2018/02/09 金融庁、FDルール運営上の「考え方」を明らかに(会員限定)

【セミナー開催のお知らせ】
2018年3月7日(水)にセミナー「フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、上場企業が整備すべき情報統制」を開催しました。

周知のとおり、一部の上場企業が証券会社のアナリストのみに未公表の業績情報を提供していた問題の発生などを受けて金融商品取引法が改正され、いよいよ(2018年)4月1日からフェア・ディスクロージャー・ルール(以下、FDルール)がスタートする(FDルールのポイントや導入の経緯などは、2017年11月9日のニュース「企業のタイプによって変わる「重要情報」の範囲」、2017年3月9日のニュース「フェア・ディスクロ・ルール成立までに上場会社がやるべきこと」参照)。2018年6月株主総会に向け本格化する機関投資家との対話(エンゲージメント)では、上場企業側はFDルールを念頭に「情報の公平な開示」を心掛ける必要がある。

また、株主総会の場でもFDルールを意識せざるを得なくなる。上場企業の取締役は、これまでも株主総会の場で「インサイダー情報」を流出させることにならないよう言葉を選びながら発言をしてきたはずだが、2018年4月1日以降に開催される株主総会では、FDルール上の「重要情報」に該当しないかどうかも考慮して、不用意な発言をしないよう注意しなければならない。インサイダー規制の軽微基準に該当する場合であっても、それが公表されれば「有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性」があればFDルール上は「重要情報」に該当するためだ(軽微基準とFDルールの関係は2016年11月28日のニュース「フェア・ディスクロ・ルールとインサイダー規制、対象情報の違いは?」の最終段落参照)。

重要情報 : FDルール上の「重要情報」とは「当該上場会社等の運営、業務または財産に関する公表されていない重要な情報であって、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすもの」をいう(金商法27条の36)。ちなみにインサイダー取引規制では「重要事実」との言い回しが使われており、FDルールの「重要情報」とは別の概念になる。
軽微基準 : 当該情報がインサイダー取引規制における「重要事実」に該当するかどうかを判定する基準であり、たとえば決算情報のうち売上高の予想値の場合、上下10%未満の変動率であれば、「重要事実」に該当しないことになる。

FDルールの施行を目前に控える中、今週火曜日(2018年2月6日)には、ようやくFDルールのガイドラインの“確定版”が金融庁より公表されている。本ガイドラインの公開草案は昨年中(2017年10月24日付)に公表されていたが、同公開草案では「何をもって重要情報とするのか」という“量的基準”は示されていなかった(2017年11月9日のニュース『企業のタイプによって変わる「重要情報」の範囲』を参照)。確定版と公開草案と比較してみると、一部の表現に手直しが加えられたものの、実質的には内容の変更はない。

また、金融庁は同日(2018年2月6日)付で「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」(以下、「金融庁の考え方」)も公表している。公開草案に対して寄せられた「FDルールのガイドライン公開草案では『インサイダー取引規制の対象となる情報』などが、『当面』管理する情報と記載されているが、現時点において、今後管理する情報として想定しているものがあるのか」とのコメントに対し金融庁は、「FDルールの実施に当たっては、上場会社と投資家との対話の中で、実務の積上げを図っていくことが望ましい」「何が重要情報に当たるかについて、上場企業と投資家との対話の積上げの中で、実情に応じ、どのような情報を重要情報として管理していくかが確定していくものと考えられる」と回答している(以上、「金融庁の考え方における1および2の項目」参照)。上場企業からすれば、「開示する情報がFDルールにおける『重要情報』に該当するかどうか」の判断が自社に委ねられているに等しく、若干肩透かしを受けた感があるかもしれない。

もっとも、金融庁の考え方の中には上場企業にとって指針となり得るものが含まれている。例えば公開草案に対して寄せられた「ガイドラインに、『決算情報』とは何かについて、より明確な基準を明記してほしい。例えば、小売業等が開示する『月次』の数値や、決算に関する『上振れ』『下振れ』等を示唆する情報は含まないとの理解でよいか」とのコメントに対し金融庁は、「公表されれば有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性のあるものであれば、決算に関する定量的な情報のみならず、増収見込みである旨などの定性的な情報も、『決算情報』に該当するものと考えられる」「『月次』の売上等の数値については、上述の『決算情報』の定義に従えば、一般的にはそれ自体では『決算情報』には該当しない」といったかなり具体的な考え方を示している(以上、「金融庁の考え方における4の項目」参照)。また、「中長期的な企業戦略・計画等に関する議論の中で、経営に関するいくつかの仮説や選択肢に言及することがある。こうした仮説や選択肢は、確定的な情報ではないことから、FDルールの対象とはならないとの理解でよいか」とのコメントには、「個別事案ごとに実態に即して判断されるべきものであるが、一般的には、ご指摘の仮説や選択肢についての情報は、確定的な情報とは言えず、FDルールの対象とはならないものと考えられる」(以上、「金融庁の考え方における13の項目」を参照)と明言している。

このほか公開草案に対しては「株主総会で重要情報を伝達してしまった場合、株主総会は『広報に係る業務』には該当せず、FD ルールの適用外の場面ともなってしまうと考えられる」とのコメントも寄せられていたが、これに対し金融庁は「株主総会において、広報に係る業務として情報が提供される際に、当該情報が(a)未公表の確定的な情報であって、(b)公表されれば有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性がある情報である場合には、FDルールの対象になる」と回答している(以上、「金融庁の考え方における26の項目」を参照)。これは事実上、株主総会における重要情報の提供も「広報に係る業務として情報が提供される」ケースに該当し、FDルールの適用対象になり得るとの考えを示すものであり、上場企業にとっては株主総会運営上、大いに参考になろう。

広報に係る業務 : 2018年4月1日から施行されるFDルールは、金融機関等のほか(金融商品取引法27条の36第1項一号)、「当該上場会社等の投資者に対する広報に係る業務に関して重要情報の伝達を受け、当該重要情報に基づく投資判断に基づいて当該上場会社等の上場有価証券等に係る売買等を行う蓋然性の高い者」(同二号)への情報提供を対象にしているが、二号にいう「広報に係る業務」を指している。具体的にはIR担当者の行うIR業務等が想定されている。

なお、日本IR協議会もFDルールを踏まえ上場企業の情報開示指針をまとめた「情報開示と対話のベストプラクティスに向けての行動指針(案)」を昨年(2017年)11月30日に公表している。今後FDルールに対応する体制を構築しなければならない上場企業は、金融庁から示された「ガイドライン」「考え方」に加え、同協議会の行動指針も参考資料として活用したいところだ。

2018/02/08 監査法人の監査の網にかからないリスク

監査法人は、監査日数や公認会計士の数に制約がある中で監査業務の効率化を図る観点から、監査対象を「重要性」によって絞り込んでいる。例えば金額的・質的に重要性の低い工場や支店はどうしても往査頻度が低くなる。債権債務についても少額であれば残高監査の対象から漏れる可能性が高い。また、監査法人の監査は「財務諸表の適正性の保証」を目的とするものであり、財務諸表の適正性とは無関係の問題(品質偽装や納期の遅れなど)については、損害賠償責任が発生する可能性が低い限り、会計監査で問題視されることはない。こういった絞り込みの結果、監査法人による監査の目が行き届かない金額的重要性の低い取引の中に、「財務諸表の適正性の保証」という会計監査の目的からは問題視されないものの取引自体の適切さを問われかねない問題(将来、損害賠償責任の発生の火種となりうる問題)が含まれていても見逃されてしまうことがある。

往査 : 公認会計士が監査対象会社の本社、営業所、工場などに会計監査の一環で赴くこと

ある上場企業(A社とする)で実際にあった事例を紹介しよう。A社の監査役が、・・・

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2018/02/08 監査法人の監査の網にかからないリスク(会員限定)

監査法人は、監査日数や公認会計士の数に制約がある中で監査業務の効率化を図る観点から、監査対象を「重要性」によって絞り込んでいる。例えば金額的・質的に重要性の低い工場や支店はどうしても往査頻度が低くなる。債権債務についても少額であれば残高監査の対象から漏れる可能性が高い。また、監査法人の監査は「財務諸表の適正性の保証」を目的とするものであり、財務諸表の適正性とは無関係の問題(品質偽装や納期の遅れなど)については、損害賠償責任が発生する可能性が低い限り、会計監査で問題視されることはない。こういった絞り込みの結果、監査法人による監査の目が行き届かない金額的重要性の低い取引の中に、「財務諸表の適正性の保証」という会計監査の目的からは問題視されないものの取引自体の適切さを問われかねない問題(将来、損害賠償責任の発生の火種となりうる問題)が含まれていても見逃されてしまうことがある。

ある上場企業(A社とする)で実際にあった事例を紹介しよう。A社の監査役が、同社の税務申告書に添付される勘定明細をチェックしたところ、未払金の摘要欄に個人名(X氏とする)が記載されているものがあった。その内容に関心を持った監査役は、経理担当者及び営業部長にヒアリングを行った。

ヒアリングによると、A社はX氏に対してある取引先(B社とする)への営業を業務委託しており、当該未払金は、その業務委託手数料が未払となっている分であるとのことだった。詳細は以下のとおり。

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本件に関係する会社は、自社(A社)とその取引先B社、そしてC社の計3社である。以前は、A社が製品をB社に販売する際にC社が仲介をしており、A社が15%のマージンを乗せてC社に販売し、さらにC社は20%のマージンを乗せてB社に販売していた。

このような販売形態をとるようになった背景には、元々はC社がA社にB社を紹介し、取引が始まったという経緯がある。形式上、C社は「案件情報収集・見積書作成」等を行い、A社から仕入れた製品をB社に販売するということになっていた。

ところが、今から約2年前、B社からA社に対し「買価を下げたいため、A社と直接取引したい」旨の打診が口頭であったため、A社はC社を仲介せずに直接B社への販売を行うことにした。そして、C社が行っていた業務は上記X氏が行うこととなり、A社はX氏との間で「対価としてX氏に売価の5%を支払う」旨の契約を締結した(下図参照)。ちなみに、このX氏は、以前はC社でB社の営業を担当しており、このタイミングでC社を退職していた。すなわち、当該取引はC社が仲介する形から「C社の元営業担当者X氏」にB社への営業関連業務を委託する」形に変わり、その結果、上述のとおりA社はX氏に売価の5%の営業業務委託手数料を支払うことになったものの、A社は販売価格が上がり、B社も購入価格が下がることとなった。

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このX氏に対する業務委託手数料の未払い分が勘定明細に未払金として計上されていたわけだが、ヒアリングした経理担当者や営業部長は、この取引形態について何ら疑問を抱いていなかった。それどころか、営業部長は、A社は販売価格を上げB社の購入価格を下げることとなったこの取引形態の変更を「Win-Winの関係が構築できた」と自画自賛していた。しかし、そこには重大な問題が隠されていた。それは、X氏を介するというこの取引が、元々の仲介者であったC社の知らないところで行われていたということである。

この新たな取引形態がいずれC社の知るところとなる可能性は十分にある。この場合、A社はいくつかのリスクを抱え込むことになる。まず、そもそもC社の元営業担当者X氏が行ったことは競業避止義務違反に該当する可能性があり、また、C社が本来受けるべきであった利益(逸失利益)について、C社がA社に対して損害賠償を求めて来ることもあり得る。このような事態となれば、別の取引先からA社に対する評判が低下(例えば「自社の利益のために取引先の承諾なしに取引形態を変更することを厭わない会社である」など)することにもなりかねない。

競業避止義務 : 自己または第三者のために、その地位を私的に利用して、営業者の営業と競争的な性質の取引をしてはならない義務。日本の憲法では「職業選択の自由」が認められているため、退職後は競業避止義務を負わないのが原則だが、自社の情報やノウハウが競合に流出することを防止するため、就業規則や誓約書により、退職者にも競業避止義務を課している企業がある。

監査役や(監査等委員会設置会社における)監査等委員は、監査法人による会計監査の網にかからないこうしうた事例を発見する役目を担っていると言えよう。

2018/02/08 【WEBセミナー】ISS 2018年版 日本向け議決権行使助言基準改定のポイント

概略

【セミナー開催日】2018年1月24日(金)

議決権行使助言会社として世界最大手である米国のISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)は、2018年2月1日より「2018年版 日本向け議決権行使助言基準」(以下、ポリシー)の適用を開始します。そこで本セミナーでは、ISS日本代表の石田猛行様をお招きし、新ポリシーの改定のポイントと改定の趣旨、新ポリシーの改定にあたり募集していたパブリックコメントの内容とパブリックコメントを受けて当初案から見直された点のほか、将来的な見直しの可能性も含め、ISSが関心を持つポリシーやテーマについても解説していただきます。

【講師】ISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)
    日本代表 石田 猛行(いしだ たけゆき) 様

セミナー資料 ISS 2018年版 日本向け議決権行使助言基準改定のポイント.pdf(1.50MB)

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セミナー動画
(1)総論:総会日の分散、招集通知の開示早期化~

33017a

(2)総論:ESGをValue creationと捉えるか?あるいはRisk managementと捉えるか?~
33017b

(3)2018年ポリシー改定:②買収防衛策 (改定の背景)~

33017c

(4)2017年株主総会の論点:①~

33017d

(5)総論:株主提案の考え方 ②~

33017e

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2018/02/08 【WEBセミナー】ISS 2018年版 日本向け議決権行使助言基準改定のポイント(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年1月24日(金)

議決権行使助言会社として世界最大手である米国のISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)は、2018年2月1日より「2018年版 日本向け議決権行使助言基準」(以下、ポリシー)の適用を開始します。そこで本セミナーでは、ISS日本代表の石田猛行様をお招きし、新ポリシーの改定のポイントと改定の趣旨、新ポリシーの改定にあたり募集していたパブリックコメントの内容とパブリックコメントを受けて当初案から見直された点のほか、将来的な見直しの可能性も含め、ISSが関心を持つポリシーやテーマについても解説していただきます。

【講師】ISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)
    日本代表 石田 猛行(いしだ たけゆき) 様

セミナー資料 ISS 2018年版日本向け議決権行使助言基準改定のポイント.pdf(1.50MB)
セミナー動画
(1)総論:総会日の分散、招集通知の開示早期化~

(2)総論:ESGをValue creationと捉えるか?あるいはRisk managementと捉えるか?~

(3)2018年ポリシー改定:②買収防衛策 (改定の背景)~

(4)2017年株主総会の論点:①~

(5)総論:株主提案の考え方 ②~
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2018/02/08 【WEBセミナー】2018年のエンゲージメントにおいて企業が留意すべきテーマ

概略

【セミナー開催日】2018年1月24日(金)

2017年に実施されたスチュワードシップ・コードの改訂を受け、機関投資家は議決権行使結果の個別開示に踏み切ったのみならず、議決権行使基準の見直し・厳格化にも取り組んでいます。こうした中、企業にとって、機関投資家との対話(エンゲージメント)は一層重要性を増していくことになるでしょう。その対話においては、グローバルな機関投資家の要求水準や金融庁「フォローアップ会議」における議論などを踏まえたコーポレートガバナンスに関する論点は必ずテーマに上るはずです。その一方で、「MiFID2」の影響で証券会社に依存したIR/SR活動が困難になることにより、自社主導によるIRストーリーの策定やロードショーの実施に向けた準備が問われる可能性も高まっています。そこで本セミナーでは、株主判明調査をはじめとするガバナンス・コンサルティングのリーディングカンパニーである日本シェアホルダーサービス株式会社(JSS)の研究開発/コンサルティング部でチーフコンサルタントを務める藤島裕三様をお招きし、2018年のエンゲージメントにおいて留意すべきテーマについて解説していただきます。

【講師】日本シェアホルダーサービス
    研究開発/コンサルティング部
    チーフコンサルタント 藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう)様

セミナー資料 2018年のエンゲージメントにおいて企業が留意すべきテーマ.pdf(1.17MB)

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セミナー動画
(1)総論:総会日の分散、招集通知の開示早期化~

33014a

(2)総論:ESGをValue creationと捉えるか?あるいはRisk managementと捉えるか?~
33014b

(3)2018年ポリシー改定:②買収防衛策 (改定の背景)~

33014c

(4)2017年株主総会の論点:①~

33014d

(5)総論:株主提案の考え方 ②~

33014e

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2018/02/08 【WEBセミナー】2018年のエンゲージメントにおいて企業が留意すべきテーマ(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2018年1月24日(金)

2017年に実施されたスチュワードシップ・コードの改訂を受け、機関投資家は議決権行使結果の個別開示に踏み切ったのみならず、議決権行使基準の見直し・厳格化にも取り組んでいます。こうした中、企業にとって、機関投資家との対話(エンゲージメント)は一層重要性を増していくことになるでしょう。その対話においては、グローバルな機関投資家の要求水準や金融庁「フォローアップ会議」における議論などを踏まえたコーポレートガバナンスに関する論点は必ずテーマに上るはずです。その一方で、「MiFID2」の影響で証券会社に依存したIR/SR活動が困難になることにより、自社主導によるIRストーリーの策定やロードショーの実施に向けた準備が問われる可能性も高まっています。そこで本セミナーでは、株主判明調査をはじめとするガバナンス・コンサルティングのリーディングカンパニーである日本シェアホルダーサービス株式会社(JSS)の研究開発/コンサルティング部でチーフコンサルタントを務める藤島裕三様をお招きし、2018年のエンゲージメントにおいて留意すべきテーマについて解説していただきます。

【講師】日本シェアホルダーサービス
    研究開発/コンサルティング部
    チーフコンサルタント 藤島 裕三(ふじしま ゆうぞう)様

セミナー資料 2018年のエンゲージメントにおいて企業が留意すべきテーマ.pdf(1.17MB)
セミナー動画
(1)①社外取締役の3分の1

(2)②女性役員の選任

(3)③アクティビスト、④集団的エンゲージメント

(4)⑤フェア・ディスクロージャー・ルール

(5)⑥MiFIDⅡ(第2次金融商品市場指令)、⑦非財務価値の対話
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2018/02/08 セミナー「フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、上場企業が整備すべき情報統制」および「アクティブ運用機関が企業に望むこと」を2018年3月7日(水)に開催しました。

本セミナーはすでに開催済みですが、会員の方向けにWEBセミナーを配信中です。
WEBセミナー:フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、上場企業が整備すべき情報統制
WEBセミナー:アクティブ運用機関が企業に望むこと

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上場会社役員ガバナンスフォーラムでは、2018年3月7日(水)の14時30分~17時40分に下記のセミナーを開催いたします。

詳細はこちらもご覧ください。

時 間 テーマ 講 師
第一部
14:30

16:00
フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、
上場企業が整備すべき情報統制
TMI総合法律事務所
パートナー 弁護士
池田 賢生
第二部
16:10

17:40
アクティブ運用機関が企業に望むこと あすかアセットマネジメント 運用部
あすかコーポレイトアドバイザリー
取締役ファウンディングパートナー
光定 洋介 様

■第一部の詳細

セミナー
の内容
昨年(2017年)実施された金融商品取引法の改正により「フェア・ディスクロージャー・ ルール」(以下、FDルール)が創設され、いよいよ今年4月1日から適用開始となります。FDルールの特徴は、インサイダー規制がインサイダー情報をもとに株式を売買して利益を得た「投資家」を規制するルールであるのに対し、“重要情報”を漏らしてしまった「企業」の行動を規制するルールであるという点です。したがって、FDルールに抵触しないようにするため、企業には重要情報の範囲を特定したうえで、重要情報の流れを整理しその取扱いのルールを決めるなどの対応(情報統制)が求められることになります。ただ、FDルールへの抵触を恐れるあまり、情報開示に消極的・保守的になりすぎれば、投資家との建設的な対話やIR上もマイナスです。FDルールの下では、文字どおり“フェア”な情報開示環境を保ちつつ、情報開示の量や質は落とさないという工夫も必要でしょう。そこで本セミナーでは、金融庁の企業開示課へ出向経験もあるTMI総合法律事務所の池田賢生弁護士をお招きし、FDルールの下で企業が整備すべき情報統制やその運用上の留意点などについて解説していただきます。投資家との対話に企業側のスピーカーとして臨む場合、まさにFDルールの当事者となる役員にとっても必見のセミナーです。
講師の
ご紹介
池田 賢生(いけだ けんせい)様
TMI総合法律事務所 パートナー 弁護士。
TMI総合法律事務所にて、2006年10月以降、M&A、IPO、及びグローバル・オファリングを含む、エクイティ・ファイナンス業務等に従事。2010年4月から2012年6月まで金融庁総務企画局企業開示課にて、公開買付け、大量保有報告、その他開示規制の改正・運用、粉飾等の開示規制の違反事案に対する執行(エンフォースメント)を担当。2015年5月、Duke Law School(LL.M.)卒業後、Morgan, Lewis & Bockius LLP(New York Office)にて、M&A、グローバル・オファリング業務等に関与。2018年1月より現職。
共著書に、「詳説 公開買付制度・大量保有報告制度 Q&A」、「逐条解説・2012年金融商品取引法改正」など。論文に、「自社株対価公開買付け等に係る公開買付制度上の取扱い(Q&A)の解説」(旬刊商事法務)、「私設取引システムにおける取引に対する公開買付規制の適用の見直し」(旬刊商事法務)、「課徴金制度の見直し(2)―虚偽開示書類等の提出等に加担する行為に対する課徴金の適用―」(旬刊商事法務)など。

■第二部の詳細

セミナー
の内容
一口に機関投資家(運用会社)と言っても、個別企業の株価が高いか安いかなどは考慮せずに例えば東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動した運用成果を目指す「パッシブ投資家」と、銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、成長が見込めなくなった銘柄を売却するなどして利益を得ようとする「アクティブ投資家」に大きく分かれます。そのアクティブ投資家の中でも、スチュワードシップ・コード導入前から企業とのエンゲージメント活動を積極的に行い、投資先企業・経営陣と深い信頼関係を構築したうえで投資先企業の隠れた価値を実現させる提案をするなど“バリューアップ戦略”をとることで有名なのが、あすかアセットマネジメントです。短期的な株価の変動に左右されず投資先の株式を保有し続ける真の中長期投資家と言える同社の投資先には、グローバルな優良企業のみならず、必ずしも現時点では株式市場で評価されていない中小型株も数多くあります。本セミナーでは同社の創設メンバーでもある光定洋介様をお招きし、同社が投資先を選定するうえでのチェックポイントやどのような企業に魅力を感じるのか、投資先企業が中長期的な企業価値を向上させるうえで経営陣に望むことは何か、また、投資先企業の中長期的な企業価値を向上させるためにどのような提案を行うのかなどについて、本音で語っていただきます。株主総会に向けこれから本格化する機関投資家との対話に臨むうえでも参考になるお話が聞けるはずです。
講師の
ご紹介
光定 洋介(みつさだ ようすけ)様
あすかアセットマネジメント 運用部、あすかコーポレイトアドバイザリー 取締役 ファウンディングパートナー。
日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)、ガートモア・グループでシニア・インベストメント・マネージャーとして上場株投資を約10年経験。その後、ユニゾン・キャピタルでプライベート・エクイティ投資を5年行い、東ハト、ドラッグイレブン、オリエント信販などの社外役員に就任し、企業価値向上にも貢献。2005年4月あすかコーポレイトアドバイザリーのファウンディングパートナーとしてバリューアップファンドを立ち上げ、チーフファンドマネージャーに就任。2011年よりあすかコーポレイトアドバイザリー株式会社ファウンディング・パートナー・エメリタス。2013年8月より現職。
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(MBA)首席修了。東京工業大学 学術博士 Ph.D.、産業能率大学経営学部教授。早稲田大学 ファイナンス研究センター 招聘研究員。証券アナリストジャーナル編集委員会 委員。
共著書に、「投資ファンドのすべて」、「ファンドマネジメントのすべて」、「企業統治のフロンティア」など。論文に、「株主構成と株式超過収益率の検証―市場志向的ガバナンスの我が国における有効性―」(2008年度証券アナリストジャーナル賞受賞)など。

なお、セミナー参加費につきましては、上場会社役員ガバナンスフォーラムの会員のみ無料、それ以外の方は21,600円(税込 ※)となっております。
※セミナーお申込み前に会員登録いただくと、セミナー参加費は無料となります。

会員登録はこちらから

会員でない方のお振込方法等の詳細はお申込みの受付けメール(下記の「お申込みはこちらから」のボタンをクリック後、お名前等をご入力いただいた後自動送信されるメール)にてご連絡いたします。
ご不明な点等がございましたら、ご遠慮なく jimukyoku@govforum.jp までお問い合わせください。

<セミナー概要>

  • 第一部 フェア・ディスクロージャー・ルールを踏まえ、上場企業が整備すべき情報統制
  • 第二部 アクティブ運用機関が企業に望むこと
  • 【日時】2018年3月7日(水)14時30分~17時40分
  • 【場所】六本木ヒルズ森タワー22階 TMI総合法律事務所セミナールーム
  • 【受付】六本木ヒルズ森タワーLL階ロビー 14時より
  • 【講師】第一部 TMI総合法律事務所
            パートナー 弁護士
            池田 賢生 様
        第二部 あすかアセットマネジメント 運用部
            あすかコーポレイトアドバイザリー
            取締役ファウンディングパートナー
            光定 洋介 様
  • 【セミナー参加費】当フォーラム会員は無料、それ以外の方は21,600円(税込)
お申し込みはこちら

2018/02/07 不振兄弟会社の切り離しが容易に

グループ経営の時代、企業グループの中にいわゆる“兄弟会社”が存在するケースは少なくない。兄弟会社とは以下のような持株形態における・・・

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2018/02/07 不振兄弟会社の切り離しが容易に(会員限定)

グループ経営の時代、企業グループの中にいわゆる“兄弟会社”が存在するケースは少なくない。兄弟会社とは以下のような持株形態における子会社Aと子会社Bの関係をいう。

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このような兄弟会社がともに優良企業であれば、そのまま兄弟関係が続くことになろうが、そのいずれか、あるいは両方が業績不振に陥っているような場合、親会社にとって選択肢となり得るのが、兄弟会社の組織再編だ。具体的には、兄弟会社を合併させて経営の合理化を図る、さらには合併させた兄弟会社を親会社から切り離すということも考えられる。

当フォーラムでも報じて来たとおり、平成29年度税制改正では、不振事業や不振子会社を切り離した場合においても法人税を課税しないこととする「スピンオフ税制」が新たに導入され、さらに平成30年度税制改正では、(1)子会社を切り離す(スピンオフする)前の段階で、親会社が現金出資し、事業に必要な免許や許認可を取得させるための“受皿会社”となる100%子会社を設立したうえで、(2)当該受皿会社に親会社の事業を移管した後、親子関係を解消(スピンオフ)するという2ステップの組織再編についても法人税がかからないこととされた(当該2ステップの組織再編のスキームは下図、課税関係は2017年9月4日のニュース 「事業に必要な免許や許認可を維持したままでのスピンオフが可能に?」参照)。

スピンオフ : 企業や組織の一部を分離し、別個の独立した企業や組織とすること。

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上図のような2ステップの組織再編に加え、平成30年度税制改正では、下図のように、まず兄弟会社を合併したうえで、その後親会社から切り離す(スピンオフする)という形態の組織再編でも法人税がかからないとされることが当フォーラムの取材で分かった。従来の法人税法では、兄弟会社の合併後に、親会社と合併後の会社(下図のAB社)の間で100%支配関係の継続が見込まれていない場合、合併時におけるA社とB社間の資産の移転について法人税が課されるという「完全支配関係継続要件」に抵触することとされてきた(完全支配継続要件については、2017年9月4日のニュース 「事業に必要な免許や許認可を維持したままでのスピンオフが可能に?」の3段落目中盤を参照))。

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不振な兄弟会社の切り離しを検討する企業グループにとっては検討に値する手法と言えそうだ。