2018/02/23 採用戦略としてのLGBT対応(会員限定)

欧米企業に比べ日本のLGBT対応は遅れていると言われるが、経団連が昨年(2017年)5月に公表した「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」に掲載された調査結果(15ページ~参照)によると、LGBTへの取り組みが必要と考える企業は91.4%に上っており(質問1)、実際、4分の3の企業が既にLGBTに関して何らかの取り組みを実施している(42.1%)か検討している(34.3%)と回答している(質問3)。

LGBT : レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)を総称する造語。近年、ダイバーシティの文脈の中で、ビジネスシーンにおいても使われる機会が増えている。

もっとも、「LGBTに関して何らかの取り組みを実施しているか検討している」と回答した企業による具体的な取り組みとしては、「性的指向・性的自認等に基づくハラスメント・差別の禁止を社内規定などに明記」が75.3%と最も多く、次いで「社内セミナー等の開催(69.1%)」「LGBTの社員に向けた社内相談窓口の設置(62.4%)」と、今のところ社内的な取り組み、あるいは言葉(文字)による取り組みが目に付く。これに対し、「LGBTに関連する社外のイベントへの協力(18%)」など社外に向けた取り組みはまだそれほど広がっていないのが実情だ(質問4)。

一方、人種・国籍が多様化している米国の企業にとって、ダイバーシティへの取り組みは優秀な人材の獲得等の観点から元々重要な経営課題の一つに位置付けられており、特にLGBT対応は、オバマ前大統領時代に同性婚の合法化などLGBTの権利が大幅に拡大したこともあり重要性が高まっている。こうした中、福利厚生や人事制度をLGBTのパートナーに適応させることはもちろん、“LGBT従業員グループ”の設置・支援、LGBT団体への寄付などの慈善活動、LGBTパレードの支援、LGBTを対象としたオリンピック「ゲイ・ゲームズ」への協賛・参加、全米ゲイ&レズビアン商工会議所のコーポレート・パートナーとなるなど、言葉だけでなく具体的な行動を伴った多岐にわたる体外的な取り組みが実施されている。また、社内でも一般社員向けの啓蒙活動にとどまらず、LGBTを対象としたリーダーシップ研修を実施したり、自己申告制(申告された情報は秘匿)でLGBTの社員数や定着率の把握に努めたりするなど、LGBTの活躍を推進しようという姿勢がみられる。

こうした動きにおいて意識されているのが、“ミレニアル世代”(1980年代~90年代半ば生まれ)やその下の“Z世代”(1990年代後半〜2010 年頃生まれ)だ。これらの世代はLGBTに関する社会的な議論が高まる中で成長したことから、LGBTへの偏見が小さいと言われる。ミレニアル世代、Z世代にとって企業のLGBT対応はもはや当然のことであり、仮に対応できていないとすれば、“時代遅れ”の企業との烙印を押され、優秀な人材の獲得が困難になるのみならず、マーケティング面でも敬遠されてしまう可能性がある。こうした中、米国企業のLGBT対応は益々強化されていくものと予想されている。

ミレニアル世代 : 米国で、2000年代に成人・社会人になった世代(すなわち、1980年代~2000年代初頭生まれ)を指す。インターネットが普及した環境で育った最初の世代で、情報リテラシーに優れているのが特徴。ミレニアル(millennial)とは「千年紀の」という意味。
Z世代 : 2000年代に成人・社会人になったミレニアル世代の次の世代で、「ポスト・ミレニアル世代」とも呼ばれる。Z世代は子どもの頃からインターネットに囲まれて育ったため、ミレニアル世代よりもさらに情報リテラシーが高く、SNSによる情報発信にも積極的であるため、企業によるマーケティング対象として注目を集めている。ちなみに、「Z世代」と呼ばれるのは、米国で1960年~1974年生まれの世代が「X世代」と呼ばれたことに始まる(X世代の次がY世代)。

経団連の調査で、LGBTへの取り組みが必要と考える91.4%の企業に「LGBTに関する企業の取り組みで重要だと思うもの」を聞いたところ(複数回答)、「多様性に基づくイノベーション創出・生産性向上(81.1%)」「法的リスクへの対策(63.1%)」に次いで、「人材獲得へのアピール(60.5%)」が3位につけたが(その次が「社会における自社イメージの向上(56.7%)」。質問2)、特に金融やITなど外国人社員が増えている業種の企業は、海外から優秀な人材を獲得するためにも、LGBT対応も“採用戦略”の一つととらえグローバル化していく必要がありそうだ。

2018/02/22 価値協創ガイダンスに見るESGに対する機関投資家の考え方

GPIFが昨年(2017年)7月に新たにESG指数を選定(2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)したことなどから、ESGは企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。ただ、一口に「ESG」と言っても、周知のとおり「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」という3つの異なる要素から構成されており、企業側からは「機関投資家は3つのうちどれを一番重視しているのか」といった声も聞かれる。

GPIF : 年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)。厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。

結論から先に述べると、・・・

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2018/02/22 価値協創ガイダンスに見るESGに対する機関投資家の考え方(会員限定)

GPIFが昨年(2017年)7月に新たにESG指数を選定(2017年7月6日のニュース「GPIFの新しいESG指数に約360社が選定」参照)したことなどから、ESGは企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。ただ、一口に「ESG」と言っても、周知のとおり「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」という3つの異なる要素から構成されており、企業側からは「機関投資家は3つのうちどれを一番重視しているのか」といった声も聞かれる。

GPIF : 年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)。厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人。運用資産の規模が100兆円を優に超える世界最大の機関投資家である。

結論から先に述べると、ESGのうち機関投資家が最も重視しているのは「G」、すなわちガバナンスだ。「E」と「S」については、各企業の事業展開、ステージ、経営戦略などによってテーマ・課題が大きく異なっており、自社にとって何が重要なのかを議論し、対応策を検討するのが取締役会、すなわちガバナンスの場ということになる。逆に言えば、ガバナンスさえしっかりしていれば、「E」と「S」に関する課題についても自ずとして十分に考慮されるはずであり、これが機関投資家が「G」を最も重視する理由である。

この点は、経済産業省に設置された「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」が昨年(2017年)5月29日にとりまとめた「価値協創ガイダンス」の全体像を示す下の図にも表れている(「価値協創ガイダンス」5ページ参照)。

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価値協創ガイダンスを作成する際にはまずこの図を先に完成させ、これを基にガイダンスの本文を作文していったという。図の一番上の列では「価値観」「ビジネスモデル」「持続可能性・成長性」「戦略」「成果と重要な成果指標(KPI)」「ガバナンス」という6つの大項目が並んでいるが、まず目につくのが、ここにはESGのうち「G」だけが含まれているという点。一方、「E」と「S」は単独では登場せず、「ESG」として2箇所(大項目「持続可能性・成長性」の一番上「3.1 ESGに対する認識」と、大項目「戦略」の)の下から二番目「4.3 ESG・グローバルな社会問題(SDGs等)の戦略への組込」)のみで登場する。もっとも、ガイダンスの作成に携わった機関投資家によると、これはEやSを軽んじているということではなく、上記のような理由(ガバナンスさえしっかりしていれば、「E」と「S」に関する課題についても自ずとして十分に考慮されるはず)に加え、経営判断を下すうえで考慮すべき様々な要素の一つとして「経営判断の一部に溶け込ませて欲しい」という思いが込められているという。この点は、「4.3 ESG・グローバルな社会問題(SDGs等)の戦略への組込」で、“組込”という表現が使われていることからもうかがうことができる。

KPI : 定量的に示される重要業績評価指標(Key Performance Indicators=KPI)のこと。KPIの例としては「新規顧客の獲得数」「従業員1人あたりの経費」「総資産額」などがある。

上図のとおり、一番上の列では、企業価値を向上させるためには各要素の“連鎖”が必要になるという意味で6つの項目が鎖でつながっているが、その中で、「持続可能性・成長性」だけが菱形になっている。これは「問い」を意味しているという。この図は基本的に左から右に向かって見ていくことになるが、あるビジネスモデルを将来的にも続けていこうとする場合、その持続可能性について何か障害になることが起こり得ないか、また、そのビジネスモデルに成長性はあるのかといった「問い」があり、こうした「問い」への回答として、その右に置かれた「戦略」がある。そう考えると、この「持続可能性・成長性」の一番上に「3.1 ESGに対する認識」が来ていることにも納得感がある。そして、戦略が順調に実行されているかどうかというのを見るための指標が、「戦略」の右にある「成果と重要な成果指標(KPI)」である。一番右に「ガバナンス」があるのは、他の5つの大項目のすべてのベースにガバナンスがあることを示している。いずれにせよ、図の“鎖”が示すように、機関投資家は「G」を含むESGの各要素を単独で評価するのではなく、企業のビジネスモデルの持続性や戦略の実現可能性にどのように影響を与えるのかを理解するための情報の一つとして捉えていると考えてよい。この点、ここ最近「ESG」という言葉が独り歩きしていることに、ある機関投資家は警鐘を鳴らす。

なお、価値協創ガイダンスを「統合報告書を創るためのガイダンス」と捉えている企業は少なくないが、価値協創ガイダンスの策定にあたった研究会の委員は「委員の総意として、あくまで統合的な思考で経営について話をしていただくもの」という。実際、本ガイダンスには、機関投資家がしばしば使うキーワード(例えばバリューチェーン(価値を生み出す一連の流れ)、成長ドライバー(成長性に関連する要素(市場、需要動向、利便性のブレークスルー等))、マテリアリティ(Materiality=自社のビジネスモデルの持続可能性にとっての重要性)、CSV(共有価値の創造)等々)が散りばめられている。上図を機関投資家が考える企業価値の創造プロセスの全体像として念頭に置きつつ、機関投資家との共通言語となるキーワード(ESGに関連するものも含む)を適宜使用して自社がどのように企業価値を創っているのかを語れば、機関投資家にも理解されやすいだろう。これから本格化する機関投資家との対話には、是非本ガイダンスを踏まえて臨みたいところだ。

バリューチェーン : 購買した原材料に対し、技術開発、生産、販売、人材育成といった一つひとつの企業活動が価値を付加し、これらが一連となって、最終的に顧客に対する価値が生み出されるとする考え方

2018/02/21 日本取引所が「上場会社における不祥事予防のプリンシプル(案)」を公表

大手名門企業における品質不正が相次いだことなどを受け、東京証券取引所などとともに日本取引所グループを構成する日本取引所自主規制法人は本日(2017年2月21日)、「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」(案)を公表した。3月14日までパブリックコメントを募集したうえで、3月中には正式決定される見込み。

日本取引所自主規制法人 : 取引所における市場取引の公正性や上場商品の品質を確保する役割を担う法人。いわば “取引所の品質管理センター”と言える。東京証券取引所などとともに日本取引所グループを構成するが、中立性等を確保するため、取引所とは別法人の形態をとっている。

文字通り上場会社における不祥事“予防”を目的とする「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」は、プリンシプルという言葉が示すように、有価証券上場規程のような細則を定めた「ルール」ではない。このため、仮に本プリンシプルを遵守しなかったとしてもペナルティはなく、また、コーポレート・ガバナンス報告書で本プリンシプルの遵守状況の開示が必要となるわけでもない。

プリンシプル : 大まかな原理・原則のことで、細かな運用は現場の判断に任せられる。プリンシプルの反意語がルール(細則)である。プリンシプルは、一般的なルールとは異なり、ペナルティがないのも特徴。プリンシプルに基づく規制方法をプリンシプルベース・アプローチ(原則主義)という。

とはいえ、不祥事を予防する仕組み・体制作りに取り組むのは上場会社の責務であり、その際、本プリンシプルは参考になる。となみに、日本取引所自主規制法人は、迅速かつ的確な情報開示など不祥事発生“後”の対応方針を定めた「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」を2016年2月に策定済みであり、今回の不祥事の予防を目的としたプリンシプルと合わせ、不祥事の”前後”のプリンシプルが揃うことになる。上場会社は今後2つのプリンシプルを「車の両輪として位置付け、実効性の高い取組みを推進」(本プリンシプル案の前文より抜粋)していく必要がある。

本プリンシプルでは、6つの原則と各原則の解説の後に、「不祥事につながった問題事例」が紹介されているが、原則を理解するためには“逆から読む”、すなわち、・・・

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2018/02/21 日本取引所が「上場会社における不祥事予防のプリンシプル(案)」を公表(会員限定)

大手名門企業における品質不正が相次いだことなどを受け、東京証券取引所などとともに日本取引所グループを構成する日本取引所自主規制法人は本日(2017年2月21日)、「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」(案)を公表した。3月14日までパブリックコメントを募集したうえで、3月中には正式決定される見込み。

日本取引所自主規制法人 : 取引所における市場取引の公正性や上場商品の品質を確保する役割を担う法人。いわば “取引所の品質管理センター”と言える。東京証券取引所などとともに日本取引所グループを構成するが、中立性等を確保するため、取引所とは別法人の形態をとっている。

文字通り上場会社における不祥事“予防”を目的とする「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」は、プリンシプルという言葉が示すように、有価証券上場規程のような細則を定めた「ルール」ではない。このため、仮に本プリンシプルを遵守しなかったとしてもペナルティはなく、また、コーポレート・ガバナンス報告書で本プリンシプルの遵守状況の開示が必要となるわけでもない。

プリンシプル : 大まかな原理・原則のことで、細かな運用は現場の判断に任せられる。プリンシプルの反意語がルール(細則)である。プリンシプルは、一般的なルールとは異なり、ペナルティがないのも特徴。プリンシプルに基づく規制方法をプリンシプルベース・アプローチ(原則主義)という。

とはいえ、不祥事を予防する仕組み・体制作りに取り組むのは上場会社の責務であり、その際、本プリンシプルは参考になる。となみに、日本取引所自主規制法人は、迅速かつ的確な情報開示など不祥事発生“後”の対応方針を定めた「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」を2016年2月に策定済みであり、今回の不祥事の予防を目的としたプリンシプルと合わせ、不祥事の”前後”のプリンシプルが揃うことになる。上場会社は今後2つのプリンシプルを「車の両輪として位置付け、実効性の高い取組みを推進」(本プリンシプル案の前文より抜粋)していく必要がある。

本プリンシプルでは、6つの原則と各原則の解説の後に、「不祥事につながった問題事例」が紹介されているが、原則を理解するためには“逆から読む”、すなわち、まずは「不祥事につながった問題事例」に目を通したうえで、「不祥事を予防するのに必要となるものは何か」という問題意識をもって「原則」を読むのが効果的だ。そこで本稿では、下表のとおり本プリンシプルを左から「不祥事の芽」(本プリンシプルにおける「不祥事につながった問題事例」)、当該不祥事の予防につながる「原則」、「原則の内容および原則を達成するためのヒント」(本プリンシプルにおける「解説」)の順に整理してみた。また、「不祥事の芽」においては、当フォーラムの「役員と会社の失敗学」で取り上げた該当事例(類似事例も含む)を表示している。

不祥事の芽
(「問題事例」から抜粋のうえ
当フォーラムが一部加筆)
不祥事予防のためのプリンシプル
原則 原則の内容および原則を達成するためのヒント
(「原則の内容」「解説」から抜粋のうえ当フォーラムが一部加筆)
・旧来の慣行を漫然と継続して違反行為を放置
・労働基準やハラスメントの定義の認識に社会目線とのズレ(該当事例として【失敗学第5回】ゼンショーホールディングス社の事例を参照。以下同じ)
・内部告発が適切に行われず、内部通報制度の実効性が欠如
[原則1] 実を伴った実態把握 (原則の内容)
・自社のコンプライアンスの状況を、自社のコンプライアンス体制の整備とその運用実態の両面にわたり正確に把握する。
・不祥事の実態把握の仕組み(例えば内部通報制度)を持続的かつ自律的に機能させる。
(原則を達成するためのヒント)
・現状のコンプライアンス体制が問題なく運用されているとの思い込みを捨て、批判的に自己検証する。
・内部通報や外部からのクレーム、株主・投資者の声等を適切に分析・処理し、経営陣に正確な情報が届けられる仕組みを実効的に機能させる。
<経営陣に原因があるケース>
・事業の実力とかけ離れた短期的目線での利益目標が設定され、会計不正が発生(【失敗学第38回】アピックヤマダの事例を参照)
・経営陣によって製造現場の実態にそぐわない短納期が一方的に設定され、品質を犠牲にするコンプライアンス違反を誘発(【失敗学第14回】東洋ゴム工業の事例を参照)
<監査・監督機関に原因があるケース>
・元CFOが監査委員となり、自身が関与した会計期間を監査
・製造部門と品質保証部門の責任者が同一で、品質保証機能の実効性を毀損
[原則2] 使命感に裏付けられた職責の全う (原則の内容)
<経営陣>
経営陣は、コンプライアンスにコミットし、その旨を継続的に発信し、コンプライアンス違反を誘発させないよう事業実態に即した経営目標の設定や業務遂行を行う。
<監査・監督機関>
監査・監督機関は、自身が担う牽制機能の重要性を常に意識し、必要十分な情報収集と客観的な分析・評価に基づき、積極的に行動する。
(原則を達成するためのヒント)
<経営陣>
・社員によるコンプライアンスの実践を積極的に評価し、一方でコンプライアンス違反発覚時には、経営陣を含め責任の所在を明確化し、的確に対処する。
<監査・監督機関>
・必要十分な情報収集と社会目線を踏まえた客観的な分析・評価が不可欠であり、会社側にもその実務・運用を支援する体制を構築するなどの配慮が必要。
・実質的な「自己監査」となる状況を招かないよう留意すべき。
・経営陣が独断的に利益目標を設定し、達成を繰り返し求めた結果、中間管理層や現場のモラルの低下を招き、全社的に職責・コンプライアンス意識の希薄化を招来(【失敗学第33回】テクノメディカの事例を参照)
・経営陣から実態を無視した生産目標や納期の必達を迫られても現場は声を上げられず、次第に「声を上げても仕方がない」という意識が蔓延
・伝統的な「現場の自立性」を過度に尊重した結果、現場と経営陣の間にコミュニケーションの壁を生じさせ、問題意識や課題の共有が図れず
[原則3] 双方向のコミュニケーション (原則の内容)
・現場と経営陣の双方向コミュニケーションの充実が、コンプライアンス意識の共有やコンプライアンス違反の早期発見に資する。
・現場の声を束ねて経営陣に伝える等の役割を担う中間管理層の意識と行動が極めて重要。
(原則を達成するためのヒント)
双方向のコミュニケーションを充実させる際には、現場が忌憚なく意見を言えるよう、経営陣が現場の問題意識を積極的に汲み上げ、その声に適切に対処するという姿勢を明確に示すことが重要。
・社内でコンプライアンス違反に係る指摘がなされても、これを是正する対処や業務改善が行われない。
・過去の不祥事を踏まえ再発防止策を講じたものの、機械的な対応に終始し、自律的な取組みとして社内に定着しなかった。
[原則4]不正の芽の察知と機敏な対処 (原則の内容)
・コンプライアンス違反を早期に把握し、迅速に対処して、不正の芽が重大な不祥事に発展することを未然に防ぐ。
・「不正の早期発見」「迅速な対処」「それに続く業務改善」までの一連のサイクルを企業文化として定着させる。
(原則を達成するためのヒント)
・不祥事予防のために重要なのは、不正を「芽」のうちに摘み、迅速に対処することである。上記[原則1]~[原則3]の取組みを通じ、コンプライアンス違反を早期に把握し、迅速に対処する。また、横展開(他部署・他部門・他のグループ会社への展開)をすることによって各部部門や企業グループに共通する原因を解明し、それに即した業務改善を行う。
・趣旨・目的を明確にしないコンプライアンス活動や形式のみに偏ったルールを押し付けることは、活動の形骸化や現場の“コンプラ疲れ”を招くおそれがある。事案の程度・内容に即してメリハリをつけ、要所を押さえた対応を継続して行うことが重要。
・海外子会社との情報共有基準・体制が不明確で、問題が本社に報告されない
・子会社において、親会社から許容された独立性の程度に見合った管理体制が未整備
・買収した子会社のリスクを事前に認識していたにもかかわらず、買収後にそれに対処するための管理体制が構築されていない。
[原則5] グループ全体を貫く経営管理 (原則の内容)
グループ全体に実効的な経営管理を行う。管理体制の構築に当たっては、自社グループの構造や特性に即して、各グループ会社の経営上の重要性や抱えるリスクの高低等を踏まえることが必要。
(原則を達成するためのヒント)
・経営陣は子会社・孫会社等をカバーするレポーティング・ラインや指揮命令系統が確実に機能し、監査機能が発揮される体制を構築する必要がある。
・海外子会社は、地理的距離による監査頻度の低下、言語・文化・会計基準・法制度等の違いなどの要因による経営管理の希薄化が起きやすいことに留意する。
・買収した子会社には、その特性に応じた実効性ある管理体制(例えば、子会社の管理部門の人数が少ない場合、内部監査の実施や内部通報制度の運営は親会社のリソースを用いて実施するなど)の速やかな構築と運用を行う。
・サプライチェーンのマネジメントを怠り、かつ徹底的な原因解明もしなかったことで、顧客や株主などステークホルダーの不信感が増大
・発注者、元請、下請、孫請という重層構造において、極めて重要な工程であったにもかかわらず、委託先の業務実態を把握しようとする意識が不十分だった(【失敗学第20回】旭化成建材の事例を参照)
・外部委託先担当者に対するセキュリティ権限が適切に管理されておらず、情報漏えいを招いた(【失敗学第36回】ぴあの事例【失敗学第6回】ベネッセホールディングス社の事例を参照)
・海外の製造委託先工場における過酷な労働環境についてNGOなどの外部団体から指摘を受け、ブランド価値が毀損(2016年9月1日のニュース「(新用語・難解用語)UK Modern Slavery Act 2015」を参照)
[原則6] サプライチェーンを展望した責任感 (原則の内容)
業務委託先や仕入先・販売先などで問題が発生した場合でも、自社もそのサプライチェーンに属する(主導する)当事者であるとの認識の下、自社が担うべき役割を意識し、それに見合った責務を果たすよう努める。
(原則を達成するためのヒント)
最終顧客までのサプライチェーン全体において自社が担っている役割を十分に認識しておき、それに見合った責務を誠実に果たすことで、「不祥事の深刻化」や「責任関係の錯綜による企業価値の毀損」を軽減し得る。

本プリンシプルで述べられた不祥事予防はいずれも正論であり、企業にとっては耳の痛い内容も含まれるが、上表の原則4の「原則を達成するためのヒント」にあるとおり、多くの上場会社で現場が“コンプラ疲れ”をしているという実態もある。“コンプラ疲れ”は不祥事予防策の実効性を低減させる。それを防ぐためには、監査役を含む経営陣が現場との双方向コミュニケーション(上表の原則3を参照)を意識することにより、自社のコンプライアンス制度の運用状況、現場の対応状況を把握し、メリハリの効いた不祥事予防体制の構築に努めることが、効果的な不祥事予防を実現するためのカギと言えそうだ。

2018/02/20 “社外取締役1/3以上説”、現時点での最新情報(会員限定)

金融庁が取締役会に占める社外取締役の割合を1/3以上にするルールを作るとの新聞報道(2018年2月15日朝刊)を見たという当フォーラム会員の方も多いだろう。一方、同日に開催された金融庁のスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議に提出された資料のうち、コーポレートガバナンス・コード本体を見直す場合の論点を整理した「投資家と企業の対話ガイドラインの策定に伴うコーポレートガバナンス・コードの改訂に係る論点」を見ると(ガイドラインの詳細は2018年2月15日のニュース『対話の重点項目を5つに分類 「投資家と企業の対話ガイドライン」の詳細』参照)、「1/3以上」といった記述が見当たらないばかりでなく、そもそも社外取締役の割合にさえ触れられていない(論点の要約は2018年2月19日のニュース「英国でも今年CGコード改定へ、日本への示唆は?」の一番下「参考:今回の日本のCGコード見直しのテーマ」参照)。

当フォーラムの取材によると、「取締役会に占める社外取締役の割合を1/3以上にする」ということは特段決まった話ではない模様。ただし、コーポレートガバナンス・コード原則4-8「独立社外取締役の有効な活用」の書き振りが変わる可能性があるようだ。

【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】
独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきである。
また、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、自主的な判断により、少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社は、上記にかかわらず、そのための取組み方針を開示すべきである。

変わるとすれば、「3分の1以上の独立社外取締役」の選任について言及している後段部分となる(赤字部分)。コーポレートガバナンス強化という時代の流れからすると、企業にとって現在より厳しい内容になることが予想されるが、現時点ではどのような書き振りとなるのか、関係者にも見えていないようだ。

当フォーラムの取材によると、改訂版コーポレートガバナンス・コードは3月中にはとりまとめられ、その後パブリックコメントを経て6月には適用が開始される見込み。このスケジュールを踏まえると、次回のフォローアップ会議の開催日である3月13日には、原則4-8の改訂内容が判明している可能性が高い。3月13日のフォローアップ会議には要注目だ。

2018/02/19 英国でも今年CGコード改定へ、日本への示唆は?

野村総合研究所
上級研究員  三井千絵

先週木曜日(2018年2月15日)に開催された金融庁のスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議では、「投資家と企業の対話ガイドライン(案)」とともに(2018年2月15日のニュース『対話の重点項目を5つに分類 「投資家と企業の対話ガイドライン」の詳細』参照 引用:上場会社役員ガバナンスフォーラム)、本ガイドラインを踏まえコーポレートガバナンス・コード本体を見直す場合の論点を整理した「投資家と企業の対話ガイドラインの策定に伴うコーポレートガバナンス・コードの改訂に係る論点」(以下、論点)が公表されるなど、日本もついにコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改定に向けて動き出した。一方、日本がCGコード導入の際に手本とした英国のCGコードも、2010年に英国FRC(Financial Reporting Council)の管轄となり現在の形に整備されて以来(英国CGコード起源は1992年に遡る)、2年おきに改定を繰り返してきた。

FRC : 企業開示、コーポレートガバナンス、監査等を管轄するレギュレーター。日本でいえば金融庁企業開示課に近い役割を果たしている。

そして今年4回目の改定を迎える英国CGコードだが、今回の改定はこれまでとは少し異なるアプローチで進められてきた。2016年6月にBrixitを選択した英国を率いることになったテリーザ・メイ首相が政権発足当初からコーポレートガバナンス改革を政策の一つに掲げていたからだ。

具体的には、まず2016年の11月に、ガバナンス改革に向けた「Green Paper」と呼ばれる・・・

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2018/02/19 英国でも今年CGコード改定へ、日本への示唆は?(会員限定)

野村総合研究所
上級研究員  三井千絵

先週木曜日(2018年2月15日)に開催された金融庁のスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議では、「投資家と企業の対話ガイドライン(案)」とともに(2018年2月15日のニュース『対話の重点項目を5つに分類 「投資家と企業の対話ガイドライン」の詳細』参照 引用:上場会社役員ガバナンスフォーラム)、本ガイドラインを踏まえコーポレートガバナンス・コード本体を見直す場合の論点を整理した「投資家と企業の対話ガイドラインの策定に伴うコーポレートガバナンス・コードの改訂に係る論点」(以下、論点)が公表されるなど、日本もついにコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改定に向けて動き出した。一方、日本がCGコード導入の際に手本とした英国のCGコードも、2010年に英国FRC(Financial Reporting Council)の管轄となり現在の形に整備されて以来(英国CGコード起源は1992年に遡る)、2年おきに改定を繰り返してきた。

FRC : 企業開示、コーポレートガバナンス、監査等を管轄するレギュレーター。日本でいえば金融庁企業開示課に近い役割を果たしている。

そして今年4回目の改定を迎える英国CGコードだが、今回の改定はこれまでとは少し異なるアプローチで進められてきた。2016年6月にBrixitを選択した英国を率いることになったテリーザ・メイ首相が政権発足当初からコーポレートガバナンス改革を政策の一つに掲げていたからだ。

具体的には、まず2016年の11月に、ガバナンス改革に向けた「Green Paper」と呼ばれるコンサルテーションが、BEIS(ビジネス・エネルギー・産業戦略省)より公表された。この中では、FRCを含む国内の複数の団体に対しガバナンス改革に向けた取り組みが求められていた。

コンサルテーション : 関係者に様々な質問を投げかけ、意見を募集すること。英国では、議論を深めるため、改定案に対する意見募集(パブリックコメント)を行うのみのみならず、コンサルテーションも行う。
BEIS : Department for Business, Energy & Industrial Strategy(ビジネス・エネルギー・産業戦略省)の略で、英国の政府 機関。ケイ・レビュー(英国株式市場の構造的問題や上場企業行動、コーポレートガバナンスについて調査・分析を行ったレポート。ケイレビューという名称は、作成者のジョン・ケイ氏からとっている。伊藤レポートはその日本版と位置付けられる)を出したThe Department for Business, Innovation and Skills (BIS) と、Department of Energy and Climate Change (DECC) が2016年に合併し、設立された。

通常FRCでは毎年1月に発行される活動レポートで、前年に出たガバナンスや開示の課題を挙げ、これらに対するその年の取り組みについて説明する。課題についてはリサーチを行い、場合によってはFinancial Reporting Lab(FRCに設置された開示について投資家、企業等の関係者間でディスカッションを行う場)でも議論し、その結果をCGコードの改定に反映してきた。今回のように政府全体での取り組みという枠組みの中でCGコードの改定に取り組むのは珍しい。そのため、地元の投資家等からは「ガバナンスは重要だが、政府がリーダーシップをとることだろうか?」という当惑の声や、政権がガバナンスに関する課題を提言することに対する反対意見も聞かれた。

英国CGコードの4回目の改定に向け、既に昨年(2017年)12月からコンサルテーションが始まっているが、今回示された改定案は、2010年以来ほとんど変更がなかった章立てを大きく変えるなど、過去にないほど広範囲なものとなっている(このため、初めて新旧対照表が提供されたほどである)。特に注目されるのは、英国会社法上、経営者に誠意と、従業員・顧客・サプライヤー・コミュニティや環境に対する配慮を求める「セクション172項」(以下、S172)に焦点が当てられ、政府からFRCに対し、それを企業のマネジメントに実行させるための案がいくつか提言されたという点だ。政府がまとめたGreen Paperに盛り込まれたFRCに対する要求と、それに対するFRCの対応は以下のとおりとなっている。

①S172を踏まえ、上場・非上場を問わず一定以上の規模の企業に対し、サステナビリティの向上のための経営判断に顧客・従業員・サプライヤーといった「ステークホルダー」の声を取り込む方法を説明するようCGコードで求めること。

具体的な“声”の取り入れ方として、従業員代表が取締役会のメンバーに入ること、あるいは従業員による諮問委員会の設置等が挙げられている。もっとも、この改定はCGコード本体ではなく、企業でガバナンスに関わる役員からカンパニー・セクレタリーまでの役割や責務が明記されたCGコードの“別冊”と言える「Guidance on Board Effectiveness(実効性ある取締役会を実現するためのガイダンス)」(以下、ガイダンス)を見直す形で行われる。これまでCGコードとセットで用いられてきたガイダンスは、発行(2011年)以来初めての改定となる。

②役員報酬に関する問題の改善策として、例えば報酬委員会の役割の強化、ポリシーの説明の強化、CEOと従業員の給与格差の比率(以下、ペイ・レシオ)の開示等をCGコードで求めること。

ペイ・レシオ : ペイ・レシオ(Pay ratio)とは、企業における役職員間の給与水準の格差を示す指標である。日本においては馴染みのない指標だが、欧米においては、経営者報酬の高騰に伴い、従業員との格差是正の観点から注目を集めている。

役員報酬については、英国の投資家の間でも「業績が悪い時でも通常通り報酬を払おうとするなど、役員報酬の問題はここ数年どんどんエスカレートしており、たとえ株主からの抗議や反対があっても効き目がない」といった声が聞かれるようになった。改定案では、「経営者は、役員報酬議案に対し20%以上の反対があった場合は、株主のメッセージをどのように理解したかを示すとともに、しかるべき対策をとり、それを株主に説明する」よう求めることなどが提案されている。現時点ではその効果のほどは定かではないが、CGコードがここまで求めれば、経営者としても何らかの対応は必要になろう。少なくとも“経営者の意識改革”という効果は期待できるかもしれない。

③CGコードの適用対象を小型企業、非上場企業にも広げること。

コード改定案では「プロビジョン」と呼ばれる補足項目(FRCは“ベストプラクティス”と表現)を削り、より原則主義的(プリンシプルベース・アプローチ)にしたが、これについて現地の投資家は「小型企業や非上場企業へのCGコード適用をにらみ、より自由度を高くしたもの」との見方を示している(一方で、「小型企業のためには、より多くの解説(補助項目)が必要」と指摘する声もある)。また、これまでFTSE350企業にのみ求められていた外部評価機関による(3年に1回の)取締役会の実効性評価を全企業に求めることも提案されている。

プリンシプルベース・アプローチ : 大まかな原理・原則だけを定め、細かな運用は現場の判断に任せるという規制方法のこと。プリンシプルベース(原則主義)の反意語は「ルールベース(細則主義)」である。
FTSE350 : ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位350銘柄による時価総額加重平均型の株価指数

ところで、実はFRCは、①の「Guidance on Board Effectiveness」の改定を2年前から予告していた。その頃からCGコードの次の課題を特定するため、リサーチや、投資家・企業等関係者を集めたディスカッションを通じ、今回の結論にたどり着いていたのである。したがってFRCにとっては、①の対応を行うことは政府から勧告を受けるより先に決まっていたことであり、継続して議論してきたことの延長線上でのアクションに過ぎない。この対応は投資家等からも支持されているようだ。

FRCによる今回のコンサルテーションは2月末で締め切られ、6月頃には結果が公表される。以上のように、英国でも日本と同時にCGコードの改定に向けた議論が行われているが、両国においては、いくつか共通する課題もあるようだ。例えばこれまでの日本のCGコードの改定議論では、「小型企業にはCGコードは必要ないのでは」という意見が聞かれたが、逆に英国は今回、CGコードの適用対象を小型企業、非上場企業にも広げようとしている。そもそも個人投資家を多く抱える日本の株式市場においては、小型企業のガバナンスも重要と言えるだろう。今回の英国の取り組みは日本での議論を再考するのに役立つかもしれない。また、日本でも繰り返し議論されてきた「株主の声を聞く必要性」については、今回の英国CGコードの改定で役員報酬について検討される「20%以上の反対があった場合の対応」は参考になるのではないだろうか。日英で同時にCGコードの改定が進むこの機会に、英国での議論に耳を傾けることは有益と言えそうだ。

参考:今回の日本のCGコード見直しのテーマ
※「論点」を基に、上場会社役員ガバナンスフォーラムが作成
原則5-2(経営戦略や経営計画の策定・公表)に、経営資源の配分等の例として、設備投資・研究開発投資・人材投資等の判断が含まれることについて示すことなどが考えられるか。
CEOの選任の手続について、新たに補充原則を設けることが考えられるか。
CEOの選解任に際しての独立した指名委員会の関与について、補充原則4-10①(監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であっても、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合には、独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名諮問委員会、報酬諮問委員会を設置することを求めるコード)の内容を見直すことが考えられるか。
後継者計画や後継者候補の育成について、補充原則4-1③(取締役会に、最高経営責任者等の後継者計画の監督を求めるコード)の内容を見直すことが考えられるか。
原則3-1(情報開示の充実)において、CEOの選解任についても、開示内容に含めることが考えられるか。
補充原則4-2①(経営陣の報酬について、中長期的な業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべきとするコード)における経営陣の報酬制度の設計及び報酬額の決定の手続について、コードの内容を見直すことが考えられるか。
補充原則4-10①(監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であっても、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合には、独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名諮問委員会、報酬諮問委員会を設置することを求めるコード)において、経営陣の報酬決定に際しての独立した報酬委員会の関与について、コードの内容を見直すことが考えられるか。
原則4-11(取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件)に、監査役等が適切な知識・経験・能力を有すべきことについて、コードに盛り込むことが考えられるか。
原則1-4(いわゆる政策保有株式)に、個別銘柄の保有の適否の検証や、縮減に関する方針・考え方等を政策保有に関する方針に含めることなどを盛り込むようコードの内容を見直すことが考えられるか。また、政策保有株主による当該株式の売却等の申入れに際して留意すべき点をコードに盛り込むことが考えられるか。
原則1-7(関連当事者間の取引)が政策保有株主との取引についても当てはまることを明確化することが考えられるか。

2018/02/19 一橋大学・商学研究科の円谷昭一先生が作成した「3月末日決算の全上場企業」に対する国内全機関投資家による「議決権行使結果の個別開示」結果の データ(アップデート版)をエクセルでご提供いたします。

2017年9月28日のお知らせコーナーでもお伝えしたとおり、当フォーラムでもご講演・ご執筆いただいている一橋大学・商学研究科の円谷昭一先生が、3月末日決算の全上場企業(*1)について、国内全機関投資家(*2、3)による「議決権行使結果の個別開示」のデータをとりまとめました。

*1 3月末日決算の全上場企業を収録しています。決算日が3月末日以外の上場企業は収録しておりません。
*2 機関投資家については、円谷先生が把握している個別開示した国内機関投資家のすべてを収録しています。
*3 株主総会で投票がなかった(報告事項のみ)企業は含まれておりません。投資家側も、7月以降の総会から個別行使結果の開示を始めた投資家などは空欄となっております。

円谷先生のご厚意により、そのアップデート版のデータを当フォーラムの会員の方にエクセルでご提供させていただきます。データをご希望の方は当フォーラム事務局までご連絡ください。

データのサンプルはsample.pdf をご覧ください。
sample.pdf