2016/04/27 15歳のハッカーによる顧客情報流出事件が示唆するもの

企業が受ける経済犯罪として最も多いと言われるのが資産の不正流用だが、これに迫る勢いで近年急増しているのがサイバー犯罪だ。

サイバー犯罪による損害というと、金銭的な被害や知的財産の流出による損害が頭に浮かぶが、実はこれを上回る最大の損害と言えるのが・・・

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2016/04/27 15歳のハッカーによる顧客情報流出事件が示唆するもの(会員限定)

企業が受ける経済犯罪として最も多いと言われるのが資産の不正流用だが、これに迫る勢いで近年急増しているのがサイバー犯罪だ。

サイバー犯罪による損害というと、金銭的な被害や知的財産の流出による損害が頭に浮かぶが、実はこれを上回る最大の損害と言えるのが「風評被害」である。海外の最新事例では、2015年10月にサイバー攻撃を受け約400万人の顧客のクレジットカード情報や銀行口座情報等が流出した英国の大手インターネット・プロバイダーのトーク・トーク社が、事件発覚後に顧客流出が相次ぐという事態に見舞われている。

このように、サイバー犯罪は、もし被害を受ければ企業の存続を脅かしかねない重要な経営課題であるにもかかわらず、サイバー犯罪に対して十分な備えができている企業は少ない。実際、上記トーク・トーク社を襲ったハッカーはなんと15歳の学生だったという。これでは経営陣が「サイバー犯罪にきちんと備えていたのか?」との批判を受けたとしても致し方ないだろう。

トーク・トーク社の事例を見れば分かるように、サイバー犯罪が増加している背景には企業側のITスキルの低さやサイバー犯罪に対する危機感の低さがあることは否定できない。とはいえ、サイバー犯罪の手口が進化・変貌する中、自社だけでの対応には限界がある。海外では、CEOのメールアドレスを使ってCEOに扮したハッカーが、従業員に指示して海外の口座に送金させるという手の込んだサイバー犯罪も報告されている。IBM社による調査では、多くの企業が「サイバー犯罪対策では、他社と協力して攻撃手法を分析したり、攻撃に対する有効なセキュリティ対策を共有することは有用」と感じつつも、実際に「自社の情報を他社と共有することが可能」とする企業は少数派となっており、理想と現実のギャップが生じている。

政府の内閣官房内閣サイバーセキュリティセンターは先月末(2016年3月31日)に「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第3次行動計画の見直しに向けたロードマップ(案)」を示し、その中で「情報共有の強化」を打ち出しているが、これはあくまで重要インフラ事業者(電力、情報通信、金融等)を対象にしている。個社によるサイバー犯罪対応に限界が見える中、一般事業会社の経営陣がリーダーシップを発揮して同業他社等との連携を図る取組みも検討に値しよう。

2016/04/27 【特集】平成28年6月総会用招集通知作成に役立つ!
平成27年12月決算上場会社の招集通知、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況分析

宝印刷株式会社
ディスクロージャー研究二部

1.はじめに

昨年(2015年)6月より、有価証券上場規程の中に盛り込まれる形でコーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」という。)が適用されていますが、下記の通りCGコードの中には株主総会の環境整備や株主総会招集通知への記載事項と関連性の高いものも見受けられ、これらは招集通知作成の実務にも影響を及ぼしているものと思われます。

そこで本稿では、平成27年12月決算会社(以下「12月決算会社」という。)のうち、CGコード73原則全ての適用を受ける東証1部・2部上場会社、日経225銘柄、JPX日経400銘柄の会社を対象に、株主総会への影響が比較的強いと思われる原則に関連する内容を招集通知に記載したところがどの程度あったかを調査するとともに、特徴的な記載事項を併せて紹介します。

○株主総会における環境整備や情報開示に関連する主な原則
・株主総会における権利行使に係る適切な環境整備(原則1-2)
・株主総会において株主が適切な判断を行うことに資すると考えられる情報の的確な提供(補充原則1-2①)
・株主総会招集通知の早期発送、発送前開示(補充原則1-2②)
・議決権電子行使(プラットフォームの利用等)を可能とするための環境整備、招集通知の英訳(補充原則1-2④)
・法令に基づく開示以外の情報提供への主体的取り組み(基本原則3)
・正確で利用者にとって分かりやすく、情報として有用性の高いものの提供(基本原則3)
・利用者にとって付加価値の高い記載(補充原則3-1①)
・合理的範囲での英語での情報開示(補充原則3-1②)
○株主総会招集通知の記載内容と関連性の高い主な原則
・以下の事項に関する主体的な情報発信(原則3-1)
 ⅰ 経営理念・経営戦略・経営計画
 ⅱ コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
 ⅲ 役員報酬決定に関する方針・手続き
 ⅳ 役員候補の指名を行うに当たっての方針・手続き
 ⅴ 役員候補の個々の選任理由
・社外取締役の独立性基準の策定・開示(原則4-9)

「2.株主総会における環境整備について定めた原則」へ(会員限定)

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2016/04/27 【特集】平成28年6月総会用招集通知作成に役立つ!
平成27年12月決算上場会社の招集通知、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況分析(3・会員限定)

3 招集通知の内容と関連性が高い原則

(1)経営理念・戦略・経営計画等
CGコードでは、会社の経営理念や戦略、経営計画について主体的な情報発信を求めており、当該内容はCG報告書において開示する必要があります(原則3-1(ⅰ))。これらの内容については、CGコードの適用開始前から主に事業報告の中で開示している会社が見受けられましたが、東証1部・2部の12月決算会社229社のうち、招集通知に経営理念や戦略を記載した会社は54社(23.6%)、経営計画全体を記載した会社は53社(23.1%)、両方を記載した会社は24社(10.4%)、少なくともいずれかを記載した会社は83社(36.2%)となりました。

一方、日経225銘柄では22社中18社(81.8%)、JPX日経400銘柄では37社中24社(64.9%)と、大部分の会社が少なくともいずれかの内容を記載しています。

JPX日経400銘柄 : 「資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした『投資者にとって投資魅力の高い会社』で構成される新しい株価指数」とされ、3年平均ROE(自己資本利益率)や独立社外取締役の人数などを加味して構成銘柄が決定される。
(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)

記載箇所としては、経営理念や戦略は招集通知の表紙の裏など冒頭の目立つところが多くなっていますが、事業報告の「対処すべき課題」や「内部統制システム」の記載内容と関連付けて記載している事例もあります。経営計画については、事業報告の「対処すべき課題」の内容との関連性が高いことから、これと併せて記載されることが多なっています。このほか、経営計画の前提として経営理念、経営戦略を記載している事例も見受けられます。

経営理念・戦略・経営計画それぞれの記載のボリュームは会社によって様々ですが、今後も上記のような工夫例が増えていくことが予想されます。

17294_1

(2)コーポレートガバナンスの基本的な考え方・方針
CGコードでは、それぞれの原則を踏まえたコーポレートガバナンスに関する「基本的な考え方」と「基本方針」の主体的情報発信を求めており、当該内容はCG報告書において開示する必要があります(原則3-1(ⅱ))。

この原則を受け、上場会社の中には、「基本的な考え方」を事業報告の「会社役員の状況」に含めて記載する事例や、独立項目を設けて記載する事例、内部統制システムの内訳項目の1つとして記載する事例が見受けられます。

また、「基本方針」ではCGコードの各原則に対する大まかな対応方針を開示することが求められていることを踏まえ、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を策定し、これを「基本方針」として事業報告に掲載している事例や、自社ウェブサイトを参照先としている旨を記載している事例があります。

東証1部・2部上場の12月決算会社の招集通知を見ると、上記のいずれかの方法(①「会社役員の状況」に含めて記載、②独立項目を設けて記載、③内部統制システムの内訳項目の1つとして記載、④ガバナンスガイドラインを掲載(参照方式を含む))により「基本的な考え方」又は「基本方針」を記載している事例は 16社(7.0%)と、現状では記載していない方が一般的となっていますが、CGコードには招集通知の重要項目である会社役員に関する事項や内部統制システムとの関連性が強い原則も多いことから、今後は少しずつ記載が増えていくことが予想されます。

一方、日経225銘柄では22社中8社(36.4%)、JPX日経400銘柄では37社中8社(21.6%)と、東証1部・2部上場の12月決算会社全体と比べると、高い割合の会社が記載を行っています。

【コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方又は方針の開示状況】
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(3)役員報酬の決定方針と手続きの概要
CGコードでは、役員報酬の決定方針と手続きについて主体的な情報発信を求めており、当該内容はCG報告書で開示する必要があります(原則3-1(ⅲ))。

役員報酬の決定方針については、指名委員会等設置会社以外の株式会社はたとえ当該方針を定めている場合でも事業報告への記載を省略することが可能です。また、役員報酬の決定手続きについては、そもそも事業報告への記載義務がありません。したがって、これまで役員報酬の決定方針と手続きを招集通知に記載している上場会社は少数でした。

東証1部・2部上場の12月決算会社229社を見ても、招集通知にこれらを記載したのは35社(15.3%)にとどまり、現状では記載していない方が一般的となっています。

一方、日経225銘柄では22社中10社(45.5%)、JPX日経400銘柄では37社中17社(45.9%)と(いずれも昨年と同じ割合)、半数に迫る会社が記載を行っています。

【役員報酬の決定方針と手続きの記載状況】
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※ 「前期」には、前年度において3月決算であった会社が1社含まれています。

(4)役員の選任方針・手続き
CGコードでは、原則3-1(ⅳ)で役員選任方針とその手続き(プロセス)について主体的な情報開示が求められているほか、この方針・手続きと併せ補充原則4-11 ①で「取締役会の規模などに関する考え方」を開示すべきとされており、これらの内容はいずれもCG報告書の開示事項とされています。
これらを招集通知に記載しているのは東証1部・2部上場の12月決算会社229社のうち20社(8.7%)にとどまり、現状では記載していない方が一般的です。

また、日経225銘柄でも22社中4社(18.2%)、JPX日経400銘柄でも37社中9社(24.3%)と、いずれも昨年に比べ大幅に増加しているものの、依然として低い割合にとどまっています。

【役員の選任方針・手続きの記載状況】
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※ 「前期」には、前年度において3月決算であった会社が1社含まれています。

(5)役員の個々の選任理由(原則3-1(ⅴ))
CGコードでは、(4)の取締役会が役員選任方針とその手続を踏まえ、取締役・監査役候補の指名を行う際の個々の役員の選任・指名理由をCG報告書において開示することを求めていますが、当該原則を踏まえ、関連性の高い選任議案において個々の選任理由を記載している事例は、東証1部・2部上場の12月決算会社229社のうち74社(32.3%)となっています。このように現状では記載していない会社の方が多いものの、前記「(1)経営理念・戦略、経営計画等」に次いで招集通知に記載した会社の割合が高い項目となっています。

一方、日経225銘柄では22社中16社(72.7%)、JPX日経400銘柄では37社中22社(59.5%)が記載しており、いずれも昨年に比べ大幅な増加となりました。

記載の方法としては、各候補者欄に含めて開示している事例が多く見受けられますが、従前の社外役員候補者の記載と同様に「注記」により記載している事例もあります。

【個々の選任理由の記載状況】
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※ 「前期」には、前年度において3月決算であった会社が1社含まれています。

(6)社外役員の独立性基準
CGコードでは、取締役会に対し、東証等が定める独立性基準を踏まえた独立性基準を策定することを求めるとともに、その策定した独立性基準をCG報告書における開示事項としています(原則4-9)。

上場会社には、上場規程等により、「独立役員に関する情報及び社外役員の独立性に関する情報」を株主総会における議決権行使に資する方法により株主に提供するよう努めることが求められていることもあり(東証 有価証券上場規程第445条)、事業報告や株主総会参考書類の役員選任議案において、社外役員の独立性基準を記載する事例は従前から見受けられたところです。
東証1部・2部上場の12月決算会社229社のうち、「招集通知」に独立性基準を記載している会社は31社(13.5%)でした。

一方、日経225銘柄では22社中9社(40.9%)、JPX日経400銘柄では37社のうち15社(40.5%)が記載しており、記載割合は昨年に比べ大幅に増加しています。

本原則の内容は招集通知への記載割合は現状でも比較的高く、また、議決権行使助言会社最大手のISSも参考書類への掲載を要請しているため(2016年ISS議決権行使助言方針)、今後も記載割合が増加することが予想されます。

【社外役員の独立性基準の記載状況】
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※ 「前期」には、前年度において3月決算であった会社が1社含まれています。

4 その他の記載

(1)資本政策
CGコードでは、資本政策の基本的な方針について説明を行うべきとされています(原則1-3)。

当該内容はCG報告書での開示事項とはされていませんが、投資家からの注目度が高く、また、CG報告書の記載事項である経営理念・戦略・経営計画との関連性も高いことから、これまで公表されたCG報告書でも任意で開示している事例が見られたところです。

この原則1-3を受け、東証1部・2部に上場している12月決算会社でも招集通知に資本政策を開示している事例が見られました。ただし、CGコード上「資本政策」という用語に明確な定義がないため、開示内容は会社ごとに様々となっています。

(2)政策保有株式の保有方針など
CGコードでは、政策保有株式の保有方針・議決権行使方針等をCG報告書において開示することとされています(原則1-4)。

招集通知にこれらを記載している上場会社はこれまでのところ数社にとどまっていますが、東証1部・2部に上場する12月決算会社の中には、「会社の現況に関する事項」の内訳で記載する事例や、独立項目を設けて記載する事例が少数ありました。

招集通知記載事項との関連性を考慮すると、今後記載事例が大幅に増加する可能性は低いと予想されますが、投資家からの関心が高い事項であるため、少しずつ増えていくことも考えられます。

2016/04/26 【特集】平成28年6月総会用招集通知作成に役立つ!
平成27年12月決算上場会社の招集通知、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況分析(2・会員限定)

2.株主総会における環境整備について定めた原則

(1)招集通知の発送前開示
CGコードでは、招集通知に記載する情報の正確性を担保しつつその早期発送に努めるべきとされており、また、株主総会の招集に係る取締役会決議から招集通知を発送するまでの間にTDnet等により電子的に公表すべきとされています(補充原則1-2②)。

昨年(2015年)6月1日からのCGコード適用開始以来、招集通知の発送前開示をする会社の割合は上昇しており、東証1部・2部に上場している12月決算会社においても、229社中150社(65.5%)と約2/3の会社が発送前開示を実施しています。

また、日経225銘柄では22社中21社(95.5%)とほぼ全ての会社が発送前開示を実施しており、JPX日経400銘柄においても37社中28社(75.7%)とやはり発送前開示を行う会社が大半となっています。
発送前開示に伴い、株主に送付した招集通知には、「招集通知をWEBサイトに掲載している」旨や「発送前開示を行っている理由」を記載している事例も見受けられました。

【招集通知発送前開示の状況】

東証1部(184社) 東証1部・2部(229社)




14日以前 2社( 1.1%)



14日以前 2社( 0.9%)
7日前~13日前 29社(15.8%) 7日前~13日前 31社(13.5%)
2日前~6日前 60社(32.6%) 2日前~6日前 72社(31.4%)
前日 38社(20.6%) 前日 45社(19.7%)
招集通知発送日 30社(16.3%) 招集通知発送日 44社(19.2%)
翌日以降 25社(13.6%) 翌日以降 35社(15.3%)
日経225(22社) JPX400(37社)




14日以前



14日以前
7日前~13日前 7社(31.8%) 7日前~13日前 12社(32.4%)
2日前~6日前 8社(36.4%) 2日前~6日前 10社(27.0%)
前日 6社(27.3%) 前日 6社(16.2%)
招集通知発送日 招集通知発送日 5社(13.5%)
翌日以降 1社( 4.5%) 翌日以降 4社(10.8%)

(2)「プラットフォーム」「招集通知の英訳」の状況
CGコードでは、機関投資家や海外投資家の比率も踏まえた議決権電子行使の環境作りや招集通知の英訳を進めるべきとしています(補充原則1-2④)。

議決権電子行使の環境作りとしては、㈱ICJが運用している議決権電子行使プラットフォームの利用が想定されますが、東証1部・2部上場の12月決算会社における同プラットフォームの採用状況は、昨年(2015年)の53社に対し本年は69社と増加傾向にあります。なお、全上場会社で見ると、昨年3月末時点の採用会社数は527社であったのに対し本年3月末時点では695社となっており、やはり増加しています。

議決権電子行使プラットフォーム : 国内外の機関投資家が議決権を行使しやすいよう、東証と日本証券業協会が出資する株式会社ICJが運営する電子投票のインフラ。株主総会招集通知は、機関投資家に対して名目上の名義人である信託銀行等経由で送られてくることなどから、議案の内容を分析する時間が限られている(このため、自前の議決権行使基準や議決権行使助言会社の基準に従って機械的に議決権を行使せざるを得ない)。議決権電子行使プラットフォームを利用すれば、信託銀行から発送された段階で議案の内容を見られるようになり、時間をかけて議案を検討できる。
(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)

招集通知の英訳を実施しているのは、東証1部・2部上場の12月決算会社229社中71社(31.0%)となっています。一方、日経225銘柄では22社中21社(95.5%)、JPX日経400銘柄では37社中27社(73.0%)と大部分が実施しており、実施率も前期より増加しています。

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※ 「前期」には、前年度において3月決算であった会社が1社含まれています。

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2016/04/26 経営企画部による企業価値の破壊

ある程度大手の企業には、経営企画部をはじめとする多くの「企画部」が存在し、社内で重要な役割を果たしている。企画部への配属はエリートの証であり、実際、企画部からは多くの社長が輩出されている。ただ、投資家として企業を見ていると、「果たして企画部は企業価値の向上に貢献しているのか」と感じることが少なくない。企画部の代名詞と言える「経営企画部」に焦点を当てて考えてみよう。

経営企画部の役割は・・・

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2016/04/26 経営企画部による企業価値の破壊(会員限定)

ある程度大手の企業には、経営企画部をはじめとする多くの「企画部」が存在し、社内で重要な役割を果たしている。企画部への配属はエリートの証であり、実際、企画部からは多くの社長が輩出されている。ただ、投資家として企業を見ていると、「果たして企画部は企業価値の向上に貢献しているのか」と感じることが少なくない。企画部の代名詞と言える「経営企画部」に焦点を当てて考えてみよう。

経営企画部の役割は「経営のサポート」である。具体的には、経営者が経営判断を下すのに必要な情報の収集や現場との調整を行なう。「経営」そのものを担うのはあくまで経営者であるはずだ。しかしながら、なかには経営者が経営企画部に依存するあまり、経営企画部自体が経営に強い影響力を有している企業が少なからず見受けられる。

経営者が経営企画部に依存すればするほど、経営企画部の権限は拡大するとともに、肥大化していく。その結果、現場は経営企画部に逆らえなくなり、顧客そっちのけで経営企画部への報告に注力することになる。次第に社外よりも社内を優先する内向きな組織になり、現場の士気も落ちていく。そして、経営者は経営企画部に祭り上げられ、経営企画部が出した案を承認するだけの存在になり下がる。上述のとおり、経営企画部は「経営のサポート」のプロであり、「経営」そのもののプロではない。説明だけはもっともらしい机上の経営がなされたとき、企業価値は蝕まれる。

このような事態を回避するための方策はシンプルで、「経営者が経営権を経営企画部から取り戻すこと」である。そして、経営企画部には本来の業務である「経営のサポート」に徹しさせる。経営者には、自らの意思で経営判断をするとともにリスクをとる勇気が求められる。もちろん、経営責任は経営者がとるという覚悟も必要になる。

経営者が経営企画部に依存するのは、経営者に自信がないことの裏返しである。そのような企業に投資したいと思うだろうか?経営企画部が強すぎる企業は投資家にとって要注意なのである。

2016/04/26 GW休業のお知らせ

誠に勝手ながら、2016年4月29日~2016年5月8日のゴールデンウィーク中は
事務局の休業となります。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解いただきますようお願い致します。

2016/04/25 招集通知等の電子化、3つの書類除き実施へ 次期会社法改正時が濃厚

経済産業省に設置された株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会は先週(2016年4月21日)、「株主総会の招集通知関連書類の電子提供の促進・拡大に向けた提言」を取りまとめ、公表した。

現行の会社法では、招集通知および関連書類の電子提供に関して2つの制度が設けられている。1つは、招集通知、議決権行使書面、株主総会参考書類、事業報告、計算書類・連結計算書類、会計監査報告・監査報告については、「株主から事前に個別承諾を得ること」を要件に、電磁的な方法により株主に提供することができるというもの。これは平成14年の商法改正により導入されたものだが、「個別承諾」という要件のハードルの高さから、上場会社の利用は広がっていないのが現状。全国株懇連合会の調査(平成26年7月実施)によると、採用企業はわずか117社にすぎない。2つ目は、定款の定めに基づき、株主参考書類の一部についてWeb開示を行うことにより株主に提供したものと“みなす”制度。こちらは上場会社の約45%に利用されている。しかし、電子提供できる書類が関連書類の一部に限られるなど、利便性は決して高くない。

こうした中、今回の提言では、・・・

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2016/04/25 招集通知等の電子化、3つの書類除き実施へ 次期会社法改正時が濃厚(会員限定)

経済産業省に設置された株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会は先週(2016年4月21日)、「株主総会の招集通知関連書類の電子提供の促進・拡大に向けた提言」を取りまとめ、公表した。

現行の会社法では、招集通知および関連書類の電子提供に関して2つの制度が設けられている。1つは、招集通知、議決権行使書面、株主総会参考書類、事業報告、計算書類・連結計算書類、会計監査報告・監査報告については、「株主から事前に個別承諾を得ること」を要件に、電磁的な方法により株主に提供することができるというもの。これは平成14年の商法改正により導入されたものだが、「個別承諾」という要件のハードルの高さから、上場会社の利用は広がっていないのが現状。全国株懇連合会の調査(平成26年7月実施)によると、採用企業はわずか117社にすぎない。2つ目は、定款の定めに基づき、株主参考書類の一部についてWeb開示を行うことにより株主に提供したものと“みなす”制度。こちらは上場会社の約45%に利用されている。しかし、電子提供できる書類が関連書類の一部に限られるなど、利便性は決して高くない。

こうした中、今回の提言では、招集通知関連書類の電子提供を拡大する観点から新たな電子提供制度が提案されている。提言は、「書面での提供からインターネット上での提供にスムーズに移行することができれば、印刷・封入等によるコストや事務負担を大幅に削減することが可能になるほか、株主総会前により多くの情報を提供することができるため、株主との対話を促進にもつながる」としている。

新たな電子提供制度では、法令上株主総会前に提供すべきと規定された情報については、書面提供の対象か電子提供の対象かに関係なく、すべてインターネット上に開示されていることを前提としたうえで、(1)株主総会の基本的情報(総会日時・場所、議決権行使手続きに関する情報、議題など)、(2)法令上、株主総会前に提供すべきと規定された情報が掲載されたウェブサイトのアドレス、(3)議決権行使書面――の3種類については、株主に提供する必要最低限の情報として、株主からの個別承諾を得ない限り、書面により通知することが適当であるとする一方、この3種類以外の書類(株主総会参考書類、事業報告、計算書類・連結計算書類、会計監査報告・監査報告に相当する情報)については、株主の個別承諾がなくとも電子提供することができることを提案している。

また、新たな電子提供制度を利用するための手続きとしては、(1)株主意思確認手続き(総会決議)を経る案、(2)企業内部の意思決定(取締役会決議など)による案――の2つの案が示されている。研究会では、(2)の「企業内部の意思決定による案」を支持する意見が多かったものの、提言では両論併記にとどめている。

これらの見直しを実現するには会社法改正が必要になるため、経済産業省は今回の提言を踏まえ、法務省と調整を行っていく方針。新たな電子提供制度は、昨年(2015年)6月30日に閣議決定された『「日本再興戦略」改訂2015』に明記された(28ページの一番下)ことを踏まえて今回の提言にも盛り込まれたという経緯があるだけに、会社法改正が実現する可能性は高い。2015年5月1日に施行された改正会社法の附則には「会社法施行2年後の見直し規定」が盛り込まれており、これに合わせて改正が行われることになりそうだ。