医薬品アクセス問題が起きている。
このように欧州では、事実を調査したうえで企業と対話が行われていることに加え、単なる対話や改善要望にとどまらず、改善策の「提案」、さらに機関投資家が作成するEngagement Report(Responsible Investmentなど他の呼称もある)の内容が充実しており、ベストプラクティスまで示されることが珍しくない。こうしたベストプラクティスは、当該機関投資家と直接対話する投資先企業のみならず、そうでない企業にとっても参考になる。さらに欧州では、E、Sについて共同エンゲージメントも実施されることもある。
このように欧州におけるEとSへの取り組みは日本よりも一歩も二歩も進んでいる。日本企業(特にグローバルに事業を展開をする企業)の経営陣や国内機関投資家も参考にするべきであろう。