2019/03/12 CG報告書のアップデートの頻度

米国では、ダウ平均採用銘柄のような大企業は取締役会議事録を含め取締役の活動内容を事細かに開示している。一方、日本企業に目を向けると、丸井やカプコンが取締役会における質疑応答の抜粋を開示しているものの、米国の大手企業のように取締役会議事録そのものを開示している事例は見当たらない(取締役会議事録の開示については2018年11月26日のニュース「取締役会議事録を開示している上場企業」参照)。

ダウ平均 : 「ダウ工業株30種」「ニューヨーク・ダウ」などとも呼ばれる米国を代表する株価指数。「30種」という名称が示すように、米国経済を代表する30銘柄で構成されている。

とはいえ、投資家はコーポレートガバナンスの要である取締役会の活動には高い関心を持っており、一足飛びに法定の取締役会議事録の開示とまでは行かないまでも、上場企業側から取締役会の活動状況をより積極的に開示する流れは今後益々強まっていくことが予想される。

こうした中、東証は2019年2月21日付でコーポレートガバナンス報告書(以下、CG報告書)の記載要領を改訂し、同年3月決算会社から「取締役会の活動状況(開催頻度、主な検討事項、個々の役員の出席状況等)」の記載が望まれる」旨の記載を追加している(改訂記載要領13ページ参照)。これを受け、一部の企業の間で浮上している疑問がCG報告書の「提出頻度」だ。

例えば毎月取締役会を開催し、何かしら新たな事項について検討しているとすると、厳密に言えば、上記改訂記載要領にいう「取締役会の活動状況」の中の「主な検討事項」に変更が生じていることになる、CG報告書は内容の変更がある都度提出するのが原則となっているが、この原則に従えば、CG報告書は取締役会を開催する都度アップデートしなければならないようにも見える。

この点について東証は、・・・

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2019/03/12 CG報告書のアップデートの頻度(会員限定)

米国では、ダウ平均採用銘柄のような大企業は取締役会議事録を含め取締役の活動内容を事細かに開示している。一方、日本企業に目を向けると、丸井やカプコンが取締役会における質疑応答の抜粋を開示しているものの、米国の大手企業のように取締役会議事録そのものを開示している事例は見当たらない(取締役会議事録の開示については2018年11月26日のニュース「取締役会議事録を開示している上場企業」参照)。

ダウ平均 : 「ダウ工業株30種」「ニューヨーク・ダウ」などとも呼ばれる米国を代表する株価指数。「30種」という名称が示すように、米国経済を代表する30銘柄で構成されている。

とはいえ、投資家はコーポレートガバナンスの要である取締役会の活動には高い関心を持っており、一足飛びに法定の取締役会議事録の開示とまでは行かないまでも、上場企業側から取締役会の活動状況をより積極的に開示する流れは今後益々強まっていくことが予想される。

こうした中、東証は2019年2月21日付でコーポレートガバナンス報告書(以下、CG報告書)の記載要領を改訂し、同年3月決算会社から「取締役会の活動状況(開催頻度、主な検討事項、個々の役員の出席状況等)」の記載が望まれる」旨の記載を追加している(改訂記載要領13ページ参照)。これを受け、一部の企業の間で浮上している疑問がCG報告書の「提出頻度」だ。

例えば毎月取締役会を開催し、何かしら新たな事項について検討しているとすると、厳密に言えば、上記改訂記載要領にいう「取締役会の活動状況」の中の「主な検討事項」に変更が生じていることになる、CG報告書は内容の変更がある都度提出するのが原則となっているが、この原則に従えば、CG報告書は取締役会を開催する都度アップデートしなければならないようにも見える。

この点について東証は、そうしてはいけないという理由はない以上、取締役会を開催する都度CG報告書を提出しても構わないとしている。もっとも、既報のとおり、2019年1月31日公布・施行されている改正開示府令により「コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載内容が大幅に拡充され、(2020年3月決算の有価証券報告書から)監査役会(監査等委員会設置会社にあっては「監査等委員会」、指名委員会等設置会社にあっては「監査委員会」)は有価証券報告書において活動状況を報告することになったが(2018年11月5日のニュース『速報 「コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載内容が大幅改正へ』の下の表<【コーポレート・ガバナンスの状況等】の改正ポイント>の(3)【監査の状況】参照)、この報告はあくまで年1回となる。そこで東証は、CG報告書も有価証券報告書と平仄を合わせ、年に1回アップデートするということでも問題ないとしている。

今後「取締役会の開催の都度」「年に1回」どちらを選択する企業が多いのかによって、いずれのプラクティスがスタンダードになるのかが決まってくることになりそうだ。

2019/03/11 東証一部上場の基準引上げが生みかねない新たな懸念

2019年3月5日のニュース「東証の市場改革、まず最初に実施されることは?」では、昨年10月に東証に設置された「市場構造の在り方等に関する懇談会」で現在検討されている株式市場構造の見直しの最大の狙いは、・・・

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2019/03/11 東証一部上場の基準引上げが生みかねない新たな懸念(会員限定)

2019年3月5日のニュース「東証の市場改革、まず最初に実施されることは?」では、昨年10月に東証に設置された「市場構造の在り方等に関する懇談会」で現在検討されている株式市場構造の見直しの最大の狙いは、時価総額40億円の企業から22兆円のトヨタ自動車まで規模が大きく異なる企業が混在し、上場企業数(約2100社)も多過ぎる東証一部市場(以下、一部)改革にある旨お伝えしたところだが、仮に一部に上場するためのハードルが大きく引き上げられた場合に懸念されるのが、新規上場(IPO=Initial Public Offering)の減少だ。

現行制度上、東証マザーズ市場(以下、マザーズ)に上場するための時価総額基準は10億円であり、マザーズに上場した企業は、本来は「時価総額250億円」のところ「時価総額40億円」という緩い基準(以下、緩和基準)をクリアすれば一部に上がることができる。2011年にこのルールができて以来、8年間の間に約150社がマザーズから一部へのステップアップを果たしたが、よく見られるパターンが「初値時価総額100億円前後でマザーズに上場し、200億円程度になったら一部に市場変更する」というものだ。しかし、仮に一部に上場するためのハードルが、マザーズから一部に市場変更する場合も含め、現時点で有力視されている「時価総額500億円」とされた場合(すなわち、緩和基準がなくなり、原則ルール自体が厳しくなる場合)、時価総額200億円程度で一部に昇格上場するという目論見は崩れ去ることになる。

もし一部に上場するための時価総額基準が「500億円」とされた場合、今後は時価総額250億~300億でマザーズに上場し、500億~600憶となったところで一部に市場変更するというストーリーが一般的になるかもしれない。そうなれば、そもそもマザーズに上場する企業の数が減る可能性がある。株式市場の最上位に位置する一部のプレゼンスを高めることをメインの目的とした今回の市場改革は、“入口”であるマザーズへの上場にも大きな影響を与える恐れがあるということだ。

創設当初は投資リスクの高さが懸念されたマザーズだが、現在は新興市場としてのブランドが確立され、まずはマザーズへの上場を目標に事業拡大に邁進するベンチャー企業は多い。仮に今回の市場改革によりIPO社数が減ることになれば、日本経済はもちろん、その構成要素である個々の上場企業にも悪影響を及ぼす可能性がある。また、近年、大手企業によるベンチャー企業への投資が活発化する中、IPOという入口が狭くなれば、大手企業の投資戦略にも影響を及ぼすことになろう。

今回の市場改革に伴いマザーズ経由で一部に上場する際の緩和基準が廃止されるのか、存続するのか、あるいは東証一部の時価総額基準を満たせない企業についてはマザーズから「中堅企業向け市場」(2019年3月5日のニュース「東証の市場改革、まず最初に実施されることは?」参照)へのステップアップを認めこととするのか――今後のIPOの盛衰を左右する制度設計の行方が注目される。

2019/03/09 【WEBセミナー】開示府令の改正を踏まえた役員報酬の開示について

概略

【セミナー開催日】2019年3月6日(水)

改訂コーポレートガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンス報告書を昨年末までに提出した企業にとって、次なるハードルとなるのが、「2019年3月31日以後に終了する事業年度」の有価証券報告書から適用されることとなる「コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載内容の拡充を求める改正開示府令への対応です。その中でも企業から「何を記載すればよいのか分からない」といった声が多く聞かれるのが、役員報酬に関する開示項目の改正です。例えば業績連動報酬に関する開示では、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況から見ても、改正開示府令の要求に応えることは容易ではないと考えられるほか、コーポレートガバナンス・コードに対応していたとしても、「役員の区分ごと」や「役職ごと」の開示を求める改正開示府令には十分に対応できない可能性があります。本セミナーでは、我が国における経営者報酬コンサルティングの第一人者であり、コーポレートガバナンスにおける経営者報酬の役割や位置付けはもちろん、公認会計士として経営者報酬の会計・税務・開示にも精通するウイリス・タワーズワトソン ディレクターの櫛笥隆亮様をお招きし、改正開示府令に対応した役員報酬の開示について解説していただきます。

【講師】ウイリス・タワーズワトソン
ディレクター
コーポレートガバナンス・アドバイザリーグループ
リーダー 櫛笥 隆亮 (くしげ たかあき)様

セミナー資料 開示府令の改正を踏まえた役員報酬の開示について.pdf(5.84MB)

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セミナー動画
(1) 経営者報酬の現状:日本・欧米比較
42145a

(2) 経営者報酬の現状:日本・欧米比較 続き
42145b

(3) 新しい報酬開示ルールの内容
42145c

(4) 役員報酬の開示事例(今後の開示対応実務の参考として)
42145d

(5) おわりに 報酬委員会の組成と運営のポイント、質疑応答
42145e
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2019/03/09 【WEBセミナー】開示府令の改正を踏まえた役員報酬の開示について(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2019年3月6日(水)

改訂コーポレートガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンス報告書を昨年末までに提出した企業にとって、次なるハードルとなるのが、「2019年3月31日以後に終了する事業年度」の有価証券報告書から適用されることとなる「コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載内容の拡充を求める改正開示府令への対応です。その中でも企業から「何を記載すればよいのか分からない」といった声が多く聞かれるのが、役員報酬に関する開示項目の改正です。例えば業績連動報酬に関する開示では、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況から見ても、改正開示府令の要求に応えることは容易ではないと考えられるほか、コーポレートガバナンス・コードに対応していたとしても、「役員の区分ごと」や「役職ごと」の開示を求める改正開示府令には十分に対応できない可能性があります。本セミナーでは、我が国における経営者報酬コンサルティングの第一人者であり、コーポレートガバナンスにおける経営者報酬の役割や位置付けはもちろん、公認会計士として経営者報酬の会計・税務・開示にも精通するウイリス・タワーズワトソン ディレクターの櫛笥隆亮様をお招きし、改正開示府令に対応した役員報酬の開示について解説していただきます。

【講師】ウイリス・タワーズワトソン
ディレクター
コーポレートガバナンス・アドバイザリーグループ
リーダー 櫛笥 隆亮 (くしげ たかあき)様

セミナー資料 開示府令の改正を踏まえた役員報酬の開示について.pdf(5.84MB)
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(1) 経営者報酬の現状:日本・欧米比較

(2) 経営者報酬の現状:日本・欧米比較 続き

(3) 新しい報酬開示ルールの内容

(4) 役員報酬の開示事例(今後の開示対応実務の参考として)

(5) おわりに 報酬委員会の組成と運営のポイント、質疑応答
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2019/03/09 【WEBセミナー】改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応状況について

概略

【セミナー開催日】2019年3月6日(水)

東証一部・二部上場企業に対しては、昨年(2018年)6月1日から施行された改訂コーポレートガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンス報告書を同年末までに提出することが求められていたところですが、コーポレートガバナンス報告書の提出期限から2か月後の1月28日、東京証券取引所は「改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(速報版)」(2018年12月末日時点)を明らかにしています。それによると、フルコンプライ率が前回調査時より大きく低下している一方、必ずしも改訂コーポレートガバナンス・コードの内容を充足する対応が実施されていないにもかかわらず「コンプライ」としている企業も散見されます。本セミナーでは、コーポレートガバナンス・コードの改訂に携わった東京証券取引所・上場部長の林謙太郎様をお招きし、昨年末までに提出された改訂コーポレートガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンス報告書の分析に基づき、各改訂原則のコンプライの状況、前回調査時からの変化などをご紹介いただきつつ、その背景や想定し得る理由、特徴的な記載事例、今後のコーポレートガバナンス・コード対応のさらなるブラッシュアップに向け期待する点などについて解説していただきます。

【講師】東京証券取引所
上場部 部長 林 謙太郎(はやし けんたろう)様

セミナー資料 コーポレートガバナンス・コードへの対応状況と実務上の留意事事項.pdf(2.48MB)

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セミナー動画
(1) コーポレートガバナンスを巡る最近の動向
42122a

(2) コーポレートガバナンスを巡る最近の動向 続き
42122b

(3) 改訂ガバナンス・コードへの対応状況(1)資本コストを意識した経営
42122c

(4) 改訂ガバナンス・コードへの対応状況(2)取締役会の機能発揮、(3)政策保有株式
42122d

(5) 改訂ガバナンス・コードへの対応状況(4)アセットオーナー、(5)その他の改訂された諸原則
42122e
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2019/03/09 【WEBセミナー】改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応状況について(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2019年3月6日(水)

東証一部・二部上場企業に対しては、昨年(2018年)6月1日から施行された改訂コーポレートガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンス報告書を同年末までに提出することが求められていたところですが、コーポレートガバナンス報告書の提出期限から2か月後の1月28日、東京証券取引所は「改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(速報版)」(2018年12月末日時点)を明らかにしています。それによると、フルコンプライ率が前回調査時より大きく低下している一方、必ずしも改訂コーポレートガバナンス・コードの内容を充足する対応が実施されていないにもかかわらず「コンプライ」としている企業も散見されます。本セミナーでは、コーポレートガバナンス・コードの改訂に携わった東京証券取引所・上場部長の林謙太郎様をお招きし、昨年末までに提出された改訂コーポレートガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンス報告書の分析に基づき、各改訂原則のコンプライの状況、前回調査時からの変化などをご紹介いただきつつ、その背景や想定し得る理由、特徴的な記載事例、今後のコーポレートガバナンス・コード対応のさらなるブラッシュアップに向け期待する点などについて解説していただきます。

【講師】東京証券取引所
上場部 部長 林 謙太郎(はやし けんたろう)様

セミナー資料 コーポレートガバナンス・コードへの対応状況と実務上の留意事事項.pdf(2.48MB)
セミナー動画
(1) コーポレートガバナンスを巡る最近の動向

(2) コーポレートガバナンスを巡る最近の動向 続き

(3) 改訂ガバナンス・コードへの対応状況(1)資本コストを意識した経営

(4) 改訂ガバナンス・コードへの対応状況(2)取締役会の機能発揮、(3)政策保有株式

(5) 改訂ガバナンス・コードへの対応状況(4)アセットオーナー、(5)その他の改訂された諸原則
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2019/03/08 GPIFの運用委託先が選ぶ「優れたCG報告書」、その選出理由は?

昨年(2018年)6月のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂に伴い、同年12月末が提出期限とされていた改訂CGコードに対応したコーポレート・ガバナンスに関する報告書(以下、CG報告書)の記載内容も必然的に大きく変化することとなった。とはいえ、各原則をコンプライするかエクスプレインするかはもちろんのこと、CG報告書への記載のボリュームも上場会社各社の判断に任せられているため、各社のCG報告書には記載内容の深度や見栄えに大きな違いが生じている。

こうした違いは、CG報告書の読み手である機関投資家からすると、「優れたCG報告書」と「そうでないCG報告書」の峻別へとつながることになる。世界最大の資金拠出者であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)はこのほど、国内株式の運用を委託している17の運用機関(このうちパッシブ運用機関は7、アクティブ運用機関は10)の協力を得て「優れたCG報告書」を選定し、公表している(2019年2月27日公表『GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れたコーポレート・ガバナンス報告書」』参照)。これは、GPIFが運用機関に対し、CG報告書の記載内容が充実している上場会社を1機関当たり最大5社まで選定してもらった結果を取りまとめたもの。選定にあたっては、CGコードの改訂趣旨を踏まえているかどうかも考慮される。4機関以上の運用機関から高い評価を得た「CG報告書」を作成した会社名と、これらの会社に対し高い評価を付けた運用機関の数を多い順にまとめたのか下表である。

GPIF:Government Pension Investment Fundの略で、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。

パッシブ運用 :パッシブ(「消極的」なという意味)運用とは、東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法であり、ファンドマネジャーが独自に銘柄を選択して運用する「アクティブ運用」とは対極の関係にある。

アクティブ運用 :銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、見劣りする銘柄を売却するなどして利益を得ようとする投資手法のこと。アクティブ運用はパッシブ運用の対極の概念であり、運用担当者(ファンド・マネージャー)が、株式市場や投資銘柄などを調査し、今後の動向を予測することでポートフォリオを決定する。市場の平均的な収益率をベンチマークとし、これを上回る運用成果を上げることを目標にすることが多い。

【4機関以上の運用機関から高い評価を得た「CG報告書」】

会社名 高い評価を付けた
運用機関の数
花王 7機関
カゴメ 6機関
荏原製作所 6機関
みずほフィナンシャルグループ 5機関
エーザイ 4機関
コニカミノルタ 4機関
資生堂 4機関

上記各社のCG報告書のうち、他社でも参考になりそうな取組みを紹介しよう。・・・

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2019/03/08 GPIFの運用委託先が選ぶ「優れたCG報告書」、その選出理由は?(会員限定)

昨年(2018年)6月のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂に伴い、同年12月末が提出期限とされていた改訂CGコードに対応したコーポレート・ガバナンスに関する報告書(以下、CG報告書)の記載内容も必然的に大きく変化することとなった。とはいえ、各原則をコンプライするかエクスプレインするかはもちろんのこと、CG報告書への記載のボリュームも上場会社各社の判断に任せられているため、各社のCG報告書には記載内容の深度や見栄えに大きな違いが生じている。

こうした違いは、CG報告書の読み手である機関投資家からすると、「優れたCG報告書」と「そうでないCG報告書」の峻別へとつながることになる。世界最大の資金拠出者であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)はこのほど、国内株式の運用を委託している17の運用機関(このうちパッシブ運用機関は7、アクティブ運用機関は10)の協力を得て「優れたCG報告書」を選定し、公表している(2019年2月27日公表『GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れたコーポレート・ガバナンス報告書」』参照)。これは、GPIFが運用機関に対し、CG報告書の記載内容が充実している上場会社を1機関当たり最大5社まで選定してもらった結果を取りまとめたもの。選定にあたっては、CGコードの改訂趣旨を踏まえているかどうかも考慮される。4機関以上の運用機関から高い評価を得た「CG報告書」を作成した会社名と、これらの会社に対し高い評価を付けた運用機関の数を多い順にまとめたのか下表である。

GPIF:Government Pension Investment Fundの略で、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。

パッシブ運用 :パッシブ(「消極的」なという意味)運用とは、東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法であり、ファンドマネジャーが独自に銘柄を選択して運用する「アクティブ運用」とは対極の関係にある。

アクティブ運用 :銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、見劣りする銘柄を売却するなどして利益を得ようとする投資手法のこと。アクティブ運用はパッシブ運用の対極の概念であり、運用担当者(ファンド・マネージャー)が、株式市場や投資銘柄などを調査し、今後の動向を予測することでポートフォリオを決定する。市場の平均的な収益率をベンチマークとし、これを上回る運用成果を上げることを目標にすることが多い。

【4機関以上の運用機関から高い評価を得た「CG報告書」】

会社名 高い評価を付けた
運用機関の数
花王 7機関
カゴメ 6機関
荏原製作所 6機関
みずほフィナンシャルグループ 5機関
エーザイ 4機関
コニカミノルタ 4機関
資生堂 4機関

上記各社のCG報告書のうち、他社でも参考になりそうな取組みを紹介しよう。

会社名 概要 該当箇所 運用機関の主な
コメント
花王 「コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由」欄に、コンプライしない理由ではなく、実質的に原則が求める内容を担保する取り組み(赤字)を具体的に紹介している。 同社の 同社のCG報告書1ページ目
「コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由」
【原則3-2-2(ⅲ) 外部会計監査人と社外取締役との十分な連携の確保】
当社は、社外を含む監査役が会社側の窓口となって外部会計監査人と連携をとる役割を果たすと考えており、社外を含む取締役は、監査役を通じて外部会計監査人の考えや課題等の共有がなされます。そうした共有の中から取締役が必要と判断した場合に外部会計監査人と直接情報交換の場を設けることで、効率性と十分な連携を確保しております。

【原則 4-8-1 独立社外取締役のみの定期的な情報交換】
独立社外役員は、多様な視点での議論を図るために、独立社外役員のみの会合を自主的に開催し、当社の経営や取締役会の活動に関する課題、将来の経営陣幹部の育成等について、情報交換、認識の共有を図っています。こうしたコミュニケーションがとれている現状においては、会社が設定した定例的な開催よりも、監査役も含めた社外役員同士の自主的な開催を尊重する方が適切と考えています。また、新任の社外役員からは、社外取締役だけでなく社外監査役も含めた社外役員のみの自主会合もあり、そこでの忌憚のない意見交換を通じて、社外役員が会社に対して提言できる安心感を持ったとの所感を受領しています。

単に全項目をコンプライすることがコーポレートガバナンス・コードの目的ではなく、エクスプレインによってガバナンスの実効性を示すことも重要であるという好例である。
更新履歴一覧を「別紙」として掲載している。 同社のCG報告書の更新履歴はこちら 別紙の更新履歴一覧は、同社のガバナンス改善に対する取り組みの経緯を把握するうえで非常に有効。
カゴメ 政策保有株式の処分・縮減に向けての定量的基準(赤字)を明記。 同社の CG報告書1ページ目
【原則1-4:政策保有株式】
(1)政策保有に関する方針
当社は、持続的な成長と社会的価値、経済的価値を高めるため、業務提携、原材料の安定調達など経営戦略の一環として、また、取引先との良好な関係を構築し、事業の円滑な推進を図るために必要と判断する企業の株式を保有しています。当社は、直近事業年度末の状況に照らし、保有の意義が希薄と考えられる政策保有株式については、できる限り速やかに処分・縮減していく基本方針のもと、毎年、取締役会で個別の政策保有株式について、政策保有の意義、経済合理性等を検証し、保有継続の可否および保有株式数を見直します。なお、経済合理性の検証の際は、直近事業年度末における各政策保有株式の金額を基準として、これに対する、発行会社が同事業年度において当社利益に寄与した金額の割合を算出し、その割合が当社の単体5年平均ROAの概ね2倍を下回る場合には、売却検討対象とします。また、簿価から30%以上時価下落した銘柄及び、当社との年間取引高が1億円未満である銘柄についても、売却検討対象とします。その上で、得意先企業のうちこれらの基準のいずれかに抵触した銘柄については、毎年、取締役会で売却の是否に関する審議を行い、売却する銘柄を決定します。見直しの結果、2018年度に一部保有株式を売却いたしました。

ROA: Return On Assets =総資産利益率(利益/総資産))。実務上、ROAの利益には「営業利益」もしくは「事業利益」を使うことが多い。総資産に対応する利益は、営業利益あるいは事業利益であるという考え方による。

政策保有の経済合理性検証に関して定性的な説明に終始する企業が多い中、同社は透明性の高い定量的な基準を提示している点が非常に高く評価できる。
荏原製作所 WACC(*)の手法により算定されたROICを踏まえて新規事業投資および事業ポートフォリオの管理を行っている。

WACC: Weighted Average Cost of Capitalの略で、加重平均資本コストのこと

*WACCについては【2018年7月の課題】「資本コストの把握」の「東証がパブコメへの回答で示した「資本コスト」の意味」参照

同社の CG報告書2ページ目
◆中期経営計画「E-Plan2019」
【達成目標】
①ROIC:8%以上(グループ全体)
②売上高営業利益率:9.0%以上(グループ全体)
③連結売上高目標:5,000億円以上
④設備投資:600億円、投融資:100億円、研究開発:350億円
⑤連結総還元性向:30%以上

総還元性向:企業が利益をどの程度株主に還元しているかを示す指標。「総配分性向」「株主還元性向」とも言われる。「(配当金+自社株買いの金額)÷当期純利益」によって計算される。ちなみに、「配当性向」は当期純利益に占める「配当金」のみの割合を示す。自社株買いも株主還元の1つであるため、最近は配当性向とともに、総還元性向を開示する企業が多い。

資本コスト:資本コストを踏まえた事業ポートフォリオの最適化

資本コスト : 株主など資本提供者の期待利回りのこと。ここで「株主など」としたのは、負債にも資本コストはあるためである。

当社は、自社グループの事業ポートフォリオを含めた経営方針・中期経営計画を策定・公表し、中長期的目標に関して、その進捗状況を定期的に、また随時に確認し、必要に応じて、施策の見直しを行っています。
当社は、事業ポートフォリオを最適化するためには、成長分野への投資を含めた経営資源の最適な配分が重要だと考えています。これを実現する仕組みとして現事業の業績、成長性等を定期的に評価するプロセスを整備するとともに、その評価結果を踏まえ、適宜必要な事業ポートフォリオの再構築を行っています。
また、事業ポートフォリオの再構築、既存事業の成長投資の実行においては、加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital:WACC)により資本コストを的確に把握し、それを踏まえた投資管理を行っています。一例として、新規投資案件の投資判断では、各投資案件の内部収益率が所定の事業別・地域別WACC(ハードルレート)を上回っているか、投資回収期間が合理的な範囲内であるかを確認・審査する仕組みを整備し運用を開始するなど、資本コストを意識した事業別の投資管理に取り組んでいます。

ハードルレート : 投資案の収益率についての足切り基準。収益率がハードルレートを下回る投資案は採用すべきではない。

◆計画的な投資戦略・財務管理
当社は2017年3月に公表した中期経営計画E-Plan2019において、最重要経営指標としてROICを位置付けて目標値を設定し、資本コストを上回る収益基盤の構築を目指しています。各事業別にKPIを設定して定期的に当該計画の進捗を確認し、必要に応じてアクションプランの見直しを行い、当該目標値達成に向けて取り組んでいます。また、キャッシュ・アロケーションとして、先ず成長投資を重視することから、設備投資、外部投融資、研究開発投資の目標値を示すとともに、あわせて株主還元(配当・自社株買い)をより拡充することとし、連結総還元性向の目標値を設定しています。

資本コストを意識した経営を確立している。
みずほフィナンシャルグループ 【補充原則 4-1-3 後継者計画(サクセッション・プランニング)】において、CEO候補者選びの意思決定に関する基本的な考え方・プロセスや、グループCEOの人材要件を記載している。 同社の CG報告書3ページ目
【補充原則4-1-3】 (後継者計画(サクセッション・プランニング))
(1)基本的考え方と概要
・当社は、グループ全体の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、最適な人材をグループCEOやグループCEOを支える主要な経営陣(カンパニー長等)、中核3社のトップ等に登用できるよう、十分な時間と資源をかけて後継者計画(サクセッション・プランニング)に取り組んでいます。同時に、グループCEOの不測の事態にも備えるとともに、“次の次の”グループCEOの候補者についても検討を行います。
・グループCEO等の後継者計画の策定・運用状況については、指名委員会および人事検討会議(以下、「指名委員会等」という)に報告がなされます。
・グループCEO等の後継者計画においては、①求められる人材要件、②交代時期、③候補者プールの設定と時間をかけた候補者の適切な育成(候補者の重要なキャリア選定を含みます)、④指名委員会等の各委員による候補者の人物把握、⑤候補者の決定等について、現グループCEOの意見も踏まえつつ、指名委員会等で審議することを基本的な取り組み内容としています。
・指名委員会等においては、360度評価や外部評価機関による第三者評価等、多面的な人材評価情報を活用し、徹底的に候補者のプロファイリングを行い、現グループCEOの意見も徴した上で、年次順送りなどの形式的な人事運用を排した人物本位での選定について、十分な議論を行います。現グループCEOは、指名委員会等の各委員が候補者の能力・資質等を直接に把握するプロセスを設ける等、指名委員会等による候補者の人物把握に最大限の協力を行います。

360度評価: 部下や同僚、他部門の管理職や非管理職、取引先の担当者等からの評価も採り入れる多面評価の一種であり、複数の評価者の目を通すことで、その評価に対する客観性や公正性、納得感を高める効果が期待できる。

・執行役を兼務する取締役であるグループCEOについては、指名委員会により、プロセスの客観性や透明性の確保を図りつつ決定を行うこととしています。
(2)グループCEOの人材要件
・当社グループCEOには『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』のトップとして、以下の通りの人材であることが求められます。
①強い意思と謙虚さを兼ね備え、オープンでフェア、真摯且つ誠実で、グローバルに多様なステークホルダーから信頼、信用される人物であること
②不確実な環境や困難な状況に直面しても、揺るぎない信念と変化に対する柔軟さを持って果断に立ち向かい、グループを統率して持続的成長を成し遂げて行くリーダーであること
③豊かな知見と経験、グローバルな視点で時代の先を見通す力を備え、お客さまや経済・社会の未来に貢献する新たな価値の創造や変革に情熱を注ぎ続けるチャレンジャーであること
・上記に加え、グループCEOの選任にあたっては、その時点における時代認識や、当社を取り巻く経営環境の変化、将来に亘るグループ戦略の方向性等を踏まえ、重視する、または追加で考慮すべき資質や能力要件につき検討を行います。

サクセッション・プランニングが具体的で分かりやすい。
役員の区分ごとに知識の習得・向上の機会について、具体的に説明を行っている。 同社の CG報告書4ページ目
【補充原則4-14-2】 (取締役のトレーニング)
当社の取締役は、その役割を果たし、取締役会がモニタリング機能・アドバイジング機能を発揮できるよう、当社グループを取り巻く経営環境や事業の状況等に関して、常に能動的に情報を収集し、研鑽を積んでおります。当社は取締役に対して、期待される役割・責務を果たす上で必要となる「知識習得・向上の機会」を継続的に提供・斡旋しております。
新任取締役に対し、その就任に際し、会社法および関連法令やコーポレート・ガバナンスに関する情報等、取締役に求められる役割と責務を果たすために必要な知識を習得できる機会を提供し、就任後も必要に応じて、各取締役に応じた機会を提供しております。
さらに、社外取締役に対しては、その就任の際、また、就任後も継続的に、当社グループの事業・財務・組織等に関する必要な知識を習得できるよう、各社外取締役に応じた機会を提供することとしております。
なお、取締役に対するトレーニングの方針については、「コーポレート・ガバナンスガイドライン」第6条第6項に記載しております。
(日本語:https://www.mizuho-fg.co.jp/company/structure/governance/g_report.html#guideline)
(英語:https://www.mizuho-fg.com/company/structure/governance/g_report.html#guideline)
□主な取り組み内容
1.全取締役への「知識習得・向上の機会」
・当社および中核3社の新任取締役向けに、外部講師(弁護士)による、取締役の義務と責任を中心とした研修を実施
・取締役会における各種付議/報告等により、当社グループの経営全般を俯瞰
・「コンプライアンス・お客さま保護」および「人権啓発・LGBT」に係る外部講師による研修会を毎年定期的に開催
(当社グループの全役員が対象)
・職務執行上必要な場合には、担当役員等からの個別説明、外部専門家の助言・外部研修(当社が費用負担)等の機会を提供
2.社外取締役への「知識習得・向上の機会」
<就任時>
・新任の社外取締役に対し「就任時集中説明」を個人別に実施
-担当執行役、取締役会副議長および取締役会室長等から、企業理念、事業内容、経営戦略、中期経営計画・年度業務計画、組織・権限、財務、リスク管理・コンプライアンス管理、人事、システム・事務、内部監査、ガバナンス態勢等を説明
<就任後(2017年度実績)>
・本部各部署およびディーリングルーム訪問、アセットマネジメントOne訪問
-現場の視察、役職員との面談等により、現場に対する理解を深める
・社外取締役会議(※)
-2017年度は4回開催し、社外取締役が互いに情報交換して認識の共有を行い、株主提案への対応、ならびに、取締役会の運営のあり方や実効性評価の進め方に関する意見交換等を実施
※「社外取締役会議」の役割・構成・運営については、「Ⅱ経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況」の「2.業務執行、監査・監督、指名、報酬決定等の機能に係る事項(現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要)□監督 ○社外取締役会議」に記載しておりますので、ご参照ください。
・経営状況オフサイトミーティング(2017年6月~2018年2月、のべ17回)
-カンパニー長、中核3社の頭取・社長等の執行ラインが社外取締役とフリーディスカッションを行い、社外取締役との相互理解を深める
・取締役会後の昼食会(取締役会の都度)
-社内役員との情報交換、金融イノベーションへの取り組みについての情報共有等により、必要な知識を習得する
・役員懇親会(夕食会)
-執行ラインの経営陣に対する理解を深める
・中核3社の部店長会議への陪席
-グループ戦略方針に基づく執行計画・状況に対する理解を深める
・取締役会議案の事前説明の徹底および事後フォローの実施(取締役会の都度)
-関連する金融専門用語や業務内容も説明することにより、議案の理解を深め、取締役会での議論の充実を図る
3.社内役員への「知識習得・向上の機会」
執行役等の社内役員に対しても、取締役同様、各役員に期待される役割・責務に応じて必要な「知識習得・向上の機会」を、
以下の研修等を行うことにより継続的に提供しております。
・「新任常務向けケーススタディ研修」の実施
-過去の危機事象の真因分析を踏まえ、危機管理に求められる役員・リーダーの意識と行動について体感し、理解を深める
・「危機管理広報の基礎知識」研修の実施
・「事業継続管理研修」を毎年定期的に実施
-過去の危機事象における教訓や経験を風化させずに受け継ぎ、グループにおける事業継続管理の枠組みおよび緊急事態への対応態勢・危機管理態勢に対する理解を深めるべく毎年定期的に実施
・新任執行役員向けのコンプライアンス研修等
社外取締役の実効性やその担保のためのトレーニングやサポートなどについても十分な記述がなされている。
コニカミノルタ 社外取締役候補者に求めるダイバーシティの観点で「キャリア・スキルマトリックス表」を作成している。 同社の CG報告書6ページ目
〔社外取締役候補に求めるキャリア・スキル及びそのバランス・ダイバーシティ〕
①取締役の多様性については、指名委員会規程の「取締役選任基準」の中で「産官学の分野における組織運営経験、又は技術、会計、法務等の専門性を有していること」「社外取締役については、出身の各分野における実績と識見を有していること」と定めています。
②取締役会が戦略的な方向付けを行うために、強化又は補充を要する資質・能力・経験を検討します。
③ジェンダーや国際性の面からの多様性が重要性であることを十分に理解した上で、取締役会において当社の経営課題に対する有益な監督や助言が得られるように、再任予定の社外取締役及び新任候補者に関して、出身業種・主な経営経験及び得意分野等の「キャリア・スキルマトリックス表(*)」を作成し、キャリア・スキルのダイバーシティを考慮します。
④特定の性別、国籍・出身国、人種・民族であることを理由に取締役候補の対象外とすることはありません。
*スキル・マトリックスについては、2018年11月16日のニュース『スキル・マトリクス、「ガバナンス」の項目で開示する企業も』参照。
⑤2018年株主総会における新任社外取締役候補者の選定にあたっては、当社が中期経営計画において取り組んでいるバイオヘルスケア事業やIoT・デジタルビジネスの領域に豊富な経験や幅広い知識を持ち、有益な監督・助言ができることを基本とすることを指名委員会で確認しました。

IoT: Internet of Things=モノのインターネット

取締役選任基準が明確化されている。

全体的に、読み手を意識して丁寧な説明を行っているCG報告書が運用機関から高く評価される傾向にある。上場会社としては、1社分のCG報告書の閲覧・検討に割ける時間に限りがある運用機関に向けて、どのように記載すれば自社のコーポレートガバナンスの実態を分かりやすく伝えられるのかを検討すべきであろう。個別事項で何か際立った“ネタ”がない場合でも、まずは「読み手」である機関投資家(運用機関)を意識して丁寧な説明を心掛けるだけでも、印象は大きく変わる。花王のように修正履歴を別紙として添付することなどはそれほど手間がかからないだけに、すぐにでも取り組みたいところだ。