ROE向上のために自己株式取得に励む上場会社は少なくない(自己株式取得がROE向上につながる理由については2018年12月25日のニュース「自社株買いの功罪」を参照)。もっとも、自己株式の取得は無制限にできるわけではなく、会社法および会社計算規則により算定した分配可能額(会社法461条2項)の範囲内で行われる必要がある(この規制を財源規制と言う。なお、分配可能額についてはケーススタディ【配当】配当をしたいを参照)。会社法が自己株式の取得にあたり財源規制を設けたのは、自己株式の取得は配当と同じく純資産の流出を意味するため、純資産がみだりに流出して債権者の利益が害されることを防ぐ必要があるからだ。この確認を怠ったために役員の責任問題が浮上したのが・・・
ROE:Return On Equity=株主資本利益率(利益/株主資本)。
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