2015/10/05 漏洩リスクが激減!配当支払通知書へのマイナンバー記載不要に

 マイナンバー制度が本日(2015年10月5日)から施行された。今後、住民票を有する者に12桁のマイナンバー(個人番号)が通知されることになる。税金、医療保険、雇用保険の手続でのマイナンバーの利用開始は来年1月からだが(年金の手続での利用は2017年1月~)、利用開始に向け、企業はマイナンバーの漏洩リスクに頭を痛めて来た。マイナンバーが名前や住所とともに漏洩した場合、“なりすまし”による犯罪行為につながる恐れがあり、単なる個人情報の流出を上回る問題に発展する可能性があるからだ。

 特に不特定多数に郵送しなければならない上場株式配当の支払通知書については、転居に伴い新居住者の手に渡ってしまうことなどが懸念されており、一部企業の間では従来の普通郵便をやめ、大幅なコスト増を覚悟のうえ書留で送付することも検討されていた(2014年7月23日のニュース「“官製個人情報”が新たな情報漏えいの火種に?」参照)。

 上場株式配当の支払通知書へのマイナンバーの記載は、マイナンバー制度の導入とともに税法で義務付けられることとなっていたため(改正租税特別措置法施行規則4条の4第1項1号)、企業にとって「記載しない」という選択肢はなかったが、政府は漏洩リスクを懸念する企業の声を受け、・・・

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2015/10/02 マクロ経済の変動と機関投資家の行動

 このところ、海外市場の不安定化に伴い日本の株式市場も低迷している。業績に大きな変化はないにもかかわらず、バリュエーションの低下により株価が下落している企業も多い。このように、上場企業にとって、海外市場の変動に伴う自社の株価変動は、IRなど自社の努力ではどうにもならないものがある。それだけに、一般的な機関投資家がマクロ経済の変動に伴ってどのような投資行動をとるのかということくらいは知っておきたいところだ。

バリュエーション : 株価純資産倍率(PBR)、株価収益率(PER)など株価の入った指標

 機関投資家が株式を売買する場合、・・・

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2015/10/02 マクロ経済の変動と機関投資家の行動(会員限定)

 このところ、海外市場の不安定化に伴い日本の株式市場も低迷している。業績に大きな変化はないにもかかわらず、バリュエーションの低下により株価が下落している企業も多い。このように、上場企業にとって、海外市場の変動に伴う自社の株価変動は、IRなど自社の努力ではどうにもならないものがある。それだけに、一般的な機関投資家がマクロ経済の変動に伴ってどのような投資行動をとるのかということくらいは知っておきたいところだ。

バリュエーション : 株価純資産倍率(PBR)、株価収益率(PER)など株価の入った指標

 機関投資家が株式を売買する場合、①「どの企業の株式」を売買するかを判断する前に、②「株式という資産」自体を増やすか減らすか(これを「アセットアロケーション」という)を判断することになる。さらにその前には、③そもそも「自分たちが扱うことのできる資金」、すなわち「その運用機関のお金」が増えているか減っているか(これを「マネーフロー」という)を判断する必要がある。

 企業がIRなどによってコントロールできるのは、このうち①の「どの株を売買するか」という部分に過ぎない。一方、②のアセットアロケーションと、③のマネーフローにいついては、IR等の努力でどうにかなるものではない。

 マクロ経済が不安定になると、まず③のマネーフロー自体が変化する可能性がある。運用機関としては、「顧客からのお金が入って来なくなる」「解約が出る」、極端な場合には「運用が継続できない」ということになれば、どんなに割安と思っても株式を買うことはできない。“〇○危機”などと言われるような事態にもなれば、一般的にはマネーフローが止まってしまうため、投資判断とは無関係に株式を売却することが必要となる。

 そこまでは行かなくても、②アセットアロケーションの観点から株式を減らすという判断になることもあるが、実際にそうするかどうかは運用会社のスタンスによって大きく異なる。例えば、基本となる資産配分を決めている伝統的な“バランス型”のファンドは、株価が下がると保有ウェイトが低下するためむしろ株式を増やすという行動をとることが多い。これに対し、昨今増加しているリスクのコントロールを重視するファンドは、株価のボラティリティ(変動率)上昇によるリスク(株価が乱高下すること)を低下させるため、株式を売却するという行動をとることがある。こうした投資行動の差は、「ファンド特性の差」によって決まる部分が大きい。

 マクロ経済の変動に伴い機関投資家がいかに行動するかは、企業のIR担当者が普段面談しているアナリスト・ファンドマネージャーとは異なる部門の人間の判断で行われる可能性が高い。自社がコントロールできるものではない分、企業としてはそのような機関投資家の行動に一喜一憂する必要はない。むしろ、その行動の背景に何があるかを確認したうえで、株価の変動よりも、マクロ経済が自社の将来の業績に与える影響を冷静に見極め、対応を考えることが重要だろう。

2015/10/01 (新用語・難解用語)ピア・ツー・ピア・レンディング

 近年日本では、ベンチャー企業等に対し一口1万円といった小口投資をインターネットを通じて多数の者から集める「クラウド・ファンディング」がブームとなっているが(クラウドとは「群衆」を意味する)、まず欧米で広まり、最近はアジアでも急速に普及しているのが、個人や企業間で金銭を貸借りする仕組みである「ピア・ツー・ピア(Peer to Peer=P2P)・レンディング)だ(peerとは「同等の者」という意味)。ソーシャル・レンディングとも呼ばれる。

 P2Pレンディングでは、クラウド・ファンディングと同様、貸手と借手が「オンライン上」でマッチングされることになる。貸出額や貸出金利、返済期間も各貸手と借手の間で決定されるが、当然ながら借手によって貸倒れのリスクは異なる。顔の見えないP2Pレンディングにおいて、このリスクを測る仕組みが・・・

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2015/10/01 (新用語・難解用語)ピア・ツー・ピア・レンディング(会員限定)

 近年日本では、ベンチャー企業等に対し一口1万円といった小口投資をインターネットを通じて多数の者から集める「クラウド・ファンディング」がブームとなっているが(クラウドとは「群衆」を意味する)、まず欧米で広まり、最近はアジアでも急速に普及しているのが、個人や企業間で金銭を貸借りする仕組みである「ピア・ツー・ピア(Peer to Peer=P2P)・レンディング)だ(peerとは「同等の者」という意味)。ソーシャル・レンディングとも呼ばれる。

 P2Pレンディングでは、クラウド・ファンディングと同様、貸手と借手が「オンライン上」でマッチングされることになる。貸出額や貸出金利、返済期間も各貸手と借手の間で決定されるが、当然ながら借手によって貸倒れのリスクは異なる。顔の見えないP2Pレンディングにおいて、このリスクを測る仕組みが各借手の“格付け”だ。具体的には、P2Pレンディングの運営会社が、過去のクレジットカードの返済履歴やオンライバンキングの利用履歴から一定のアルゴリズムに基づくコンピュータ・プログラムにより自動的に格付けを決定する。貸手はこの格付けに加え、借入希望額、貸出期間、年収、利用目的などにより、金利を決定する。一方、借手は最も良い条件を出した貸手を選択することになる。 銀行からの借入れと比べると、その手軽さに加え、審査の自動化によるコスト削減によりより低金利での借入れが可能になるという点が、P2Pレンディングの優位性と言える。

 今後P2Pレンディング市場の拡大が見込まれる中、欧米では大手銀行やオンライン証券会社などがP2Pレンディングの運営に乗り出しているほか、中国をはじめとするアジア諸国でもP2Pレンディングの運営会社が多数出現、欧米企業もアジアのP2Pレンディング市場に参入する動きを見せている。経済成長に伴い起業が相次ぐ一方で銀行が発達していないアジアの開発途上国では、P2Pレンディングが銀行を飛び超えて金融機能を担うことになる可能性も指摘されている。

 P2Pレンディングにはリスクが伴うのも事実だが、クラウド・ファンディングに続き、日本でもいずれ注目を集めるかもしれない。

2015/10/01 2015年9月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)

不正解です。
 業績連動型の役員報酬は、法人税法上、「同族会社以外の法人」が支給する場合のみ損金算入の対象となります(法人税法上は「利益連動給与」と呼ばれています)。ここでいう「同族会社」とは、3人以下の株主によって実質的に発行済株式の総数または出資の金額の50%以上を保有されている会社のことです。持株会社(ホールディングス)の100%子会社は、株主が一人しかいない以上、例外なく同族会社に該当します。と言うことは、持株会社の100%子会社で業績連動型の役員報酬を導入しても、それを損金に算入できないことから税負担が増えてしまうことになります(以上より、問題文は正しいです)。税制改正が望まれるところです。

こちらの記事で再確認!
2015/09/07 進むか?子会社の役員報酬ガバナンス(会員限定)

2015/09/30 2015年9月度チェックテスト

解答をご覧になるには会員登録(※有料)が必要です。会員登録はこちら

【問題1】

従業員数300人超の企業では、2016年4月1日までに、採用者や管理職に占める女性の割合などの数値目標を盛り込んだ行動計画の策定が必要になる。


正しい
間違い
【問題2】

役員1人当たりの報酬額を日本と欧米とで比較すると、日本は業績連動賞与や長期インセンティブに関しては欧米に引けを取らないものの、基本報酬に関しては欧米に圧倒的な差を付けられている。


正しい
間違い
【問題3】

持株会社(ホールディングス)の100%子会社では、業績連動型の役員報酬は、法人税法上の「利益連動給与」の要件を満たさないので、法人税の計算において損金に算入できない。


正しい
間違い
【問題4】

派遣労働法の改正により、同一派遣社員の派遣を3年を超えて受け続けることが可能になる。


正しい
間違い
【問題5】

親子上場のケースで、本則市場に上場している子会社は、CG報告書に開示が必要な「エクスプレインしたコードの数」を、親会社のそれと整合させなければならない。


正しい
間違い
【問題6】

現在消費者庁で検討されている消費者契約法の改正案によると、これまで「広告」と考えてきたものの中で消費者契約法の規制対象になるものが出て来る恐れがある。


正しい
間違い
【問題7】

「節税」に励んでもROEは向上しない。


正しい
間違い
【問題8】

取締役は、人権デュー・ディリジェンスを怠ると、経営責任を問われかねない。


正しい
間違い
【問題9】

ガバナンスコード補充原則4-11③「取締役会の評価」を文字通り読む限り、CG報告書の「コードの各原則に基づく開示」欄で「取締役会評価を実施しています」「こういうスキームです」といった開示だけを行ったとしても、同補充原則をコンプライしたと言うことに何ら問題はない。


正しい
間違い
【問題10】

東芝を退職した研究者が研究データを転職先の韓国企業SKハイニックスに渡した事件に関して東芝がSKハイニックスに提起した損害賠償訴訟は、当初の請求額約1100億円から9割以上も目減りした金額での和解成立となった。


正しい
間違い

2015/09/30 2015年9月度チェックテスト第10問解答画面(正解)

正解です。
 東芝を退職した研究者が研究データを転職先の韓国企業SKハイニックスに渡した事件で東芝がSKハイニックスに提起した損害賠償訴訟は、損害賠償訴訟提起から約9か月後の昨2014年末に和解が成立しました。和解金額は、東芝からの請求額約1100億円に対し約330億円と、単純比較すれば3割程度に目減りしているものの、これまで日本企業が受け取った和解金の中では非常に高い額と言えます(問題文は、和解金額が当初の請求額約1100億円から9割以上も目減りしたとしている点で間違いです)。和解金額の高額化の背景には、刑事訴訟が先行し、多くの証拠が出揃った状態で損害賠償請求が始まったことがあると言えます。

こちらの記事で再確認!
2015/09/30 新日鐵住金にも300億円、改正不正競争防止法の趣旨を裁判所が先取り(会員限定)

2015/09/30 2015年9月度チェックテスト第10問解答画面(不正解)

不正解です。
 東芝を退職した研究者が研究データを転職先の韓国企業SKハイニックスに渡した事件で東芝がSKハイニックスに提起した損害賠償訴訟は、損害賠償訴訟提起から約9か月後の昨2014年末に和解が成立しました。和解金額は、東芝からの請求額約1100億円に対し約330億円と、単純比較すれば3割程度に目減りしているものの、これまで日本企業が受け取った和解金の中では非常に高い額と言えます(問題文は、和解金額が当初の請求額約1100億円から9割以上も目減りしたとしている点で間違いです)。和解金額の高額化の背景には、刑事訴訟が先行し、多くの証拠が出揃った状態で損害賠償請求が始まったことがあると言えます。

こちらの記事で再確認!
2015/09/30 新日鐵住金にも300億円、改正不正競争防止法の趣旨を裁判所が先取り(会員限定)

2015/09/30 2015年9月度チェックテスト第9問解答画面(不正解)

不正解です。
 ガバナンスコード補充原則4-11③には「取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである。」と記載されており、文字通り読めば「分析・評価の結果の概要」を開示しなければなりません。「取締役会評価を実施しています」「こういうスキームです」と開示するだけでは、「分析・評価の結果の概要」を開示したとは言い難いことから、投資家との対話で開示が不十分であると指摘されるリスクがあります(以上より、問題文は誤りです)。

こちらの記事で再確認!
2015/09/25 補充原則4-11③「取締役会全体の実効性評価」はコンプライすべきか(会員限定)