2015/11/18 領収書の“スマホ撮影”容認へ、問われる不正防止のための管理体制

上場企業による組織的で大規模な不正がしばしば世間を騒がせる一方で、一従業員による “身近な不正”と言えるのが、領収書の改ざんや偽造だ。金額欄に記載のない白紙領収書を発行してくれる飲食店を頻繁に接待で使用し、金額欄に実際に店に支払った以上の金額を自分で記入する、領収書の金額に「0」を一桁書き加えるといった不正に、「真面目で仕事熱心」と言われていた従業員が手を染めることは決して珍しいことではない。

こうした中、・・・

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2015/11/18 領収書の“スマホ撮影”容認へ、問われる不正防止のための管理体制(会員限定)

上場企業による組織的で大規模な不正がしばしば世間を騒がせる一方で、一従業員による “身近な不正”と言えるのが、領収書の改ざんや偽造だ。金額欄に記載のない白紙領収書を発行してくれる飲食店を頻繁に接待で使用し、金額欄に実際に店に支払った以上の金額を自分で記入する、領収書の金額に「0」を一桁書き加えるといった不正に、「真面目で仕事熱心」と言われていた従業員が手を染めることは決して珍しいことではない。

こうした中、領収書を使った不正リスクを高めかねない方向に現行の「スキャナ保存制度」が改正されることが当フォーラムの取材で明らかになった。スキャナ保存制度とは、領収書等の書類の保存コストを軽減するため平成17年に導入されたもので、領収書のほか、請求書、契約書など本来は税法により“紙ベース”での保存が求められる書類をスキャンし、電子データとして保存することを認めるもの(制度の大元は「電子帳簿保存法(4条3項)」に定め、対象となる書類やスキャナ保存を認める詳細な要件などは税法に定めるという立て付けになっている)。

電子データによる保存にはどうしても偽造の恐れが付きまとうため、スキャナ保存制度では厳格な適用要件を定めてきた。その1つが、スキャンを行う機器に関する要件だ。現行のスキャナ保存制度上、領収書等のスキャンは「原稿台と一体となった固定型の機器」を使用しなければならないことになっている。しかし、撮影機能の優れたスマートフォンが登場する中、「固定型のスキャン機器限定」という要件はいかにも時代遅れであり、企業からも再考を求める声が高まっていた。こうした声を受け、来月(12月)中旬に方向性が固まる平成28年度税制改正では、この要件が撤廃されることが確実となった。

要件撤廃後は、従業員がスマホにより領収書等を撮影し、これをスマホから経理担当者のパソコンなどに転送するという形での保存が可能になる。新制度では、不正防止のため、領収書等に従業員等の署名を求めるほか、従業員等が領収書等を受領・スキャン(撮影)し、経理担当者のパソコンなどに転送してから「3日以内」にタイムスタンプを付与することが求められる模様だ。ただ、タイムスタンプでは、電子データ化後の改ざんは検証できても、紙の領収書そのものの偽造や改ざんは把握できない。電子データとなれば、紙のように改ざん等の痕跡を把握するのは容易ではないだろう。

タイムスタンプ : 電子データに対し、当該電子データの作成日時(領収書等をスキャンした日時)と、「ハッシュ値(あるデータについて特定の演算処理をすることで得られる値。異なるデータから同じハッシュ値は生まれないため、ハッシュ値を比べれば電子文書が改ざんされたかどうかを検証することができる)」を付与するもの。

このように、新制度は企業の利便性向上に貢献する一方、不正発生のリスクも高めてしまう可能性は否定できない。新制度は、平成29年1月1日以後に発行される領収書等から適用される模様。新制度の利用を考える企業においては(新制度を使うかどうかは企業の任意。ただし、税務署長の承認が必要)、経理担当取締役を中心に、不正防止のための社内ルールの作成・見直しが求められることになりそうだ(領収書の偽造を防止するための具体的な方策については、ケーススタディ「領収書の管理を適正に行いたい」参照)。

2015/11/17 ESG投資が日本で広まる根拠

 投資にあたってESGを考慮する「ESG投資」に注目が集まっているが(ESG投資の種類についてはESGインテグレーション投資参照)、日本の上場企業の中にはまだまだ「海外の話」といった感覚のところが散見される。確かに、ESGの改善を積極的に企業に求める機関投資家も今のところは少ない。

 ここでいう機関投資家とは「アセットマネージャー」のことを指す。一般に機関投資家と呼ばれるものは、「アセットオーナー」と「アセットマネージャー」に大きく2つに分けられる。アセットオーナーとは年金基金など資産(アセット)を保有する者であり(例えばGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、アセットマネージャーとは、その資産を運用する会社(「〇〇アセットマネジメント」「××投信」など)を指す。すなわち、アセットオーナーとアセットマネージャーは(アセットの運用の)委託・受託関係にあり、その意味で、アセットマネージャーにとって、アセットオーナーは「顧客」ということになる。通常、上場企業にコンタクトするのは、アセットマネージャーに属するファンドマネージャー(ポートフォリオ・マネージャーとも呼ぶ)やアナリストである。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人) : 厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。

 アセットマネージャーがESG投資を企業に求めるかどうかは、・・・

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2015/11/17 ESG投資が日本で広まる根拠(会員限定)

 投資にあたってESGを考慮する「ESG投資」に注目が集まっているが(ESG投資の種類についてはESGインテグレーション投資参照)、日本の上場企業の中にはまだまだ「海外の話」といった感覚のところが散見される。確かに、ESGの改善を積極的に企業に求める機関投資家も今のところは少ない。

 ここでいう機関投資家とは「アセットマネージャー」のことを指す。一般に機関投資家と呼ばれるものは、「アセットオーナー」と「アセットマネージャー」に大きく2つに分けられる。アセットオーナーとは年金基金など資産(アセット)を保有する者であり(例えばGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、アセットマネージャーとは、その資産を運用する会社(「〇〇アセットマネジメント」「××投信」など)を指す。すなわち、アセットオーナーとアセットマネージャーは(アセットの運用の)委託・受託関係にあり、その意味で、アセットマネージャーにとって、アセットオーナーは「顧客」ということになる。通常、上場企業にコンタクトするのは、アセットマネージャーに属するファンドマネージャー(ポートフォリオ・マネージャーとも呼ぶ)やアナリストである。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人) : 厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。

 アセットマネージャーがESG投資を企業に求めるかどうかは、アセットオーナーがESG投資を志向するかどうかによることになる。アセットマネージャーは顧客であるアセットオーナーの要望に応える必要があるからだ。したがって、アセットオーナーがESG投資に積極的でない限り、アセットマネージャー単独でそれを推進していくことは難しい。機関投資家に対しESG投資を提唱した国連のPRI(Principles for Responsible Investment=責任投資原則)に署名している日本のアセットマネージャーは多いのに対し、日本のアセットオーナーでPRIに署名しているところは極めて少ないのが現状だ。

PRI(Principles for Responsible Investment=責任投資原則) : 機関投資家に対し、投資判断プロセスにESGを反映することや、投資対象企業にESGに関する情報開示を求めることなどを提唱するもの。これに署名した機関投資家は、国連に投資の状況を報告する義務が生じるため、ESGを重視した投資を実践せざるを得ない。

 しかし、GPIFが国連責任投資原則(PRI)に署名(2015年9月16日署名、9月28日に公表)したという事実は、この状況を一変させる可能性がある。GPIFに追随し、他の公的年金もPRIに署名する可能性は高い。海外に目を向ければ、PRIに基づきESGを推進する中心的存在は欧米の公的年金をはじめとするアセットオーナーであるように、今後は日本でも公的年金が中心となり、企業にESGの改善を求めるようになっていくだろう。

 顧客であるアセットオーナーがESGを推進するということは、アセットマネージャー自身も変わることを意味する。今後、ファンドマネージャーやアナリストが企業に対し積極的にESGに関する取材を行なうとともに、ESGの改善について対話を求める機会も増えていくのは間違いないと言えそうだ。

2015/11/16 【WEBセミナー】中長期の業績・リスクに連動した役員報酬制度導入のポイント

概略

【セミナー開催日】2015年11月2日(月)

コーポレートガバナンス・コードが経営陣の報酬に中長期的な会社の業績や潜在的リスクを反映させることを求める中(4-2、4-2①)、役員報酬制度の見直しを検討されている企業も少なくないことと思います。

本セミナーでは、組織・人事のコンサルティング会社として最も権威があり、また、世界最大規模の経営者報酬データベースを有することでも知られるタワーズワトソン㈱の経営者報酬部門でコンサルタントを務める小川直人様をお招きし、複数年間の業績に連動した報酬や株式報酬をはじめ投資家が求める役員報酬制度にはどのようなものがあるのか、自社に合った報酬制度を選択する上での判断のポイント、導入に向けてやるべきこと・課題、税制への対応などについて解説していただきます。

上場・非上場、業界を問わず、数多くのグローバル企業およびローカル企業に対して経営者報酬制度の設計をアドバイスしてきた小川様のお話からは、自社の報酬制度改革に有用なヒントを得ることができるはずです。

【講師】タワーズワトソン株式会社 経営者報酬部門 コンサルタント 小川 直人 様

セミナー資料 中長期の業績・リスクに連動した役員報酬制度導入のポイント.pdf(2.59MB)

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動画(1)各国CEO報酬比較


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動画(2)欧米の経営者報酬環境


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動画(3)日本の経営者報酬環境とこれまでの報酬改革


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動画(4)コーポレートガバナンス強化の文脈における経営者報酬改革


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動画(5)コーポレートガバナンス強化の文脈における経営者報酬改革(続き)、補論


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2015/11/16 【WEBセミナー】ガバナンスのベストプラクティスと会社法の解釈明確化

概略

【セミナー開催日】2015年11月2日(月)

コーポレートガバナンス・コードの導入を受け、日本企業にはガバナンス体制の強化が求められています。しかし、同コードが掲げる「攻めのガバナンス」を実現する上で、日本の法制が必ずしもこれに前提にしていなかったり、他社事例の積み上げが少なかったりといった現状においては、多くの企業が手探りで改革に取り組んでいるのが実態だと思います。

こうした中、先般、経済産業省の「コーポレート・ガバンナンス・システムの在り方に関する研究会」では、「コーポレート・ガバナンスの実践 ~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~ 」と題する報告書を公表し、我が国企業や英米企業の取締役会の実務の具体例(ボードのプラクティス)を紹介するとともに、関係省庁との調整の下、「攻めのガバナンス」の実践において問題となりかねない会社法の解釈明確化について方向性を示しています。

本セミナーでは、報告書のとりまとめをご担当した経済産業省 経済産業政策局 産業組織課 課長の中原裕彦様をお招きし、報告書に記載された事項の背景、趣旨などを詳しく解説していただきます。取締役会への上程事項の絞り込みや、報酬債権の現物出資による株式報酬の支給など、役員の皆様に直接関係するテーマについて、実践的なお話が聞けることと思います。

【講師】経済産業省 経済産業政策局 産業組織課 課長 中原 裕彦 様

セミナー資料 企業価値向上のためのコーポレート・ガバナンス・システムの在り方について.pdf(2.08MB)

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セミナー動画

動画(1)稼ぐ力」の向上に向けて、我が国を取り巻く現状、研究会の成果の概要


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動画(2)新たなボードプラクティス


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動画(3)役員報酬


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動画(4)D&O保険と会社補償


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動画(5)法的論点の解釈に関するこれまでの問題点


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2015/11/16 【WEBセミナー】中長期の業績・リスクに連動した役員報酬制度導入のポイント(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2015年11月2日(月)

コーポレートガバナンス・コードが経営陣の報酬に中長期的な会社の業績や潜在的リスクを反映させることを求める中(4-2、4-2①)、役員報酬制度の見直しを検討されている企業も少なくないことと思います。

本セミナーでは、組織・人事のコンサルティング会社として最も権威があり、また、世界最大規模の経営者報酬データベースを有することでも知られるタワーズワトソン㈱の経営者報酬部門でコンサルタントを務める小川直人様をお招きし、複数年間の業績に連動した報酬や株式報酬をはじめ投資家が求める役員報酬制度にはどのようなものがあるのか、自社に合った報酬制度を選択する上での判断のポイント、導入に向けてやるべきこと・課題、税制への対応などについて解説していただきます。

上場・非上場、業界を問わず、数多くのグローバル企業およびローカル企業に対して経営者報酬制度の設計をアドバイスしてきた小川様のお話からは、自社の報酬制度改革に有用なヒントを得ることができるはずです。

【講師】タワーズワトソン株式会社 経営者報酬部門 コンサルタント 小川 直人 様

セミナー資料 中長期の業績・リスクに連動した役員報酬制度導入のポイント.pdf(2.59MB)
セミナー動画

動画(1)各国CEO報酬比較

動画(2)欧米の経営者報酬環境

動画(3)日本の経営者報酬環境とこれまでの報酬改革

動画(4)コーポレートガバナンス強化の文脈における経営者報酬改革

動画(5)コーポレートガバナンス強化の文脈における経営者報酬改革(続き)、補論

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2015/11/16 【WEBセミナー】ガバナンスのベストプラクティスと会社法の解釈明確化(会員限定)

概略

【セミナー開催日】2015年11月2日(月)

コーポレートガバナンス・コードの導入を受け、日本企業にはガバナンス体制の強化が求められています。しかし、同コードが掲げる「攻めのガバナンス」を実現する上で、日本の法制が必ずしもこれに前提にしていなかったり、他社事例の積み上げが少なかったりといった現状においては、多くの企業が手探りで改革に取り組んでいるのが実態だと思います。

こうした中、先般、経済産業省の「コーポレート・ガバンナンス・システムの在り方に関する研究会」では、「コーポレート・ガバナンスの実践 ~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~ 」と題する報告書を公表し、我が国企業や英米企業の取締役会の実務の具体例(ボードのプラクティス)を紹介するとともに、関係省庁との調整の下、「攻めのガバナンス」の実践において問題となりかねない会社法の解釈明確化について方向性を示しています。

本セミナーでは、報告書のとりまとめをご担当した経済産業省 経済産業政策局 産業組織課 課長の中原裕彦様をお招きし、報告書に記載された事項の背景、趣旨などを詳しく解説していただきます。取締役会への上程事項の絞り込みや、報酬債権の現物出資による株式報酬の支給など、役員の皆様に直接関係するテーマについて、実践的なお話が聞けることと思います。

【講師】経済産業省 経済産業政策局 産業組織課 課長 中原 裕彦 様

セミナー資料 企業価値向上のためのコーポレート・ガバナンス・システムの在り方について.pdf(2.08MB)
セミナー動画

動画(1)稼ぐ力」の向上に向けて、我が国を取り巻く現状、研究会の成果の概要

動画(2)新たなボードプラクティス

動画(3)役員報酬

動画(4)D&O保険と会社補償

動画(5)法的論点の解釈に関するこれまでの問題点

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2015/11/16 株主総会招集通知、書面希望者以外には電子的に提供へ

 多くの上場企業が株主総会の招集通知を書面(紙ベース)で提供しているが、近い将来、全面的に電子的な提供に移行することになりそうだ。

 経済産業省はこのほど「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会(座長:尾崎安央 早稲田大学法学学術院教授)」を設置し、株主総会招集通知の提供の原則電子化などの検討に着手した(2015年11月9日に第1回研究会を開催)。これは、今年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略 改訂2015」(45ページ「イ)株主総会プロセスの見直し等」 参照)に、「株主総会集中の問題を解決し、株主の議案検討と対話の期間を諸外国並に確保するための方策」の1つとして、「招集通知関連書類や議決権行使の電子化等を通じて徹底的なプロセスの合理化が図られる環境を整備する」と明記されたことを受けたもの。要するに、招集通知を電子化することにより、株主が議案の内容を検討する時間を十分に確保できるようにしようというのが狙いであり、伊藤レポートの第二弾として今年4月にとりまとめられた「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」報告書 (84ページ参照)でも同様に、(1)招集通知関係情報の早期WEB開示、(2)招集通知関係書類の電子化、(3)議決権行使の電子化、が提言されていた。

 現行の会社法では、株主総会招集通知関係書類は、「株主の同意を得ること」を条件に電子的に提供することが可能になっている(会社法299条3項、301条2項)。原則は書面による提供になるため、実際に電子的に提供している上場企業は、全国株懇連合会が平成26年7月に行った調査によると、わずか117社に過ぎない。

 こうしたなか政府は、米国の「Notice & Access」制度を参考に、・・・

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2015/11/16 株主総会招集通知、書面希望者以外には電子的に提供へ(会員限定)

 多くの上場企業が株主総会の招集通知を書面(紙ベース)で提供しているが、近い将来、全面的に電子的な提供に移行することになりそうだ。

 経済産業省はこのほど「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会(座長:尾崎安央 早稲田大学法学学術院教授)」を設置し、株主総会招集通知の提供の原則電子化などの検討に着手した(2015年11月9日に第1回研究会を開催)。これは、今年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略 改訂2015」(45ページ「イ)株主総会プロセスの見直し等」 参照)に、「株主総会集中の問題を解決し、株主の議案検討と対話の期間を諸外国並に確保するための方策」の1つとして、「招集通知関連書類や議決権行使の電子化等を通じて徹底的なプロセスの合理化が図られる環境を整備する」と明記されたことを受けたもの。要するに、招集通知を電子化することにより、株主が議案の内容を検討する時間を十分に確保できるようにしようというのが狙いであり、伊藤レポートの第二弾として今年4月にとりまとめられた「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」報告書 (84ページ参照)でも同様に、(1)招集通知関係情報の早期WEB開示、(2)招集通知関係書類の電子化、(3)議決権行使の電子化、が提言されていた。

 現行の会社法では、株主総会招集通知関係書類は、「株主の同意を得ること」を条件に電子的に提供することが可能になっている(会社法299条3項、301条2項)。原則は書面による提供になるため、実際に電子的に提供している上場企業は、全国株懇連合会が平成26年7月に行った調査によると、わずか117社に過ぎない。

 こうしたなか政府は、米国の「Notice & Access」制度を参考に、招集通知関連書類(計算書類、事業報告等)の提供は原則として電子的に行い、紙ベースでの提供を希望する株主に対しては書面で送付する方法に見直す方針だ。これにより、株主は議案の内容を検討する時間を十分確保することができるほか、企業のコスト負担も大幅に減少することになる。ちなみに米国のSEC(米国証券取引委員会)は、Notice&Accessを導入した理由として、「環境の保護」「資源の無駄遣いをなくすこと」「企業のコストを削減すること」を挙げている。

Notice & Access : 委任状説明書(株主総会に提出される議案内容を説明する書類)をウェブサイトに開示したうえで、株主総会の日時・場所等の記載とともに、委任状説明書にアクセス可能なウェブサイトのアドレスを、株主総会が開催される40日前までに株主に通知する方法。ただし、株主が委任状説明書を書面または電子データで要求した場合には、速やかに送付する必要がある。

 株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会は来年3月頃に報告書を取りまとめる予定。最終的には会社法改正を行うことになる。

 一方、同研究会は、株主総会の開催時期も検討課題としているが、こちらの実現は容易ではなさそうだ。伊藤レポート第二弾では、株主総会までの期間を確保するための方法として、「議決権行使の基準日を決算日以降の日に定め、その3か月以内に株主総会を開催する」との考え方が示されており(2015年4月28日のニュース「株主総会の7月以降開催が可能に」参照)、同研究会では、議決権行使の基準日を決算日と別に定めるための具体的な方策が検討されることになるが、「決算日の株主に対して計算書類の報告をする」という企業の実務慣行の壁は高く、どのような案が出て来るのかは今のところ全くの未知数となっている。