2016/07/27 【失敗学第26回】HOYAの事例(会員限定)

概要

HOYA(東証一部上場の光学機器・ガラスメーカー。指名委員会等設置会社)が2016年2月から4月にかけて実施した300億円の自己株式取得が、会社法の財源規制に抵触していた。

財源規制 : 自社株を青天井で取得できるようにしてしまうと、会社財産が制限なく流出し、会社の債権者の利益を害することになりかねない。そこで会社法では、自社株買いに際して、会社の剰余金を基礎に計算された「分配可能額」が取得額の上限となる旨を定めている。

経緯

HOYAが2016年6月に「第三者委員会の調査報告書」を公表するまでの経緯を時系列で示すと、次のとおり(なお、金額については1億円未満を四捨五入している。2016年3月期の分配可能額の推移についてはこちらの図を参照)。

分配可能額 : 配当や自己株式取得のように会社財産を株主に分配する場合、債権者を保護するため、分配額を会社法に定められた計算式により算定される分配可能額の範囲内に収めなければならない。分配可能額は、前期末の剰余金残高から今期の配当支払額や自己株式取得額等を加減算して算定される。

<2013年>
HOYAでは預金残高が積み上がっていたため、同社のCEOは、CFO(執行役)に対し、株主還元策として自己株式を取得する方法について調査するよう指示した。

<2014年>
4月:財務部やコーポレート企画室の社内関係者が集まり、打ち合わせを数回実施。
5月:取締役会で300億円の自己株式取得を決議(5月~7月にかけて取得)。

<2015年>
1月:CEOが、連結で3,000億円を超える現金については「メカニカル」(機械的)に株主に還元していく方針を採用。取締役会で300億円の自己株式取得を決議(実際には取得に至らず)。
5月12日:取締役会で450億円の自己株式取得を決議(5月~7月にかけて取得。その結果、分配可能額は980億円になる)。
5月21日:取締役会で総額191億円の配当支払いを決議(6月1日に効力発生。その結果、分配可能額は789億円になる)。
10月29日:取締役会で総額600億円の自己株式取得を決議(10月~2016年1月にかけて取得。その結果、分配可能額は189億円になる)。また、取締役会で総額125億円の配当支払いも決議(11月27日に効力発生。その結果、分配可能額は64億円になる)。

<2016年>
2月3日:HOYAの株価が4,361円に下落。
2月9日:HOYAの株価が3,382円に下落。CFOは自己株式取得の時宜を得たと判断し、CEOに自己株式取得を提案し、了解を得る。
2月16日:分配可能額は約64億円しか残されていないにもかかわらず、取締役会で総額300億円の自己株式取得を決議(2月~4月にかけて取得。その結果、分配可能額はマイナス236億円になる)。
5月4日:財務部Accounting法人アカウンティングGL(グループリーダー。公認会計士)が、決算短信の原稿をチェックしていた際に分配可能額を試算してみたところ、2016年2月以降に実施した自己株式取得が分配可能額を超えていたことに気付いた。
5月9日:HOYAが2016年3月期の決算短信を公表。
5月18日:HOYAが、分配可能額を超えて自己株式を取得していた件について、第三者委員会を設置して調査を実施することを公表。
6月17日:HOYAが第三者委員会の調査報告書を公表。

時宜 : 時機が適していること。「じぎ」と読む。

内容・原因・改善策

HOYAが2016年6月17日に公表した「第三者委員会の調査報告書」によると、本件の問題点の内容とその原因、再発防止策は次のとおりである。

分配可能額を超えた自己株式の取得

内容 分配可能額が63億円しか残されていないにもかかわらず、総額300億円の自己株式を取得してしまった(分配可能額を超えた自己株式取得の詳細は2016年7月5日のニュース「社外取締役も無力、「個人的力量」に頼る内部統制のリスク」も参照)。
原因 ・役職員は連結決算(HOYA はIFRSを採用している)に関心を向けがちであり、これが単体決算を基準とした財源規制への感度を弱める原因となった。
・HOYAの取締役会では、配当の議案書には分配可能額の計算結果を添付することになっていた。しかし、自己株式取得には配当と同様に分配可能額の制限があるにもかかわらず、その議案書には分配可能額の計算結果を添付されていなかった。
・自己株式の取得手続きに関わっていた複数名の社内プロフェッショナル(公認会計士3名、弁護士1名)は、当然ながら自己株式の取得には財源規制があることを知ってはいたものの、誰一人として具体的に行動(分配可能額と自己株式取得額の比較)することはなかった。
・HOYAは、「役職員が各自の専門性を発揮し、主体的に自らの分掌について適正に職務を遂行し、他の部署と協議し、他の部署の業務であっても自らの部署に関連する可能性のある職務と考えたのであれば積極的に関与する」という理念を有しており、あえて本社部門の職務分掌について詳細な定めを置いていなかった。しかし、実際にはその理念が定着しておらず、職務分掌がはっきりしないまま財源規制の主管部署があいまいとなっている中で、誰一人として財源規制について主体的に動かなかった。
・自己株式取得に関するプロジェクトリーダーを指名しておらず、全体的なリスクの洗い出しも行われていなかった。
・自己株式取得に関するチェックリストを用意していなかった。
・本社部門は内部監査を長期間受けておらず、業務の遂行にあたり油断が生じていた。
・HOYAの監査委員は全員が非常勤の社外取締役であり、常勤監査委員や、それに匹敵する地位と権限を有する監査部門の責任者は置かれていなかった。
改善策 ・自己株式取得の取締役会決議に先立ち、必ず分配可能額を算定して、その概要を議案書に明記するようにする。
・柔軟な職務分掌システムを維持する以上、業務に隙間が生じないよう、担当者間の情報共有に関する意識を高め、必要な情報が適切に共有されるようにする。
・本社部門に対し定期的に内部監査を行うことができる体制を整備する(内部監査を担う人員を増やす)。また、モニタリング機能の強化の観点から、常勤監査委員または常勤監査委員に匹敵する地位と権限を有する監査部門の責任者を置く。
・本件では執行役の職務執行における問題も見受けられたことから、内部統制だけではなく、コーポレート・ガバナンスの次元でも対応を検討すべき。例えば、法律・会計の専門家や外国人取締役を取締役会のメンバーに加え、取締役会でも法務リスク、会計リスクを含めた様々なリスク等について注意喚起することが可能かどうか検討することが望ましい。
<この失敗から学ぶべきこと>

HOYAは指名委員会等設置会社の組織形態を採用しています。指名委員会等設置会社では、取締役は経営を監督するだけで、具体的な業務執行は執行役が担っています。第三者委員会の調査報告書は、そのような取締役と執行役の役割分担を考慮して、まず執行役であるCFOについて過失の有無を検討し、その後、取締役であるCEOおよび社外取締役について過失の有無を検討するという流れとなっています。

HOYAの第三者委員会は、「自己株式の財源規制のようなテクニカルな法規制に対するCFOの注意義務は会社の資金繰りの状況に応じて異なる」という説を持ち出しました。これは、資金繰りに苦しんでいる企業のCFOであれば、債権者への支払いをいかにして確保するかという点に注意義務を果たすべきであるのに対し、HOYAのように現預金が積み上がり、それをどう有効に使うのかに頭を悩ませなければならない企業のCFOであれば、より大きな経営判断に職務や責任の比重が移る結果、自己株式の財源規制のようなテクニカルな法規制に対する注意義務がある程度軽減されるという説です。そして、その軽減された注意義務をHOYAのCFOが果たしたかどうかの判断について、第三者委員会は「信頼の原則」を用いました。信頼の原則とは「取締役自身の業務執行の場合の経営判断の原則の適用に関して、情報収集・調査・検討等に関する体制が十分に整備されていれば、取締役は、当該業務を担当する取締役・使用人が行った情報収集・調査・分析等の結果に依拠して意思決定を行うことに当然に躊躇を覚えるような不備・不足があるなどの特段の事情がない限り、当該結果に依拠して意思決定を行えば足りる」というものです(日本弁護士連合会の「社外取締役ガイドライン」より引用)。HOYAの第三者委員会は、CFOが自己株式取得の検討を委ねたのは3名もの公認会計士を擁している財務部であるから、「情報収集・調査・検討等に関する体制」は十分と言え、「当該業務を担当する取締役・使用人が行った情報収集・調査・分析等の結果に依拠して意思決定を行うことに当然に躊躇を覚えるような不備・不足があるなどの特段の事情」も認められないことから、HOYAのCFOはキャッシュリッチな企業のCFOとしての「ある程度軽減された財源規制違反にかかる注意義務」をそれなりに果たしたと考えられ、法的な過失があったとまでは言えないと結論付けました。また、HOYAの取締役であるCEOおよび社外取締役は、CFO(執行役)およびその下部組織を信頼して自己株式取得を指示したものであり、担当執行役であるCFOに過失が認められない以上、過失を認める余地はないと判断しています。

取締役が業務のすべてをチェックすることは不可能ですし、会社法もそのようなことまでは求めていません。ただ、取締役としては、信頼の原則を適用できるレベルのしっかりとした組織を作り、組織的に業務にあたるようにしておく必要があります。

もちろん信頼の原則を適用できるレベルの組織を作り上げたとしても、業務を実際に遂行するのは一人ひとりの人間である以上、手続きの漏れやミスをゼロにすることはできません。そこで不可欠になるのが、チェックリストです。自己株式取得のような重要な手続きであればなおさらです。担当者がチェックリストを消し込みながら業務を進め、担当者の上長がチェックリストに挙げられている項目が適切にクリアされているかどうかをモニタリングすることで、法令に違反せず、安定的かつ組織的に業務を遂行できます。ところが、重要業務についてチェックリストを整備していない企業は少なくないのが現実です。そのような企業では、重要度の高い業務から順にチェックリストの整備・運用を急ぐべきです。

なお、調査報告書では、HOYAには常勤の監査委員がいないことも問題視されました。指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社の監査委員は、会社法上必ずしも常勤の委員である必要はないことから、HOYAのように常勤の監査委員がゼロの会社も許容されます(会社法331条6項)。しかし、会社法上許容されていることを理由に常勤の監査委員を選任しなければ、投資家から「監査への取組みの甘さ」を指摘される可能性があります。投資家にガバナンスの強化をアピールするためにも、常勤の取締役を監査委員に選任し、監査の実効性を確保するようにしたいところです。

2016/07/26 のれんを償却すれば赤字に転落する企業も

国際会計基準(以下IFRS)を採用する企業が増加しているが、その大きな理由の1つが、日本の会計基準(以下、日本基準)では毎期償却しなければならない「のれん」が非償却とされているということだ(ただし、毎期減損テストが実施される)。では、のれんを償却しないことによる影響はどれほどのものだろうか。

減損テスト : 減損の兆候の有無を評価し、兆候があれば帳簿価額と回収可能価額とを比較すること

IFRS任意適用会社の有価証券報告書を見ると、一部の会社は、日本基準の適用によりのれんを償却した場合の影響額(概算)を記載している(「第一部【企業情報】第2【事業の状況】1【業績等の概要】」参照)。 具体的には下表のとおりだ・・・

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2016/07/26 のれんを償却すれば赤字に転落する企業も(会員限定)

国際会計基準(以下IFRS)を採用する企業が増加しているが、その大きな理由の1つが、日本の会計基準(以下、日本基準)では毎期償却しなければならない「のれん」が非償却とされているということだ(ただし、毎期減損テストが実施される)。では、のれんを償却しないことによる影響はどれほどのものだろうか。

減損テスト : 減損の兆候の有無を評価し、兆候があれば帳簿価額と回収可能価額とを比較すること

IFRS任意適用会社の有価証券報告書を見ると、一部の会社は、日本基準の適用によりのれんを償却した場合の影響額(概算)を記載している(「第一部【企業情報】第2【事業の状況】1【業績等の概要】」参照)。 具体的には下表のとおりだ(連結税引前利益に対する影響額が30%以上の会社のみ掲載)。

会社名 (1)のれん償却額
(百万円)
(2)連結税引前利益
(百万円)
割合
(1)÷(2)
㈱ホットリンク 241 60 402%
ノーリツ鋼機㈱ 2,941 2,221 132%
㈱ベルシステム24ホールディングス 5,646 7,875 71%
㈱ネクスト 1,956 4,018 49%
エーザイ㈱ 11,307 25,875 44%
武田薬品工業㈱ 47,300 120,539 39%
㈱電通 34,181 106,043 32%
㈱すかいらーく 7,387 24,717 30%

(注) 直近の有価証券報告書(3月決算会社であれば2016年3月期)を調査した。

このうちホットリンクとノーリツ鋼機(いずれもIFRS初度適用会社)は、仮にのれんを償却をしていれば連結税引前利益が黒字から赤字になっていた。逆に言うと、のれんを償却しないことで、各期の利益は増え、その増えた利益をもとに株価が高い水準で形成された可能性がある。

のれんの影響の大きさは海外企業においても顕著となっている。2016年7月に企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した、「のれん及び減損に関する定量的調査」(米国、欧州、アジア・オセアニアの主要な会社(1,069社)を対象に調査)によると、
・ 米国、ヨーロッパにおいては、多数の会社が、純資産の100%を超えるのれんまたは無形資産を認識。一部の会社は、時価総額の100%を超えるのれんまたは無形資産を認識している。
・ のれんの減損を経験した会社は、比較的少数であった。
という衝撃的な内容が含まれている。「純資産の100%を超えるのれんまたは無形資産を認識」ということは、仮にのれんまたは無形資産がすべて減損されたら債務超過になることを意味する。「のれんの減損を経験した会社は、比較的少数であった」のは、減損テストは“見積もり”の要素が強く、見積もりの方法如何によって、減損損失の計上を回避または減損額を少なくすることが可能であるということも一因と言えそうだ。

日本のIFRS任意適用会社ののれんの残高と純資産(資本)に対する割合は下表のとおりとなっている(純資産に対する割合が40%超の会社のみ集計)。

会社名 (1)のれん
(百万円)
(2)純資産(資本)
(百万円)
割合
(1)÷(2)
㈱ワールド 55,662 12,673 439%
㈱ベルシステム24ホールディングス 97,083 37,677 257%
㈱ホットリンク 2,891 1,461 198%
㈱コメダホールディングス 38,312 20,615 186%
㈱すかいらーく 146,205 103,287 142%
テクノプロ・ホールディングス㈱ 29,202 21,973 133%
日本板硝子㈱ 113,459 112,011 101%
そーせいグループ㈱ 15,426 23,269 66%
ノーリツ鋼機㈱ 32,321 52,621 61%
㈱電通 656,862 1,102,743 60%
日本たばこ産業㈱ 1,429,287 2,521,524 57%
楽天㈱ 369,428 664,013 56%
㈱ネクスト 9,150 17,142 53%
㈱ツバキ・ナカシマ 23,899 45,053 53%
ソフトバンクグループ㈱ 1,609,789 3,505,271 46%
エーザイ㈱ 183,756 451,757 41%

(注) 直近の有価証券報告書(3月決算会社であれば2016年3月期)を調査した。

もっとものれんの残高が多いのはソフトバンクグループ㈱で、のれんの純資産に対する割合は46%となっている。ただし、ソフトバンクグループ㈱には、耐用年数が確定しておらず償却をしていない無形資産が4,767,387百万円存在しており、これを含めると純資産に対する割合は181%にも及ぶ。

この他にも、のれんの純資産に対する割合が100%を超える日本企業はいくつか存在している。経営陣としては、のれんが非償却となることにより短期的な利益は計上されるものの同時に「減損リスク」が存在することを忘れないようにしたい。

2016/07/25 年次有給休暇の取得義務付けに向けた対応

昨年(2015年)4月に国会に上程された労働基準法の中で、働き方を大きく変える制度として、「ホワイトカラー・エグゼンプション」と並んで物議を醸したのが「年次有給休暇の取得義務付け」だ。具体的には、会社は、年間10日以上の年次有給休暇を与えるべき従業員に対し、(1)本人が希望した時季に与える、(2)労使協定に基づき計画的に付与する、(3)個別に時季を指定する、のいずれかの方法により「年間5日以上」の年次有給休暇を取得させなければならないとされ、これに違反した場合の罰則(30万円以下の罰金)まで設けられている。結局この法案は継続審議(閉会中審査)となり、来年4月からの施行も危ぶまれているが、企業としては、そう遠くない将来には成立する前提で準備を進めておく必要があろう。

閉会中審査 : 各議院の委員会が、国会の閉会中に会議を開いたり、委員に審査や調査を行わせたりすること。国会は、会期が終了すると閉会になるが、その議院の議決があれば閉会中でも審査を行うことができることになっている。

上記3つの方法の中で企業にとって有力な選択肢となりそうなのが、・・・

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2016/07/25 年次有給休暇の取得義務付けに向けた対応(会員限定)

昨年(2015年)4月に国会に上程された労働基準法の中で、働き方を大きく変える制度として、「ホワイトカラー・エグゼンプション」と並んで物議を醸したのが「年次有給休暇の取得義務付け」だ。具体的には、会社は、年間10日以上の年次有給休暇を与えるべき従業員に対し、(1)本人が希望した時季に与える、(2)労使協定に基づき計画的に付与する、(3)個別に時季を指定する、のいずれかの方法により「年間5日以上」の年次有給休暇を取得させなければならないとされ、これに違反した場合の罰則(30万円以下の罰金)まで設けられている。結局この法案は継続審議(閉会中審査)となり、来年4月からの施行も危ぶまれているが、企業としては、そう遠くない将来には成立する前提で準備を進めておく必要があろう。

閉会中審査 : 各議院の委員会が、国会の閉会中に会議を開いたり、委員に審査や調査を行わせたりすること。国会は、会期が終了すると閉会になるが、その議院の議決があれば閉会中でも審査を行うことができることになっている。

上記3つの方法の中で企業にとって有力な選択肢となりそうなのが、(2)の「労使協定に基づく計画的付与」だ。「取らせない」という選択肢がない中で、(1)は現状で有給消化率が低い職場では機能しない恐れがあり、(3)も結局は現場任せとなるため、混乱が生じる可能性がある。あらかじめ業務に支障のない時季を設定しておく(2)の方法であれば確実に法令を遵守することができるうえ、「誰がいつ休むか分かっているので業務分担等の計画が立てやすい」「(特に退職時など)年休をまとめて消化するのを防げる」「部門単位・フロア単位などで導入することにより、省エネ効果も期待できる」などの副次的効果も期待できる。

もっとも、(2)を導入する場合には、まず労使協定の締結が必要になるため(「労働時間等設定改善委員会」の決議をもって代えることも可)、従業員の意見集約に向けて今のうちから準備に取り掛かっておくとよいだろう。

労働時間等設定改善委員会 : 労働時間等の設定の改善のための取り組みについて労使協議を行うための委員会のこと。労使それぞれの代表者を構成員とする。労働時間等設定改善法では、この労働時間等設定改善委員会の設置など労働時間等設定改善実施体制を整備する努力義務を課している。

なお、労働基準法改正案では、「年休管理簿」の作成・保管も義務付けられている。年休管理簿とは、各人ごとに「どれだけの年休があり(付与日数)、どれだけ使ったか(取得日数)」を記録しておくものだが、それを備えていない企業が時折見受けられる。そもそもこれがなければ勤怠の管理もままならないため、法律による義務付け以前に、労務管理上の必須帳簿として整備しておく必要があろう。

2016/07/24 【ケーススタディミニテスト】機関投資家に自社の魅力を伝えたい 第1問解答画面(不正解)

不正解です。
日本企業の株主構成は、近年、大きく変化しています。上場企業の発行済株式のうち、金融機関(都銀・地銀等および生損保)が保有している株式数の比率は、20年前には30%を超えていたものの、年々落ち込み、近年では10%を下回る水準になっています。以上より、問題文は正しいです。

ケーススタディを再確認!
「機関投資家に自社の魅力を伝えたい」の『機関投資家最大の関心事「企業価値」とは?』はこちら

2016/07/24 【ケーススタディミニテスト】機関投資家に自社の魅力を伝えたい 第1問解答画面(正解)

正解です。
日本企業の株主構成は、近年、大きく変化しています。上場企業の発行済株式のうち、金融機関(都銀・地銀等および生損保)が保有している株式数の比率は、20年前には30%を超えていたものの、年々落ち込み、近年では10%を下回る水準になっています。以上より、問題文は正しいです。

ケーススタディを再確認!
「機関投資家に自社の魅力を伝えたい」の『機関投資家最大の関心事「企業価値」とは?』はこちら

2016/07/24 【ケーススタディミニテスト】機関投資家に自社の魅力を伝えたい(会員限定)

【問題1】

上場会社の発行済株式数のうち金融機関が保有している株式数の割合は、20年前の3分の1未満の水準となった。


正しい
間違い
【問題2】

失敗するリスクの高い事業を行う企業では、期待収益率(=資本コスト)は低くなる。


正しい
間違い
【問題3】

FCF(フリーキャッシュフロー)を算定する際には、売上から差し引く費用に減価償却費を含めてはならない。


正しい
間違い
【問題4】

将来のFCF(フリーキャッシュフロー)が一定であると仮定すると、資本コストの上昇に応じて企業価値も増加する。


正しい
間違い
【問題5】

機関投資家に対するIR活動においては、自社の魅力をファイナンス理論に関連付けてアピールすれば機関投資家に訴求しやすい。


正しい
間違い

2016/07/22 海外M&Aで生じる役員報酬のネジレ現象

M&Aした海外企業の報酬水準が自社(日本企業)よりも高いということは少なくない。場合によっては、自社の社長よりも報酬が高い幹部がゴロゴロいることもある。日本では、子会社の役員報酬は親会社よりも低く抑えられているのが通常だが、この常識をM&Aした海外企業にも当てはめるのは困難だ。

報酬水準は「ホームカントリー」で決まることが多く、その場合、金額は各地域において競争力のある水準に設定されるため、親会社の報酬水準が“上限”にはならない。特に米国では会社規模と報酬水準の連動性が高く、たとえそれが日本企業の米国子会社であったとしても、その報酬水準は会社規模によってある程度決まってくる。また、経営幹部の転職マーケットが成熟している欧米では、経営幹部の報酬は経験や能力に応じた“相場”というものもある。

ウイリス・タワーズワトソン 経営者報酬部門 コンサルタントの小川直人氏によると、日本企業にあっては、このような現実を認識しつつも、「親会社→子会社」という指揮命令系統と、報酬水準の“ネジレ現象”に違和感を持つところも多いという。子会社のトップが親会社の取締役(指名委員会等設置会社であれば執行役)に入ることは珍しくないが、本体の役員となると、・・・

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